隙間花壇と天王祭

今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」が開催されました。

.

水道橋に向かおうと三ノ輪の自宅マンションを出て、いつものように「隙間花壇」の前を通り過ぎました。

.

.

マンション大規模改修工事で殆ど枯れてしまい、ひと塊りだけ生き残った「ツツジ」が中央少し上に見えます。

残念ながら花は咲きませんでしたが、来年こそはまた勢いを取り戻してほしいものです。

.

…ところがよく見ると、下方から「オシロイバナ」がめきめきと育ってきています。

このままいくと、「ツツジ」の生き残りが「オシロイバナ」に埋まってしまうのではないかと、ちょっと心配になりました。。

今後の経過を見守りたいと思います。

.

.

.

次に目についたのは…

「ガクアジサイ」でした。

こちらも改修工事の影響か、去年よりも花は遅めです。

.

.

…そしてもう一つ、去年は違う”異変”に気がつきました。

.

花の色です。

去年までは確かに毎年青い花でした。

因みに下の写真が去年のアジサイです。

.

.

それが今年は急に赤い花に。

土壌の質が変わったのでしょうか。

.

何となく私には、アジサイが「この柵は邪魔だなあ!」と怒っているようにも、また「今年はやけに育ちづらいけれど、頑張って咲くぞ!」と力を入れているようにも見えました。

.

.

そして駅の方へと歩いていくと…

何やら沢山の風船を持った行列が見えて来ました。

親子連れが多いような…。

.

.

そしてその行列の後ろから…

なんと子供達が乗って太鼓を叩いている可愛らしい「山車」がやって来たのです。

今日は”素戔嗚神社の天王祭”の日でもあったのでした。

.

.

去年の天王祭では、大人達の勇壮な「神輿振り」に偶然行き合いました。

今年は可愛い子供山車と出会った訳です。

この子達が将来あの大人神輿を豪快に振りながら練り歩くようになるのだろうと、何か頼もしい気持ちになりつつ、地下鉄日比谷線の駅へと急いだのでした。

初めての関宝連見学

今日は朝から昼過ぎまで、つつじヶ丘の中学校で能楽教室がありました。

.

そして終わってすぐに、亀井雄二君の車で水道橋に急ぎました。

午後2時より宝生能楽堂にて「第132回関東宝生流学生能楽連盟自演会」、通称”関宝連”が始まるのです。

.

私は関西で京大宝生会を教えているので、これまで”関宝連”を見ることが殆どありませんでした。

しかし今日は”関宝連”に関係する、ある大切な約束があったのです。

.

.

実はこの春から稽古を始めてくれた「日本女子大学」の新入生達が、今回の”関宝連”を観に宝生能楽堂に来てくれることになっていたのです。

.

土曜日も午後まで授業があるという多忙な新入生3人は、16時頃に能楽堂に到着しました。

.

そして全員が初めて能楽堂に入るということなので、舞台の合間に少しずつ解説を入れながら、最後の東大宝生会の舞囃子「敦盛」まで2時間ほどじっくりと”関宝連”を観てもらいました。

関西宝連とはまた違う雰囲気の、とても良い舞台でした。

.

.

終了後に楽屋で「反省会」があり、その席で関宝連の皆さんに「日本女子大で今年から稽古を始めた新入生です!」と彼女達を紹介して、盛大な拍手で迎えていただきました。

.

まだ次の関宝連の舞台に出られるかもわからない状態で、これから手探りで一歩一歩進んでいこうとしている日本女子大です。

しかし、今日同世代の学生さん達の舞台を観て、その学生さん達に好意的に接してもらえた経験は、大きなプラスになったと思います。

.

.

願わくば冬の関宝連大会で、今度は日本女子大学の舞台を皆さんに観ていただきたいものです。

それを大きな目的にして、しかし焦らずに前進していけたらと思っております。

.

.

先ずは近々の目標として、来週木曜日に日本女子大で予定されている新歓イベントを頑張って、1人でも仲間を増やしたいと思います。

能「鵜飼」に向けて

今日は水道橋宝生能楽堂にて「月並能」の申合がありました。

.

その後に来週土曜日開催の「五雲会」の稽古があり、私は能「鵜飼」のシテを勤めるのでその稽古を受けました。

.

.

「鵜飼」という曲は、私が京大宝生会を指導するようになって初めて教えた能なので、とても思い出深いものがあります。

その時の事は去年2018年5月11日のブログに詳しく書きました

.

当時数十回は稽古を重ねました。

その時の蓄積と、それから現在までの経験を掛け合わせて、今の私なりの「鵜飼」を舞台に出せればと思っております。

.

.

京大宝生会の「鵜飼」でシテを勤めたOBが、もしかして見に来られるかも…という話もあり、とにかくまだまだ頑張って稽古して、良い舞台にしたいと思います。

ミュージシャン大集合…?

今日は江古田稽古でした。

.

午後は謡の団体稽古で、夕方16時頃から個人稽古に移行します。

仕舞の個人稽古をしていると、横の待合室でおもむろに私に向けてスマホのカメラを構える人が。。

.

謡の稽古を終えたばかりの、常に元気一杯のボーカリストの方でした。

パシャパシャと何枚分かのシャッター音が聞こえました。

.

.

仕舞稽古を終えて、「今のはもしかして宣伝用でしょうか…?」

と聞いたら、

「そうです!知り合いに何人か興味を持っている人がいるのです!」

.

.

おお、それは有り難いです。

実はこの4月から、受験準備などのために、3人の中高生がお休みしているのです。

なので、夜の時間帯が結構空いています。

.

ボーカリストさん「それはつまり、今がチャンスってことですね!わかりました。頑張って宣伝します!」

いや本当に有り難いことです。

.

「江古田近辺の知り合いのミュージシャンは皆誘ってみます!」

え?

なんと皆さんミュージシャンなのですね。

.

.

もしかしたらちょっと未来の江古田稽古場では、夜にはミュージシャンの方々が集合するということになるのかもしれません。

それはそれで大変面白そうなので、期待してお待ちしたいと思います。

話題は豊富なのですが…

今日は午後に国立能楽堂にて能「藤栄」の地謡を謡い、その後宝生能楽堂にて私自身の能「鵜飼」シテと能「草紙洗」ツレ貫之の稽古を受け、さらにその後夜に田町稽古でした。

.

.

田町稽古では、産経新聞の読者投稿欄に先日京都大江能楽堂にて開催された「関西宝連」をご覧になった方の投稿が載っていた話を聞き驚きました。

.

更に、今日も自治医科大学から授業を終えて田町に来てくれた青年より、「自治医科大学能楽部」の大学への申請が認められたとの嬉しいニュースもありました。

.

.

色々話題は豊富なのですが、今日は帰宅してからも細かな仕事がまだまだ残っており、短いのですがこれにて失礼いたします。

芦屋が舞台の能「藤栄」

今日は朝に松本を出て新宿に戻り、そのまま千駄ヶ谷の国立能楽堂にて明日開催の能「藤栄」の申合に向かいました。

.

この能「藤栄」は能「鉢木」と並んで、最明寺時頼の「世直しシリーズ」のうちの一曲です。

変則的な構成の曲で、シテ、ワキ、ワキツレ、間狂言、子方が複雑に絡んでストーリーが展開します。

.

地謡も通称「根白節」という有名な難しい箇所があるなど、中々に手強い曲です。

松本からの特急「あずさ」車内でも小本を広げて、念入りに地謡を浚いながら国立能楽堂に入りました。

.

.

いざ申合が始まってみると、変な話ですが改めてこの曲が”芦屋”を舞台にした話なのだと思い出しました。

.

私は芦屋稽古の時に、阪急芦屋川駅から稽古場に向かう途中にある「月若公園」という細長い公園の横を度々通っていました。

実は能「藤栄」の子方の名前が「月若」なのです。

おそらくあの「月若公園」のある辺りから、芦屋川を下って海に出る辺りの土地で能「藤栄」のストーリーが展開されていたのでしょう。

.

そう考えると、手強いと思っていた「藤栄」の地謡も、なんだか親しみのあるものに思えて来たのです。

.

明日は午後から国立能楽堂での本番です。

月若公園と芦屋の風景を思い出しながら、頑張って地謡を勤めたいと思います。

ちょっと背伸びですが…

今日は松本稽古でした。

.

松本駅に到着すると、乾いた熱気が身体を包みました。

駅前の気温計は32℃。

.

しかし乾燥しているので、不快感はありません。

.

.

稽古場では、前半に2人の開智小学校の男の子が来てくれました。

2年生の男の子は、既に舞台を何度も踏んでいるベテランです。

.

仕舞「安宅」を今日で卒業して、「次の仕舞は何にしようか?」とお母様が聞いたところ、なんと「加茂がしたい!」と言ったのです。

.

仕舞「加茂」は、京大宝生会では3回生相当の難易度の曲ですが、去年松本稽古場の先輩が舞ったのを見て格好良いと思ったそうです。

ちょっと背伸びですが、ここは本人のやる気に賭けて、「加茂」を始めてみました。

“飛び返り”まで稽古したのですが、とても楽しそうに稽古していて安心しました。

.

.

4年生のサッカー少年は、今年から稽古を始めたばかりですが、こちらも今日から思い切って仕舞「竹生島」の稽古を始めました。

身体を使う、型の大きな仕舞の方が向いているように見えたのです。

.

こちらもやはり背伸び気味の難易度でしたが、終わってから「楽しかった」と照れながら言ってくれました。

.

.

松本澤風会の舞台は11月に予定されているので、暫くは実力をつけるための時期になります。

頑張ってちょっと難しい仕舞に挑戦して、11月には大人の会員さんも含めて見所が驚くような上達ぶりを発揮して貰いたいと期待しております。

第14回涌宝会大会に出演して参りました

昨日今日と、名古屋能楽堂にて開催された「涌宝会大会」に出演して参りました。

.

20番近くの舞囃子と能「羽衣 盤渉」を初め、実に膨大な量の充実した番組でした。

会主の和久荘太郎さんは、金土日の三日間、申合と本番を殆ど謡い通し。

しかも昨日は番外舞囃子「当麻」、今日も舞囃子「橋弁慶」のシテまで舞われて、いつもながらその無尽蔵なバイタリティには驚かされました。

.

.

盛りだくさんの番組で特に印象に残ったのが、名東高校の学生さん達による舞囃子「氷室」でした。

.

シテ、地謡、大鼓、小鼓、太鼓、笛を全て高校生が勤める舞囃子です。

しかも「氷室」という曲は、かなり難易度も高く、大学の能楽部でも滅多に出ない曲なのです。

.

その難しい舞囃子を、全ての役が見事に調和して完成させていました。

高校生なので、稽古を始めてから長くても2年程のはずなのに、このハイレベルな舞台は本当に驚くべきことでした。

.

.

京大宝生会で囃子を習っている学生達も、今日の「氷室」のような全員現役学生の本格的な舞囃子に、定期的に挑戦出来たら良いと思いました。

舞台ではシテや地謡も多い彼らなので、そんな挑戦が可能かどうか、折を見て相談してみようかと思います。

.

.

今回もまた大いに刺激を受けた「涌宝会大会」でした。

涌宝会の皆様、和久荘太郎様、誠にありがとうございました。

明日も頑張ります。

今日は舞囃子「当麻」などの地謡をなんとか無事に終えることができました。

諸般の事情によりまして、詳しくは明日まとめて書かせていただきたいと思います。

.

明日も地謡など色々頑張ります。

歩きながら謡を覚えること

今週は覚えるべき謡が沢山ありました。

.

東北新幹線や東海道新幹線で大方は消化したのですが、最後にボスキャラが一曲残ってしまいました。

.

「当麻」です。

.

.

舞囃子の地謡部分なので、ページにすると僅かなのですが、内容がとにかく難しいのです。

仏教用語が頻繁に出てくる曲は他にもあります。しかし当麻では…

.

「為。一切世間。説此難信。之法。是為。甚難。」

というように、最早読み方すら判らない言葉が羅列されているのです。。

.

.

新幹線で「当麻」の小本を開いていても、眠気が襲ってくるばかりでちっとも頭に入ってくれません。

.

こんな時私は「歩きながら覚える」という手法をとることがあります。

.

.

今日の場合だとシャツの胸ポケットに小本を入れて、片手でキャリーバックをコロコロ引きながら覚えていきます。

.

「歩きスマホ」ならぬ「歩き小本」も危ないので、本は見ないで文句を小声で口ずさみながら歩いていき、わからなくなった箇所を信号待ちの間に小本で確認するのです。

.

歩いていると眠気も来ないし、気分も変わるので、謡が頭に入りやすい気がします。

.

.

今日は宝生能楽堂→わんや書店→神保町古本屋街→日比谷線秋葉原駅

というルートを辿り、途中古本屋さんに寄ったりしながら90分程かけてなんとか「当麻」を頭に入れる事が出来ました。

.

舞囃子「当麻」地謡の本番は明日夕方なので、もう何度か浚い直してから舞台をむかえたいと思います。