2019各地の”稽古納め”

今週は”今年の稽古納め”が続く週です。

京都紫明荘組、田町で稽古納めが無事に終わりました。

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師走の後半のこの時期では、「仕事の山場で稽古に行けません…」という人が何人かおられました。

あるいは、

「インフルエンザにかかってしまいました…」

という方も…。

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その中でも大勢の方々にいらしていただきました。

そして、話題は来年の舞台に及びました。

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来年の「京都澤風会15周年記念大会」での能の話や、その前の「東京澤風会第14回大会」における舞囃子の話などなど。

能や舞囃子のニュースはまた改めて詳細をお伝えさせていただきます。

来年は「独吟」や「独調」などの謡の出番も増やしたいと思っており、そのような稽古も新年から始めて参りたいと思っております。

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明日以降の各地での”稽古納め”でも、そのような来年に繋がるお話が出来ればと思います。

各地の皆様よろしくお願いいたします。

2019年最後の舞台

今日は横浜能楽堂にて「眠くならずに楽しめる能の名曲・羽衣」という舞台に地謡として出演して参りました。

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羽衣はいわゆる「三番目」の曲で、全体的にとてもゆったりとした雰囲気です。

つまり、眠くなる危険性の比較的高い曲なのです。。

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しかし舞台の前に見どころの詳しい解説などもあり、地謡座から拝見する限り、お客様には最後まで熱心にご覧いただけたようでした。

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今日の「羽衣」が、私にとって2019年最後の舞台でした。

そして今年いただいた舞台の役は、全て滞りなく勤めることが出来ました。

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それは当然のことではあるのですが、無事に一年間の舞台を勤めおおせることが出来て安堵しております。

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舞台は終わりましたが、今週1週間はまだ各地の稽古などがあります。

年末ギリギリまで、もうひと頑張りして働きたいと思います。

第49回宝門会に出演して参りました

今日は大阪の香里能楽堂にて「宝門会」に出演して参りました。

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能「松風」、舞囃子「当麻」などを謡わせていただき、大変勉強になりました。

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宝門会は今回が第49回ということで、来年が第50回記念大会になるそうです。

ますますお盛んになる事を祈念いたしております。

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私の年内のお社中会は今回の宝門会が最後でした。

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明日は横浜能楽堂にて年内最後の舞台があります。

「年内最後の…」という事柄がいよいよ増えて参りました。

今年も残すところあと10日です。

「地水火風」再始動

昨日の朝のこと。

私は東京都内のある会社のロビーで、「岩手未来機構」の方々と待ち合わせしていました。

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岩手未来機構の皆さんとは、11月の岩手正法寺での「地水火風」公演以来の再会になります。

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待ち合わせた会社ビル内には立派なホールがあり、実はそこで「地水火風」を再演するという計画が立ち上がっているのです。

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会社の方に説明を受けながらホールを下見いたしました。

照明、音響、プロジェクター。

せり上がりも可能な舞台、可動式の客席。

舞台の出入り口と楽屋の配置。などなど…。

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色々な設備はとても充実しており、「地水火風」の舞台には理想的な場所だと思いました。

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計画はまだまだ再来年の話で、それまでに「地水火風」の舞を今一度練り直して、改良していきたいと思っております。

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未来機構の皆さん、尺八奏者ラルフ・サミュエルソンさん、写真家マグダレナ・ソレさん達と再びご一緒に仕事が出来るとは非常に有り難いことで、良い公演になるように全力を尽くして参ります。

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また計画が進んで詳細が見えて来たらご報告させていただきます。

都内なので、より多くの方々にご覧いただければと願っております。

関西宝連”謎かけ”

日曜日の「関西宝連」の後席でのことです。

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各大学の卒業生が交代で挨拶をすることになりました。

するとある卒業生が冒頭で、

「実は関西宝連に関する”謎かけ”を考えたのですが…」

と始めたのです。

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それは面白そうだなと思った次の瞬間…

「やっぱりやめておきます!」

ガクッとなりました。。

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挨拶を終えて席に戻って来たその卒業生に、

「”謎かけ”とても気になります!言えば良かったのに!」

と残念そうに言ったところ、なんと昨日このホームページのお問合せフォームを使って”謎かけ”を送って来てくれたのです。

その内容は…

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「今年春の関西宝連とかけまして、今回の卒業仕舞と解きます。その心は、どちらもいいはんのう(半能、反応)があったでしょう」でした。

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そう、今年の5月に開催された「春の関西宝連」は「第120回記念京宝連大会」でもあり、記念の半能「高砂」が演じられました。

そして他ならぬ”謎かけ”を考えた卒業生が、その「高砂」のシテを勤めたのです。

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今年の春秋の関西宝連を上手く繋げた”謎かけ”、笑点ならば「座布団1枚持って来て!」となるところでしょう。

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謎かけの内容が聞けて、すっきりしました。

卒業生さんありがとうございました。

卒業してもこのセンスを活かして頑張ってくださいね。

門松の準備

今日は朝から京都大山崎の宝寺での稽古でした。

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宝寺に着くと、稽古場の玄関に太い孟宗竹が何本も寝かせて並べてありました。

全てが1mほどの長さに斜に切られています。

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聞くと、お正月の「門松」の準備だそうです。

こういう光景を目にすると、「今年ももう終わるのか…」と、何か感慨深い気持ちになります。

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大山崎稽古も今日で今年最後でした。稽古を終えると、

「どうか良いお年をお迎えください」

と挨拶して稽古場を後にしました。

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そして昨日「関西宝連」を終えたばかりの香里能楽堂へ。

今日は今週土曜日に開催される「宝門会」の申合があったのです。

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昨日は学生の熱い舞台が繰り広げられましたが、今日は今日で能「松風」、舞囃子「当麻」などの難曲がずらりと並ぶ”熱い”申合でした。

特に「松風」は申合で1時間半以上かかり、終わると「またひと山越えられた…」とホッといたしました。。

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明日からは暫し”稽古モード”の日々です。

何ヶ所かの稽古場で、

「良いお年をお迎えください」

と挨拶して、今年の稽古を締めくくって参ります。

魂のこもった卒業仕舞

2019年冬の「関西宝生流学生能楽連盟自演会」は、おかげさまで無事に終了いたしました。

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例によって書きたい事は山積しています。

やはり先ずは京大宝生会のことを書かせていただきます。

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今日最初の出番は素謡「杜若」、最後の出番は仕舞「蟬丸」でした。

それら全ての舞台において、京大宝生会は非常な緊張感を持続しつつ、稽古したことを稽古した通りに発揮してくれました。

私の視点ではほぼミスは無かったと思います。

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番組を見るだけではわからないのですが、彼らは「自分の仕舞」、「誰かの仕舞の地謡、地頭」、「受付や”めくり”などの運営業務」、「素謡の役」、「素謡の地頭」…

と言った複数の要素を一日中、目まぐるしくこなしているのです。

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特に終盤の3、4回生ゾーンでは、難曲のシテと地謡が交替でやって来ます。

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同じように舞台を勤める身として見ると、それらの働きは”超人的”と言って良いのだと思います。

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その激務の最後に行われた、今回で現役を引退する4回生の「卒業仕舞」。

それはそれぞれの4年間の重みが集約されているような舞台で、見ていて心が震えました。

魂のこもった舞台でした。

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この人達を稽古出来たことは幸せだった。

もし叶うならば、この先もこの人達と稽古していきたい。

そう心から思いました。

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関西宝連の続報はまた書かせていただきます。

今日はこれにて失礼いたします。

服装に例えると…

最近ブログの更新が出来ない日が多かったので、今日はもう一度書かせていただきます。

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昨日の京大稽古で、「杜若」の謡を聴きました。

私は仕舞の稽古担当なので、あくまでも「聴くだけ」で、目立った点だけをアドバイスするというスタンスです。

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「杜若」という曲は、三番目物なので全体に綺麗に、淑やかな雰囲気で謡うべきだと思います。

しかしながら、その心持ちだけでは全部同じ謡になってしまい、抑揚が無くなってなんとなく「眠たい謡」になってしまいます。

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昨日気になったのは「クリ、サシ、クセ」と続く謡の「クリ」の部分でした。

優雅にゆったりと謡っていたのですが、その直前の「イロエ前」の謡と、直後の「サシ」の謡との差があまり無いように聞こえました。

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三番目なので例えば女性の服装に例えると、綺麗な服は一杯ありますが、その「綺麗さ」にはまた多くのバリエーションがあると思うのです。

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「クリ」の謡は春夏に着る、明るい彩りで模様もあるちょっと華やかな服。

「サシ」は秋冬に身につける少し落ち着いた色使いの服。

「クセ」は派手すぎない上品な和服。

というイメージでしょうか…。

そして「イロエ前」と「序之舞前」の謡は繊細な、例えれば”フォーマルなドレス”という雰囲気だと思います。

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…かえってわかりにくいかも知れませんが、明日の京大の「杜若」では、「色々な種類の綺麗さ」を舞台上で表現してもらえたらと思います。

2019年最後の五雲会

昨日は京大稽古の後に最終の新幹線で東京へ。

そして今日は午後から水道橋宝生能楽堂にて開催された「五雲会」に出勤いたしました。

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私は能「融」の地謡を勤めました。

いつもながら、この「融」という曲の完成度の高さには感銘を受けます。

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特に”田子”という潮を汲む桶を扱うシテの所作と、その”田子”の舞台上での形態変化は、何度見ても目を奪われてしまいます。

いつか演じてみたい曲です。

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この「融」の地謡で、今年の私の宝生能楽堂での舞台は全て無事に終わりました。

ちょっと気が早いのですが、来年まで会わない楽師達に「良いお年をお迎えください!」

と挨拶して能楽堂を後にしました。

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そしてその足で東京駅に向かい、京都への新幹線に乗りました。

明日は朝から香里能楽堂にて「関西宝生流学生能楽連盟自演会」です。

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関西宝連の学生さん達は今頃、ドキドキしながら明日の準備をしていることでしょう。

どうか良い舞台になりますように。

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私も京都に着いたら早く休んで明日に備えたいと思います。

今年を締め括る関西宝連

今日は昼間に「ゲストハウス月と」にて紫明荘組稽古、夕方から京大宝生会稽古でした。

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京大宝生会は、明後日15日に香里能楽堂にて開催の「関西宝連」前の最後の稽古になります。

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明後日の「関西宝連」は今年の締め括りの舞台です。

思えば今年は、5月の「第120回記念京宝連大会」、6月の「全宝連京都大会」、そして能「竹生島」を出した11月の「京大能楽部 能と狂言の会」と、例年よりも大きな舞台が続いた年でした。

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その最後を飾る舞台、そして卒業生にとっては現役最後の舞台でもあります。

少しでも良い仕舞と謡になるように、終電ギリギリまで稽古しました。

現役達はまだ稽古を続けていることでしょう。

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明後日は、阪神宝連から能「加茂」が出ます。

甲南女子大学と神戸大学が前と後の役を交代で勤めますが、神戸大学としてはおよそ50年ぶりの演能だそうです。

甲南女子大学は、おそらく初めての演能になるのだろうと思います。

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その記念すべき能「加茂」が成功するように、そして京大宝生会の皆が良い舞台を勤められるように、明後日は朝からしっかりとサポートしたいと思います。

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「関西宝生流学生能楽連盟自演会」

12月15日朝10時始曲 於香里能楽堂。

能「加茂」は一番最初に演じられます。

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皆様是非お越しくださいませ。どうかよろしくお願いいたします。