第11回杣月会に出演して参りました

今日は矢来能楽堂にて、土屋周子師主宰の「杣月会」に出演して参りました。

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杣月会の皆さん声が堂々として大きいのは以前からすごいと思っておりました。

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今日はまたそれに加えて、会の「雰囲気」にとても感銘を受けました。

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朝から夕方までの1日の会が無事に終わって、我々が着替えや片付けをしている時。

矢来能楽堂のお茶番の方がやはり片付けにいらして、

「今日の会は今迄経験した中で一番気持ち良く働ける会でした。皆さまそれぞれ素晴らしい方ばかりでした」

と気持ちを込めて仰ったのです。

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確かに私も、今日1日の会を通じて土屋師の実に細やかな心配りを感じました。

会員の皆様にも舞台から宴会までとても良くしていただきました。

そしてお茶番の方と同様に、

「こんなに気持ち良く過ごせる会は中々無いなあ」

と思いながら1日の舞台を勤めさせていただいたのです。

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具体的なことを書くと長くなってしまいます。

しかし今日の諸々の事は澤風会でも是非とも参考にさせていただきたいと思います。

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土屋先生、杣月会の皆様、本日は素晴らしい会にお招きいただきまして、誠にありがとうございました。

おしまいの仕舞

今日は水道橋宝生能楽堂にて「夜能」に出演して参りました。

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私は能「藤戸」の地謡を勤めましたが、今日は能が終わって一度切戸から入ると、すぐにまた舞台に出ました。

これは「仕舞」の地謡を謡うためです。

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「仕舞」は能のハイライトシーンを短く切り取って、紋付袴で舞う形式です。

京大宝生会や澤風会などの舞の稽古では、普段はほとんどの人がこの「仕舞」を稽古しています。

1番の能を稽古するのは時間もかかり、動かない場面も多いので、ハイライトシーンである「仕舞」を稽古するのはちょうど良い鍛錬になるのです。

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しかし元々「仕舞」とは、1日の能の催しの最後に将軍や偉い人からの「アンコール」の要望があった時に舞われていたものだそうです。

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なので宝生流の「夜能」で能の終わった後に「仕舞」を舞って催しが終わるのは、実は古くからの慣わしに則ったやり方なのです。

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ちなみに物事の終わりを「お仕舞い」というのも、最後に「仕舞」を舞って終わりにしたからだという説もあるそうです。

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そして再来月6月28日の「夜能」では、おしまいに私が仕舞「富士太鼓」を舞うことになっております。

「おしまいの仕舞」に興味がある方はどうかお越しくださいませ。

「歌占クセ」の巻き物

今日は江古田稽古でした。

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ジパング倶楽部のメンバー中心の団体謡稽古は、今「歌占」を稽古しております。

この「歌占」のクセは非常に難しく、宝生流では「山姥クセ」「花筐クセ」と共に「三難クセ」などと呼ばれています。

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そしてこの「歌占クセ」は、節使いの難しさもさることながら、その内容の凄絶さ、難解さが殆ど異様なほど際立っています。

人間の生命の儚さと、地獄巡りの苦しみを”これでもか!これでもか!”というほど微に入り細にわたって延々と描写しているのです。

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昔の人は何故こんな物凄い内容のクセを作ったのか、何か特別な由来があるのかと思って少し調べてみたのですが、残念ながらまだ手掛かりは掴めておりません。

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「歌占クセ」で思い出すエピソードがひとつあります。

京大宝生会に入って少し経った大学一回生の頃、渡辺三郎先生のあるお弟子さんから”巻き物”を頂戴しました。

広げてみると、半紙を繋げた細長い紙に、達筆で何やら沢山の文字が書いてあります。

よくよく読んでみると…

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なんと「歌占」のクセだったのです。

当時はまだ大学生になったばかりで、一応それなりに希望に満ちていた私は、その歌占クセの文句を読んで「なんじゃこりゃ」とその内容のあまりの重さに衝撃を受けたのでした。。

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その渡雲会のお弟子さんに、「何故これを、今私にくださったのですか…?」と聞いてみたかったのですが、残念ながらその機会はありませんでした。

私が宝生流を稽古し始めたのを知って「この歌占クセを稽古出来るほどになってください」というお気持ちだったのでしょうか。

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あるいは「大学に入って浮かれているかもしれんが、人生は本当はこのように厳しいのだぞ!」

と戒めてくださったのかもしれません。

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あれから幾星霜を経て、この歌占クセの文句も少しずつ身にしみるようになりました。

しかし一方で「やはりこれは大学一回生にはちょっと早い内容だよなあ…」とも思ってしまうのでした。。

賑やかになった田町稽古場

今日は田町稽古でした。

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沖縄旅行から帰って来られた会員さん。

新しい大学に入って、栃木県から2時間かけて来てくれた学生。

芸大生。

そして今日から新しく稽古を始めた方。

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今回もまた、前回よりも更に賑やかな人数になりました。

稽古場の終わる時間を気にしつつギリギリまで稽古をするのは、田町では久しぶりのことでした。

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この先は毎回こんな風に長く稽古することになりそうです。

一時期人数が少ない状態が続いた田町稽古場ですが、この勢いで一層人が増えていけば嬉しいです。

短めですが、今日はこれにて失礼いたします。

亀岡の花々〜3日会わざれば〜

今日は亀岡稽古でした。

先週金曜日から中3日空けての稽古です。

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たった3日しか経っていないので、今日は「亀岡の花々」はお休みにしようかと思っていました。

しかし稽古場に到着すると驚きました。

牡丹の花が咲いているのです。

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因みに先週金曜日の牡丹はこんな感じでした。

まだまだ蕾の状態です。

それが今日は…

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なんと見事に満開になっています。

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でも赤とピンクの花ばかりで、白い牡丹や斑入りの牡丹などはまだ蕾だったので、品種によって開花時期が異なるようです。

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ともあれ、次回来る時はもう牡丹は終わっていると思われるので、今日何種類かの牡丹に出会えて本当に良かったです。

獅子が戯れていそうな見事な牡丹でした。

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今日は他にも様々な花が盛りを迎えていました。

先ずは去年も出会った花々ですが、

「石楠花」。

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「山吹」。

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「水芭蕉」。

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そして更に…

ツツジのような、しかし非常に小さな花が咲いていました。

これは「雲仙ツツジ」という花だそうです。

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また同じツツジの仲間でも…

こんな花もありました。

「ドウダンツツジ」です。

この花は「満天星」と書いて「どうだん」と読ませる呼び名もあるそうです。何と美しい呼び名かと思いました。

しかもこの亀岡稽古場の満天星は樹高が4mはあろうかという大きな樹で、無数の小さな花は確かに「満天の星空」に見えたのでした。

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見た目が名前になっている花が他にもありました。

「イカリソウ」や…

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「シジミバナ」です。

そういわれると確かに「錨」や「蜆」に見えました。

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今日は3日前とはまた違う花の景色を見ることができましたが、明日からは少し天気が崩れて雨も降るようです。

今日出会えた花々は一期一会、次に来た時はもう見られないでしょう。

でももし来年も縁があれば、再会できると嬉しいです。

2019年度最初の新入部員!

今日は昼前から、京都の北文化会館にて紫明荘組の稽古でした。

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ひと月半ぶりの人、2ヶ月ぶりの人、また半年ぶりの人がたまたま揃って、沢山の話題で盛り上がっておられました。

私はひたすら稽古で会話に入れずいたのですが、この先の紫明荘組はまた一層賑やかになりそうで、嬉しく思って聞いておりました。

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そして夕方に終えて次は京大宝生会へ。

能楽部BOXに入ると、宝生会のホワイトボードの「新入生」の欄に1人の名前が。

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そうです。先週金曜日についに2019年度最初の新入部員が入部してくれたのです!

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これは正に「雨にも負けず 風にも負けず」に時計台前で新入生に声掛けを続けたり、様々な新歓イベントを重ねて来た、新歓委員を始めとする現役部員の努力の賜物です。

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18時半頃にその新入部員がBOXに入って来た時には、他にも3人の新入生見学者が来てくれていました。

見学者を含めて4人で基本的な型を稽古して、その後仕舞「紅葉狩」の前半も稽古しました。

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毎年のことながら、新入部員に「紅葉狩」を教える時は「また新しいシーズンが始まったのだなあ」と感慨深い気持ちになります。

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次に入部した人は「熊野クセ」を、更に次の入部者は「船弁慶クセ」を稽古することになります。

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新歓ももうかなり長い期間になり、現役達は今頃が一番疲れてくる時期だと思います。

なんとかこの努力が報われて、「熊野」と「船弁慶」の人が入ってくれることを切に祈っています。

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現役さん達、もうひと息どうか頑張りましょう。

今後の能面のサイズ問題…

今日は松本稽古日だったのですが、その前に昼から松本の少し手前の「岡谷」で、小中高生向けの能楽教室をして参りました。

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特急あずさで一度「上諏訪駅」で降りて、普通電車に乗り換えて岡谷に向かいました。

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その乗り換えの「上諏訪」の辺りで、車窓から満開の桜がたくさん見えたのです。

東京では終わってしまった桜です。

乗り換え時間が20分近くあったので、せっかくなので花見をしようと思い立ち、桜が見えた方に歩いて行きました。

大きな駐車場の向こう、幼稚園の園庭で大きな桜が満開でした。

そして横には”鯉のぼり”がはためいています。

「桜と鯉のぼりの共演」というのも、信州らしいと思いました。

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そして普通電車で岡谷へ。

岡谷で会った50人程の子供達は、やはり元気と好奇心に溢れていました。

ちょっと年かさの高校生達が司会などをしてくれて、また小さな子供達の事を何となく気にかけてくれていたのに感心いたしました。

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能楽教室の最後に質問コーナーを設けました。

やはり高校生くらいの割と大きな男の子が、

「能面は何故顔よりもちょっと小さいサイズなのですか?」

と質問してくれました。おお、良い質問です!

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「能面の外側に少し顔の輪郭が見えて、それが謡う時に動くのが見えると、能面も生き生きと動いているように見えるからです。」

と答えようと思い、しかしふと思いついて、質問してくれた男の子に「小面」をかけてもらうことにしました。

彼を前へ呼ぶと、「よっしゃ!」と嬉しそうにガッツポーズして出て来てくれました。

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身長は私と同じくらいです。

「では能面に一礼して、面紐の所を持って、目の高さに合わせてあててくださいね…」

と言ってあててもらうと…

なんと彼は小顔なので、能面がすっぽりと顔にはまってしまったのです。。

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最近は背が高くて小顔の若者が多いので、

「能面の効果を出すには、もっとサイズを小さくしないといけないのかな…」

と一瞬思いましたが、

「しかし身長は高いから、ちょっと大きめのサイズにしないと似合わないだろう…」

とも考えられて、「今後の能面のサイズ問題」はなかなか難しいと思ったのでした。

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岡谷でお世話になった皆様どうもありがとうございました。

おかげさまで今日も充実した能楽教室になりました。

色々重なった五雲会

今日は水道橋宝生能楽堂にて開催された「五雲会」に出演いたしました。

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能「巴」の地謡という役目に加えて、今日は朝から色々と用事が重なりました。

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能楽師を目指す若者の「楽屋入り」という重要な節目への立ち会い。

そして5月6月に連続する「関西宝連」と「全宝連京都大会」へ向けての様々な準備作業など。

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上に掲載したのは、先ずは5月の「関西宝連」のチラシです。

関西宝連は「京都宝生流学生連盟」と「阪神宝生流学生連盟」の合同の組織ですが、このうち「京都宝生流学生連盟」は今回で第120回の大きな節目を迎えます。

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それを記念して同志社大学、京都女子大学、京都大学が三校合同で能「高砂」を演ずるのです。

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これに加えてまた「全宝連京都大会」のチラシなども改めて掲載したいと思います。

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今日は短いですがこれにて失礼いたします。

隙間花壇から亀岡へ〜強い生命力〜

今日は亀岡稽古でした。

朝に三ノ輪の自宅を出て、いつものように「隙間花壇」の前を通りかかると…

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見落としてしまいそうな程に小さな「虞美人草(ヒナゲシ)」が一輪だけ咲いているのに気がつきました。

例年はもっとたくさん咲くのですが、今年はマンション改修工事の影響で植物達が育ちにくいようです。。

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それでも頑張って咲いてくれたこの花は立派です。応援したくなります。

今年を乗り切って、来年からはまた思う存分に咲き誇ってほしいものです。

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そして亀岡に移動すると、こちらは春の花が無数に咲き乱れていました。

撮影が追いつかない程で、目についた数種類を紹介させていただきます。

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これは「ヒキノカサ」という変わった名前の植物です。

花を「蛙(ひき)の傘」に見立てた名前だそうですが、1〜2㎝ほどの小さな花で、傘にしても蛙は雨に濡れてしまいそうに見えました。

京都府内では一時”絶滅種”とされていた貴重な植物だそうです。

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これはおそらくマムシグサの一種かと思い調べてみると、「ユキモチソウ」という植物でした。

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花の真ん中から真っ白いお餅のようなものがニョキッと顔を出しています。

これが「雪のように白いお餅」に見えるので「雪餅草」と名付けられたそうです。

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また筒状の花に見えるのは花ではなく葉の変化した”苞(ほう)”というもので、サトイモ科の植物では仏像の光背になぞらえて「仏炎苞」という有り難い名前で呼ばれるそうです。

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群青色の星のような花を見つけました。

これは「ホタルカズラ」と言い、草叢に点々と咲く花を蛍に例えた名前だそうです。

美しい名前のこの植物も、やはり多くの府県で絶滅危惧種に指定されているということです。

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初めて見る花に加えて、毎年会えるのを楽しみにしている花もありました。

「ムレスズメ」です。

今回はいつかの”返り咲き”ではなく、ちゃんとスズメの大群のようになって咲いていました。

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そして「コノハナザクラ」です。

ヤマザクラの八重咲き品種であるこの桜は、野生種は日本に僅か4本しか存在しないとか。

見頃は過ぎていましたが、何とか花に間に合いました。

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マンション工事の影響に負けずに咲いた隙間花壇の「虞美人草」。

そして絶滅の危機を乗り越えて咲き続ける亀岡の花々。

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今日東西で出会ったそれらの花々からは、いずれも「強い生命力」を感じて印象に残りました。

平成36年まで有効…?

今日は午前中に水道橋宝生能楽堂にて、明後日土曜日開催の「五雲会」の申合がありました。

私は能「巴」の地謡を勤めました。

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申合が終わってから、私は日比谷線入谷駅近くの「下谷警察署」に向かいました。

警察署とは言っても何かトラブルがあった訳ではありません。

免許の更新に行ったのです。

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幸いにここ10数年間は無事故無違反のゴールド免許なので、更新は5年に一度、近所の警察署で出来るのです。

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今回更新するとこの先5年変わらない免許証です。

直前に一応床屋さんで散髪などして、写真用に身なりを整えました。

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髪もさっぱりして、準備万端で下谷警察署に乗り込んだのですが、ひとつだけ心配事がありました。

「視力検査」です。

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両眼で一度に検査して、0.7以下だと落とされてしまい、更新料も返ってこないのです。

5年前の更新の時に、すでに視力が落ちているのを実感して、ギリギリで検査を通った記憶があります。

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これまでの人生で「眼鏡」というものを一度も作ったことの無い私ですが、今回の視力検査で落ちたらいよいよ眼鏡生活かも…

と覚悟して検査に臨みました。

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1つ目は余裕で「右です!」「はい良し」

2つ目ちょっと厳しいけど…「左?」「はい良し」

3つ目…これは小さいです。。

暫し考えて…「えー、上…?」「はい!大丈夫ですねー」

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おお!何と通ってしまいました。

これでこの先5年は眼鏡無しでいけそうです。

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そして30分の短い講習の後に、新しい免許証が発行されました。

やれやれ嬉しやと思って良く見ると、一ヶ所だけ「あれ?」と思いました。

有効期間が(平成36年)となっていたのです。

そこは(令和5年)と書いてほしかった気がします。。

おそらく来月になって元号が新しくなってから更新すれば、(令和5年)と書かれたのでしょう。

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しかし、むしろ絶対に存在しない(平成36年)という年号が書かれた免許証というのは希少価値があるかも…

と思い直して家路についたのでした。