全宝連京都大会のお知らせ

今週末の6月29(土)30日(日)に京都金剛能楽堂にて、

「全国宝生流学生能楽連盟自演会京都大会」

が開催されます。

東京、名古屋、金沢、関西を中心に、宝生流を稽古する全国の学生達が一堂に会する盛大な催しです。

29日10時半〜15時まで学生自演会

30日は10時〜13時まで学生自演会、15時から鑑賞能があります。

学生自演会は入場無料、鑑賞能は有料の催しになります。

鑑賞能は宝生和英御宗家による

能「鞍馬天狗 白頭」

ほか、各大学を指導する能楽師による仕舞が多数演じられます。

番組は下の通りです。

詳細情報、また鑑賞能チケットの購入は下のリンクをご覧くださいませ。

鑑賞能チケットは当日受付でもご購入いただけます。

学生達の熱い舞台と、その後の盛りだくさんな内容の鑑賞能を観に、週末は是非京都金剛能楽堂にお越しくださいませ。

よろしくお願いいたします。

https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=10193

https://zenporen2024.peatix.com/?lang=ja

六條院公園

京都市内に前々から気になっていた公園があります。

その名も「六條院公園」です。

そう、あの能「融」の舞台となった源融の邸宅「六条河原院」を想起させる名前の公園なのです。

中は至って普通の、ジャングルジムやブランコなどがある小さな公園です。

場所は六条河原院跡から少し西に外れた所にありますが、数年前に最初に通りかかった時には、

「きっと何か融と関わりがあり、立て札の1枚くらい立っているかも…」

と期待して公園を一回りしてみたのですが、何も由緒書きなどは見つからず、がっかりした覚えがあります。

しかし今日また通りかかって、念のため中を覗いてみると、何と新しい立て札らしき物が目についたのです。

ひと目見て、「そうか今年の大河ドラマのおかげで作られた立て札か!」

と気がつきました。

源融は光源氏のモデルとされているのです。

しかし立て札を読む限り、この「六條院公園」と「六条河原院」には直接の関わりはないようでした。

立て札の内容で興味を惹かれたのは、

「平安時代の池の跡が六条河原院付近で発掘された」というものです。

今の五条通りの北側にその池の跡はあるようで、正にそこが能「融」の舞台となった場所かもしれないのです。

今日は四条から京都駅方面に南下する途中で六條院公園に立ち寄ったので、五条まで戻ることはしませんでしたが、日を改めて六条河原院の池の跡を探しに行ってみたいと思います。

亀岡の花々〜半夏雨〜

今日は亀岡稽古でした。

亀岡は本降りの雨で、亀岡駅から稽古場のある亀山城址まで歩く間に傘をさしていたのにビショ濡れになってしまいました。。

稽古場の中庭に、この時期に毎年見られる植物がありました。

「半夏生(ハンゲショウ)」です。

半夏生は植物の名前であると同時に「雑節」

のひとつでもあります。

雑節とは二十四節気、五節句の他に設けられた暦日の事で、「節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日」が雑節にあたるそうです。

この頃に降る雨のことを「半夏雨(はんげあめ)」とも呼び、大雨になることが多いそうで、正に今日の亀岡は「半夏雨」でした。

また植物の「ハンゲショウ」は葉っぱが半分くらい白くなっているのが大きな特徴ですが、調べてみるとこれには面白い理由がありました。

ちょっと不鮮明なのですが、よく見ると房状の花の近くの葉っぱが半分白くなっています。

実はこの白い部分は、花粉を運ぶ昆虫などへの「広告塔」の役目を果たしているそうなのです。

なので、花の時期が過ぎると再び緑色に戻るそうです。

これは今日初めて知りました。

半夏雨のおかけで他の花々を探すことはできませんでしたが、亀山城址のお堀の方からは

「モ〜、モ〜」

というウシガエルの太いのんびりとした声が聞こえてきました。

太陽が戻ってきました!

今日は関西紫明荘組の稽古でした。

そして今日は稽古場に着く前から、とても楽しみにしていることがありました。

稽古場に到着すると、

「先生!どうもお久しぶりです!」

元気なお声で、満面の笑みのその会員さんは、しかし2年と少し前に大きな病気になって、それからずっと稽古はお休みでした。

辛く長い治療を見事に乗り越えられて、今日が2年と少しぶりの復帰の稽古だったのです。

去年後半から先ずはリモートの謡稽古から再開されて、月2回のリモート稽古で徐々に元気を取り戻されている様子がわかりました。

そして今日、満を持して稽古に来られたお姿は画面越しよりもずっとお元気で、しみじみと良かったと思いました。

仕舞はとりあえず「右近」を稽古しました。

1回目はまだ感覚が戻りきらないように見えましたが、2回目の舞はもう滑らかな動きで、これならすぐにもっと難しい曲に移行できそうです。

元々が人一倍元気で太陽のような方です。

今日の稽古場は正に太陽が戻ってきたように、皆さん明るく嬉しそうな雰囲気でした。

心強いメンバーが復帰されて、秋の澤風会京都大会に向けて勢いがついた気がいたします。

自治医大の集中力

今日は自治医大宝生会の稽古に行って参りました。

先日の「関宝連」は、6年生の地元実習の関係で、本番2日前に1度だけしか稽古できずに本番を迎えました。

しかも私自身が関西で舞台があり、仲間の若手楽師に自治医大の事をお願いして関西に向かったのです。

今日自治医大に到着すると、真っ先にその関宝連の様子を聞いてみました。

すると笑顔で「いや〜絶対無理だと思っていたのに、本番はノーミスで出来ました〜!」

おお!さすが普段から集中力が求められる医大生です。

1度だけの稽古の音源や映像で、本番直前までみっちりと自主練したようです。

そして今日は、来週末に迫った「全宝連京都大会」に向けての稽古です。

関宝連前は差し迫った本番のための必要最低限のことしか言えなかったのですが、今回はまだ時間もあるので、より細かな稽古ができました。

自治医大はこれでもう全宝連本番を迎えるわけですが、彼らは今回もここから集中して自主稽古をしてくれるはずです。

6月30日の全宝連本番は、今度こそは私も行けるので、金剛能楽堂での彼らの奮闘をしっかりとサポートしたいと思います。

太鼓と舞働のリンク

今日は江古田稽古でした。

夕方に来られた会員さんは、今日初めて「舞働」の型を稽古しました。

その方は金春流太鼓の稽古を一昨年からされていて、ある程度太鼓の手はわかっていると思われました。

なので、先ず「舞働」の型を一通り稽古した後で、

私「舞働の最初は太鼓の”テレツクテレツク…”という打込みの途中で始まるのです」

と太鼓の手を打ちながら説明してみました。

ところがその会員さんは一瞬ポカンとされて、少し時間が経ってから、

「え?あの太鼓の手の、ここで舞が始まるのですか!」

と、驚いた顔をされたのです。

私も一瞬ちょっと驚きましたが、思えば太鼓の稽古では太鼓の手を覚えるのに必死で、それが舞とどのようにリンクするのかまで考える余裕は無いのでしょう。

しかし、今日のように「太鼓と舞がここでこうやってリンクしているのだ」と改めて認識できるのは、お囃子を稽古されている方の特権でもあるのです。

きっとその会員さんは、舞働をより立体的に早く会得してくださるだろうと思います。

仙台の茶豆!

今日は青森から仙台稽古に移動しました。

仙台では稽古の前によく立ち寄るマーケットがあります。

仙台駅近くの巨大なアーケード街にある、

「みやぎ・みちのくカイタク市場」

です。

店内には東北の様々な名産品が並んでいて、見て回るだけで楽しい旅行気分が味わえるのです。

「三陸牡蠣カレー」や「バターチキン風ホタテカレー」などは安くて非常に美味しく、これまでに何度も購入しました。

そして外には生鮮野菜が並んでいます。

どれもお安いですね。

そして目についたのが…

私の大好物である「茶豆」でした!

「めっちゃ甘くて香りが豊か‼︎」

と書いてあり、これはもう…

即買いです。

今は帰りの新幹線なのですが、帰ったら遅めの晩御飯で早速茹でていただきたいと思います。

楽しみです…!

夏の始まり

今朝起きると、東京は天気予報通りの強い雨でした。

私の自宅は地下鉄日比谷線三ノ輪駅から徒歩2分なのですが、昼頃に家を出てから2分で傘があっと言うまにぐしょ濡れになって、三ノ輪駅に到着しました。

しかしこの先は傘はいらない道中なのです。

上野駅から東北新幹線に乗り、一気に青森まで。

新青森駅で東北新幹線を降りると、ムワッとする熱気が身体を包みました。

大雨の東京とは打ってかわって、青森は今日最高気温30℃の夏の陽気だったようです。

夜7時を過ぎてもまだ日が残っており、ついこの前まで肌寒い思いをしたのが嘘のようです。

青森稽古場ではまだ冷房が使えなくて、仕舞稽古をすると皆さん汗をかいておられました。

もちろん私も舞っていると暑さを感じて、今年もまた文字通り稽古や舞台に”汗水を垂らして”取り組む夏がやって来たのだと実感したのでした。

亀岡の親子能楽教室

今日は亀岡稽古だったのですが、通常稽古の前に「親子能楽教室」の稽古をいたしました。

お母さんと子供が一緒に謡と仕舞を稽古します。

曲は謡も仕舞も「高砂」です。

夏の間に定期的に稽古して、9月にその成果を舞台で発表するのです。

亀岡稽古場には立派な能舞台があるので、このような能楽教室をするのには大変好都合なのです。

謡と仕舞だけで無く、正座しての正式な挨拶や、「鏡板」や「橋掛」の意味、また”ひだり”と”みぎ”は”お日様”と”水”に関わる言葉だという事などなど、色々な豆知識も挟みながら進めていきました。

お母さんもお子さんも興味津々という感じで、この機会に能楽を通じて日本古来の様々な決まり事や考え方も知ってもらえたらと思います。

6、7、8月の間、亀岡親子能楽教室の稽古も頑張って参ります。

思いがけない再会

今日は水道橋宝生能楽堂にて、宝生流定期公演の能「春日龍神」の地謡を勤めました。

シテは佐野弘宜さんでした。

佐野弘宜さんのお弟子さんで、一時期京都に引っ越して私のところで稽古していたお母さんと男の子がいます。

このホームページにも写真を使わせていただいているのですが、当時は男の子はまだ幼稚園児で、本当に小さかったのを覚えています。

その後、親子はまた関東に戻られて、再び佐野弘宜の元で稽古を再開されました。

それから数年会っていなかったのですが、何と今日はその親子が佐野弘宜さんの「春日龍神」を観にきてくれたのです。

能が終わってロビーに出て行くと、向こうから見覚えのある親子が走って来ました。

しかし男の子は面影は変わらないけれど背丈が倍くらいに大きくなっていました…!

聞けばもう小学6年生で、いわゆる”お受験”に突入しているそうなのです。

いつの間に6年も経っていたのですね…

男の子は私の事など忘れてしまっているかと思いきや、以前に澤風会に出てくれた時に番外で私が舞った舞囃子「春日龍神」の事をちゃんと覚えてくれていて、それも大変嬉しい事でした。

今は稽古が嫌になる時もあるそうなのですが、私も丁度小学6年生くらいの時に稽古が嫌になってお休みした期間があった事を伝えて、気長にやってくれるようにお願いして、またの再会を約して楽屋に戻りました。

この先高校や大学で能楽部がある学校に入ったら、是非そこで能を続けてもらいたいものです。

その時にまた思いがけないタイミングで再会出来ると嬉しいですね。