2024年京大宝生会仕舞百番舞う会は、朝9時半開始で先程22時10分頃に何とか100番目の仕舞を終えて附祝言「五雲」を全員で謡って終了いたしました。
詳細などはまた明日以降に。
2024年京大宝生会仕舞百番舞う会は、朝9時半開始で先程22時10分頃に何とか100番目の仕舞を終えて附祝言「五雲」を全員で謡って終了いたしました。
詳細などはまた明日以降に。
明日は宝生能楽堂にて、今週末開催の「同明会」の申合があります。
私は能「来殿」の地謡を勤めます。
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この「来殿」という曲は、
シテ…菅丞相(かん・しょうじょう)
ワキ…法性坊の僧正(そうじょう)
です。
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また謡の中に出てくるシテの養父の名前が、
菅丞公(かん・しょうこう)
で、ワキ僧正はしばしば上人(しょうにん)と謡われます。
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つまり一曲の中に「しょうじょう」、「そうじょう」、「しょうこう」、「しょうにん」
がランダムに出てくるという、間違いやすいトラップだらけの曲なのです。。
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さらっていると、普通に”丞相”と”僧正”を間違えるだけでなく、「しょうぞう(肖像)」とか「そうぞう(想像)」など、全然違う単語も出てきたりしてもう大変です。
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何となく早口言葉の
「坊主が屏風に上手に坊主の…」
という一節を思い出しました。
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ある意味で覚えづらい「来殿」なのですが、先ずは明日の申合をミス無く終えられるように、
丞相、僧正、丞公、上人
の四語と今しばらく格闘したいと思います。
今日は宝生能楽堂にて開催された宝生会定期公演にて能「巴」の地謡を勤めました。
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私の座った位置は”後列の右端”です。
これは地頭、副地頭に次いで上から3番目のポジションにあたります。
実は私はこの”3番目ポジション”が地謡の中で一番好きな位置なのです。
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「地謡はどこに座っていようが地頭のつもりで謡うのだ」
という教えも確かにあるのですが、私が3番目ポジションが好きな理由もまた幾つかあります。
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第一には、「地頭の隣なので、地頭の微妙な謡の変化が良くわかる」
という事です。
今日の能「巴」は、場面によって地謡の”速い遅い”、”強い弱い”が繊細に変化する曲です。
地頭の意思を素早く受け止めて地謡に正確に反映させるには、やはり地頭の隣が一番なのです。
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第二に、「プレッシャーが比較的少ない」
という事です。
同じ地頭の隣でも、やはり副地頭は責任が重くなります。
“3番目ポジション”だと、精神的な重荷が軽い分、落ち着いた気持で地謡に集中できます。
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今日も繊細微妙な舞台の変化に気を配りながら、なんとか無事に謡い終えることが出来ました。
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ロビーでは何人かの知り合いの方にお会いしたので、機会があれば今日の地謡の感想など伺ってみたいものです。
本日定期公演にお越しいただいた皆様ありがとうございました。
今日は水道橋宝生能楽堂にて「宝生会定期公演」の申合があり、私は能「巴」の地謡を勤めました。
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能「巴」は”粟津が原の合戦”を描いた曲で、謡の中で「頃は睦月の空なれば、雪はむら消えに残るを」とあります。
早春とは言え、まだまだ寒風が吹き荒ぶ野原の風景が浮かぶ謡です。
旧暦睦月ならばちょうど今頃か、もう少し後の頃の出来事のはずです。
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しかしながら、今日の東京は寒風どころか「春一番」が吹いて気温は20℃まで上がりました。
私はシャツにカーディガンという軽装で、完全に春の服装でした。
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申合の後に九段下の「わんや」に謡本を求めに行くと、わんや社長が出てきて、
「桜が咲きそうな気候ですね…!」
確かにこの陽気では桜も驚いて早咲きしそうな気がします。
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さらに沖縄在住の知人からは、
「車の温度計だと外気温は29℃です…」
という便りもあり、桜どころか夏が来てしまいそうです。。
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おそらくこの調子では今年の夏も酷暑になる事でしょう。
暑さの苦手な私は、そのつもりで今から色々な暑さ対策を考えておかねばと思ったのでした。
今日は江古田稽古に行こうとして西武線江古田駅を降りると、ちょっと変わったカバンを肩に掛けた高校生達と沢山すれ違いました。
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すぐにピンと来たのが、
「ああ、今日は日大芸術学部の入試だったのか」
という事でした。
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“ちょっと変わったカバン”というのは絵画や画材などを入れるカバンで、下の写真のような感じのものです。
これを肩に掛けた高校生達は、おそらく美術学科の入試を終えた所なのでしょう、どこかホッとしたような顔をしていました。
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ところでこの写真の絵画用バッグ、実は私のモノなのです。
しかし私には全く絵画の心得はありません。
では何のために持っているのでしょうか…?
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バッグを開けると中に入っているのは…
何故か100均で買ったコルクボードが2枚…
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サイズは40×60cmです。
これでわかる方はいらっしゃるでしょうか。
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答えは、
「裃用カバン」
なのです。
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ちゃんとした裃用カバンは結構高価なのですが、この「絵画用バッグ」と「コルクボード」の組み合わせだと総額1800円です。
コルクボード2枚に裃を挟んで絵画用バッグに入れると丁度ピッタリと収まります。
またコルクボードの包装ビニールを剥がしていないので、ある程度の防水効果もあるのです。
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紋付袴は丸めて収納できるのですが、裃の”カミ”だけは折り畳めません。
裃の持ち運びにお困りの方がいらしたら、この絵画用バッグ、お薦めいたします。
京大宝生会若手OBOG合宿が無事終了いたしました。
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舞囃子:八島、羽衣盤渉、邯鄲盤渉。
謡:実盛クセキリ、阿漕後半、敦盛能地、葵上。
あとは仕舞が歌占クセ、善知鳥、橋弁慶などおよそ20番ほど。
これらを2日間にわたってみっちりと稽古しました。
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現役の合宿のように途中で散歩したりもせずに、只管稽古です。
OBOG達なので、仕舞や舞囃子の地謡もどんどん謡ってもらいました。
能舞台に近い環境で稽古できたので、非常に実り多き合宿になったと思います。
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この成果は先ずは来週京大能楽部BOXにて開催される「仕舞100番舞う会」で披露されます。
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今年の「100番舞う会」は、1回生達にとにかく沢山の仕舞を見てもらって、次に稽古したい仕舞を決めたり、将来習いたい曲をイメージしてもらったりするのが一番の目的です。
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若手OBOG合宿で稽古した多くの曲が、1回生達の心に響く事を願って帰路につきたいと思います。
今日は京大宝生会の若手OBOG達の近況を。
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コロナ禍で色々な活動が制限されていた時期にも、若手OBOG達は弛まずに稽古を続けておりました。
その成果として、この数年で4人の30代若手OBが”教授嘱託”の資格を取りました。
現在彼ら4人は「七宝会」など関西宝生流の公演にも地謡として出演しております。
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澤風会大会においても、京都大会で能「鶴亀」「小督」「蝉丸」「龍田」のシテとツレ、東京大会で能「夜討曽我」ツレなどを始め、実に多くの熱気溢れる謡や舞を披露してくれました。
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そして今年も、3月9日(土)10日(日)に宝生能楽堂にて開催される「20周年記念澤風会東京大会郁雲会大会」において、
舞囃子「八島」を始め能「敦盛」地謡、素謡「昭君」、また仕舞10番ほどを若手OBOGが勤める予定です。
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そして今年新たに教授嘱託取得を目指している人もおり、コロナ制限が無くなった今、彼らの活動はますます盛んになっていくと思われます。
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実は今日明日とその京大宝生会若手OBOGの稽古合宿をいたします。
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先ほど書いた澤風会郁雲会の舞台の他にも、今月末に予定されている「京大宝生会仕舞100番舞う会」に向けての仕舞稽古、また秋の「京都澤風会大会」に向けた舞囃子稽古など、みっちりと稽古したいと思います。
信州松本で私が謡と仕舞の稽古を始めてからもう14年目になります。
途中から太鼓と小鼓の先生も加わり、段々賑やかになりました。
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澤風会郁雲会大会で松本から能を出したり、夏の松本城薪能の前座で天守閣前で仕舞や太鼓を披露したり…
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そしてこの度、小鼓方の先生より
「今年松本で新しい試みをしませんか?」
という打診がありました。
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それに伴いこれまでは”仕舞と謡”、”小鼓”
、”太鼓”
と分かれていた教室を統一するような、新しい団体名を考えようという事になりました。
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しかしこれが意外に難しいのです。
「松本」「能楽」「舞」「鼓」
などに関係するキーワードを挙げたり、小鼓方と太鼓方と私の3人を表す単語を探したり…
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その「新しい団体名」と「新しい試み」に関しては、また話が進んで行く段階で発表して参りたいと思います。
松本で能楽が深く根付いて発展していくための新プロジェクト、私も今からとても楽しみです。
今日は枚方市総合文化芸術センター小ホールにて「七宝会」が開催されました。
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能「春日龍神」と能「源氏供養」が演じられ、私はこの2曲の地謡でどちらも後列左端に座りました。
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この”後列左端”という位置はワキが座る「ワキ座」に近いので、曲によっては地謡以外の仕事があります。
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例えばワキが位の高い僧侶の場合、「鬘桶」という漆塗りの丸椅子に腰掛ける場合があります。
その場合は鬘桶を地謡左端からワキ座に持って行き、ワキに腰掛けてもらうのです。
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今回のワキは、春日龍神が「明恵上人」
源氏供養が「安居院の法印」。
どちらも位の高い僧侶です。
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事前に確認しなければと思い、申合の時に御ワキに「鬘桶にかけられますか?」と尋ねてみました。
すると、
「いえ、うちの流儀はどちらの曲も鬘桶には座らず、”下ニ居”します」
と言われました。
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少し意外に思いましたが、例えば「明恵上人」は非常に謙虚な性格だったと聞いた事があります。
また春日明神への敬いの心もあり、椅子に腰掛けずに地面に直接座ったのかな、とも思いました。
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やはり流儀によってこう言った細かい違いがあるので、舞台に出る前の確認は大事だと再認識いたしました。
今日は大阪で七宝会申合がありました。
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明日2月9日が七宝会の本番で、枚方市総合文化芸術センター小ホールにて17時開演。
能「春日龍神」シテ辰巳和磨
能「源氏供養」シテ辰巳孝弥
他狂言が演じられます。
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その申合の後で、関西宝連の学生数名と楽師での打ち合わせがありました。
これは
「全国宝生流学生能楽連盟自演会(全宝連)」
の打ち合わせです。
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来たる6月29日(土)30日(日)の2日間、京都金剛能楽堂にて
「2024年全宝連京都大会」
が開催されるのです。
宝生流を稽古している全国の学生達が年に一度集まって盛大に開催される「全宝連」。
コロナ禍で1年延期の年があったので、5年ぶりの京都大会になります。
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番組作りの事、鑑賞能(30日に開催予定)のチラシやチケット制作、全宝連委員による謡蹟巡りの事などなど…
たくさんの内容を話し合いました。
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なにしろ前回全宝連京都大会の時には皆まだ中高生であり、彼らは何も知らないところから委員をしないといけないのです。
我々楽師は出来るだけ委員の負担を軽くしつつ、楽しい全宝連にするためのお手伝いをして行けたらと思っております。
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鑑賞能の詳細な番組など、また正式に決まり次第お知らせしてまいります。
繰り返しですが、
今年6月29日(土)30日(日)金剛能楽堂にて開催の「全宝連京都大会」
どうかよろしくお願いいたします。