大稽古会から通常モードに戻って、今日は松本稽古でした。
前にも書きましたが、松本稽古場には子供が沢山来ています。最年少が5歳の男の子です。
いつもは自分の仕舞の稽古が終わると、ちょっと上のお姉ちゃん達と元気に飛びまわって遊んでいます。
しかし今日は、お姉ちゃん達は途中で帰ってしまい、お母さんの謡の稽古の時に1人になってしまいました。
すると…。
彼はお母さんと一緒に座って謡本を見始めたのです。
謡の稽古は「鸚鵡返し」と言って、私が一句謡ったら、鸚鵡のように同じ謡をうたってもらうやり方です。
また宝生流の謡本は特に古い字体で、読み辛いと言われています。
ところが私が見ていると、彼はお母さんと一緒に謡本を目で追って、謡う時にもお母さんと同じように口が動いているのです。
曲目は「箙」、大人でも普通に難しい曲です。
さすがに途中で鞄から機関車トーマス君を出して遊びながらになりましたが、一定時間鸚鵡返しをちゃんとしていたのは間違いありません。
5歳で謡の鸚鵡返しというのは、澤風会では最年少記録です。
このまま続けていってくれて、ベテランになった彼に「君の生涯初の鸚鵡返しは2017年1月30日でした」と言える日が来ると良いなあと思いました。