おしまいの仕舞

今日は水道橋宝生能楽堂にて「夜能」に出演して参りました。

.

私は能「藤戸」の地謡を勤めましたが、今日は能が終わって一度切戸から入ると、すぐにまた舞台に出ました。

これは「仕舞」の地謡を謡うためです。

.

.

「仕舞」は能のハイライトシーンを短く切り取って、紋付袴で舞う形式です。

京大宝生会や澤風会などの舞の稽古では、普段はほとんどの人がこの「仕舞」を稽古しています。

1番の能を稽古するのは時間もかかり、動かない場面も多いので、ハイライトシーンである「仕舞」を稽古するのはちょうど良い鍛錬になるのです。

.

.

しかし元々「仕舞」とは、1日の能の催しの最後に将軍や偉い人からの「アンコール」の要望があった時に舞われていたものだそうです。

.

なので宝生流の「夜能」で能の終わった後に「仕舞」を舞って催しが終わるのは、実は古くからの慣わしに則ったやり方なのです。

.

ちなみに物事の終わりを「お仕舞い」というのも、最後に「仕舞」を舞って終わりにしたからだという説もあるそうです。

.

.

そして再来月6月28日の「夜能」では、おしまいに私が仕舞「富士太鼓」を舞うことになっております。

「おしまいの仕舞」に興味がある方はどうかお越しくださいませ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です