ドイツの人が相手でも

昨日一昨日の土日は、また遠隔稽古に明け暮れておりました。

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昨日最後に稽古したのは、ドイツ在住の京大宝生会OBのT君でした。

今はドイツ南西部の街でサンダル作りを学んでいるとか。

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この1ヶ月ほどで培った(?)遠隔稽古のノウハウは、遠く離れたドイツにいる人が相手でも通用するのでしょうか?

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…なんと、全く問題無く通用したのでした。

会話の時間差は日本国内と変わらず、通信状況も良好で、すぐ近くで稽古しているような感覚になりました。

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T君「これなら以前のドイツ公演の前などに、このやり方でもっと稽古できましたね」

確かに。

遠隔稽古はむしろ本来、距離的に遠い海外の人などと稽古をしたい時に威力を発揮するもののようです。

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今回のコロナウイルス禍で、京都や松本に移動する事が叶わなくなり、まして海外に行くのは夢のまた夢になってしまいました。

世界が果てしなく遠く広くなってしまったように感じていたのです。

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しかし昨日一昨日の遠隔稽古では、板橋区の人とも京都や松本の人とも、更には南西ドイツの人とも全く同じように稽古できました。

世界を再び小さく近く感じることができたのです。

これも遠隔稽古の効能のひとつだと嬉しく思いました。

炎を絶やさないために

昨日は昼から夜にかけて、学生関係のzoom稽古を3団体続けていたしました。

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最初は京大宝生会若手OBOGの皆さん。

炎に例えれば、長い時間をかけて燃え続けて、燠火のように安定した強い火力を持っている彼らです。

今回は新しい課題曲「難波」の初め〜クリまでを鸚鵡返ししました。

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次の団体は京大宝生会の現役達。

こちらは炎で例えると、今まさに元気よく燃え盛る大きなキャンプファイヤーのようです。

前回に続いて「兼平」を、今回は最後まで鸚鵡返しし終えました。

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そして最後は、自治医科大と日本女子大の合同稽古でした。

そこに、澤風会で幼稚園から稽古を続けて今春もう大学生になった女の子も加わって、賑やかな団体稽古になりました。

彼らはようやく灯されたばかりの、小さく若い炎のようです。

「土蜘」を一番最初から、ゆっくり解説しながら鸚鵡返ししました。

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大きさや形はそれぞれ異なりますが、これら学生関係の団体はどれもとても大切な炎なのだと思います。

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今はその炎に向けて、不恰好なあおぎ方で遠くから風を吹かせることくらいしか出来ません。

しかし今回の大変な災厄に負けずにずっと燃え続けていけるように、なんとか少しずつでも新しい薪をくべて、新鮮な空気を送っていきたいと思っております。

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ヘッドセット

週末毎の遠隔稽古も早4週目になりました。

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だいぶ慣れて来たので、色々新しいことも試しております。

今日は、

「ヘッドセット」

というものを使ってみました。

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このようなもので、大きさは掌に収まるくらいの小さな機械です。

アマゾンで4000円弱で購入できました。

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このように片耳に引っ掛けて使用します。

ヘッドセットは”イヤホン”と”マイク”がセットになっています。

スマートフォンとは無線で繋がっていて、スマートフォンから10mほど離れても会話が可能なのです。

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今日は謡稽古で使いましたが、本当は別に大きな目的があります。

ヘッドセットを上手く使って、

「仕舞遠隔稽古」

が出来ないかと考えているのです。

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稽古舞台全体が写る場所にスマートフォンを置いて、私がヘッドセットを着けて舞台で舞いながら解説をする、というのをとりあえず試してみたいと思っております。

また結果をご報告したいと思います。

Zoom稽古の課題と対策

昨日は京大OB会の大先輩方数人と「zoom」を使った謡の団体稽古をいたしました。

「養老」前半の、シテ、ツレ、ワキの掛け合いから始めて、地謡の初同とクリまでを謡ってみたのです。

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まだ2回目のzoom稽古なので、課題を見つけながら手探りで進めていきます。

今回は、

「シテ、ツレの同吟」

「地謡の連吟」

の2点が大きな課題でした。

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…結果的には、同吟も連吟も複数の声がズレながら入り混じって、混沌とした状態になってしまいました。。

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やはり遠隔での団体稽古は非常に困難と思われました。

しかし、何か打開策は無いかと、昨日から必死で色々考えたり調べたりしてみたのです。

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そしてひとつ使えそうな対策を思いつきました。

zoomの「ミュート機能」を使うことです。

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ミュート機能を使うと、自分の声は会議の場から消えます。

そこで例えば…

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①参加者の中で1人「地頭」を決めて、「指導者」と「地頭」以外は全員ミュート設定する。

これで鸚鵡返しをすると、指導者の謡に続けて「地頭」が返して謡い、他の参加者は「地頭」に合わせて謡うことになります。

これだと複数の声が混じることは無く、参加者全員が大声で謡うことができます。

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しかし①の課題は、「地頭」以外は直接指導を受けられないことです。

実力者が揃った団体では、参加者が物足りなさを感じると思われます。

そこで…

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②1人ずつ交代でミュート解除していく。

一句ずつ、もしくは小範囲ずつで交代して「地頭」を勤めていくわけです。

これだと参加者全員が一定の緊張感と満足感を得られるのではと思います。

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更にもうひとつ、

③指導者以外全員ミュート設定する。

というやり方もあります。

これは、初級者向けの団体鸚鵡返しでは有効な方法かと思います。

指導者が謡い、返しもまた指導者が謡って、それに参加者が合わせて謡うのです。

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上記の①〜③でミュート設定した参加者も、質問や疑問があればミュートを解除して、

「質問があります!」

と声を上げれば、その人の顔が即座に全員の画面にアップされるはずです。

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とは言えこれらはまだ頭の中で考えただけで、実践してみたわけではありません。

…実は近日中に、京大宝生会の現役達と「zoom稽古」をする予定があるのです。

そこで上記の①〜③をそれぞれ試してみたいと思っております。

また結果をご報告させていただきます。

暖かいマスク

昨日と今日はまたスマートフォンを使った遠隔謡稽古をいたしました。

人数は2日間で延べ10数人に増えて、今後は平日にも稽古日を設定しようと思っております。

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遠隔稽古を終えた夜、郵便受をのぞいてみると分厚い封筒が届いていました。

差出人は「岩手未来機構」の方です。

昨年11月には尺八、写真との共演企画「地水火風」で大変お世話になりました。

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早速封を開けてみると…

なんと中には可愛らしいドングリの柄の「布マスク」が…!

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未だ感染者の出ていない岩手県の小さな工房で、1枚1枚手作りで作られたマスクだそうです。

ドングリ柄を見ているだけで、なんだかほっこりと暖かい気持ちになりました。

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実は少し前には、大阪でいつもこのブログを読んでくださっている読者の方からも、その方が作られた手作りマスクを送っていただいておりました。

こちらも楽しい柄の布で作られています。

ちょっとだけ、私には派手目かもしれませんが…。

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政府からの布マスクはまだ届きませんが、このブログを通じて生まれた御縁で、お気持ちのこもった素敵なマスクを頂戴することができました。

厳しい日々が続きますが、その日々の中で皆様に沢山の勇気と元気をいただいております。

心より感謝申し上げます。

2件のコメント

遠隔稽古の可能性と問題点

昨日と今日は、先週に続いて”遠隔稽古”をいたしました。

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Skype稽古は先週から3人増えて、かなり様子がわかって参りました。

そして今日は、新たに「zoom」という会議用のアプリを使った集団稽古にもチャレンジしてみました。

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zoomもやはりSkypeと同様のタイムラグがあるようでしたが、私と一緒に全員一斉に謡っていただく分には問題無いと感じました。

こちらも今後、集団での遠隔稽古が出来る可能性が出てきて、非常に有意義な経験になりました。

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しかし同時に問題点もいくつか明らかになってきました。

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例えば、人によって、あるいは日によって通信状況が悪くなる時があります。

鸚鵡返しの途中で突然「通信障害」のアイコンが表示されて画像と音声が途絶え、何度も稽古が中断してしまう事がありました。

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そしてビデオ映像で長く稽古をしていると、通信容量が膨大になることもわかりました。

しかし遠隔稽古では京都や長野など遠くの人でも東京の稽古場から稽古出来るので、私の場合これまでの毎回の新幹線などの交通費に比べれば、通信料は微々たるものだと考えることにしました。。

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さらにこれはアンラッキーなことなのですが、江古田稽古場があるマンションが今”耐震工事”の真っ最中なのです。

平日昼間には、断続的にものすごい騒音が響きます。とても稽古どころではありません。

なので、江古田での稽古時間が「土日」か「平日の夕方以降」に限られてしまうのです。

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問題点解消のために、まずはスマホだけでなくPCを併用して、スマホの通信容量を抑えることを考えたいと思います。

あとは、平日昼間に遠隔稽古をする場所をなんとか探す必要があります。

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一度野外からの遠隔稽古が出来ないか試してみたいと思っております。

京大若手OBあたりで、実験台になってくれる人を探してみたいと思います。

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遠隔稽古が軌道に乗るまでには、今少し時間がかかりそうです。

また途中経過をご報告させていただきます。

遠隔稽古 試運転中

今日も江古田稽古場に行き、「Skype」による遠隔稽古の試運転をいたしました。

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今日は3人の方々に、鸚鵡返しによる謡の稽古をさせていただきました。

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画面上にはいつもの会員さんの姿があり、私の説明を受けて小さく頷かれるのも良く見えて、普通に稽古をしているのと非常に近い感覚です。

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会員さんと一緒に謡おうとすると、先方の声が0.5秒ほど遅れて聴こえてくるのが唯一の難点です。

しかし確認したところ、先方では全く音の遅れはないようで、私の方が音の遅れに慣れれば大丈夫なようでした。

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3人の方々の稽古を無事に終えると、何か15年以上前に初めて澤風会稽古をつけ終えた時のような、新鮮な達成感がありました。

今日でかなり慣れて来たので、これから徐々に遠隔稽古の人数を増やしていけたらと思います。

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Skypeのアカウント取得から、最初に繋がるまでの手順が若干面倒ではあります。

しかし、遠隔稽古のために今回私が改めて用意したのは、百均で購入した小さなスマホ用三脚だけです。

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他の楽師の皆様も、スマートフォンかノートPCをお持ちならば一度お試しになる価値があるように思います。

また回数を重ねていく過程で、問題点やコツなどを書いて参りたいと思います。

スマホでの遠隔稽古の試み

今回のコロナウイルスでは、こちらの予測と対策を嘲笑うかのように、事態は日々悪い方向へと進んでいくようです。

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通常の稽古は最早望むべくもありません。

しかもこの状況がいつまで続くのか、誰にもわからないのです。

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しかし何もせずに、ただウイルスに押さえつけられるだけでは口惜しいものがあります。

私は「スマートフォン」を使った遠隔稽古を模索することにいたしました。

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今日はその手始めとして、

①Dropbox

②YouTube

③Skype

という3つのアプリを使ってみました。

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①のDropboxを使うと、録音した音源を大勢で共有できます。

京大宝生会で今稽古している仕舞の地謡を、私が一曲ずつ謡ってスマホに録音しました。

それをDropboxの中にアップロードして、京大宝生会部長にリンク先をメールで送りました。

仕舞6番を録音してアップロードするのに40分ほどかかりました。

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②YouTubeは、江古田稽古場のパワフルでポジティブなボイストレーナーさんに勧めていただきました。

特定のグループで動画を共有できます。

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今日は松本の初級者向け謡「田村」を私があしらいながら謡っている動画をスマホで撮影しました。

張り扇の動きが見えるので、より稽古に近い形態になりました。

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そしてやはりそのリンク先を松本の初級者組の皆さんにメールしました。

こちらの作業時間は30分ほどでした。

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更に、

③Skypeを使うとスマホの画面で対面しながらの稽古が可能なのです。

こちらは松本稽古場の方に勧めていただいて、先ほどその方と遠隔稽古の試運転を行いました。

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田村の後クセ上げ〜クセの留までを鸚鵡返ししてみたのです。

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若干のタイムラグがあり、最初は違和感を感じました。

しかし、その時間差にも、回数を重ねれば徐々に慣れることが出来ると思いました。

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今日1日で3種類の”遠隔稽古”の可能性が見えて、少しホッといたしました。

あとは稽古対象を如何に広げていけるかが課題です。

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人によって、3種類の方法を使い分けていけたらと考えております。

私なりの方法で、コロナウイルスに負けないように進んで参りたいと思います。

この災厄を乗り切った時

3月が間もなく過ぎようとしています。

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この1ヶ月で事態は好転することなく、むしろ悪化していくばかりでした。

私の周囲に限っても、澤風会稽古は京都、江古田、田町で一回ずつ出来ただけ。

京大宝生会は、新歓活動どころか部としての活動も当面の間自粛が求められてしまいました。

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この状況で前を向いて生きていくのは非常に困難です。

しかし、出来ることはあると思います。

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とにかく今は一人一人が自分の健康に気をつけること。

これが何より最優先です。

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そして能楽に関して言えば、録音や録画を元に1人でも稽古が出来ます。

むしろ1人だけで謡う経験を積むことで、それまでよりも上達出来る可能性すらあるのです。

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特に京大宝生会現役の皆さんは、最近習ったばかりの何曲かを1人で通して謡ってみてください。

習った記憶があるうちに謡うのはとても効果的な稽古になるのです。

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この大きな災厄を乗り切って、再び皆で集まった時に、それぞれが驚くほど上達していたとしたら。

そんな光景を見られることを願って、今は悪化する状況の中でもがきながら、何とか進んで行きたいと思っております。

2020年春の院展に行って参りました

昨日の昼間に、日本橋三越に「春の院展」を見に行って参りました。

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昨日が初日でしたが、平日昼間というのとコロナウイルスの影響で、人は例年よりもかなり少なめでした。

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人口密度の低い会場で、いつもよりも自由に絵画の迷宮をふらふらと行ったり来たりして楽しみました。

しばらく色々な絵を見てまわって感じたのは、「今回は”扉”のモチーフが多いなあ」ということです。

固く閉ざされた、重々しい木の扉の絵などが印象的でした。

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閉じられた扉の向こう側には何があるのだろうか…

やはり重厚な寺院だろうか、それとも広々とした庭園なのか、あるいは深い森の奥に続く道が現れるのか…

と想像力を非常に掻き立てられます。

そして、何となく閉塞感を感じる昨今の状況を表しているのかな…とも思いました。

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田町稽古場の会員さんの絵もじっくりと拝見しました。

黄金色と白銀色に描かれた”アザミ”の花に、静かな強い力を感じました。

今回もお誘いいただきありがとうございました。

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帰って間もなく都知事の会見があり、東京はますます大変な状況になって来たようです。

「院展」に行くのも中々困難になってしまうかと思われますが、4月6日まで開催されているそうですので、状況が落ち着いてきたら皆様どうか見にいらしてくださいませ。