亀岡の花々〜花火のような花〜

今日は亀岡稽古でした。

例によって季節の花を探しに行くと、今回も初めて見る花が咲いていました。

ちょうど線香花火がパチパチと爆ぜているように見える純白の綺麗な花です。

初夏を迎えて緑が多くなった森の中で、遠目にも白く鮮やかに浮かび上がって本当に夜の花火のようでした。

しかし名前がわかりません…

今日はいつも花の名前を教えてくださる方も稽古お休みなのです。

頼りになるのはスマホの検索機能だけです。

「線香花火のような花」

とか、

「花火のような花 白」

と言ったワードで検索してみると…

似たような花はたくさんありますが葉っぱの形状から「カラマツソウ」という花と思われました。

ちなみに「カラマツソウ」の名前の由来は、「カラマツ」の葉っぱを見ると一目瞭然なので、是非調べてみてくださいませ。

名前がわかって満足して、さらに花を探してみました。

今回は先程も書いたように緑が多かったのですが、その中で、

「ガンゼキラン」

という絶滅危惧種の黄色い花が見られました。

また「ホタルブクロ」は蕾をたくさんつけていました。もうすぐ蛍が飛び始める頃に花を咲かせるのでしょう。

そして前々回は蕾だった「カノコソウ」は満開になっていました。

目まぐるしく移ろう季節とともに、花々も入れ替わっていきます。

秋に咲いて「アサギマダラ」という蝶の宿になる「フジバカマ」も、すくすくと茎を伸ばしていました。

亀岡の花々〜杜若のイメージトレーニング〜

昨日亀岡稽古に行くと、つい先日満開だった「牡丹」が早くも葉っぱだけになっておりました。

入れ替わりに咲いていたのが、”顔佳花(かほよばな)”とも呼ばれるあの花…

「杜若」です。

今年もちょうどいい時期に再会することが出来ました。

毎年のように見るのですが、今年も亀山城跡のお堀に無数の紫色の点が散らばっているのを見ると、

「おおっ…!」

と思わず感嘆の声を上げてしまいました。

私にとって今年の杜若にはまた特別な意味がありました。

実は来年の澤風会で能「杜若」が出る予定なのです。

そしてこの亀山城跡の杜若は、三河の沢から移植されたもので、正に能「杜若」に出てくる花と遺伝子的にも同じものなのです。

来年に向けてこの「杜若」をじっくりと見て、「イメージトレーニング」をいたしました。

あまりに綺麗だったので、来年に能「杜若」のシテを勤める予定の方にも写真を送って

「イメージトレーニング」をしてもらうようにお願いしたのでした。

亀岡の花々〜郵便局の木〜

今日は亀岡稽古でした。

前回稽古から3週間ほど経っており、また違った花が見られるだろうと期待して稽古に向かいました。

今回一番勉強になったのが下の植物です。

10mほどもある高木に、小さな黄色い花がビッシリと咲いています。

この木は「タラヨウ(多羅葉)」です。

実はこの木は葉っぱに大きな特徴があります。

葉っぱの裏に傷をつけると、そこだけ黒く跡が残るので、字が書けるのです。

弘法大師がこの葉っぱを使って字の勉強をしたという話も伝わっているそうです。

更に、戦国時代にタラヨウの葉に字を書いて情報伝達に使った事から「葉書」という言葉が生まれたという説もあるそうで、現代では「郵便局の木」として各地の郵便局の前に植えられているそうです。

郵便局の前を通る時にはタラヨウを探してみたいと思います。

次は能の曲名にちょっと関係がある花です。

これは「カノコソウ」の花です。まだ蕾の状態ですが…

この花は春に咲いて、女郎花に形状が似ているところから、

「ハルオミナエシ」

とも呼ばれるそうです。

女郎花の花は黄色、春女郎花の花は薄桃色で、何となく季節に合った色合いなのが面白いです。

次に変わった形の花を見つけました。

これはマムシグサなどと同じ仲間の

「ユキモチソウ(雪餅草)」です。

“仏炎苞(ぶつえんほう)”と呼ばれる仏様の光背に似た花の中に、真っ白でお餅のような付属体があるのが名前の由来だそうです。

なんとなくアイスクリームみたいで美味しそうに見えますが、残念ながら食べられないようです。

今日は他には、ランの仲間の「キエビネ」がちょうど見頃でした。

また、前回蕾をつけていた「ボタン」がもう咲いていました。

大輪の牡丹は何度見ても華やかで、「百花の王」の名に相応しいと思われました。

来月には時期が合えばおそらく「カキツバタ」が見られるでしょう。

またご報告させていただきます。

亀岡の花々〜げにや光陰とどまらず〜

今日は亀岡稽古でした。

前回は季節外れの雪に降られて、大変寒い思いをしました。

それからわずか2週間ほどで今日はもうすっかり暖かく、春真っ盛りです。

前回に芽吹きを見た花々を再訪してみると…

「ケクロモジ」は、葉が開いて表面の”毛”が良くわかりました。

「トサミズキ」の花はだいぶ大きくなり、本来のちょっと奇妙な姿になっていました。

そして芽吹いたばかりだった「牡丹」は、すでに大きな蕾をつけています。

繰り返しですが、前回から2週間ほどでこの成長とは驚くばかりです。

前回は見られなかった花々も…

先日筑波山でも見た「カタクリ」がたくさん咲いていました。

「雪割り草」とも呼ばれる「スハマソウ」や…

花の型から名前がつけられた「イカリソウ」も今が盛りでした。

また「京都府レッドデータブック」という京都府内の絶滅の恐れがある野生生物の現状をまとめた資料では、絶滅危惧種よりも一段と危惧される「絶滅寸前種」に分類されている貴重な植物もありました。

「ヒキノカサ」というこの花は、野生のものは京都府内にはたったの一群落しか残っていないそうです。

写真は撮れませんでしたが、やはり珍しい桜の一種「コノハナザクラ」も咲き始めていました。

季節の移り変わりは本当に早いです。

次回の亀岡は2週間後になるので、もう春から初夏になっているのかもしれません。

亀岡の花々〜春遠からじ〜

今日は亀岡稽古だったので、久しぶりに「亀岡の花」を見られるかと思っていました。

しかし、京都から山陰線で亀岡に向かうと途中の保津峡駅あたりから…

なんと雪が降り始めました。

亀岡に到着する頃には本降りになり、非常な寒さです。

この雪と寒さでは花どころでは無いな…と思いながらも、この季節に見られるはずの植物を一応探してみました。

すると…

ありました!蕗の薹が今年も顔を出してくれていました。

他の春の花はどうでしょうか…

ユキワリイチゲ(雪割一華)はこの天気のせいか花を固く閉じた状態でした。晴天ならさぞかし綺麗な群落が見られることでしょう。

ちなみにこのユキワリイチゲ、学名を調べるとAnemone keiskeana

というらしいです。アネモネの仲間だったのですね。

keiskeana 」は明治時代の医師伊藤圭介から取られており、この人は「おしべ」「めしべ」「花粉」などの用語を考えた人らしいです。この人がいなかったら、「花粉症」は別の呼び名だったのかも…

またよく見るアネモネは和名「ボタンイチゲ」という地中海沿岸原産の植物だそうです。

さらに…

トサミズキ(土佐水木)が芽吹いていました。

育つとちょっと奇怪な見た目になりますが、今は可愛らしい感じに見えます。

そして…

牡丹も力強く芽を出していました。

この時点でも満開の花を想起させる、とても強いパワーを感じます。

今日初めて見つけた花は…

「ケクロモジ(毛黒文字)」です。

新芽を包み込むように小さな黄色の花がたくさん咲いています。

新芽が開く前の今の状態が、いかにも早春という感じで良いと思いました。

この頃には雪が止んで、陽が射してきました。

その陽射しの中で…

福寿草が花を開いていました。

来る時は雪でどうなるかと思いましたが、やはり色々な植物を見て、春はすぐそこまで来ていると実感できました。

これからまた春から初夏の花々をご紹介できればと思います。

1か月が経ちました

1月16日にこのブログを再開してから1か月が経ちました。

なんとか途切れずに書き続けております。

今回ブログ再開の告知などは全くしていないにも関わらず、何人かの方に、

「ブログ再開されたのですね、いつも読んでいます」

と温かいお言葉をいただきました。

何よりの励みになります。ありがとうございます。

今後も私の小さな日常の出来事をポツポツと書いて参りたいと思います。

またいくつかあった”シリーズ”もぼちぼち再開するつもりです。

「亀岡の花々」シリーズは、間もなく春の花が咲き始めたら再開します。

「隙間花壇」は実はコロナ禍の間に雰囲気が大分変わって、洋風のお洒落な花壇になっております。私としては以前の自然な感じが良かったのですが、こちらも一度今の姿をご紹介したいと思います。

「読んだ本の話」も書いていきたいです。

相変わらず”遅読”で”並行読み”です。

今は、

①戸川幸夫(イリオモテヤマネコを発見した動物文学作家)著のシートンの伝記

②新田次郎著「孤高の人」

③椎名誠の「怪しい雑魚釣り隊シリーズ」

などを読んでおります。

中でも新田次郎「孤高の人」は久しぶりに本にグイグイと引き込まれていく感覚を味わっております。

このように、能楽には全然関わらない内容も多いブログではありますが、頑張って書いて参りますのでどうか今後ともよろしくお願いいたします。

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亀岡の花々〜アサギマダラと三七草〜

先週金曜日、午前中に大山崎で「鶯、桜、松」のマンホールを見つけて驚いたその後に、久しぶりの亀岡稽古に向かいました。

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10月上旬の亀岡稽古では、毎年「藤袴」の花と「アサギマダラ」という蝶に出会うのを楽しみにしております。

去年はその時期に稽古が中断されていたので、今年こそは会いたいものです。

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亀岡稽古場に早めに到着して、早速「藤袴」のところに行ってみると…

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いました!アサギマダラです。

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最初の写真は偶々止まっていますが、今年のアサギマダラは非常に元気良く飛び回っていました。

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私にぶつかりそうになるほど近くを飛んだりして、何か2年ぶりの亀岡での再会を喜んでくれているようで嬉しくなりました。

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再会に満足して、まだ稽古まで時間があったので他の植物も見に行ってみました。

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「紫式部」の実が今年も鮮やかな紫に実っていました。

今年は能「源氏供養」を舞ったので、この紫の実が成っている京都北山の”紫式部墓所”にお礼参りに行きたいと思いました。

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更に歩いていくと、またしても驚く光景に出会いました。

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初めて見る黄色い花が咲いていました。

綺麗だなと思い、近寄って写真を撮ろうとしてハッとしました。

なんとその黄色い花にアサギマダラが止まって吸蜜していたのです。

藤袴以外の花で吸蜜しているのを私は初めて見ました。

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この花は「サンシチソウ(三七草)」という外来種だそうです。

調べると藤袴と同じキク科で、このサンシチソウの仲間もアサギマダラが蜜を吸う対象になっているようでした。

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「充分に栄養をとって、はるか遠くの南の国への旅に備えてくれよ」と思いながら、満足して稽古に向かったのでした。

サクラサク

今月から亀岡稽古がようやく再開されて、昨日行ってまいりました。

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亀岡稽古場の亀山城址には、「このはなざくら」という珍しい桜があります。(2018年4月10日のブログに詳しく書きました)

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昨日の稽古の合間に、その「このはなざくら」の原木を見に行ってみると…

幸運な事にちょうど満開を迎えていました。

これまで私は毎年のように「このはなざくら」を見てきましたが、その中でも今年の花が一番美しく感じられました。

ソメイヨシノほどの派手さはありませんが、自然に逆らっていない「やさしい美しさ」とでも言える上品な咲き姿なのです。

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昨日は他にも…

カタクリが咲いていたり…

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シャクナゲがもう咲き始めていたり、”春爛漫”という風情でした。

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そして一夜明けて今日は、京大宝生会の稽古に行ってまいりました。

こちらもようやくBOX舞台の使用が解禁されたのです。

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そしてBOXに到着すると、なんと去年見学に来て一度だけ体験稽古をした学生の姿が。

学生「入部することにしました。どうかよろしくお願いします」

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おお…!

京大宝生会にとってはほぼ2年ぶりの新入部員です!

新しい春の訪れとともに、京大宝生会もまた新たな歴史を刻んでいくことになりました。

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現役達は早速新入部員に構えや運びを教えたり、「4回生の○○です。よろしくお願いします」と挨拶したり、何となく気恥ずかしそうで、しかし嬉しそうな様子です。

昨日の満開の「このはなざくら」のように、新入部員を迎えてパッと華やいだ春の京大宝生会の風景なのでした。

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桜島、御楼門、そしてアサギマダラ

昨日今日と「皓月会50周年記念大会」と「かごしま能」に出演するために鹿児島に来ております。

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せっかく鹿児島に来たので、桜島を見て帰りたいと思って朝早くに路面電車に乗って港の方に行ってみました。

終点の「鹿児島駅前」で降りて少し歩くともう港で、目前には桜島が堂々たる姿を見せていました。

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港からフェリーで20分で桜島に渡れるということで、渡し船好きの私としては「渡ってみたい…」と一瞬思いましたが、流石にそれは我慢して港から出て行くフェリーを見送るだけにしました。

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港を後にして皓月会会場の「県民交流センター」へ。

そして午前中に「皓月会」が無事に終わった後、会場近くの「鶴丸城御楼門」を見学に行きました。

明治期に焼失したこの御楼門ですが、県民の皆さんの願い叶って今年復元されたそうです。

門と言っても見上げるように巨大で立派な建造物でした。

そして御楼門から遠く見晴るかす桜島からは、先程は見られなかった噴煙が上がっているのが見えて「おお…!」と何か感動してしまいました。

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“日本の歴史”と”地球の息吹”が、現代のリアルタイムに共存しているのです。

鹿児島は不思議で、非常に魅力的な街でした。

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実は今日はもうひとつ感動したことがありました。

朝に港から県民交流センターに向かう途中、私の目の前を一匹の「アサギマダラ」がヒラヒラと横切って飛んでいったのです。

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秋になると南の島へ”渡り”をする蝶「アサギマダラ」。

毎年10月初めに京都亀岡稽古場の「藤袴」という花に立ち寄るのを見ていたのですが、今年はコロナ禍でその時期に亀岡稽古に行けず、アサギマダラにも会えずに残念な思いをしていたのです。

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そのアサギマダラに10月最後の日に、まさかこの鹿児島で会えるとは。

なんとか撮影しようと追いかけたのですが、アサギマダラは強い風に乗ってあっという間に空高く飛び去っていきました。

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舞台のことを書きませんでしたが、2日間とも晴天に恵まれて、会員の皆様の温かさと熱意に満ち溢れた素晴らしい舞台になりました。

今の時期にこれだけの大きな催しを成功させるために、石黒実都師はじめ関係者の皆様のご苦労は並々ならぬものだったと拝察いたします。

2日間お世話になりまして、誠にありがとうございました。

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亀岡の花々〜ようやくの再開〜

今日はおよそ3ヶ月ぶりに亀岡稽古に行って参りました。

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亀岡稽古場はすっかり秋の装いです。

毎年会うのを楽しみにしている旅をする蝶「アサギマダラ」が立ち寄る藤袴の花も、既に終わりかけでした。

アサギマダラ達は、ほんの数日前まではこの藤袴に戯れていたそうですが、今はもう南国への旅に出てしまった後でした。

来年はまた会えると良いです。

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女郎花の花も、かろうじて少しだけ咲き残っていました。

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今回初めて気がついたのは、「カラタチ」でした。

鉄条網を拡大したような極太の刺に武装された枝に、ピンポン球をひと回り程大きくしたサイズの美味しそうな橙色の実が成っています。

しかしこの実は酸味が強くて食べられないそうです。。

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かなりインパクトの強い見た目のカラタチでしたが、不思議に今回初めて気がつきました。

やはりまだまだ亀岡稽古場の植物には驚かされる事が多いようです。

ようやく稽古再開できましたので、これからまた亀岡の花木をご紹介していけたらと思います。