第9回七葉会のお知らせ

明日明後日と、水道橋宝生能楽堂にて「第9回七葉会」が開催されます。

今日はその舞囃子と能の申合がありました。

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なんだかんだでもう9回目になった「七葉会」。

ここ数年は、土曜日に仕舞と謡、日曜日はそれに加えて舞囃子が10数番あり、一番最後に能が出るというパターンが続いております。

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七つの同門会が一堂に会する、なんとなく”夏祭り”のような雰囲気もある賑やかな舞台です。

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土日両日とも朝10時始曲です。

明日土曜日の17時過ぎからは、7人の主宰能楽師による番外仕舞も予定されております。

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また日曜日の最後の番組は能「加茂」で、昨年に続いて内藤飛能さんの「飛雲会」の会員さんがシテとツレを舞われます。

今日の申合でも、外の猛暑にも負けない程の熱量がある元気一杯の”別雷の神”を演じてくださいました。

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その他にも、何人かの主宰楽師のまだ小さな子供達の仕舞などもあり、見どころ盛りだくさんです。

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もちろん澤風会からも、舞囃子「氷室」、素謡「箙」、「歌占」、「草紙洗」に加えて沢山の仕舞が出ます。

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暑い日に、エアコンの効いた能楽堂で、熱い舞台を観るという週末は如何でしょうか。

皆さま明日明後日はどうか宝生能楽堂に、我々「七葉会」の応援にいらしてくださいませ。

よろしくお願いいたします。

暑さのピークはいつまで…

今日は夜に田町稽古でした。

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その前に、用事があって先ず水道橋宝生能楽堂に向かいました。

地下鉄日比谷線を秋葉原で降りて、さらに郵便局にも用事があったので、歩いて御茶の水方面へ出発しました。

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いつもなら何でも無い外堀通りの緩やかな上り坂なのですが、今日は途中で尋常ではない汗が出て来ました。

坂を上りきった御茶の水駅の郵便局で、エアコンの空気にホッと一息。

用事を済ませてまた水道橋へ歩き出しました。

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熱中症は大丈夫なのだろうか…

と思うほどの発汗量でしたが、能楽堂に到着してまたエアコンで少し涼んだら、すぐに汗も引きました。

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思えば昨年の今頃は、松本城薪能でもっともっと暑い思いをしたのでした。

暑さは苦手ですが、耐性は意外にあるようです。

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そういえば、昨年の松本城薪能では台風13号の影響に一喜一憂いたしました。

今年もまた台風が近づいているようです。

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今頃から台風がいくつか過ぎて、お盆の終わり頃に少し涼しくなったと去年のブログにありました。

もし去年通りならば、あと1週間ほどで暑さのピークが過ぎてくれるはずなのです。

それを信じて、明日からまた暑さに負けずに稽古して参りたいと思います。

自分の周りを平和にすること

今日は朝に松本を出て、江古田稽古に直行して夜まで稽古いたしました。

東京も猛暑でしたが、昼からたくさんの方にいらしていただきました。

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眼の手術をされてお休みだった会員さんより、手術が無事終了したとのメールをいただき安堵しました。

小学生の男の子は、頑張って稽古した後に、西武ドームでナイター観戦があると勇んで帰っていきました。

最後に母親と、芸大生を稽古して1日が終わりました。

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小さな出来事を積み重ねて、今日という日を私はいつも通りに過ごすことができました。

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74年前の今朝、母親の家族達も広島でそれぞれの生活をいつも通りに過ごしていたのです。

私がこの世にいる間は、そういう家族の暮らしが確かにあったこと、そしてそれが一瞬で消えてしまったことを忘れないでいようと思います。

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今朝特急あずさの車内で見た携帯ニュースの、広島の小学生達の「平和への誓い」に心が動きました。

「自分の周りを平和にすることは、私たち子供にもできることです」

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もしかしたら、綺麗事だと言う人もいるかもしれません。

しかし私はこの子供達のような考え方に深く共感するのです。

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私の周りの縁あって知り合った方々と、私はこの先も小さな日常を、平和に穏やかに積み重ねていきたいと改めて強く思いました。

永平寺からの嬉しいお土産話

今日は松本稽古でした。

松本駅に到着して気温計を見ると…

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私が松本で経験する最高気温である「40℃」を示していました。。

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その猛暑の中でも、10数人の皆さまにいらしていただき、新しく作った袴を披露された方もあり、夜まで賑やかな松本稽古場でした。

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色々話題はあるのですが、個人的に一番嬉しい出来事がありました

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小学2年生の男の子とお母さんが、最近福井に家族旅行に行って来たらしく、そのお土産を持って来てくれました。

その時に…

私「永平寺で”彼”に会われたのですか?」

お母さん「はい!会えたのですよ!」

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“彼”とは、京大宝生会OBのT君です。

去年7月1日の「永平寺の修行僧」というブログに書いた人で、2018年冬からずっと永平寺で修行生活を送っているのです。

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前回稽古で男の子とお母さんの福井家族旅行計画の話を聞いて、ダメ元で、

「永平寺にいらしたら、受付でお願いしたらT君に会えるかもしれません。もし会えたらくれぐれもよろしく伝えてください…」

と頼んであったのです。

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私「T君大丈夫でしたか?」

お母さん「はい、顔色ツヤツヤして元気そうでした!」

おお!それは良かったです。

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お母さん「この子に、”今何の仕舞を稽古してるの?”と聞いてくださって」

私「ほうほう」

お母さん「”加茂です”と答えたら、笑って”ああ、ホロホロ〜だね〜!”と言ってくださいました」

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元気そうで、仕舞の話までしてくれたと聞いて、心から安心して嬉しく思ったのでした。

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まだまだ続く辛い修行生活です。

私自身も北陸に行く時には、また彼に一目会いに永平寺に行きたいと思います。

猛暑とゲリラ豪雨

今日は午前中から京都丹波橋にて紫明荘組稽古、夕方に京大に移動して夜まで稽古でした。

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紫明荘組稽古は今日は10人で、能「羽衣」を始め舞囃子、仕舞、独吟、素謡など、9月21日開催の「澤風会大会」に向けた稽古をいたしました。

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京大宝生会は、大学院試や帰省でお休みの人をのぞいたやはり10人ほどが来てくれました。

それぞれ仕舞を稽古した後に、能「竹生島」の地謡の稽古などをしました。

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特別な出来事が無くて、淡々と真面目に稽古して終わる1日もあります。

今日はそんな日だったのですが、特筆することがあるとしたら「暑さ」と「ゲリラ豪雨」でしょうか。

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丹波橋から京大までは、通常ならば京阪電車一本で「神宮丸太町」で下車して、歩いて10分で到着します。

ところが今日の京都は最高気温39℃。

京阪電車を待つホームでの僅か3分ほどで、あまりの暑さに心身ともに疲弊してしまいました。。

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結局電車で終点の「出町柳」まで行き、そこから市バスで京大BOX近くまで戻るというやや贅沢な方法をとりました。

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そしてBOX舞台で稽古を始めて終盤に差し掛かった頃、今度はスマホに「京都市に大雨警報」の緊急速報が入りました。

BOXは地下なので外の様子がわからないのですが、雨雲レーダーで見ると確かに強い雨の赤い表示がちょうど左京区上空辺りにかかっています。

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最後にやって来た部員は、かわいそうにその雨に降られてしまったようで、カバンがびしょ濡れになっていました。

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この京都の「猛暑」と「にわか雨」は、おそらく9月くらいまでずっと続くのでしょう。

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この先ひと月ほどは、体調管理に気をつけて何とか夏を乗り切っていきたいと思います。

ハイツ加茂の屋上から

今日は終日江古田稽古でした。

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先週くらいまでは涼しかった東京も、今日は関西と同じくらいの暑さと湿気です。

江古田駅から稽古場まで歩く数分の間は、まるで遠赤外線で炙られているような気分でした。。

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稽古場に到着して最初に稽古した方は、謡の個人稽古で曲は「加茂」でした。

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前シテの出からの謡は、旧暦水無月頃、つまりちょうど今頃の加茂川辺の情景を謡っています。

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「御手洗の声も涼しき夏陰や 糺の森の梢より 初音ふりゆくほととぎす…」

と稽古していると、一瞬ふと脳内に浮かんできた記憶がありました。

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10年ほど前に出町柳近くの「ハイツ加茂」という5階建マンションの一室を借りていた頃のことです。

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最近ではマンションの屋上は閉鎖されていることが多いですが、ハイツ加茂は広い屋上に自由に上がる事が出来ました。

屋上からは、大文字山、比叡山、京都タワーなどが見渡せたのですが、中でも西側の景色が好きでした。

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西側のすぐ眼下には”高野川”が流れており、その向こうに広大な”糺の森”が一望できたのです。

“糺の森”の木々は非常に樹高が高く、何やらただならぬ力を秘めているようでした。

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そして今日脳内に蘇ったのは、夏の夜に小さなゴザとビールを持って屋上に上がり、星や川や、黒いシルエットになった”糺の森”を眺めながら過ごした記憶だったのです。

その時の風景には、夜なのに何故か先ほどの「御手洗の…」という加茂の謡が似合うような気がしたものです。

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「それにしてもあのビールは美味しかったなあ…」

とぼんやり思ったところで我に返りました。

まだ稽古開始から20分しか経っていません。

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夜まで頑張らねば!とハイツ加茂の屋上の記憶を振り払って、再び稽古に没入していったのでした。

夏の風の中で

今日は京都の「ゲストハウス月と」にて、紫明荘組稽古をいたしました。

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暑い中をいらしていただいた方には申し訳なかったのですが、今日も頑張って一日中エアコンをつけずに稽古しました。

少し身体が慣れると暑さはほとんど感じなくなって、夏の風が心地よく、夕方にはちょっと涼しいくらいでした。

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京大若手OBOGもたくさん来てくれたのですが、そのうちの一人は昼前に来てすぐに舞囃子「絃上」の稽古をすると、

「今日はこれで失礼します」

といそいそと帰り支度を始めました。

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いつもゆっくりしていくのに、珍しいなと思ったところで、

「これから浜松の例の稽古会に初参加してきます」

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おお!そうでした。

彼は浜松で働いているのですが、少し前に

「浜松で流派を超えた能楽愛好家の稽古会があるそうです。声をかけていただいたのですが参加しても良いでしょうか?」

と尋ねられて、勿論大賛成だと答えていたのです。

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彼は熱心なOBで、御囃子もたくさん習っています。

稽古会などには積極的に参加して、少しでも舞台経験を積むと将来のためになると思います。

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他にも、最近「観世流大鼓」の稽古を始めて、今月ついに「初舞台」を無事に終えたOB、OGも来てくれました。

また金沢からはるばる来てくれたOGなど、今日は夕方まで密度の濃い稽古が出来ました。

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浜松の稽古会も無事に終わったでしょうか。

また話を聞くのが楽しみです。

四つ葉のクローバー

昨日の松本稽古でのこと。

小学2年生の男の子とお母さんは、仕舞「加茂」を稽古しています。

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小学2年生ながら既に稽古歴3年になる男の子は、難しい「加茂」の足拍子(謡に合わせてリズムを変えて22連発!)も何度か繰り返すと出来るようになりました。

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「よく出来ました!」

と挨拶して稽古を終えると、彼が何やら手に持って、私に差し出してくれました。

見れば細い茎の先端に小さな葉っぱが何枚かついています。

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私「おお、これは”四つ葉のクローバー!」

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以前に、京都のヤサカタクシーに「四つ葉タクシー」が1300台のうち4台だけあるという話を書きました。

こちらは本物の「四つ葉のクローバー」です。

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調べると、クローバーに「四つ葉」が出現する可能性は大体10000分の1だそうです。

四つ葉タクシーよりもかなり珍しいのですね。

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しかし男の子のお母さんは、

「私達は”四つ葉のクローバー”を見つけるのが得意なんです。よく見つかる原っぱがあるのですよ!」

男の子も、うんうんと頷いています。

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見つけると幸せになるという「四つ葉のクローバー」。

それをよく見つけるということは、きっと幸運がたくさん訪れる親子なのでしょう。

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親子でクローバーを探したり、折り紙に夢中になったり、その一方でドッヂボールで活躍してちょっと足首を痛くしたり…

松本で伸び伸びと成長する男の子の日々は、確かに眩しいような幸せに彩られているようです。

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私もその幸運のご相伴にあずかろうと、貰った「四つ葉のクローバー」を鞄の中の文庫本に大切に挟んだのでした。

理想的な稽古時間

今日は松本稽古でした。

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有り難いことにこの半年で人数が増えた松本稽古場ですが、今日は久しぶりに静かな稽古日になりました。

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13時半から稽古を始めて、夜に終えるまでにいらしたのがベテラン組お1人、新人さんお2人、仕舞のみの親子の合計5人。

ゆっくりと稽古いたしました。

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一方でおとといの紫明荘組稽古などは、同じくらいの時間で15人いらして、人が多過ぎてお1人あたりの稽古時間が短くなってしまったのです。

その日の参加人数ばかりは、稽古を始めてみないとわからないのが悩みどころです。

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私の理想とする稽古時間は、お1人あたり仕舞2〜3回、謡20〜30分なのです。

それが一昨日の紫明荘組稽古では仕舞1〜2回、謡15分前後になってしまいました。

かたや今日の松本稽古ではお1人仕舞3回、謡1時間くらい稽古したことになります。

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紫明荘組で短い稽古だった方は、また今日の松本のような時にゆっくりと稽古させていただきたいと思います。

どうかご容赦くださいませ。

4曲の強者達

今日は午後に江古田で何人かの個人稽古をして、夕方から田町稽古に移動して夜まで稽古しました。

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江古田から田町までの移動中は、普段は文庫本を読んでいます。

しかし今日私は電車に乗るとすかさず”小本入れ”を取り出しました。

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今月の18日〜28日の間に、「忠信」「藤戸」「昭君」「新作能 王昭君」という4番の能の地謡を謡うことになっているのです。

最近ではこの4番の小本を常に持ち歩き、時間があれば見るようにしています。

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短い曲ながら、戦闘シーンの謡で似た言葉が多く出てきて、謡が飛んだり、抜けたり、ループしたりする危険性のある「忠信」。

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強弱、緩急、心持などに繊細な気遣いが求められる、難易度の高い名曲「藤戸」。

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構成がかなり特殊で、また数年に一度しか出ない希曲であり、地謡の量の多い「昭君」。

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一度しか上演されておらず、従って地謡の経験も一回だけの新作能「王昭君」。

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何れ劣らぬ手強い武芸者が4人並んでいるようです。。

これから今月末までは、この強者達4曲を同時に相手にして、厳しい鍛錬を積んで参りたいと思います。