土曜日の澤風会に備えて、理容室に行って参りました。
先日の柏の幼稚園能楽教室で「チョンマゲじゃない!」と子供達に指摘されたのですが、能役者は明治以降は髷は結わず、現代風の髪型になっています。
私はと言うと、理容室で鏡の前に座ると「襟足を低目に刈り上げて、後は整える程度で結構です」とここ十数年間同じセリフを言っています。
あまり特徴の無いごく普通の髪型ですが、襟足を刈り上げるのは一応理由があります。
これは「尉髪(じょうがみ)」という鬘を被る時に役に立つ髪型なのです。
尉髪は白いので、襟足を伸ばしていると黒い髪が尉髪の下から見えてしまっておかしいのです。
大抵の能役者は尉髪を被る役の時にだけ刈り上げるのですが、私は理容室で色々注文するのが面倒なので、いつも決まった尉髪用の髪型に統一しているのです。
また能役者は髭も伸ばせません。顔に個性を出したい人には辛い職業かもしれないです。
個人的には、色々な役柄を演じる上では、顔はむしろあまり特徴が無い方が良い気がします。
髭や長髪は、役柄の上だけで楽しみたいと思います。