再び吉備津神社へ〜前編〜

今日は岡山の吉備津神社での子供能楽教室の日です。

先週水曜日は松本城薪能だったので、私は2週間ぶりに吉備津神社に向かいました。

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岡山駅で「桃太郎線」に乗り換えようとホームで待っていると…。

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すごい車両が到着しました。「桃太郎スペシャルラッピングカー」という趣きです。

秋葉原で同じような自動車を見たことがあります。。

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車内の吊り広告もこんな感じです。

爽やか美少年の桃太郎対…

鬼。

鬼がまたイケメンで、金棒型の刀を持っています。強そうです。

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吉備津駅に到着しました。

車両側面はこんな感じ。

流石に犬、猿、雉はイケメンではありませんでした。

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吉備津駅の全景。

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ホームにあるのは小さな待合室だけです。

売店や自販機などは全くありません。

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駅から松並木を通って吉備津神社へ。

曇っているので、前回よりも暑さが控えめで助かりました。

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松並木の横は田圃となだらかな山々。

実に長閑な日本の原風景です。

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吉備津神社の前にあるお土産屋さんの名前も「桃太郎」。

そしてそこに入って食べたお蕎麦が…

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「桃太郎そば」。徹底して桃太郎です。

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写真上の方に見える丸くて黄色っぽいお餅が「きびだんご」でした。

食べると柔らかな食感で甘さは無く、少しキビらしい風味がして美味しかったです。

他に山菜、わかめ、蒲鉾、ツミレ、きのこ、鶏肉、卵、などなどが入った豪華なお蕎麦でした。

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しっかりとお昼を食べて、いよいよ神社へ。

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美しい造りの社殿を横に見て、社務所に向かいます。

さあ、今日はどんな能楽教室になりますか。

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能楽教室の模様は、また明日書かせていただきたいと思います。

昨日の吉備津神社

新幹線で岡山に到着して、在来線乗り換え口に向かいました。

駅員さんに「吉備津まで行きたいのですが、何線乗り換えですか?」と尋ねると、「桃太郎線です」との答えが。

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一瞬耳を疑ったのですが、表示板を見ると…

確かに「桃太郎線」です。

ゆるいネーミングに若干の脱力感を覚えながらホームに向かうと、待っていた電車は2両編成の古いディーゼル車でした。

桃太郎線はどうやら私の好みのとても小さなローカル線のようです。

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ガタゴト揺られて吉備津駅に到着するとそこは、小さなホームにバス停のような待合室があるだけの無人駅でした。

ドラマの撮影に使われそうな鄙びた駅で、こちらも私の好みにピッタリです。

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駅から吉備津神社までも、商店すら一軒も見当たらない長閑な田園風景が広がっているだけでした。

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参道の松並木の僅かな日陰を辿るように歩いて行くと、やがて吉備津神社が見えて来ました。

奥に見える階段に見覚えがあり、「ああ、30年ぶりにやって来たのだな…」としみじみ思いました。

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さていよいよ社務所で能楽教室が始まります。

子供達が来る前に色々打ち合わせをしたのですが、「子供の中には吉備津神社で巫女舞をしている子が何人かいます」とのこと。

おお、それは興味深いです。おそらく摺り足などは共通しているのでは…

と楽しみに待っていました。

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やがてやって来た子供達の中で、年上の3人が巫女舞経験者のようで、更にそのうちの2人姉妹のお母さんが吉備津神社の「鳴釜神事」に携わる巫女さんとのことでした。

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私「実はもう30年ほど前に修学旅行で吉備津神社を訪れて、”鳴釜神事”を拝見しました」

するとお母さんは、「その頃に鳴釜神事に携わっていたのは、おそらく私の上司のそのまた上司です」

なるほど、二世代を経て再訪した訳ですね。

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今回は時間がありませんでしたが、次回の教室の時には「鳴釜神事」を再び拝見したいと思っております。

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吉備津神社の神聖な雰囲気に包まれた稽古場で、子供達の中にも巫女舞経験者などがいて、なにやらこれまでの能楽教室とは一味違う経験が出来そうでとても楽しみです。

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巫女舞経験者の1人が、最後の発表会では1人で舞うと聞いて「えーっ!1人で⁉︎」と目を丸くして本気で驚いていました。巫女舞は同時に何人かで舞うのですね。

彼女達にとっても、きっと色々驚きに満ちた教室になるのだろうと思います。

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この教室の模様は、また続きをご報告したいと思います。

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面白写真〜6月7月〜

今日は午前中から、先週豪雨で延期になった芦屋稽古がありました。

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稽古場である市民センターに到着すると、入口横にこんな看板が…

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おお、さすが芦屋です!

しかしメニューを覗いてみたのですが、「業平ランチ」とか「業平パフェ」などは無く、もうひと頑張りだなと思いました。。

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またその市民センター近くにはこんなマンションが…..芦屋セゾン業平。

芦屋公光と在原業平がフュージョンした感じで、なかなか心を撃つネーミングセンスです。

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そう言えば、最近写真を公開していなかったので、実は何枚かたまっているのです。

この機会に公開させていただきます。

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…先ずは

青森にて。

義経が龍飛岬から北海道に渡った伝説があるのでしょうか。

いくつかあるコースで気になるのが「ひよどり越えコース」です。

まさかとは思いますが、コースの最後は崖の逆落としかも…!

誰か参加してレポートしてほしいです。

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次も同じく青森にて。

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昭和の香り漂う古い横丁にありました。

まだ陽の高いうちからやっているスナック「胡蝶」。

どんな「胡蝶」さんがいるのかは、勇気が無くて確認出来ませんでした。

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次は奈良にて。

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うどんと「鶴亀」の関連は面白いのですが、そこに何故「恋占い」要素が結びつくのか謎です。。

「狐うどんに矢」だと、むしろ「殺生石」では…?

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最後は巡回公演で行った長野にて。

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これまで「アルプス正宗」「スキー正宗」という日本酒は見たことがありましたが、こちらは更にパンチの効いたネーミングです。

「オバステ正宗」。。

「正宗シリーズ」には、もしかするともっと色々面白いバリエーションがあるかもしれませんね。

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今日はこれにて失礼いたします。

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…おまけです。池袋にて。今非常に空腹なので、宿に荷物を置いてから、この看板のようなお店を探そうと思います。。

青森と東京の気温差

昨日の青森稽古の行きがけ、新幹線が新青森に到着してホームに降りると、横にいた会社員グループが「青森寒っ」と声を上げました。

確かに、寒いとまでは感じませんでしたが涼しい空気です。

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夜に入って道路の気温計を見ると「17℃」の表示。

流石に少し肌寒く感じました。

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そして今朝。

新幹線で青森から東京に戻り、そのまま西荻窪の稽古に向かいました。

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西荻窪駅に到着して外に出ると、熱い空気の塊がブワンとぶつかって来るような感覚を覚えました。

全く信じられないくらいの暑さです。

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おそらく気温としては30℃を少し越えたくらいで、まだ本格的な真夏の暑さではないはずです。

しかし昨日の青森とのギャップが激しすぎて、私にとっては35℃にも感じられたのだと思われます。。

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夜までぶっ通しで稽古して、外に出るとまだ大気には昼間の暑さが残っています。

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「青森の涼しさが懐かしい…」などと思いながら、ヨロヨロと家路についたのでした。

今年も「ねぶた」見学

毎年8月2〜7日に開催される青森の「ねぶた祭」

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今日青森稽古で新青森駅に到着すると、大きなポスターが貼ってありました。

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昨年「ねぶた大賞」をとったのは、下の「紅葉狩」だったようです。

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昨年はねぶた製作を見学しに行ってブログに書きました。

しかし今日は昨年の稽古よりも時期がかなり早い上に、昼間に仙台稽古をしたので、青森に到着したのが18時頃になってしまいました。

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もう見学は難しいだろうと思いながら、一応アスパム横のねぶた製作所、「ラッセランド」に急いで行ってみました。

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案の定、既にどこの巨大テントも幕が閉じられて中が見えません。。

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諦めて帰ろうかと思いましたが、まあ念の為と思ってラッセランドをぐるりと一周することにしました。

すると…

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一箇所、幕に作られた小窓が開いているテントがありました!

中には色付け途中のねぶたが。

この段階でも中々の迫力です。

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頑張って窓から覗くと、奥には悪そうなねぶたが見えます。鬼でしょうか?

何となく「大江山」か「羅生門」かな…と思い、とりあえずねぶたを1つでも見られたので半分満足して、更に先に行ってみました。

すると…

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ひとつだけ人が出入りしているテントがあり、入口には上のような貼り紙が。

なんとなく、可愛らしいねぶたを作っていそうなテントです。

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「こんにちは〜」「おじゃましま〜す」と声をかけると、中から「どうぞ〜」と優しい声が。

一歩足を踏み入れると…

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うわぁ!

いきなりど迫力の虎ねぶたが!

顔だけで私の背丈ほどあります。

こんな至近距離でねぶたを見るのは初めてです。

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このねぶたは「鐘馗」という題名だそうで、虎の横には色付け前の鐘馗様が奥に見えて、今は手前の鬼を製作中でした。

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製作中のお兄さんが鬼に襲われているようにしか見えません。。

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虎の横には、こんな貼り紙が。

「ちょせばまねはでな‼️」

何のことか全く理解出来ません…。

「これはどういう意味ですか?」

と聞くと、

「触ったら駄目だよ‼️」という意味の津軽弁だそうです。

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今回も僅か10分ほどの駆け足ねぶた見学でしたが、色々大満足して宿に急いだのでした。

永平寺の修行僧

京大宝生OB会全国大会では、2日目には観光をするのが慣わしです。

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私は例年は観光は失礼して帰るのですが、今年の福井大会ではある大事な目的があって、最初の永平寺だけどうしても行きたかったのです。

今朝福井駅前から、OBの皆さんと一緒に貸し切りバスに乗り込みました。

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実はこの春に卒業した京大宝生会新OBのTくんが、今まさに永平寺で修行をしているのです。

彼が卒業する頃は私がバタバタしていて、結局顔を合わせられずに彼は入山してしまいました。

何とか今日一目会って、ひとこと激励の言葉をかけたいと思ったのです。

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しかし厳格な修行で有名な永平寺です。

事前に我々が行く日程だけは伝わっていましたが、Tくんに会えるかは行ってみないとわからないという状況でした。

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OB会一行20数名が永平寺に到着すると、若い修行僧がひとりやって来ました。

「今日は私が皆さまをご案内させていただきます。よろしくお願いいたします。」

そして彼が広大な永平寺を案内してくれたのです。

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まるで迷宮のような廊下と階段とお堂を巡りながら、修行僧さんと少しずつ話をしました。

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すると、なんと彼は偶然にもこの春Tくんと全く同じ日に永平寺に入った、同期の修行僧だったのです。

度々メモ書きを見たりしながら、一生懸命に説明してくれる真面目な姿は、Tくんに重なるものがありました。

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面白かったのは、食事を作る部署がある「大庫院」での説明です。

「ご飯は意外に美味しいのです」とのことで、メニューをいくつか教えてくれたのですが、「カレー」「麻婆豆腐」などもあるそうなのです。

また「カシューナッツご飯というのが美味しくて、人気メニューです。」

精進料理といっても、私のイメージよりもかなりバリエーションに富んだもののようでした。

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折しも山門楼上の「羅漢堂」で御勤めが始まるようで、急角度な階段を沢山の修行僧が登っていきました。

あの中にTくんもいるようです。

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しかしOB会一行の永平寺における予定時間をすでに過ぎており、ついに彼に会えずに出発しないといけないか…と半ば諦めかけた時。

案内の修行僧さんが、「あと5分お待ちいただければ、Tさんを連れて参りますが」と言ってくれたのです。

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もちろん我々は5分待つことにしました。

そして…

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「皆さんいらしていただいて有り難うございます」と合掌しながら、僧衣のTくんがやって来てくれたのです。

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実はひと月ほど前に永平寺で彼に会ったという若手OBから、やつれてしんどそうな様子だったと聞いて心配していました。

しかし今回会った彼は意外に、というほど元気そうで、顔色も良くやつれた様子は全くありませんでした。

どうやら入山して3ヶ月経って、ようやく少し慣れてきたということのようでした。

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しかし私の内弟子生活も大概しんどいものでしたが、それと比べるのもおこがましい程の実に厳しい修行生活です。

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夜は10時頃就寝、朝は3時半起床だそうです。

布団は寝袋状に身体に巻いて、右半身を下にして寝る、ということまで決まっているとか。(御釈迦様の涅槃像と同じ格好です)

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Tくん「皆さん是非お手紙をくださいませ。お手紙を読むと、今日もまた頑張ろうと思えるのです。」

携帯などもちろん無い永平寺の修行生活では、「手紙」が唯一の下界と繋がる手段なのです。

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筆不精な私ですが、何とか彼に手紙を書いてみようと思いながら永平寺を後にしたのでした。

なかなか席に座れない…

新幹線にいる時間は、以前も書きましたが私にとっていくつかの大事な意味を持っています。

謡を覚えて、本を読んで、睡眠をとって、このブログも書く、といったことを一番ゆっくり出来るのが新幹線車内なのです。

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しかし、最近は新幹線内も必ずしも安心な場所ではなくなってしまいました。

席に着くと、おかしな様子の人がいないかと思わず辺りを一度見回してしまいます。

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今朝は東北新幹線に乗ったのですが、ホームに上がると私の乗る号車の前に何故かバスガイドのような女性が数人並んで、プラカードを掲げています。

見ると「歓迎○○小学校御一同様」と書いてありました。

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珍しい光景だなと思っていると、やがて新幹線が到着しました。そしてドアから大量の小学生が溢れ出てきたのです。

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結構な人数で、いつまでも小学生の列が途切れません。

ようやく全員が降りて、ホーム上の我々は急いで乗り込みました。

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私は昨日は稽古の後で番組作成作業を遅くまでしていたため、朝の新幹線では少し休みながら移動したいと思っておりました。

やれやれと思って座席につこうとすると、私の座席に何やら茶色い粉が沢山こぼれています。。

「むむ?」と思って少し掬って匂いを嗅ぐと、チョコレートの粉末でした。

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「これはさっきの小学生か…。」

朝からお菓子を車内で食べ散らかすとは。

再びやれやれ…と思い、とりあえず隣に座って車掌さんを待つことにしました。

しかしこんな時に限って車掌さんは全然来てくれず、またこんな時に限って次の駅で隣の席のお客さんが乗って来ました。

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仕方なく車掌さんを探して行って、漸く見つけて一緒に私の座席に戻り、チョコレートを見せました。

車掌さん「すみません、違う席を用意します」

そして新しい席に行ったところ、そこには既にお客さんが座っています。

車掌さん「指定券はお持ちですか?」

お客さん「持っていないです。」そして立ち上がって別の席を探しに行ってしまいました。

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なんだかとても申し訳無い気分になりましたが、こうなった以上座るしかありません。

三度やれやれと思って席につきました。

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なんだかんだで、旅程の半分近くが過ぎてしまいました。

ややぐったりして、それでもやはり一応周りを見渡しておかしな人がいないか確認してから目を閉じました。

あっという間に眠ったらしく、アナウンスで目覚めるとそこはもう雨模様の東京だったのでした。

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明日は今度は東海道新幹線での移動です。

明日こそは普通に座って、平穏な車内生活を送りたいものです。。

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今日は愚痴のような内容で申し訳ございませんが、これにて失礼いたします。

加茂川のベンチ

今日は午前中に大山崎稽古、そして夕方から京大稽古でした。

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合間に少し時間が空いていたので本屋でも行こうかと思ったのですが、今日の京都は年間に何日あるかという実に爽快な初夏の日和です。

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こんな日にはぴったりな私の好きな場所があるのです。

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ここは出町柳駅前の、加茂川の西側の河原です。

すぐ前には、鴨川を「加茂川」と「高野川」に分ける通称「鴨川デルタ」があり、その向こうには左の比叡山から右の大文字山まで、新緑の東山のパノラマが広がります。

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そして写真の下の方に写っているのが、私のお気に入りのベンチなのです。

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ここに座って本を読んだり謡を覚えたりしていると、今の時期は乾いた風がいつも吹いて来て実に良い気分になります。

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しばらくベンチで休んで、河原にて夜討曽我の稽古などしてから京大稽古に向かいました。

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京大稽古は相変わらず怒濤のような勢いで、密度の濃いものでしたが、それはまた次回のブログにて。

本日はこれにて失礼いたします。

リラ冷えの朝

昨日今日は季節外れの寒さでした。

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東京も気温が低かったようですが、青森は夜に稽古を終えて外の気温計を見ると7℃。

駅や宿などそこここで暖房が効いていました。

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今朝も宿を出ると冷たい風が強く吹いており、少々震えながら青森駅に向かいました。

すると、青森港横の広場に綺麗な花が咲いています。

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「ライラック」と札に書いてありました。

札幌の花というイメージがあり、実物を見るのは多分初めてです。

「ライラック色」とも言うべきグラデーションのかかった紫の小さな花が、15㎝程の高さに房状に咲いていて、印象に残る姿でした。

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確かライラックは「リラ」とも言い、「リラ冷え」という言葉があったような…と思って調べてみました。

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するとやはり「リラ冷え」とは、北海道においてライラックの花が咲く5月頃に急に寒さが戻る事を意味するそうです。

昨日今日は、北海道のみならず本州でも「リラ冷え」が体感出来た日だったのでしょう。

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上の最初の写真でライラックの右側に白い花が咲いていますが、これは林檎の仲間の「姫林檎」だそうです。

林檎もライラックも、北国に初夏の訪れを告げる花でもあるそうです。

今回の「リラ冷え」が過ぎたら、東北や北海道にも暖かな初夏の陽射しが注ぐように願っております。

旅の本

ある能の舞台になった場所を訪れて、その曲を思い出したり、出来れば謡ったり舞ったりすると、なぜだかちょっと良い気分になります。

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私の場合は、「本」においても似たような傾向があって、ある土地を訪れる時にその土地にゆかりのある本を読むと、密かな喜びを感じてしまうのです。

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と言っても、「名作」や「文豪の作品」などは2ページも保たずに寝てしまう人間なので、くだけた読みやすい本ばかりです。

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先日伊勢神宮に向かう道中では、三浦しをん「神去なあなあ夜話」を読みました。私の故郷でもある三重県の山奥が舞台の本です。

また中央本線で松本に向かう時は、角川文庫「山の霊異記」という甲信越地方の山の怪談話を。

京都への新幹線では、今は森見登美彦「有頂天家族 二代目の帰朝」をお供にしています。

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そして今日は青森稽古に向かう東北新幹線にて、椎名誠さんの「北への旅」という文庫本をパラパラとめくっているのです。

この本は、椎名さんがカメラを持って東北を旅した記録の写真とエッセイ集です。

北の街で出会った人々、お祭り、市場、自然などが沢山の写真と共に、東北への愛情溢れる文章で紹介されている本です。

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今回特に強い印象を受けたのが、JR八戸線の「鮫」という変わった名前の駅で降りて、「種差海岸」という海岸を歩いた時のお話でした。

種差海岸は「日本にまだこんなに美しい海岸があったのか」という程に綺麗な場所だそうで、これはいつの日か必ず「鮫駅」から出発して歩いてみようと心に決めました。

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今日はもう一冊、西木正明さんの「流木」という文庫本もあり、岩手の山奥の話をこれから読もうと思っております。

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…文庫本ばかり読んでいるようですが、能「夜討曽我」と「俊成忠度」の勉強をする合間にちょっとずつ読んでいるのです。念の為…。