立ち飲み居酒屋新幹線

いつかはこんな日が来ると思っていました。。

今日は亀岡稽古を夜に終えて、帰りの新幹線で晩御飯を食べながら帰ろうと思ったのです。

いつも行く京都駅近鉄エリアにあるマーケットで食糧を買い込みました。

空豆、アジの南蛮漬け、チャーシューメンマ、チキンカツ明太子のり弁当

という我ながら美味しそうなラインナップです。

ビールなども買って、勇躍新幹線ホームに上がり、やって来た新幹線の中の様子を見て愕然としました。

自由席が絶望的な混み方なのです。

考えてみれば今日は、学校が夏休みに入って最初の週末の日曜日なのでした。。

実はこれまで新幹線で晩御飯を食べようと思って、座れなかったことが一度も無かったのです。

しかし今日は自由席通路まで人が溢れかえっています。これは絶対に座れません。

手にはズッシリと食べ物飲み物が入った袋…

なんとか晩御飯を食べる場所を確保しなくては。

自由席は早々に諦めて、指定席の空き席を探す事にしました。

ところが今日は指定席もほとんど埋まっているのです。

グリーン車ゾーンも過ぎて、これはいよいよ詰んだかと思ったその時…

12号車のドア横にこんな表示が。

そして公衆電話があった台は…

小さいながらも物が置けるスペースになっており、私の脳内には「立ち飲み大衆居酒屋」というワードが浮かんだのです。

第一弾の鯵南蛮漬け、空豆、チャーシューメンマを広げて、ビールで乾杯。

なんとか「立ち飲み居酒屋新幹線」を開店して、それなりに幸せなひと時を過ごしたのでした。

この先も、こんな状況に陥った時には迷わず12号車に向かおうと思います。

木彫の狐像

今朝は青森駅近くの宿のチェックアウトから東北新幹線までに時間があったので、青森駅から新青森駅まで歩いてみました。

これまで度々歩いたことのある、1時間ほどの気持ちの良い散歩道です。

途中でいつも曲がり角の目印にしている”稲荷神社”と額の打ってある小さな神社にさしかかりました。

鳥居の手前でちょっと頭を下げて通り過ぎようとしたのですが、何か違和感を感じて戻ってみました。

鳥居の向こうの社をよく見て、違和感の正体に気づきました。

稲荷神社では狛犬の位置に「狐像」がありますが、ここではそれがとても変わっていたのです。

対になる方はこんな感じ。

これまで私が見て来た狐像は、狛犬と比べてホッソリとしたシルエットでした。

能「小鍛冶」の後シテが被る「狐台」の狐もやはり細くて軽快な印象を与えるものです。

それがこの小さな稲荷神社の狐像は、ずんぐりとしていて、丸太から直接彫り出したのがわかるように少々荒っぽく仕上げてあります。

無骨で、どことなく「円空仏」を思わせる彫刻です。

北米先住民族の「トーテムポール」にも通じるような、強さの中に、それでも狐の可愛らしさも無理なく同居していて、私はこの狐像がとても気に入ってしまいました。

社務所も無い小さな神社で、この狐像の由来を聞く事はできませんでした。

でも横に公民館があったので、次の機会に思い切って公民館に入ってこの「木彫の狐像」の事を聞いてみようかと思います。

ねぶた小屋の夜

今日は7月16日。ただ今の時刻は19時です。

京都では今頃、祇園祭の宵山で賑わっているのでしょう。

一方の私は、北の街に来ております。

現在の気温は24℃ほどで、とても過ごしやすいです。

京都祇園祭は今月が本番ですが、青森の「ねぶた祭」は来月8月2日〜7日が本番なので、今がねぶた製作の真っ最中なのです。

今年もねぶた製作を見学に、ねぶた小屋に向かいました。

三角形の「アスパム」の麓、写真の左下に「ねぶた小屋」が並んでいます。

今は夜なので隙間からちょっと覗く事しかできません。

しかしこの時間でも小屋の中には煌々と明かりが灯り、人々が作業しています。

これは龍ですね。

こちらは武将。

題材がわからないのが残念ですが…。

そして今回は、完成したねぶたを載せる”台車”

を見つけました。

この巨大な台車がアスパムの麓に何台も据え置かれて、ねぶたの登場を待っていました。

…実は私は、ねぶた祭も、祇園祭の山鉾巡行も、生で見た事が一度も無いのです。

そろそろ一度くらい眼の前で観てみたいものです。

…そして更に続きです。

稽古を終えた22時頃に、私は再びねぶた小屋を訪ねてみました。

やはりまだ作業は続いていました。

先ほどの龍のねぶた小屋を始め、半数近い小屋に人の姿があり、音楽を流しながら作業されているようでした。

おそらく仕事を終えてからねぶた小屋に来て、夜を徹して作業されるのでしょう。

人々の熱い思いの詰まったねぶた祭、成功をお祈りしております。

現場主義の玄翁和尚

昨日の神保町稽古には、山形県新庄の曹洞宗のお寺で僧侶をしている京大宝生会若手OBが久しぶりに来てくれました。

謡稽古は「殺生石」で、いつも曲の解説資料を作って来てくださる会員さんに今回も解説をしていただきました。

それを聞いてちょっと驚いたのが、ワキの「玄翁和尚」が”曹洞宗”の高僧だったという事です。

たまたま今回来てくれた京大OBと同じ宗派だった訳です。

解説も会員さんと若手OBが交互にする形になりました。

会員さん「玄翁和尚は、總持寺の”峨山禅師”に入門して、”二十五哲”の1人と数えられた偉い僧侶です」

おお成る程。

若手OB「でも…」

ん?

「実は總持寺から”出禁”になった事があるんですよね」

何と!それは一体なぜですか?

「玄翁和尚は、總持寺の経営に参画する立場だったのに、總持寺にはあまり寄り付かずに、諸国を巡って布教活動ばかりしていました。

それで、玄翁さんが亡くなった後に、厳密には玄翁和尚の弟子達が一時期總持寺から出禁をくらってしまったのです」

成る程。事務的な仕事よりも現場で働く方が好きな人だったのですね。

何となく玄翁和尚への好感度が増しました。

若手OB「殺生石以外にも、北は秋田から南は鹿児島まで、玄翁和尚が”悪龍”を退治した、というような伝説は多く残っています」

それはまた興味深いです。

今後どこかの土地で玄翁和尚の足跡を見つけることができるかもしれません。

また移動の楽しみがひとつ増えました。

束の間の涼しさ

連日信じられない程の暑さが続いています。

暑さが一番の苦手な私にとって、家から稽古場に行く道のりが本当に難行苦行で、稽古よりも移動で体力を使っている感じです。

しかし、今日の移動した先はちょっとだけ気温が低めでした。

16時半で26℃です。

小雨模様で湿度はありますが、東京のサウナのような空気に比べたら大分ましです。

さてここはどこでしょうか…?

答えは「仙台」でした。

今は街中に「すずめ踊り」のポスターが貼られています。

有名な「仙台七夕まつり」は来月8月6〜8日だそうで、「すずめ踊り」は7月の目玉なのでしょう。

今日は束の間の低めの気温を満喫(?)して、また明日からは東京、関西の暑さに何とか耐えていきたいと思います。

羽衣6号に乗って

昨日は上の写真までブログに載せました。

その後飛行機は定刻18時15分に離陸したのですが、松本空港は「信州スカイパーク」という広い公園に隣接しており、犬の散歩をする人や子供達が離陸する飛行機にしきりに手を振ってくれて、何だか温かい気持ちになりました。

飛行機は松本平をぐるりと旋回しつつ高度を上げていきます。

北方から望む松本平です。

松本城や、遠くには富士山(画像の左上あたり)も見えてテンションが上がりました。

そしてちょっとだけ仮眠を…と思ったらすぐにもう着陸体制に入り、

1時間もしないうちに眼下には瀬戸内の島々が。

定刻よりも早い19時05分には、もう神戸空港に到着したのでした。

稽古には余裕を持って行くことが出来て、乗り換えチャレンジ大成功でした。

そしておまけのようなお話ですが、途中の機内アナウンスで、

「この飛行機は”羽衣6号”と名付けられております」

と流れて驚きました。

“羽衣6″とはバーチャルアイドルグループの名前らしいのですが、舞台から稽古に移動する能楽師が乗る飛行機が”はごろも号”とは何だか出来過ぎのような気がいたしました。

曇天の松本城にて

今日の松本は、午後に降った雨が夕方に上がると少し涼やかな空気になって、東京や京都の猛暑に比べるととても過ごしやすく感じました。

久しぶりに松本城にやって参りました。

流れる雲の下の天守閣は、また迫力が増して良い眺めです。

天守閣前から「二の丸御殿跡」に移動します。

この二の丸御殿跡に、8月8日には特設舞台が作られて「松本城薪能」が開催されるのです。

今年の松本城薪能では宝生和英御宗家の能「紅葉狩」が演じられ、私も能「経政」のシテを勤めさせていただきます。

入場無料ですので、皆さま是非お越しくださいませ。

情報は以下にリンクを貼っておきます。

https://www.matsumoto-castle.jp/topics/6883.html

仙台の茶豆!

今日は青森から仙台稽古に移動しました。

仙台では稽古の前によく立ち寄るマーケットがあります。

仙台駅近くの巨大なアーケード街にある、

「みやぎ・みちのくカイタク市場」

です。

店内には東北の様々な名産品が並んでいて、見て回るだけで楽しい旅行気分が味わえるのです。

「三陸牡蠣カレー」や「バターチキン風ホタテカレー」などは安くて非常に美味しく、これまでに何度も購入しました。

そして外には生鮮野菜が並んでいます。

どれもお安いですね。

そして目についたのが…

私の大好物である「茶豆」でした!

「めっちゃ甘くて香りが豊か‼︎」

と書いてあり、これはもう…

即買いです。

今は帰りの新幹線なのですが、帰ったら遅めの晩御飯で早速茹でていただきたいと思います。

楽しみです…!

夏の始まり

今朝起きると、東京は天気予報通りの強い雨でした。

私の自宅は地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩2分なのですが、昼頃に家を出てから2分で傘があっと言うまにぐしょ濡れになって、三ノ輪駅に到着しました。

しかしこの先は傘はいらない道中なのです。

上野駅から東北新幹線に乗り、一気に青森まで。

新青森駅で東北新幹線を降りると、ムワッとする熱気が身体を包みました。

大雨の東京とは打ってかわって、青森は今日最高気温30℃の夏の陽気だったようです。

夜7時を過ぎてもまだ日が残っており、ついこの前まで肌寒い思いをしたのが嘘のようです。

青森稽古場ではまだ冷房が使えなくて、仕舞稽古をすると皆さん汗をかいておられました。

もちろん私も舞っていると暑さを感じて、今年もまた文字通り稽古や舞台に”汗水を垂らして”取り組む夏がやって来たのだと実感したのでした。

3日分歩きました

普段から歩ける限りは徒歩で移動するのを心がけています。

今はちょうど暑くも寒くもないので、歩くには絶好の季節です。

しかし一昨日の松本、昨日の青森と強い雨に降られてほとんど歩けませんでした。。

今朝は青森の宿を出ると雨が止んでいたので、3日分を取り戻そうと、思い切って青森駅から新青森駅まで歩いてみました。

およそ1時間の距離です。

新青森から仙台に移動して、仙台駅から稽古場の東北大学近くの公民館までも往復歩いたので、月曜火曜を足したよりも長く歩けて大満足でした。

途中で紫色の綺麗な花を見かけて、ラベンダーかと思って調べたらどうも違うようでした。

人の家のお庭に咲いていたので写真も撮れず…

色々調べて近そうなのが、

「セイヨウジュウニヒトエ」

という花でした。

確かに紫色の派手な見た目は、「十二単衣」を西洋風にした感じでした。

今度見かけたら何とか写真を撮ってみたいものです。

明日からは暫し東京なので、初夏の都内をどんどん歩こうと思います。