今日は亀岡稽古でした。
前回の稽古では、もう秋も深まって花は咲いていないだろうと思って、ほとんど探しませんでした。
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しかし今回時間があったので少し歩いてみたところ、いくつかの植物を見つけることが出来ました。
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中でもこの花。
名前は「ホクリクタツナミソウ(北陸立浪草)」と言って、シソ科の植物です。
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じつは通常、ホクリクタツナミソウの開花時期は5〜6月で、今咲いている筈が無い花なのです。
時期を外して秋や初冬に花が咲くことを「返り咲き」、あるいは「帰り花」などと言うそうです。
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“返り咲き”というと、一度落ち目になった歌手やスポーツ選手や政治家などが再び勢いを取り戻した時によく使われる言葉です。
しかし元々は春に一度咲いた花が、秋から初冬に再び花をつけることを言うのです。
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また”帰り花”の説明には、「11月頃の小春日和に本来の季節とは異なって咲いた花のこと」とあり、「忘れ花」とか「狂い咲」も同様の意味で使われるそうです。
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ちなみに「帰り花」は俳句では冬の季語になっていますが、和歌の題にはなっていないということなので、残念ながら謡の文句には出てこないと思われます。
私が思い出す限りでは「帰り花」という謡は無かったと思うのですが、もし見つけた方はどうかご一報下さいませ。
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これは「ワカサハマギク(若狭浜菊)」と言って、「リュウノウギク(竜脳菊)」の変種だそうです。
開花時期は10〜11月ということで、この花は”返り咲き”ではありません。
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「花梨」の木の前に拳大の実が落ちていました。
「かりん酒は喉に良い」と言って、倉本先生などはご自分の「梗風会」の時には楽屋に”かりん酒”の小瓶を置いておられました。
「あんたも飲んでいいわよ」と言われましたが、私は酒を飲むと謡えなくなる性質なので、効果を確かめることは出来ませんでした。。
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確か4月頃のブログに花を載せたことがあったと思いますが、「ハクサンボク(白山木)」の実がなっていました。
あとで調べたら、興味深い情報がありました。
「果実は食用になる。秋には酸味があるが、冬にかけて甘くなる」
ということなのです。
来月の稽古の時に、もし可能ならば味見をしてみたいものです。
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今度こそは今年最後の”亀岡の花々”だと思いますが、もしまた”返り咲き”の花など見つけたら紹介したいと思います。
今日はこれにて失礼いたします。