二十周年記念澤風会大会・郁雲会大会無事終了いたしました。

おかげさまで「二十周年記念澤風会大会・郁雲会大会」は昨日無事終了いたしました。

御出演いただきました皆様、見所で応援してくださった皆様、裏方で色々とお手伝いしてただいた方々に心より御礼申し上げます。

舞台は私の期待以上の熱気あふれるものでした。

これまで、番組に書いてありながら当日出られない方はいらっしゃいました。

しかし今回は番組に名前がある人は全員が無事に参加できて、逆に番組に載っていないけれど当日地謡に参加という人が何人もいらしたのです。

そんな皆様の熱量に今回も背中を押されて、2日間の会を走り抜ける事ができました。

特筆すべき事は無数にあるので、次回以降に思い出したものから書いて参りたいと思います。

外は寒くても

おかげさまで本日、「二十周年記念澤風会大会・郁雲会大会」第1日目が無事終了いたしました。

外は真冬のような寒さだったようですが、私は一日中舞台の上や楽屋で汗をかいておりました。

それは単なる暖房の効果というよりも、舞台と見所の熱気にあてられていたのだと思います。

出演の皆様はそれぞれ、迸るような熱い気合や、熾火のように静かでしかし非常な高温の情感を持って、舞台に臨まれていました。

明日も今日に勝るような熱い舞台を期待しつつ、早めに休もうと思います。

本日ご来場くださいました沢山の皆様、誠にありがとうございました。

明日もどうかよろしくお願いいたします。

最後の1ミリ

少し前のサッカーワールドカップで、

「三笘の1ミリ」

という言葉が話題になりました。

日本代表の三笘選手の最後の1ミリまで諦めない姿勢が、強豪スペインからの大金星を生んだのです。

能は勝敗がつくものではありませんが、やはり舞台に向けて最後まで前向きに稽古する姿勢は共通していると思います。

今日は澤風会郁雲会の前日ですが、江古田で夜の20時半までガッツリと稽古させていただきました。

特に最後は京大若手OBOG達で、直した分だけすぐに良くなるので、非常に充実した稽古になりました。

おそらく今日稽古された皆さんは、それが「最後の1ミリ」となって、舞台上で効果を発揮してくれると思います。

いよいよ明日明後日が本番です。

「二十周年記念澤風会大会・郁雲会大会」

宝生能楽堂にて明日9日11時半始、明後日10日は10時始です。

皆様どうかよろしくお願いいたします。

同期の交流

先日京大宝生会の部長さんにメールした時の事です。

メールの用向きは、今度の澤風会郁雲会の自由参加の素謡「鶴亀」のシテとワキを、京大1回生の誰かにお願いしたいというものでした。

するとすぐに返信が来て、シテワキの名前がちゃんと書いてあります。

早いな、と思って返信の続きを読むと、なんとその日は1回生で集まって、大阪ベイエリアにある某有名テーマパークに遊びに来ているというのです。

皆でジェットコースターに乗った時の事などが楽しそうに書いてありました。

大変素晴らしい事だと思い、数日後に京都稽古場で若手OBに話したところ、

「…まあ私の学年では一生無いでしょうね」

彼の学年は男子2人なので、それはまあそうでしょう。。

しかし私の現役時代は、同期が男子2人女子2人だったのですが、遊園地どころか3回生になるまで同期揃って御飯を食べた事すら無かったのです。

それは流石にサークル運営上も良くないだろうと言う話になり、同期4人で洋食屋の個室を予約しました。

クロスの掛かった四角い大きなテーブルを4人で囲み、あまり盛り上がる事もなく静かに洋食を食べたのを覚えています。

そんな同期4人ですが、なんだかんだで卒業から30年以上経た現在でも交流は続いております。

細く長い繋がりというやつでしょうか。

引き換えて今の1回生達は、宝生会に入ってすぐからずっと仲良しです。

どうかこれからも太く長く交流を続けていってほしいと願っています。

二十周年記念大会申合が終了いたしました

本日は澤風会郁雲会大会の申合がありまして、先ほど終了いたしました。

皆様それぞれいくつかの修正点が見つかり、今回もとても有意義な申合になりました。

本番までの数日でこれらを修正して、また体調を整えていただき、より良い状態で週末の本番を迎えていただきたいと思います。

謎の”コンコン!”

色々な土地の宿に泊まる事が多いので、やはり色々な経験をします。

今朝は少し不思議な事がありました。

昨夜は松本稽古を夜に終えて、最終の特急しなので名古屋まで移動して泊まりました。

先日ブログで書いた時と同じパターンです。

宿も先日と同じ所で、新幹線改札口から程近い格安ビジネスホテルです。

フロントから部屋まで、昭和の雰囲気が色濃く漂う中々に渋い宿です。

食事は車内で済ませたので、部屋に入るとさっさとシャワーを浴びてベッドに入りました。

名古屋まで移動しておけば、明朝は比較的ゆっくり寝ていられるなと、ホッとしてすぐに眠りについたのです。

明け方頃にふと目が覚めました。

外は薄明るく、時計を見ると6時半頃でした。

なんで起きたのだろうか…と半分寝ている頭で考えていると、

“コンコンコン!”

と何かを打つ音が聴こえて来たのです。

隣ではないけれど、割と近くの部屋からと思われます。

表現が難しいのですが、金槌で釘を打つ程の煩さではなく、木槌でテーブルを軽く叩いているくらいの音量です。

最初は、「こんな早朝に何か修理でもしているのかな…?」

と不審に思いながらも、再び眠りに入っていこうとしました。

ところが、1〜2分くらい経つとまた、

“コンコンコン!コンコンコンコン!”

と来て起こされてしまうのです。

その”音”は、それからずっと1〜2分おきに聴こえて来ました。

ある時は”コン!”と短く、その次には”コンコンコンコンコンコン!”と長めに鳴ったりします。

一旦静かになって、うとうとし始めるタイミングを見計らうようにまた突然”コンコン”と来るので、完全に安眠を妨害されてしまいました。

最終的に私は、ティッシュペーパーで耳栓をして、テレビをつけて音を流しながら何とか眠ろうとしました。

しかしあの”コンコン!”がまたいつ鳴り出すかと気になって、結局その後は寝られずに寝不足気味で京都稽古に向かったのでした。

私は霊感はほとんどないし、今回もその音以外には全く異常はありませんでした。

時間も夜中ではなく明るくなってからの事なので、その時は全然怖いとは感じなかったのですが、後から考えると不可思議な音でした。

これからは、鞄に耳栓を忍ばせておいた方が良いだろうか…と思いつつ、京都稽古から帰る新幹線で今からゆっくり寝て睡眠時間を取り戻すつもりです。

崇寶会大盛会でした

昨日ブログにてお知らせいたしました

「崇寶会三十周年記念大会」

が本日宝生能楽堂にて開催され、盛会のうちに無事終了しました。

能「経政」シテの京女宝生会OGさん(東川尚史さんの奥様)は、経政が最後なのにもかかわらず、朝から能楽堂に来て最初の能「龍田」の楽屋撮影係としてせっせと働いておられました。

働き者で色々と気の回る、素晴らしい方なのです。

そしていよいよ終盤になり、能「経政」の装束を付け始めた時の事です。

なんと楽屋に10人以上ものシテの”応援団”の方々がドッと入ってこられたのです。

装束を付けている回りをずらりと取り囲んで、熱心に装束付けをご覧になっておられました。

こんな賑やかな装束付けの光景は初めて見ました。

やはりシテのお人柄の故なのでしょう。

舞台が無事に終わって、能楽堂ロビーで宴会がありました。

その宴会の最後に「経政」の地頭をされた東川光夫師が挨拶されて、「親しい身内の能の地頭をする事はとても嬉しかった」としみじみとお話しされたのがとても感動的でした。

他にも52年ぶりに舞囃子をされた方がいらしたり、たくさんの熱演があった舞台でした。

今度はいよいよ私の番になります。

次の週末3月9日、10日の「澤風会郁雲会」

に向けて、明日からラストスパートをして参りたいと思います。

崇寶会三十周年記念大会のお知らせ

明日は水道橋宝生能楽堂にて、

「崇寶会三十周年記念大会」

が開催されます。

私の先輩である山内崇生師の御社中会で、

能「龍田」「経政」

の他、舞囃子、仕舞、素謡、独吟、独調などがたくさん演じられ、三十周年記念らしいとても華やかな番組です。

このうちの能「経政」は、七葉会の仲間でもある東川尚史さんの奥様がシテを勤められます。

奥様は京都女子大宝生会のOGで、卒業後もずっと崇寶会で稽古を続けられて、今回「経政」で満を持して初シテを勤められるのです。

学生時代から良く知っている私にとっても、非常に感慨深い「経政」の舞台です。

もちろん東川尚史さんも地謡に入り、地頭はお父様の東川光夫師が勤められます。

東川家におかれても大変おめでたい、記念の舞台となるのです。

私は能「龍田」「経政」の地謡、他にも舞囃子や仕舞の地謡でお手伝いさせていただきます。

明日は雛祭りの日曜日、春らしい陽気になりそうです。

皆様どうか宝生能楽堂の「崇寶会三十周年記念大会」にいらしてくださいませ。

朝9時10分始曲です。

能「敦盛」の女性地謡

来たる3月9日(土)10日(日)の澤風会郁雲会には、3番の能が出ます。

能「野宮」、「敦盛」、「砧」です。

このうち「敦盛」は女性のみの地謡になります。

後列3人は女性能楽師、前列3人が京大宝生会の若手OGです。

前列の1人は京都で働いており、もう1人は京大大学院生、あと1人は東京で働いているという、全くバラバラな経歴の3人です。

それぞれの空いている日程と場所で、やはりバラバラに敦盛能地を稽古する事になります。

大学院生は1月の京都稽古で。

京都で働いている人は、2月の若手OBOG合宿で稽古しました。

そして昨日は神保町で東京のOGが初めて敦盛能地の稽古をしたのです。

来週申合なのに大丈夫かと思われそうですが、実は1月の大学院生の稽古の音源をスマホ経由で共有してもらっていたので、初めての稽古で既に謡えるようになっていました。

それぞれ仕事や研究で大忙しな3人が、なんとかやり繰りして敦盛能地に挑戦してくれます。

大学院生OGさんの稽古をしている時の事。

OGさん「すみません、扇の持ち方はどうすればいいのですか…?」

今回が初めての能地だそうで、この機会に色々な能地の作法なども経験してもらって、また機会があればどんどん能地に入ってもらいたいと思います。

能「敦盛」は、シテやツレはもちろんの事、女性地謡にも是非ご注目くださいませ。