今度は”空飛ぶ布団”…

今日は松本稽古でした。

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今年最後の稽古に頑張って行こう、と三ノ輪の自宅マンションの扉を開けようとしたところ…

何故か扉がなかなか開きません。

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それこそ頑張って扉を押し開けたのですが、外に出た途端に「ブワッ!」とすごい風に吹かれました。

後ろで扉が「バターン!」と音を立てて閉まります。

これ程の強風は久しぶりです。

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「中央本線、強風の影響無ければ良いが…」

と思いながら新宿駅に向かうと、途中で案の定「中央本線列車遅延のお知らせ」が…。

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そして遅延の理由は、

「架線に布団がかかっており、撤去作業を行っているため」。。

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これまで車、鹿、猪などとの衝突、また”ペットの犬が線路に逃げた”などの理由での列車遅延の経験はありました。

今回は”布団”ですか…。

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誰かの干した一枚の布団が空を飛んで、沢山の人の帰省や仕事に影響を与えることもあるのだなあ。しかし空を飛んだ布団も驚いただろうなあ…と、何か変な感慨を覚えながら40分ほど遅れて今年最後の松本稽古に向かいました。

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そして特急あずさが諏訪湖の横を通り過ぎる頃、外は雪が舞い始めたのです。

今年最後の稽古で、今冬最初に雪を見ることになりました。

ゆったり江古田忘年会

今日は江古田稽古場の稽古納めでした。

江古田では、稽古納めの後は「鳥、魚、鰻」などが美味しい地元のお店で忘年会をするのが慣わしになっています。

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そしてここ数年で、忘年会の開始時間が徐々に早まっているのが江古田の大きな特徴なのです。

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今日も通常よりも早く稽古を開始して、午後2時半頃には団体稽古の謡「融」で今年の稽古を全て終えました。

それから皆でゆったりと歩いて忘年会場に向かいました。

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忘年会場のお店には勿論まだ他のお客さんは誰もおらず、これまたゆったりと貸し切りで食事と会話を楽しむことができました。

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そろそろ他の忘年会のお客さんが入ってくる頃に、我々は”一本締め”で忘年会を終えて解散しました。

これから騒々しくなっていくであろう黄昏の江古田の街中を、ほろ酔いでゆったりと歩いて帰るのは、なんだか得をした気分でした。

江古田の皆様どうもありがとうこざいました。

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いよいよ今年の稽古も、あとは松本稽古場を残すのみとなりました。

2019各地の”稽古納め”

今週は”今年の稽古納め”が続く週です。

京都紫明荘組、田町で稽古納めが無事に終わりました。

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師走の後半のこの時期では、「仕事の山場で稽古に行けません…」という人が何人かおられました。

あるいは、

「インフルエンザにかかってしまいました…」

という方も…。

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その中でも大勢の方々にいらしていただきました。

そして、話題は来年の舞台に及びました。

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来年の「京都澤風会15周年記念大会」での能の話や、その前の「東京澤風会第14回大会」における舞囃子の話などなど。

能や舞囃子のニュースはまた改めて詳細をお伝えさせていただきます。

来年は「独吟」や「独調」などの謡の出番も増やしたいと思っており、そのような稽古も新年から始めて参りたいと思っております。

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明日以降の各地での”稽古納め”でも、そのような来年に繋がるお話が出来ればと思います。

各地の皆様よろしくお願いいたします。

2019年最後の舞台

今日は横浜能楽堂にて「眠くならずに楽しめる能の名曲・羽衣」という舞台に地謡として出演して参りました。

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羽衣はいわゆる「三番目」の曲で、全体的にとてもゆったりとした雰囲気です。

つまり、眠くなる危険性の比較的高い曲なのです。。

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しかし舞台の前に見どころの詳しい解説などもあり、地謡座から拝見する限り、お客様には最後まで熱心にご覧いただけたようでした。

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今日の「羽衣」が、私にとって2019年最後の舞台でした。

そして今年いただいた舞台の役は、全て滞りなく勤めることが出来ました。

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それは当然のことではあるのですが、無事に一年間の舞台を勤めおおせることが出来て安堵しております。

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舞台は終わりましたが、今週1週間はまだ各地の稽古などがあります。

年末ギリギリまで、もうひと頑張りして働きたいと思います。

第49回宝門会に出演して参りました

今日は大阪の香里能楽堂にて「宝門会」に出演して参りました。

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能「松風」、舞囃子「当麻」などを謡わせていただき、大変勉強になりました。

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宝門会は今回が第49回ということで、来年が第50回記念大会になるそうです。

ますますお盛んになる事を祈念いたしております。

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私の年内のお社中会は今回の宝門会が最後でした。

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明日は横浜能楽堂にて年内最後の舞台があります。

「年内最後の…」という事柄がいよいよ増えて参りました。

今年も残すところあと10日です。

「地水火風」再始動

昨日の朝のこと。

私は東京都内のある会社のロビーで、「岩手未来機構」の方々と待ち合わせしていました。

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岩手未来機構の皆さんとは、11月の岩手正法寺での「地水火風」公演以来の再会になります。

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待ち合わせた会社ビル内には立派なホールがあり、実はそこで「地水火風」を再演するという計画が立ち上がっているのです。

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会社の方に説明を受けながらホールを下見いたしました。

照明、音響、プロジェクター。

せり上がりも可能な舞台、可動式の客席。

舞台の出入り口と楽屋の配置。などなど…。

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色々な設備はとても充実しており、「地水火風」の舞台には理想的な場所だと思いました。

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計画はまだまだ再来年の話で、それまでに「地水火風」の舞を今一度練り直して、改良していきたいと思っております。

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未来機構の皆さん、尺八奏者ラルフ・サミュエルソンさん、写真家マグダレナ・ソレさん達と再びご一緒に仕事が出来るとは非常に有り難いことで、良い公演になるように全力を尽くして参ります。

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また計画が進んで詳細が見えて来たらご報告させていただきます。

都内なので、より多くの方々にご覧いただければと願っております。

久しぶりの子供達

今日は夕方からの江古田稽古でした。

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春の「澤風会東京大会」以来、しばらくお休みだった高校生と中学生の姉弟が久しぶりに顔を出してくれました。

とても嬉しいことでした。

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今年中学生になった弟君は、久しぶりにもかかわらず稽古してみると型が明らかに上手くなっていました。

聞くと、国分寺宝生会で仕舞「熊野」の稽古を厳しくしていただいたそうで、成る程と納得しました。

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お姉さんの方は、間も無く大学受験とのことです。

幼稚園から稽古を始めて、稽古歴10数年。

実は澤風会では「最古参」のひとりになるのです。

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無事に大学に入ったら、是非関宝連のどこかの能楽部に入部してもらいたいと思います。

自治医大や日本女子大、そして京大宝生会などと交流してくれたら、また新しい化学反応が起こるのではないかと期待しております。

今年最後の東北新幹線

今日は仙台稽古に行って参りました。

東北新幹線に乗るのは今年最後でした。

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好きな車内誌「トランヴェール 」を読むのも今年最後…

としみじみ思いつつ、ゆっくり頁をめくりながら日光や磐梯の山々を横目に北上しました。

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夕方に到着した仙台は予想通りあまり寒くなくて、東京と同じ格好で稽古場まで20分ほど歩くとむしろちょっと暑くなったくらいでした。

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稽古場の市民センターでは別の団体も謡の団体稽古をしていて、皆さんなかなかの美声でした。

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こちらも負けじと能1番、舞囃子3番、仕舞数番を頑張って稽古いたしました。

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次の稽古は来月末になります。

その頃は流石に寒かろう…と思いながら、帰りの最終新幹線に乗り込み、再び「トランヴェール 」を開いて、行きに読み残した記事に目を落としたのでした。

関西宝連”謎かけ”

日曜日の「関西宝連」の後席でのことです。

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各大学の卒業生が交代で挨拶をすることになりました。

するとある卒業生が冒頭で、

「実は関西宝連に関する”謎かけ”を考えたのですが…」

と始めたのです。

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それは面白そうだなと思った次の瞬間…

「やっぱりやめておきます!」

ガクッとなりました。。

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挨拶を終えて席に戻って来たその卒業生に、

「”謎かけ”とても気になります!言えば良かったのに!」

と残念そうに言ったところ、なんと昨日このホームページのお問合せフォームを使って”謎かけ”を送って来てくれたのです。

その内容は…

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「今年春の関西宝連とかけまして、今回の卒業仕舞と解きます。その心は、どちらもいいはんのう(半能、反応)があったでしょう」でした。

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そう、今年の5月に開催された「春の関西宝連」は「第120回記念京宝連大会」でもあり、記念の半能「高砂」が演じられました。

そして他ならぬ”謎かけ”を考えた卒業生が、その「高砂」のシテを勤めたのです。

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今年の春秋の関西宝連を上手く繋げた”謎かけ”、笑点ならば「座布団1枚持って来て!」となるところでしょう。

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謎かけの内容が聞けて、すっきりしました。

卒業生さんありがとうございました。

卒業してもこのセンスを活かして頑張ってくださいね。

門松の準備

今日は朝から京都大山崎の宝寺での稽古でした。

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宝寺に着くと、稽古場の玄関に太い孟宗竹が何本も寝かせて並べてありました。

全てが1mほどの長さに斜に切られています。

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聞くと、お正月の「門松」の準備だそうです。

こういう光景を目にすると、「今年ももう終わるのか…」と、何か感慨深い気持ちになります。

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大山崎稽古も今日で今年最後でした。稽古を終えると、

「どうか良いお年をお迎えください」

と挨拶して稽古場を後にしました。

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そして昨日「関西宝連」を終えたばかりの香里能楽堂へ。

今日は今週土曜日に開催される「宝門会」の申合があったのです。

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昨日は学生の熱い舞台が繰り広げられましたが、今日は今日で能「松風」、舞囃子「当麻」などの難曲がずらりと並ぶ”熱い”申合でした。

特に「松風」は申合で1時間半以上かかり、終わると「またひと山越えられた…」とホッといたしました。。

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明日からは暫し”稽古モード”の日々です。

何ヶ所かの稽古場で、

「良いお年をお迎えください」

と挨拶して、今年の稽古を締めくくって参ります。