今日の五雲会では、大変珍しいことですが私は「謡」というものを一句も謡いませんでした。
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最後の演目の能「殺生石」の後見だったのです。
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能「殺生石」の後シテは、日本昔話の桃太郎のように石を二つに割って登場します。
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この石は等身大の桃が紺色になったような形状です。
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前シテ「玉藻の前」が大小前に置いてある石に中入して、間狂言のあいだに着替えて後シテ野干の姿になる訳です。
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この石の中での着替えが中々面倒で、私は装束のいわゆる「前」を着ける立場だったので、玉藻の前の装束をすべて脱がして、野干の装束を短時間に着付けて、何とか間狂言の終わりに間に合いました。
更に後半に石が二つに割れる場面で上手い具合に作り物が割れてくれるかなど、この曲の後見は気を遣うことが多い後見でした。
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自分としてはベストを尽くしたのですが、見所からどう見えたのか、また御覧になった方の感想を伺ってみたいと思います。
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短いですが今日はこれにて。