兼平無事終了いたしました

本日水道橋宝生能楽堂にて「五雲会」が開催され、私は能「兼平」を無事に演ずることができました。

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このような大変な状況の中、また猛暑にもかかわらずご来場頂きました皆様誠にありがとうございました。

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かれこれ半年近くにわたって追求して来た私なりの「兼平」のイメージを、なんとか表現出来たかと思っております。

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今回はなにより”暑さ”が問題でした。

「兼平」の演能予定時間が14時〜15時20分。1日で最も気温が高い時間帯です。

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そこでとにかく暑さに慣れようと、ここ数日はあえて14時頃に外を歩いて汗をかくようにしていました。

本番でその効果はあらわれてくれたようです。

楽屋で装束と面をつけると流石に汗が噴き出て来ましたが、「外を歩いている時の暑さよりはマシだな」と思うことができたのです。

1年で最も暑い時期に能を一番舞い切ることも、また貴重な経験になりました。

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「兼平」は無事に終わりましたが、来月初めには大阪の「七宝会」にて能「歌占」のシテが控えています。

これからは「歌占」に素早く気持ちを切り替えて、また新たな稽古に汗を流して参りたいと思います。

本日お越しくださいました皆様、重ねて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

兼平いよいよ明日です

今年の夏もいよいよ一番暑い時期を迎えて、毎日茹だるような猛暑です。

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その猛暑の中、明日8月15日には「五雲会」が開催されます。

私は能「兼平」のシテを勤めます。

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本来なら4月15日に開催予定の舞台でした。

それが延期になってから4ヶ月、世界も私の身の回りも激動の時間を過ごしました。

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その激動を乗り越えて、何とか本番を迎えることができそうです。

昨日申合が終わり、今日は先ほど水道橋宝生能楽堂で最後の稽古を終えました。

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あとは本番に備えてゆっくり休んでコンディションを整えます。

明日も間違い無く猛烈な暑さになりますが、その猛暑に負けぬような熱い「兼平」を演じたいと思います。

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皆様どうか御来場賜りますようよろしくお願いいたします。

五雲会8月15日正午始 宝生能楽堂

能「右近」田崎甫

能「兼平」澤田宏司

能「草薙」今井基 ほか

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七葉會から七曜会へ

昨日水道橋宝生能楽堂にて「七葉會」を無事に終えてから、私はすぐに新幹線で京都に移動いたしました。

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そして今朝からは京都観世会館にて、金春流太鼓のお社中会「前川七曜会」に出演して参りました。

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澤風会会員の方による居囃子「遊行柳」を始め、大変に熱のこもった素晴らしい舞台でした。

小学生の女の子2人による連調から、大ベテランの方による超ハイレベルな舞台まで、一曲が終わる度に見所からあたたかい拍手がおくられておりました。

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先週末から、今の状況に負けないための多くの努力をした上で開催された、たくさんの舞台に立たせていただきました。

その経験から私は今後への希望を感じております。

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次の私の舞台は、今週末8月15日土曜日の「五雲会」にての能「兼平」のシテになります。

この舞台も可能な限り多くの方々に楽しんでいただけるように、稽古と安全対策に万全を期して参りたいと思います。

皆様どうかよろしくお願いいたします。

七葉會無事終了いたしました

本日水道橋宝生能楽堂にて、「七葉會」の舞台が無事に終了いたしました。

この大変な状況下にもかかわらずいらしていただきました沢山の皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

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ひとつの舞台を企画してから本番を迎えるまでに、「中止されずに開催されること」をこんなにまで祈った舞台は初めてでした。

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様々な感染防止対策をとりつつも、直前までニュースの感染者数などに一喜一憂する毎日でした。

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何とか始曲にこぎつけて、久々にシテとして舞う舞囃子「井筒」の舞台に立ちました。

舞台上では、実際に生身で正対するお客様の微妙な空気感を肌で捉えながら舞うということの大切さ、難しさを改めて感じました。

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やはり生の舞台あっての能役者なのです。

今日の舞台が無事に開催出来て、多くのお客様にいらしたいただけたことは、重ねて本当に有り難いことだと思います。

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終了後にはいつもはロビーに出ていきますが、今回は屋外のスペースで距離を保って御挨拶をさせていただきました。

懐かしい七葉会会員の皆様にたくさんお会いできて、これもまた嬉しいことでした。

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全てが終わって着替えてから、七葉會の7人は再び楽屋に集合しました。

次回以降の「七葉會」のことを話し合ったのです。

そして来年中に第2回の「七葉會」を開催しようという意見でまとまりました。

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日時、番組などはまた決まりましたらお知らせいたします。

大変な状況はまだ終わりが見えませんが、我々7人は何とか前を向いて歩いて参りたいと思います。

皆様今後ともよろしくお願いいたします。

七葉會いよいよ明日開催です

昨日は午後に国立能楽堂にて宝生和英御宗家による能「道成寺」が、また夜には宝生能楽堂にて夜能「石橋 連獅子」がそれぞれ無事に演じられました。

宝生流にとって大きな1日になりました。

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そして明日8月9日には、いよいよ「七葉會」が宝生能楽堂にて開催されます。

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席数を半分に減らして、地謡は覆面を着けて謡うなど、様々な安全対策をとらせていただきます。

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当日券も50枚ご用意しております。

開場12時半、開演13時半です。

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それぞれ今の状況に負けずに研鑽を積んだ7人の舞台を、どうかご覧くださいませ。

皆様よろしくお願いいたします。

能楽における「広葉樹林」

皆様ご無沙汰しております。私は変わらず元気に過ごしております。

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今からちょうど2週間前のことになりますが、大阪で観世流大鼓方の森山泰幸さんのお社中会に出演して参りました。

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実は私の社中会「澤風会」の会員の中で、何人かが森山師に大鼓を習っているのです。

きっかけは一昨年の澤風会京都大会で、そこで森山師に大鼓を打っていただいたご縁で大鼓を始めた人から徐々に増えていったのです。

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今回の出演者の中には大鼓における「初舞台」の人もいて、その大切な初舞台の地謡を謡うのはとても緊張いたしました。

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この大変な時期に何とか無事に舞台を終えられたことは、森山師のみならず私にとっても非常に有意義でありがたいことでした。

そしてまた、この舞台は別の意味で私にとって嬉しい意味を持っていたのです。

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澤風会で長い間仕舞や謡を稽古していた人達が、澤風会の舞台で出会った大鼓方森山師に弟子入りする。

そしてその森山師の大鼓の会に、私が地謡として呼んでいただける。

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これは私の能楽における活動が森山師の活動と融合して、ひと回り大きく、またより豊穣な世界に踏み出した一歩なのだと思うのです。

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森山師のお社中には、もちろん宝生流以外の方々が多くいらっしゃるでしょう。

そういった方々と澤風会が交流することで、能楽界全体に通じる新しい活気が僅かでも生まれていくのではないでしょうか。

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森林に例えてみます。

「杉」しか植えられていない単一な植生の針葉樹林があるとします。

林床は暗く、生き物の気配は希薄です。

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一方で「橅」「楢」「楓」「栃」「朴」などの多様な種の木々が群生する広葉樹林。

そこには豊かな山菜や茸が生えて、動物達も集まり、たくさんのドラマが生まれていくのです。

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私というシテ方と、森山師という大鼓方。

2人の異なる種の能楽師がこの先に互いの社中会を盛り立て合っていけば、きっとそこからまた新たな縁が芽生えていくことでしょう。

そしてそれは私の能楽人生における理想の姿なのです。

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今回コロナ禍の中で万全の対策をして会を催していただいた森山師に心より御礼申し上げます。

今後ともよろしくお願いいたします。

「兼平」への再挑戦

長いことブログの更新が滞っておりました。

私は至って元気に過ごしております。

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今日は水道橋宝生能楽堂にて、8月15日に開催される「五雲会」の稽古がありました。

この「五雲会」は4月公演が延期になったもので、私は能「兼平」のシテを勤めます。

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4月初め頃に一度ほぼ出来上がった「兼平」でしたが、延期が決まってから一旦スッパリと忘れることにしました。

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その後は仕事が殆ど全て無くなって、家を出る用事も無い日々でした。

しかし「兼平」の延期公演までに身体がなまってしまうのは避けないといけません。

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私の三ノ輪の自宅からは、あまり人に会わずに「隅田川」と「荒川」という大きな川に行けます。

日々その河川敷などを長距離歩きまわりました。

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さらに、電車にも出来るだけ乗らずに歩くようにしました。

例えば三ノ輪から用事で江古田の実家に行く時には、先ず三ノ輪からJR鶯谷駅まで歩きます。

そして山手線で目白まで行き、目白から江古田まで歩くのです。

もちろん帰りも同様にします。

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このようなことを3ヶ月以上続けて、7月に入って再び「兼平」に取りかかりました。

すると4月頃よりもずっと身体が軽くて、今日の稽古でもキリの部分で舞台と橋掛を高速で往復しても、息が全く乱れなくなっていました。

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今身体的には「勝修羅」を舞うために申し分ない状態にあります。

あとは8月15日の本番までに、もう一度謡や型の細部を練り直していきます。

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4月にあった筈の「兼平」よりも更にグレードアップした舞台をお見せしたいと思っております。

桃源郷から

2017年4月10日に「桃源郷へ」という題名でブログを書きました。

もう3年以上前のことになります。

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松本稽古に行く途中の甲府盆地の”桃の花”があまりに綺麗で、桃源郷のように見えたのです。

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その甲府盆地にある「御坂果実郷」というところから、先日見事な”桃の実”が届きました。

私の掌に余るくらいの大ぶりな桃で、冷やして食べると甘くて何とも美味でした。

そして桃の実がこんなに良く香るということを久しぶりに思い出しました。

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この桃は「がんばれ観光農園!」というキャンペーンの商品で、京大宝生会の大先輩が注文して私のところに送ってくださったものです。

コロナウイルスの影響でお客さんが激減してしまった観光農園を力付けようという企画だそうです。

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今年は桃の花が咲く前からずっと、松本稽古に行けておりません。

あの「桃源郷」のような甲府盆地の風景は残念ながら見られませんでした。

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しかし今回その甲府盆地から送られてきた桃の実から、「桃源郷」の香りと味を楽しむことができたのです。

今月下旬には、久しぶりに特急あずさに乗って松本稽古に行く予定にしております。

甲府盆地を通る時、「御坂果実郷」の辺りの景色を眺めながら、この桃源郷から送られてきた桃の味を思い出すことでしょう。

七葉會 十周年記念公演のお知らせ

宝生流若手能楽師7人が集まっての合同社中会「七葉会」。

本年8月8日、9日には「七葉会10周年記念大会」を予定しておりましたが、情勢を鑑みて来年に延期させていただくことになりました。

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そしてその上で七葉会同人7人で、今我々に何か出来ることは無いか話し合いました。

その結果8月9日に「七葉會」という名前で7人による演能会を開催させていただく運びになりました。

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宝生能楽堂にて13時半〜16時半頃まで開催。

舞囃子6番に半能「橋弁慶」、仕舞、連吟などが演じられます。

私は舞囃子「井筒」と、「橋弁慶」の地謡などを勤めます。

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チケットは全席自由4000円(学生2000円)で7月9日朝10時より「能LIFE Online」にて、先着100名様限定で販売いたします。

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チケットご購入にあたっては、

①購入手続きの前に先ず「能LIFE Online」(http://nohlife.com )に登録をお願いします。

②その上で発売日以降にやはり「能LIFE Online」( http://nohlife.com )より購入手続きにお進みください。

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少々手間のかかる購入方法になります。

しかしながら、コロナウイルスが収まらない状況下での舞台開催にあたっては、万が一の場合にはお客様全員と連絡をとる必要があります。

「能LIFE Online」に事前にご登録いただくことでお客様により安全に舞台をご覧いただけると考えてこの方法をとらせていただきました。

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このような状況下の舞台で何かとご不便をおかけいたしますが、様々な安全対策をして開催させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。

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チラシ表面

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チラシ裏面

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※なお、七葉会各会の社中の皆様につきましては、チケットに関してはそれぞれの先生にお尋ねくださいませ。

素戔嗚神社の「手ぬぐいあわせ」と「茅の輪くぐり」

今日から7月になりました。

東京は雨模様でしたが、午後に思い立って久しぶりに近所の「素戔嗚神社」に行ってみました。

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境内に入るとちょっと意外な光景が広がっていました。

たくさんの”日本手拭い”が風に靡いていたのです。

彩り豊かな手拭いがヒラヒラと舞い踊る様は、なんとも涼しげに感じられました。

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これは「手ぬぐいあわせ」というもので、江戸時代から続く行事だそうです。

素戔嗚神社の氏子61町の手拭いが境内にそろって、趣向を凝らした柄を競い合うものです。

江戸情緒溢れる何とも粋な行事だと思いました。

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素戔嗚神社は3月の雛人形と言い、「目で楽しむ」行事が多くて、毎回訪れるのが楽しみです。

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そして境内にはもうひとつ、普段とは違うものがありました。

「茅の輪くぐり」です。

毎年6月晦日に「茅の輪くぐり」のご神事が行われているそうで、つまり昨日がそのご神事の日だったのです。

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1日遅れですが私も「茅の輪くぐり」をしてから本殿に参拝いたしました。

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折しも小学校の下校時刻で、本殿の前をたくさんの子供達が通り過ぎて行きます。

そして以前も書きましたが、その子供達が本殿の前で必ず止まって頭を下げて行くのがなんとも好ましく目に映りました。

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参拝を済ませてから千住大橋を渡って、隅田川沿いを少し歩きました。

すると天気予報はずっと雨マークだったのに、橋を渡り切る頃には雨は上がって青空までのぞいてきたのです。

「茅の輪くぐり」の御利益が早速あったのかもしれません。

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東京都の感染者がまた増えているようですが、疫病退散の「茅の輪くぐり」の御利益で、何とか収まっていってほしいものです。