隙間花壇と天王祭

今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」が開催されました。

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水道橋に向かおうと三ノ輪の自宅マンションを出て、いつものように「隙間花壇」の前を通り過ぎました。

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マンション大規模改修工事で殆ど枯れてしまい、ひと塊りだけ生き残った「ツツジ」が中央少し上に見えます。

残念ながら花は咲きませんでしたが、来年こそはまた勢いを取り戻してほしいものです。

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…ところがよく見ると、下方から「オシロイバナ」がめきめきと育ってきています。

このままいくと、「ツツジ」の生き残りが「オシロイバナ」に埋まってしまうのではないかと、ちょっと心配になりました。。

今後の経過を見守りたいと思います。

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次に目についたのは…


「ガクアジサイ」でした。

こちらも改修工事の影響か、去年よりも花は遅めです。

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…そしてもう一つ、去年は違う”異変”に気がつきました。

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花の色です。

去年までは確かに毎年青い花でした。

因みに下の写真が去年のアジサイです。


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それが今年は急に赤い花に。

土壌の質が変わったのでしょうか。

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何となく私には、アジサイが「この柵は邪魔だなあ!」と怒っているようにも、また「今年はやけに育ちづらいけれど、頑張って咲くぞ!」と力を入れているようにも見えました。

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そして駅の方へと歩いていくと…


何やら沢山の風船を持った行列が見えて来ました。

親子連れが多いような…。

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そしてその行列の後ろから…


なんと子供達が乗って太鼓を叩いている可愛らしい「山車」がやって来たのです。

今日は”素戔嗚神社の天王祭”の日でもあったのでした。

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去年の天王祭では、大人達の勇壮な「神輿振り」に偶然行き合いました。

今年は可愛い子供山車と出会った訳です。

この子達が将来あの大人神輿を豪快に振りながら練り歩くようになるのだろうと、何か頼もしい気持ちになりつつ、地下鉄日比谷線の駅へと急いだのでした。

隙間花壇〜よその散りなん後にこそ〜

今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」が開催されました。

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その月並能に行くために三ノ輪の自宅を出て、いつものように「隙間花壇」を通り過ぎました。


今はちょうど花が咲いていなくて、緑一色に見えます。

しかし、実は私には気になる”緑”がありました。

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何度も書いていますが、自宅マンションの大規模改修工事の為に、「隙間花壇」にも足場やフェンスなどが設置されています。

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その影響を最も大きく受けたのが、おそらく「ツツジ」だと思われます。

毎年ゴールデンウィーク前には、ツツジが満開になっている「隙間花壇」。

それが、今年は残念なことに一輪も咲いてくれませんでした。

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そして今年のツツジはどうなっているのかと言うと…

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この中央部の一握りの僅かな葉っぱだけが「隙間花壇」の今年のツツジの”生き残り”なのです。

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この先にもしかすると一輪でも花を咲かせてくれないものかと、前を通るたびにしげしげと観察するのが最近の日課になっています。

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全国色々な場所で華やかに咲き乱れるツツジを見ましたが、今年の私には、花の咲かないひと枝だけのツツジが最も気になっているのです。

隙間花壇から亀岡へ〜強い生命力〜

今日は亀岡稽古でした。

朝に三ノ輪の自宅を出て、いつものように「隙間花壇」の前を通りかかると…

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見落としてしまいそうな程に小さな「虞美人草(ヒナゲシ)」が一輪だけ咲いているのに気がつきました。

例年はもっとたくさん咲くのですが、今年はマンション改修工事の影響で植物達が育ちにくいようです。。

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それでも頑張って咲いてくれたこの花は立派です。応援したくなります。

今年を乗り切って、来年からはまた思う存分に咲き誇ってほしいものです。

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そして亀岡に移動すると、こちらは春の花が無数に咲き乱れていました。

撮影が追いつかない程で、目についた数種類を紹介させていただきます。

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これは「ヒキノカサ」という変わった名前の植物です。

花を「蛙(ひき)の傘」に見立てた名前だそうですが、1〜2㎝ほどの小さな花で、傘にしても蛙は雨に濡れてしまいそうに見えました。

京都府内では一時”絶滅種”とされていた貴重な植物だそうです。

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これはおそらくマムシグサの一種かと思い調べてみると、「ユキモチソウ」という植物でした。

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花の真ん中から真っ白いお餅のようなものがニョキッと顔を出しています。


これが「雪のように白いお餅」に見えるので「雪餅草」と名付けられたそうです。

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また筒状の花に見えるのは花ではなく葉の変化した”苞(ほう)”というもので、サトイモ科の植物では仏像の光背になぞらえて「仏炎苞」という有り難い名前で呼ばれるそうです。

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群青色の星のような花を見つけました。

これは「ホタルカズラ」と言い、草叢に点々と咲く花を蛍に例えた名前だそうです。

美しい名前のこの植物も、やはり多くの府県で絶滅危惧種に指定されているということです。

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初めて見る花に加えて、毎年会えるのを楽しみにしている花もありました。


「ムレスズメ」です。

今回はいつかの”返り咲き”ではなく、ちゃんとスズメの大群のようになって咲いていました。

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そして「コノハナザクラ」です。

ヤマザクラの八重咲き品種であるこの桜は、野生種は日本に僅か4本しか存在しないとか。

見頃は過ぎていましたが、何とか花に間に合いました。

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マンション工事の影響に負けずに咲いた隙間花壇の「虞美人草」。

そして絶滅の危機を乗り越えて咲き続ける亀岡の花々。

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今日東西で出会ったそれらの花々からは、いずれも「強い生命力」を感じて印象に残りました。

隙間花壇〜隙間の隙間から〜

少し前にも書きましたが、三ノ輪の自宅マンションは今大規模な改修工事に入っています。

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今朝「隙間花壇」の前を通りかかると、下のような有様になっていました。

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足場とフェンスで、ますます”隙間”が無くなっています。。

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ちなみに昨年2月の写真がこちらです。


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そして今朝似たアングルで撮影した写真がこちら。


ただでさえ陽当たりの悪いのが、たくさんのフェンスで一層遮られてしまっています。

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しかし、良く見ると…


フェンスとフェンスの間から紫陽花の芽が萌え出ています。

やがては網目の間からも顔を出して来そうに見えました。

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改修工事は夏まで続くようなので、隙間花壇の躑躅や紫陽花の花がちゃんと咲いてくれるかちょっと心配です。

でもきっと力強く咲いてくれると思うので、また花の季節が来たら経過をご報告させていただきます。

隙間花壇〜遅咲きの梅と早咲きの桜〜

今日は伊豆の大仁での稽古でした。

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午後に家を出ましたが、久しぶりの晴れ間で嬉しくなりました。

気持ち的にも、昨日澤風会郁雲会の申合が終わって若干余裕が出てきました。

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そこで行き掛けに、これもちょっと久しぶりに自宅マンション横の「隙間花壇」をじっくり覗いてみました。


最近マンションの大規模な改修工事が始まり、「隙間花壇」の辺りに足場が組まれたりして心配していましたが、どうやら草木は無事のようです。

そして…

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短い時間しか差し込まない日光を懸命に吸収して、梅の花が開いていました。

亀岡で見た一番早い梅と比べると、3週間程も遅い開花だと思います。

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紫陽花の新芽も出ていて、ようやく「隙間花壇」にも華やかな季節が巡ってきたようです。

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嬉しくなって伊豆に移動して、夜まで稽古しました。

終わって伊豆箱根鉄道の駅まで来たところで、ちょうど三島行きの電車が行ってしまいました。。

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いつもなら残念に思うところですが、今日は次の電車までの15分で探したいものがあったのです。

駅から適当に道を歩いて、ほんの1〜2分でそれを見つけました。

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民家の庭先に、早咲きの桜「河津桜」が咲いていたのです。

しかもライトアップまでされていました。

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既に葉も出始めており、散りかけギリギリの時期だったようです。

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同じアングルでフラッシュを焚くと、立体感が出て花の色が濃くなりました。

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今年もまた桜に出会えたことをしみじみと幸せに思いつつ伊豆箱根鉄道に乗り込んだのでした。

“遅咲きの梅”で始まって”早咲きの桜”で締めくくる1日になりました。

春はもうそこまで

今日から全国で国立大学の入試が始まるというのに、東京は朝から中央線総武線が停電事故で止まってしまいました。

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この事故で28万人に影響が出たとニュースでやっており、その中には受験生も大勢いたことでしょう。何もこんな日に…とやり場の無い憤りを感じてしまいました。

受験生の皆さんは様々な困難をどうか乗り越えて、最善を尽くしてほしいと祈っております。

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三ノ輪の自宅マンション敷地内にある「隙間花壇」では、日当たりの悪い中でも梅の蕾が膨らんでいました。もう数日で開花すると思われます。

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松本稽古に向かう中央本線の特急あずさから見える八ヶ岳は、雪がほとんど無くなりました。

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春は確実にもうそこまで来ています。

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今春京大に入学して宝生会に入ってくれるはずの人達も、今まさに試験会場で闘っているのでしょう。

繰り返しですが、受験生の皆さん最善を尽くして良い結果が出るように、心から祈っております。

亀岡の花々・隙間花壇〜花実の時を違えず〜

「隙間花壇」のコーナーがすっかりご無沙汰になってしまいましたが、ちゃんと去年同様に夜には”オシロイバナ”がたくさん咲いており、また今朝は亀岡稽古の行きがけに真っ赤な”ヒガンバナ”が咲いているのを見つけました。


「草木心無けれども、花実の時を違えず」という謡の通り、ちゃんと昨年と同じ時期に顔を見せてくれました。

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その後亀岡に移動して稽古場に到着すると、こんな光景が目に入りました。


先日の台風21号の影響で、何十本という木が倒れてしまったそうなのです。

中には100年近い樹齢の木もあったとか。

痛々しい光景でした。

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そして去年ブログで書いた、渡りをする蝶”アサギマダラ”がやって来るという”フジバカマ”の花が今年も咲き始めていました。


何ヶ所かの”フジバカマ”を見てみたのですが、”アサギマダラ”はまだ時期が早かったのか見つかりませんでした。

これから来ると思われますが、「もしかしたら台風の影響を避けて、関西を迂回して渡ってしまった可能性もある」と聞きました。

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今年の異常気象は、蝶や鳥の渡りにも影響するのかもしれません。

アサギマダラがこの秋も無事に南国への旅を終えてくれるように、ただ祈るのみです。

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今回は新しい花を探す時間があまりありませんでした。

急いで探したのがこちら。


これは「イヌショウマ(犬升麻)」です。

食用になる「サラシナショウマ」に似ているけれど異なるので、「非升麻(イナショウマ)」から訛って「イヌショウマ」になったという、ちょっと可哀想なネーミングの花です。

花自体は白とピンクが混じった綺麗な色どりでした。

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熱帯植物園の中に鮮やかな花を見つけました。


これは「ショウキズイセン(鍾馗水仙)」という植物で、ヒガンバナの仲間だそうです。

黄色いヒガンバナがあると最近聞いたばかりなのですが、これがそうなのでしょうか。

写真は私の好きな田中一村の絵にありそうな構図になりました。

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今日はこれにて失礼いたします。

次回の亀岡稽古はもう10月半ばになるので、季節はだいぶ移ろっていることでしょう。

またその折の花をご紹介したいと思います。

隙間花壇〜梅雨入りの頃〜

今日は近畿から関東まで一気に梅雨入りしたようです。

思えば去年の梅雨入りの頃には、明け方の大きな雷で起こされたりしていました。

今年の梅雨は今の所、しとしと雨のおとなしい感じですね。

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喉を出来るだけ使わないように、昨日の亀岡稽古から帰った後は家から出ずに一言も口をきかずに、蜂蜜を舐めながら先ほどまで過ごしました。

何やら「くまのプーさん」になったような気分で、夜の田町稽古に向かおうと家を出ると…

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隙間花壇のガクアジサイがしとしと雨に濡れて、如何にも梅雨らしく咲いていました。

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しかしよく見ると、地面近くには違う花も見られます。

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なんと、もうオシロイバナが咲いていました。

紫陽花と白粉花の競演。

春が過ぎて、また暑い夏に確実に向かっていることを教えてくれました。

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「うりずん」の頃

昨日の雨から一転して、今日は朝から晴れ上がりました。

江古田稽古の行き掛けに「隙間花壇」を通ると、紫陽花の葉がすっかり繁っていて、地面にはオレンジ色の「虞美人草」もたくさん咲いていました。


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沖縄には冬と夏の間に「うりずん」という季節があるのをご存知でしょうか。

「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源とされている言葉です。

沖縄の短い冬が終わって暖かくなり、草花が咲き出して大地を一斉に潤していく3月から4月にかけてが「うりずん」と呼ばれるそうです。

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今日の東京の陽気は、何となくこの「うりずん」に当たるように思えました。

そして、最近謡でもこのような内容を聞いたような…と思い起こしてみると、思い出しました。

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能「雲林院」の冒頭でワキ公光が「花の新たに開くる日 初陽潤えり」と春の陽気を謡っているのです。

「花・初・潤」と揃って、これは正に「うりずん」を謡にしたように感じられます。

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この謡は「和漢朗詠集」にある菅原文時の「春色雨中深」という漢詩が元になっています。

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少し調べたところ、また大変興味深い事がわかりました。

「うりずん」という言葉が最初に出てくるのは、「おもろさうし 」という沖縄最古の歌謡集です。この「おもろさうし 」が編纂されたのが16〜17世紀頃。

そしてこの頃までには「和漢朗詠集」などの本土の古典が琉球に持ち込まれて、琉球の歌や詩に影響を与えていたそうなのです。

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ということは、可能性として「春色雨中深」という漢詩の「初陽潤えり」という言葉が「うりずん」の語源になったということも有り得るのです。

あくまでも可能性ですが、ひとつの漢詩が一方で能楽に、もう一方で沖縄の季節を彩る言葉になったとしたら、これも雄大なスケールの話だと思うのです。

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…因みに、私が「うりずん」という言葉に初めて出会ったのは、ダイビングによく行っていた頃のことです。

那覇の安里という所に、その名も”うりずん”という大変素晴らしい沖縄料理屋さんがあって、沖縄に行くと何を置いても通っていたのです。

もう久しく行っていませんが、今でも「うりずん」の頃になると”うりずん”を懐かしく思い出します。

隙間花壇〜春から初夏へ〜

東京の桜は早くも散りかけになりました。

気温も一気に上昇して、まるで初夏の陽気です。

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隙間花壇の紫陽花の葉も、だいぶ大きくなりました。


そして、地面近くに咲く白い花を見つけました。

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「シャガ」の花です。

シャガも「ヒガンバナ」と同様に、大陸から伝来した植物であり、遺伝的に全国すべて同じものだそうです。

京都の山中でもよくこの花を見かけましたが、シャガは人間によって植えられたもので、以前に集落があった場所の目印になるということです。


まだ蕾がたくさんあり、これから次々と咲くのでしょう。

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ちなみにこのシャガの葉っぱを、能では小道具としてよく使用します。

能「敦盛」、能「項羽」では、草刈男が肩に担いでいる草が「シャガの葉」を束ねて竹に挟んだものです。

また能「芦刈」では、やはりシャガの葉を竹に挟んだものが「葦の葉」を表すのです。

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さらに隙間花壇に何か咲いていないか見回してみると…


紫陽花の奥の方に、低木に咲く白い花を見つけました。

しかし道路からではちょっと遠くて写真に撮りにくいです。

ここはひとつ、裏から回って隙間花壇の「隙間」に入ってみようと思い立ちました。

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自宅マンションの裏手の自転車置き場から、隙間に入ることが出来ます。

初めて入る「隙間花壇」。ちょっとドキドキします。


これが「隙間花壇」の内側です。

ほとんど日が差さず、ひんやりした空間です。

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例の低木には、薄い花びらの白い花が控え目に咲いている印象でした。

またよく見ると、黒い実がいくつか付いています。


調べたところ、これは「シロヤマブキ」という植物でした。

花や実のついた枝は、茶花にも用いられるそうです。

「山吹」と姿が似ているところから名付けられましたが、全くの別種だとのこと。

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シロヤマブキの下には、シャガがたくさん咲いていました。


シャガもシロヤマブキも、半分日陰のような場所を好む植物だそうで、やはり「隙間花壇」の主は、様々な植物の特性を考えて植えておられるのだなあと感心いたしました。