隙間花壇〜物語は続く〜

「隙間花壇」。

三ノ輪の自宅マンションと隣の建物の隙間に、様々な四季の花の咲く不思議な空間があり、私は日々その前を通るのを楽しみにしていました。

最近では、「ツツジ」の花が2年ぶりに咲くかどうか、その成長を見守る毎日でした。

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しかしちょうど1ヶ月前の4月初めのこと。

いつものように「隙間花壇」の前を通りかかった私は目を疑いました。


なんということか、「隙間花壇」は工事で掘り返されて跡形も無くなっていたのです。。

マンション1階のレンタカー店が閉店することになり、たしかに昨日は終日工事の音が響いていました。

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何年もの間その様子を見続けて、今では私の日常の欠かせない一部となっていた「隙間花壇」と、このように呆気なくお別れしなければならないとは…。

コロナウイルス禍で滅入る心に追い討ちをかけるようなショッキングな出来事でした。

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そしてそれ以来、今度は「隙間花壇」の跡を通る度に立ち止まって溜息をつく日々でした。

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ところが。

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昨晩いつものように「隙間花壇」の跡で溜息をつこうとした私は、再び目を疑ったのです。


夜目にも、あの「隙間花壇」の佇まいが戻っているのがわかりました。

夢かと思いました。

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明けて今日、改めて見に行ってみました。

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やはり多少のレイアウトの違いはあれど、あの「隙間花壇」の植物達が帰ってきていました。

推測ですが、「隙間花壇」の管理人であるパン屋さんのご主人が、工事のことを聞いて植物達を何処かへ避難させていたのでしょう。

そして工事が完全に終わったのを見定めて、再び植え直したのだと思います。

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「紫陽花」。

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紫の花が咲く「ツルニチニチソウ」。

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そして「ツツジ」もちゃんと戻ってくれていました。

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他の場所では、すでに春から初夏の花々がたくさん咲き誇っています。

引き換え「隙間花壇」の植物はこれからようやく根付いて成長を始めるところです。

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まるで周回遅れでスタートしたランナーのようですが、この先もその成長を見続けられる喜びをかみしめながら、遅咲きの花々を待ちたいと思います。

隙間花壇〜応援したい花々〜

今日は朝から渋谷のセルリアン能楽堂にて「尚月会」の申合でした。

「尚月会」は七葉会の仲間である東川尚史君のお社中会で、今回が5周年記念になるそうで誠におめでたいことです。

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舞囃子がたくさん出て、京都女子大宝生会OGでもある奥様も、舞囃子「船弁慶」で元気一杯に長刀を振り回していました。

日曜日の本番は、仕舞や素謡も多く出るので更に賑やかな舞台になることでしょう。

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その申合への行き掛けに「隙間花壇」をのぞいてみると、隙間花壇では今年初めてとなる「梅」が開花していました。


隙間花壇は陽の当たる時間が限られているので、開花の時期が遅く、枝振りも小さめな梅です。

しかしその分、懸命に咲いているように見えて応援したくなるのです。

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難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花

という、能「難波」のシテ王仁の詠んだ有名な歌が思い出されました。

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そして今年の隙間花壇で応援したいと言えば「ツツジ」です。


前回見た時よりも、若い芽が着実に育っていました。

この分ならば2年ぶりの「ツツジの花」が見られそうです。

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能「難波」の中には、「梅は春になるとどの花よりも1番早く咲くので、”花の兄”とも言われる」という謡も出てきます。

隙間花壇においても、”花の兄”である梅がいち早く咲いてくれた訳です。

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その梅を皮切りにして、今年もこれから様々な花たちが「隙間」を彩っていくことでしょう。

隙間花壇〜2年ぶりの春へ〜

今年は全国的に暖冬のようです。

昨日の大山崎新年会も、すでに春を感じるような暖かな陽気の中で行われました。

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とは言え季節はまだまだ大寒を迎えたばかりの真冬です。

東京三ノ輪の私の自宅マンション横にある「隙間花壇」も、今はほとんど彩の無い地味な冬の佇まいを見せています。


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…しかし、オシロイバナが枯れた後のスペースを覗いてみると、「ツツジ」が元気に育って来ていました。

去年の春にはマンション大規模改修工事の影響で、一輪の花も咲かせることが出来なかった隙間花壇のツツジです。

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その後の夏にはオシロイバナに覆われてしまい、このまま枯れてしまうのでは…と心配したほどだったのです。

それが今着実に勢力を増して、よくよく見ると…


新芽のような緑も顔を出していました。

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果たして今年は2年ぶりに花を咲かせてくれるのか、それとも去年一輪も咲かなかった影響で今年も開花しないのか…?

春に向けて、「隙間花壇」のツツジに注目しつつ「頑張れよ!」と心の中で声をかけ続けようと思います。

隙間花壇〜ショートカット〜

昨晩のことですが、三ノ輪の自宅マンション横の「隙間花壇」の前を通りかかると、夜目にもいつもよりスッキリとした外観に見えました。

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今日改めて見に行ったところ…


やはり全体的に葉っぱの量が減って、随分と風通しが良くなっています。

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どうやら「隙間花壇」を管理しているパン屋のご主人が、「紫陽花」の葉の剪定をしたようです。

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地面に近いところまで剪定されており、上から覗いたところで思わず「おお…!」と声を出してしまいました。


7月11日に見た時には「オシロイバナ」の葉に埋もれそうになっていた「ツツジ」。

その「ツツジ」が、地面近くに何株もひっそりと生き残っていたのでした。

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今年は改修工事の影響でツツジの花を見ることは出来ませんでしたが、これならば来春には必ず再び花を咲かせてくれることでしょう。

楽しみがひとつ増えました。

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そして「オシロイバナ」も毎日夕方になると沢山の花が開き、早くも黒い種子をつけているものもありました。

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いよいよ本格的な猛暑が始まりましたが、「隙間花壇」はショートカットにイメージチェンジした人のように、少し軽やかで涼しげに見えたのでした。

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また何か変化があればご報告いたします。

隙間花壇〜ようやく元の姿に〜

長くかかった三ノ輪の自宅マンションの改修工事がようやく終わりました。

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工事の影響を少なからず受けていた「隙間花壇」はどうなっているでしょうか。

今日の大仁稽古の行きがけにゆっくり見てみました。

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ちょっと写真では判りづらいのですが、足場や工事用フェンスは全て取り除かれて、工事前の状態に戻っています。

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紫陽花はほぼ終わっていました。

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かわって下の方には…


オシロイバナが咲き始めていました。

この植物には工事の影響は全く無いようで、とても強い生命力を感じます。

これから夏の間に次々と花を咲かせて、夏の終わりにはまた沢山の種をつけるのでしょう。今年も白粉遊びをしてみましょうかね。

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そして前回の「隙間花壇」でオシロイバナに埋もれそうになっていた「ツツジ」は大丈夫でしょうか…?


見つけました。写真中央に一株だけあるツツジの葉が見えますでしょうか。。

オシロイバナの海で溺れそうに見えますが、なんとか密やかに生命を保ってくれていました。

来年また花を咲かせたツツジの姿を、皆様に御報告出来たらと思います。

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オシロイバナの右下にある、紫色の葉っぱの植物が以前から気になっていました。

ピンク色の小さな花が咲いていたこともあります。

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調べてみると「ムラサキゴテン(紫御殿)」という、ちょっとファンタジックな名前の植物でした。

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ちなみにオシロイバナは南米原産で、この紫御殿はメキシコ原産だそうです。

南米と中米の植物が「隙間花壇」で競演していたのですね。

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ようやく本来の姿を取り戻した「隙間花壇」

次にご紹介するのはもう秋の花になるでしょうか。

また気がついたことがあればリポートしたいと思います。

隙間花壇と天王祭

今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」が開催されました。

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水道橋に向かおうと三ノ輪の自宅マンションを出て、いつものように「隙間花壇」の前を通り過ぎました。

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マンション大規模改修工事で殆ど枯れてしまい、ひと塊りだけ生き残った「ツツジ」が中央少し上に見えます。

残念ながら花は咲きませんでしたが、来年こそはまた勢いを取り戻してほしいものです。

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…ところがよく見ると、下方から「オシロイバナ」がめきめきと育ってきています。

このままいくと、「ツツジ」の生き残りが「オシロイバナ」に埋まってしまうのではないかと、ちょっと心配になりました。。

今後の経過を見守りたいと思います。

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次に目についたのは…


「ガクアジサイ」でした。

こちらも改修工事の影響か、去年よりも花は遅めです。

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…そしてもう一つ、去年は違う”異変”に気がつきました。

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花の色です。

去年までは確かに毎年青い花でした。

因みに下の写真が去年のアジサイです。


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それが今年は急に赤い花に。

土壌の質が変わったのでしょうか。

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何となく私には、アジサイが「この柵は邪魔だなあ!」と怒っているようにも、また「今年はやけに育ちづらいけれど、頑張って咲くぞ!」と力を入れているようにも見えました。

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そして駅の方へと歩いていくと…


何やら沢山の風船を持った行列が見えて来ました。

親子連れが多いような…。

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そしてその行列の後ろから…


なんと子供達が乗って太鼓を叩いている可愛らしい「山車」がやって来たのです。

今日は”素戔嗚神社の天王祭”の日でもあったのでした。

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去年の天王祭では、大人達の勇壮な「神輿振り」に偶然行き合いました。

今年は可愛い子供山車と出会った訳です。

この子達が将来あの大人神輿を豪快に振りながら練り歩くようになるのだろうと、何か頼もしい気持ちになりつつ、地下鉄日比谷線の駅へと急いだのでした。

隙間花壇〜よその散りなん後にこそ〜

今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」が開催されました。

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その月並能に行くために三ノ輪の自宅を出て、いつものように「隙間花壇」を通り過ぎました。


今はちょうど花が咲いていなくて、緑一色に見えます。

しかし、実は私には気になる”緑”がありました。

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何度も書いていますが、自宅マンションの大規模改修工事の為に、「隙間花壇」にも足場やフェンスなどが設置されています。

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その影響を最も大きく受けたのが、おそらく「ツツジ」だと思われます。

毎年ゴールデンウィーク前には、ツツジが満開になっている「隙間花壇」。

それが、今年は残念なことに一輪も咲いてくれませんでした。

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そして今年のツツジはどうなっているのかと言うと…

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この中央部の一握りの僅かな葉っぱだけが「隙間花壇」の今年のツツジの”生き残り”なのです。

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この先にもしかすると一輪でも花を咲かせてくれないものかと、前を通るたびにしげしげと観察するのが最近の日課になっています。

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全国色々な場所で華やかに咲き乱れるツツジを見ましたが、今年の私には、花の咲かないひと枝だけのツツジが最も気になっているのです。

隙間花壇から亀岡へ〜強い生命力〜

今日は亀岡稽古でした。

朝に三ノ輪の自宅を出て、いつものように「隙間花壇」の前を通りかかると…

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見落としてしまいそうな程に小さな「虞美人草(ヒナゲシ)」が一輪だけ咲いているのに気がつきました。

例年はもっとたくさん咲くのですが、今年はマンション改修工事の影響で植物達が育ちにくいようです。。

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それでも頑張って咲いてくれたこの花は立派です。応援したくなります。

今年を乗り切って、来年からはまた思う存分に咲き誇ってほしいものです。

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そして亀岡に移動すると、こちらは春の花が無数に咲き乱れていました。

撮影が追いつかない程で、目についた数種類を紹介させていただきます。

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これは「ヒキノカサ」という変わった名前の植物です。

花を「蛙(ひき)の傘」に見立てた名前だそうですが、1〜2㎝ほどの小さな花で、傘にしても蛙は雨に濡れてしまいそうに見えました。

京都府内では一時”絶滅種”とされていた貴重な植物だそうです。

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これはおそらくマムシグサの一種かと思い調べてみると、「ユキモチソウ」という植物でした。

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花の真ん中から真っ白いお餅のようなものがニョキッと顔を出しています。


これが「雪のように白いお餅」に見えるので「雪餅草」と名付けられたそうです。

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また筒状の花に見えるのは花ではなく葉の変化した”苞(ほう)”というもので、サトイモ科の植物では仏像の光背になぞらえて「仏炎苞」という有り難い名前で呼ばれるそうです。

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群青色の星のような花を見つけました。

これは「ホタルカズラ」と言い、草叢に点々と咲く花を蛍に例えた名前だそうです。

美しい名前のこの植物も、やはり多くの府県で絶滅危惧種に指定されているということです。

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初めて見る花に加えて、毎年会えるのを楽しみにしている花もありました。


「ムレスズメ」です。

今回はいつかの”返り咲き”ではなく、ちゃんとスズメの大群のようになって咲いていました。

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そして「コノハナザクラ」です。

ヤマザクラの八重咲き品種であるこの桜は、野生種は日本に僅か4本しか存在しないとか。

見頃は過ぎていましたが、何とか花に間に合いました。

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マンション工事の影響に負けずに咲いた隙間花壇の「虞美人草」。

そして絶滅の危機を乗り越えて咲き続ける亀岡の花々。

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今日東西で出会ったそれらの花々からは、いずれも「強い生命力」を感じて印象に残りました。

隙間花壇〜隙間の隙間から〜

少し前にも書きましたが、三ノ輪の自宅マンションは今大規模な改修工事に入っています。

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今朝「隙間花壇」の前を通りかかると、下のような有様になっていました。

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足場とフェンスで、ますます”隙間”が無くなっています。。

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ちなみに昨年2月の写真がこちらです。


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そして今朝似たアングルで撮影した写真がこちら。


ただでさえ陽当たりの悪いのが、たくさんのフェンスで一層遮られてしまっています。

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しかし、良く見ると…


フェンスとフェンスの間から紫陽花の芽が萌え出ています。

やがては網目の間からも顔を出して来そうに見えました。

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改修工事は夏まで続くようなので、隙間花壇の躑躅や紫陽花の花がちゃんと咲いてくれるかちょっと心配です。

でもきっと力強く咲いてくれると思うので、また花の季節が来たら経過をご報告させていただきます。

隙間花壇〜遅咲きの梅と早咲きの桜〜

今日は伊豆の大仁での稽古でした。

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午後に家を出ましたが、久しぶりの晴れ間で嬉しくなりました。

気持ち的にも、昨日澤風会郁雲会の申合が終わって若干余裕が出てきました。

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そこで行き掛けに、これもちょっと久しぶりに自宅マンション横の「隙間花壇」をじっくり覗いてみました。


最近マンションの大規模な改修工事が始まり、「隙間花壇」の辺りに足場が組まれたりして心配していましたが、どうやら草木は無事のようです。

そして…

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短い時間しか差し込まない日光を懸命に吸収して、梅の花が開いていました。

亀岡で見た一番早い梅と比べると、3週間程も遅い開花だと思います。

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紫陽花の新芽も出ていて、ようやく「隙間花壇」にも華やかな季節が巡ってきたようです。

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嬉しくなって伊豆に移動して、夜まで稽古しました。

終わって伊豆箱根鉄道の駅まで来たところで、ちょうど三島行きの電車が行ってしまいました。。

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いつもなら残念に思うところですが、今日は次の電車までの15分で探したいものがあったのです。

駅から適当に道を歩いて、ほんの1〜2分でそれを見つけました。

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民家の庭先に、早咲きの桜「河津桜」が咲いていたのです。

しかもライトアップまでされていました。

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既に葉も出始めており、散りかけギリギリの時期だったようです。

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同じアングルでフラッシュを焚くと、立体感が出て花の色が濃くなりました。

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今年もまた桜に出会えたことをしみじみと幸せに思いつつ伊豆箱根鉄道に乗り込んだのでした。

“遅咲きの梅”で始まって”早咲きの桜”で締めくくる1日になりました。