頼もしい若者達

今日は江古田稽古でした。

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夕方から小学生、中学生、高校生、東京芸大と日本女子大の大学生達が次々とやって来ました。

合計6人の小〜大学生を稽古したことになります。

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大学生達は皆1年生で、後期試験がちょうど終わったところだそうです。

大学生活最初の1年が無事に終わって、皆晴れ晴れとした顔に見えました。

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そのうち東京芸大の青年は、去年の今頃はまだ芸大の受験曲ばかり稽古していました。

その頃が遠い昔のように感じられます。

まだ修行は始まったばかりですが、この1年で多くの経験をして、確実に一回り成長しました。

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また幼稚園から稽古をしている女の子は、もう高校3年生になり、今まさに大学受験真っ只中なのです。

センター試験は無事に終わったそうで、先ずは安心しました。

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まだ二次試験があるのに稽古に来たのは、実はある大学の試験の一部に能楽を使うからなのです。

力を出し切れるように、これから1カ月間で作法を含めてしっかりと稽古したいと思います。

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小さな頃から稽古して来た若者達が、成長して自分の力で道を切り拓いていく姿は、とても頼もしく見えました。

松本の雲海

今週は目まぐるしく気候が変わり、予想外の景色を見てばかりいる気がします。

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今朝の松本では、雲海の上に浮かぶ北アルプスが見られました。

撮影の腕が足りず、実際の荘厳な雰囲気をお伝え出来ず申し訳ございません。。

しかし松本でこういうスケールの大きな雲海を見るのは初めてでした。

この後すぐに、また山は雲に覆われてしまいました。

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東京に戻ると、早速江古田で郁雲会の皆さんの舞囃子と仕舞の稽古をしました。

そして田町に移動して、夜までみっちり稽古いたしました。

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今年も早ひと月が過ぎようとしております。

そして3月7日の郁雲会澤風会の舞台も近づいて参りました。

ここから徐々にエンジンをかけて、本番に向けて盛り上げていきたいと思います。

トンネルを抜けるとそこは…

昨日松本から東京に戻って、国立能楽堂の稽古会にて袴半能「石橋」の地謡を勤めました。

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そして今日また別の仕事で松本にとんぼ返りしたのです。

ちなみに一昨日のブログに載せた写真がこちら。

塩尻の手前くらいの松本平です。

晴天でした。

北アルプスの上の方だけが雪を被っていますが、平地には全く雪は見られません。

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そして今日、諏訪からトンネルをくぐって松本平に出て、ほぼ同じ位置で撮った写真がこちらです。。

なんと1日で一面の雪景色になっておりました。

このような経験をすると、”自然の力の気まぐれさ”のようなものを改めて実感します。

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私の乗った特急あずさは雪による倒木の影響で15分遅れで松本に到着しました。

今日はまた一昨日とは別の方々に、能楽の魅力をお伝えして参ります。

能楽を通じて結ばれた御縁

昨日の松本ワークショップはおかげさまで無事に終了いたしました。

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60人のお客様のうちの多くは、実は見知ったことがある方々でした。

松本澤風会会員さん、そのご家族、そして以前に稽古されていた方、またそのご家族など。

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それらの皆さんは、10年の時をかけて松本澤風会稽古を通じて御縁が出来た方々なのです。

ワークショップをしながら見知ったお顔、懐かしいお顔を見つけるたびに、感慨深い気持ちになりました。

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ワークショップの途中の休憩時間に、私はひとりの記者の方に声をかけられました。

なんとその記者さんは、8年前まだ稽古を始めて間もない頃に、松本澤風会新年会の記事を書いてくださった方でした。

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そして当時、その記事をタウン情報紙で読んだ1人の男性が新年会に来てくれました。

彼は私の京大時代の知人で、金春流太鼓を長く稽古している人でした。

そしてすぐに彼が太鼓の稽古場を開設することになり、松本澤風会と密に連携しながら、この8年間で松本の能楽の裾野を広げてきてくれたのです。

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記者さんは今度は太鼓の稽古場を取材してくださるとのこと、またその記事が元で御縁が繋がっていくと良いです。

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今回のワークショップでは、また新しい方とも何人もお知り合いになれました。

こうして松本で能楽を通じた御縁を広げていって、やがて能楽堂建設へ、さらにこの地が能楽の大きな拠点のひとつになることを目指していきたいと思います。

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昨日のワークショップに関わった皆様、そしていらしてくださった皆様まことにありがとうございました。

今後もどうかよろしくお願いいたします。

松本能楽堂建設に向けたワークショップ

今日は松本稽古で、今特急あずさで松本に向かっております。

しかし今回は稽古の前にもうひとつ重要な仕事があります。

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「松本に能楽堂を!」

という悲願を達成するための一歩として、松本城近くの老舗ホテルにて能楽ワークショップを開催するのです。

地元の方を中心に60人ほどの方々が集まると伺っております。

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主催者側は、私以外に「琥珀の会」シテ方囃子方メンバーが地元松本、東京、京都、そして浜松から集合してくれます。

そして松本澤風会で稽古している開智小学校の子供達も、仕舞を舞ってくれるのです。

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仕舞と舞囃子の実演。

型や謡の体験。

それらを通じて能楽の魅力を発信するだけでなく、

「松本能楽堂建設」に向けたPRをすることが求められる重要なワークショップです。

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途中の山梨県内は一面の銀世界でしたが、幸いに松本市内は晴天に恵まれました。

60人のお客様の良い反応が得られるように、精一杯勤めたいと思います。

南海電車の混雑

今日は大阪の堺能楽会館にて開催の「羽衣学園能楽鑑賞会」に出演して参りました。

私は能「通小町」の地謡を勤めました。

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朝に東京を出て、電車を乗り継いで最後に「南海なんば駅」から堺に向かう南海電車に乗りました。

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その時に、南海なんば駅が意外に混んでいるなあと思いました。

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そして舞台が終わって、夕方に帰りの南海電車に乗ろうとして驚きました。

車内がとても混んでいて、ほとんど満員状態だったのです。

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よく見ると大半の人がアジア系観光客で、それぞれ大きなトランクを持っており、それも混雑に拍車をかけているようでした。

そこで、「ああ、今は”春節”の期間なのか」

と気がつきました。

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調べてみると正に今日1月25日が今年の”春節”にあたり、昨日から春節の連休が始まっていたようなのです。

大挙して関西空港に到着した中国からの観光客が、南海電車で大阪方面に移動するところに乗り合わせたということなのでしょう。

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この春節連休は来週木曜日まで続くようです。

新型肺炎の心配なニュースが流れていますが、特にこの連休期間中はマスクや手洗いなどの予防を徹底したいと思っております。

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雪の少ない青森

昨日は青森稽古で、私は日が暮れてから青森駅に到着しました。

この冬の時期には、駅前の青森港周辺がライトアップされます。

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そのライトが、雪だるま型をした”雪だるま〜る”という提灯で、中々可愛らしいのです。

今年も見に行ってみました。

やはり港の周りには”雪だるま〜る”がたくさん並んでいます。

しかし今年はその背後に見慣れないものがありました。

港の大規模な再開発事業が行われていて、クレーン車やパワーショベルなどの巨大な重機が何台も置かれていたのです。

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再開発が終わると、青森港はどんな姿になるのでしょうか。

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そして今年の青森はやはり雪がとても少ないです。

私が7年前の冬に初めて稽古に来た時には、駅前でも2m近く積雪があったのに、昨日は上の写真程度しか雪がありませんでした。

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雪が無いのは地元の人には有り難いことなのでしょう。

しかし春先の雪解け水が少ないと、農家の方々は困ってしまうということです。

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やはり冬にはある程度雪が降る方が良いのだろうなあ…と思っていると…

今朝の青森は雪になりました。

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昨日とは打って変わって、寒々とした冬の東北らしい景色の中を、帰りの新幹線で東京に向かったのでした。

数十年ぶりの”牛若丸”

今日は亀岡での新年会に参加して参りました。

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最後の満次郎師の番外仕舞が「橋弁慶」で、私は”牛若丸”の役を仰せつかりました。

この橋弁慶の牛若丸は、実は私にとっての初役(生まれて初めて演じる役)でした。

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本来なら”牛若丸”は子方が演じる役です。

私はまだ小学生の時に、能「船弁慶」と能「鞍馬天狗」の子方を勤めたことがあります。

ちなみに船弁慶の子方は義経、鞍馬天狗の子方は牛若丸の役でした。

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そして今回、数十年ぶりの”子方”がやはり牛若丸。

これもひとつの御縁なのかと思い、なにか新鮮な気持ちで勤めさせていただきました。

動きは「十二、三ばかりなる小男」に見えたかどうか定かではありませんが。。

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子方は中学生の頃に卒業するものですが、今後もこうした珍しい機会があればまた頑張って勤めてみたいものだと思います。

隙間花壇〜2年ぶりの春へ〜

今年は全国的に暖冬のようです。

昨日の大山崎新年会も、すでに春を感じるような暖かな陽気の中で行われました。

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とは言え季節はまだまだ大寒を迎えたばかりの真冬です。

東京三ノ輪の私の自宅マンション横にある「隙間花壇」も、今はほとんど彩の無い地味な冬の佇まいを見せています。

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…しかし、オシロイバナが枯れた後のスペースを覗いてみると、「ツツジ」が元気に育って来ていました。

去年の春にはマンション大規模改修工事の影響で、一輪の花も咲かせることが出来なかった隙間花壇のツツジです。

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その後の夏にはオシロイバナに覆われてしまい、このまま枯れてしまうのでは…と心配したほどだったのです。

それが今着実に勢力を増して、よくよく見ると…

新芽のような緑も顔を出していました。

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果たして今年は2年ぶりに花を咲かせてくれるのか、それとも去年一輪も咲かなかった影響で今年も開花しないのか…?

春に向けて、「隙間花壇」のツツジに注目しつつ「頑張れよ!」と心の中で声をかけ続けようと思います。

2020年大山崎新年会

今日は大山崎稽古場の新年会でした。

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稽古場の宝寺で「羽衣」を一曲全員で謡った後に、毎年恒例の鍋の準備に取り掛かりました。

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鍋の中身は豚肉とレタスのみ。

お湯に日本酒をたくさん足して煮立たせます。

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取り皿には大量の大根おろしとネギ、そこにポン酢と”カンズリ”という新潟の発酵調味料を入れて食べるのです。

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私は毎年新年にこの鍋を食べ続けて、もう15回目になります。

大根は会員さんが畑で丹精込めて作ったもので、毎年大変美味しいのです。

本当は他の野菜も育てていたのに、今年は収穫前に2頭の猪に全部食べられてしまって、大根だけが無事だったとのことです。。

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鍋を食べながら色々なお話をしましたが、中で特に嬉しい話題がありました。

最高齢で今年90歳になる方が、

「今年の澤風会15周年の時には、ちゃんと座って仕舞を始めることを目標にします」

と仰ったのです。

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その方は数年前に膝を痛められて、それ以来仕舞は立ったままで、それでも毎年必ず舞台に立ってくださっているのです。

そして宝寺に向かう急坂もまた必ずご自分の足で登って稽古に来られます。

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そうやって足を鍛えて、今年9月の澤風会15周年大会では「下ニ居」をしてから仕舞を始める、と宣言されたのです。

一同感服して拍手を送ったのでした。

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そして去年2月から新たに稽古を始めた方も、今回から新年会鍋に参加されました。

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大山崎稽古場は、例年にも増して活気に満ちた一年のスタートになりました。

私も一層頑張って稽古させていただこうと決意して、もりもりと鍋をいただいたのでした。