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日が暮れる里にて

今日は郁雲会の番組作成作業をずっとしておりました。

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夕方に気分転換しようと今年最後の散歩に出ると、近所にこんな名前のマンションを見つけました。

マンションとしては珍しい名前だなと思ってしばし考えてみると、はたと気がつきました。

私の家の住所は「東日暮里」です。

「日が暮れる里」→「サンセットビレッジ」

なのですね。

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ちょうど夕方の鐘と「夕焼け小焼け」のメロディが流れて、今年最後の日が沈んでいきました。

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しかし「日暮里」の語源を調べたところ、「日がな一日を暮らしても飽きない里」ということで江戸時代に名付けられたそうです。

今は静かな住宅街が大半を占める日暮里ですが、江戸時代にはよほど栄えていたのでしょうか。

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ともかく、この太陽が次に昇って来る時には平成30年になっているわけです。

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皆さま今年も本当にありがとうございました。

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

静かな年の暮れ

今年もあと2日になりました。

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今日は家の掃除や、溜まった本を整理して要らないものを近所の古本屋に持って行ったり、細々とした年末年始用の買い物をしたりと、能には殆ど関係のないことばかりで暮れた1日でした。

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思い出してみると、内弟子の頃は確か12月30日に宝生能楽堂前で餅つきをしていました。

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つきあがった餅を小分けにして、車で色々な所に配りに行ったり、慌ただしい1日だった記憶があります。

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餅つきに加えて、内弟子部屋や更衣室を始め宝生能楽堂各所の大掃除も30日と31日にやっていて、我々内弟子はこの2日間はてんやわんやで右往左往していました。

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あの頃と比べると、本当に静かに年が暮れていきます。

昨日と比べても、あの東京駅の喧騒が嘘のように穏やかな三ノ輪辺りでした。

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遠出する予定は無く、家にはテレビも無いので、年末年始は静かに本など読んで過ごしたいと思います。

京大宝生会謡納め

今日は京大BOXにて、京大宝生会の「謡納め」がありました。

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京大では合宿最終日にも合宿課題曲5曲での「謡納め」がありますが、毎年末にやる謡納めは一年間に稽古した全10曲と、最初に「鶴亀」を謡うので計11曲。

これを一切省略無しに朝から通して謡うのです。

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今年は授業の関係もあり、ちょっと遅めの12月29日の謡納めでした。

私は謡納めに向かうべく、何も考えずに午前中に東京駅に向かったのですが、あえなく帰省ラッシュ真っ只中に飛び込んでしまいました。。

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何と東京駅の新幹線改札からホームに上がって新幹線に乗るまでに1時間以上かかるという信じられない混雑ぶりで、ようやく京大BOXに着くと半分以上が終わっておりました。。

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しかし年の瀬開催の分、仕事納めの終わった若手OBなども多数参加して、非常に活気ある謡を聴くことが出来ました。

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先日の関西宝連に風邪で出られなかった一回生も元気に参加していて、今日最後の曲「紅葉狩」では、関西宝連で勤めるはずだったワキを力強く謡っていました。

めでたくリベンジを果たせた訳で、その為に彼にワキの役をあてがったのかと思って聞いたら、「いえ、クジ引きでたまたまワキを引いたのです」とのこと。

そんな偶然もあるのかと驚き、一層めでたいことだと思いました。

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11曲を謡納めて最後に千秋楽を謡うと、18時半でした。

開始が朝9時だったそうなので、彼らは9時間半謡い通しだった訳です。

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謡納めの後には鍋が恒例なのですが、これは昨年同様に前部長の完璧な差配により、大変美味しい「キムチ鍋」と、辛味が苦手な人向けの「あっさり鳥鍋」が手早く準備されました。

前部長は予め自宅で、同じレシピで半分量の鍋を作って味見をしたというこだわりぶりで(鍋の申合をしました、とのこと)、今年の京大の一年を大満腹大満足で締めくくれました。

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現役からは来年一年の舞台の相談などもあり、京大宝生会も既に新年に向けて動き出しているようです。

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京大宝生会の現役とOBOGの皆さん、今年も色々お疲れ様でした。

来年もまた頑張りましょう。

来年に向けて

江古田稽古場の稽古納めは先週終わったのですが、実は今日も江古田で稽古をして参りました。

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これは来年3月2日、3日に宝生能楽堂にて開催させていただく「郁雲会40周年記念大会」に向けての稽古なのです。

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昼から能の稽古を始めると、あっという間に日が暮れる時間になってしまいました。

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そこから舞囃子などの稽古をして、結局いつもよりやや遅い時間にようやく終わりました。

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最後の方には今年このホームページを見て稽古を始めてくださった謡稽古のお二人が交代でいらして、そのうちひとりはめでたく最初の曲「橋弁慶」の鸚鵡返しが終わりました。

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新人のお二人は来年の郁雲会が初舞台になる予定です。

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今日は澤風会のすべての稽古場を含めて、今年最後の稽古だったのですが、皆さん来年の舞台に向けてバリバリと稽古されていたので、「稽古納め」というよりは半分来年の「稽古初め」という気分でした。

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しかし今月に入り各地の澤風会稽古場で「良いお年をお迎えください」と繰り返して来て、それも今日が最後と思うと、しみじみと年の瀬だと感じます。

今年もあと三日です。

田町稽古場の忘年会

昨日は亀岡で今年の稽古納めでした。

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亀岡は新年に「謡初め」をするので、昨日の稽古納めは普段通りの稽古です。

静かに終えて、静かに年末のご挨拶をして亀岡を後にいたしました。

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そして東京に帰って来ると、なんだかいつにも増して各駅が賑やかな酔客で溢れています。

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ふわふわとした危なっかしい人々を避けながら家に帰りました。

巷は忘年会真っ盛りだったようです。

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そして今日は田町の稽古納めがあり、その後が我々の忘年会でした。

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今年の忘年会場は、ベテラン会員さんの奥様であり、今年稽古を始められた新入会員さんの伝手で決めていただいた、田町駅前の魚介料理のお店でした。

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私は学生時代に和歌山県の「加太」という町に行ったことがあります。

その加太は「クエ」という大きな魚の料理が有名な港町で、しかし高級魚で当時学生だった私には全く手が出なかった思い出があります。

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今日の忘年会では、岩手、和歌山、福島、山形、栃木などの地酒と共に(5杯も飲みました…)、そのクエを始めとする沢山の美味しいお魚をいただくことが出来ました。

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昨日の夜の私が見たら、きっと「今日は酔っ払いが多いなあ…やれやれまったく…」と思うような状態で、ふわふわとして今地下鉄日比谷線に揺られているのでした。

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田町稽古場もまた活力に溢れた楽しい稽古場です。

そもそもこのホームページも田町稽古場の方からのアイデアで生まれたのです。

田町の皆様来年もよろしくお願いいたします。

素戔嗚神社の小学生達

数年前に公演で、インドネシアのウブドという伝統芸能の村に行った事があります。

そこでインドネシアの獅子舞である「バロン」という舞台を観た時のこと。

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舞台でバロンが演じられているすぐ脇の舞台袖で、小さな子供達が懸命に舞台の真似をして演技をしていたのです。

おそらく演者の家族と思われ、私は「こうやって伝統が自然に次世代に伝わっていくのだろう」と感心しました。

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また7月18日のブログでは、京都の祇園祭に積極的に関わって、自前の鉾を作って子供達に巡行までさせるという洛央小学校の事を書きました。

祇園祭に小さな頃から参加した小学生達は、やはり自然にその伝統を引き継いで将来は祇園祭を担っていくのだろうと、羨ましく思ったのです。

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私の育った東京では、浅草などの一部の町を除いては、そのように子供の頃から地域の伝統に触れてそれを引き継ぐという経験は難しいと思っていました。

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ところがつい昨日、家の近所でそのようなシーンを見ることができたのです。

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家の近くに「素戔嗚(すさのお)神社」という大きな神社があります。

昨日その前を通りかかると、神社の中から元気な声と共に小学生達がぞろぞろと出て来ました。

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何か遠足のような行事かと思ったら、どうも普通に学校帰りのようです。

素戔嗚神社の境内が通学路に指定されているようなのです。初めて気がつきました。

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面白いなと思って境内に入ってみると、ちょっと驚く光景が見られました。

小学生達は皆、本殿の前を通る時にちゃんと立ち止まり、代わる代わる御辞儀をしてから通って行くのです。

中にはきちんと柏手を打ってお参りをしている子供もいます。

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彼らは毎日登下校の度にこれを繰り返しているのでしょう。

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調べてみたら、素戔嗚神社は1200年の歴史がある神社で、その例大祭の御神輿が有名だそうです。

こども神輿もあり、正にあの小学生達が担ぐようです。

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彼らの小学校の名前も素戔嗚神社に深く関わる「瑞光小学校」という名前で、彼らはごく自然に地元の神社に毎日参り、その祭に参加してこども神輿を担ぐようになり、やがて大人になると本社神輿を勇壮に振りながら担ぐようになるのでしょう。

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そうやって素戔嗚神社の「天王祭」は500年近くも続いて来たようなのです。

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私の住む町で、このような形で地域の伝統が継承されていたとは、嬉しい驚きでした。

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そして天王祭の3年に一度の大きな「本祭」が、来年2018年6月に開催されるそうです。

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これは是非あの小学生達が御神輿を担ぐ勇姿を、そして昔小学生だった人達の担ぐ本社神輿を見に行きたいと思っております。

高校駅伝の思い出

昨日は全国高校駅伝が京都で開催されたと、今朝の携帯ニュースで知りました。

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毎年12月のこの時期になると、京都市内で陸上部のジャージを着た集団をよく見かけ、「懐かしいなあ」と思います。

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私も高校時代には、この高校駅伝の予選に参加したことがあるのです。

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「都大会の予選会」という、本当に一番最初の予選だったのですが、都立富士高校陸上部の中長距離の7人がチームを組んで、多摩川沿の42.195キロコースを走りました。(私は第6走者で5kmだけでしたが)

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「団体競技では周りに迷惑をかけてしまう」という理由で個人競技の陸上部に入部した私なので、駅伝チームに入るのは実はあまり気が進まなかったのです。

しかし、チームで毎日のように練習していると、団体競技特有の連帯感のようなものが生まれてきました。

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そして多摩川沿コースの予選の結果はさっぱりだったのですが、その日のレースの有様や応援の様子などは、強く心に残りました。

目の前を駆け抜ける選手に「○○ファイットォ‼︎」「△△先輩ファイットォ‼︎」と独特の抑揚でかける掛け声など、今でもありありと心に浮かんで来ます。

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高校を卒業してからは、私は同窓会などには一度も参加しなかったのですが、何故かこの駅伝チームのメンバーとは細々と交流が続きました。

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その後私は能楽師になりましたが、例えば駅伝チームの1人は小学校教師になり、彼の小学校で能楽教室を企画して私を講師として呼んでくれました。

今でもその縁は続いており、彼の同僚が異動した先の稲城市立南山小学校で、毎年能楽教室をさせていただいています。

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また別のメンバーは千葉県柏に居を構えて、彼の子供が入園した柏駅前のみくに幼稚園にて、これまた能楽教室を企画して講師を私に依頼してくれました。

幼稚園での能楽教室は初めてだったのですが、こちらも有り難いことに毎年恒例行事になり、来年も3月に能楽教室を開きます。

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更にメンバーの一人は英語の通訳になりましたが、なんと江古田稽古場で澤風会に入門してくれて、忙しい通訳の合間に稽古を積んで、能俊寛のツレまで勤めてくれました。

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という訳で、駅伝チームのメンバーは今はそれぞれ別の道を走っていますが、上に書いたような不思議な縁で繋がっていて、それはおそらく生涯続くことでしょう。

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全国大会で都大路を疾走する高校生達とは全くレベルの違うチームではありましたが、我々のチームも実に良いチームだったと、駅伝のニュースを見る度に思い出すのです。

面白写真 12月

久しぶりの面白写真です。

なかなか新鮮なネタが見つかりませんでした。

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今回最初は青森で見つけたポスターです。

「横浜」とは、下北半島にある町のことだそうです。

それにしても「なまこエクレア」は気になります。

「なまこストラップ」も、欲しくはないですが見るだけ見たいものです。

しかし、時化でなまこが入荷出来なかったらこの催しはどうなるのでしょう…?

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次は仙台にて。

最近はノンアルコールのウイスキーでもあるのかな?と思ったら、違う「水割」でした。

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だんだん南下して、次は松本にて。

なかなか丁寧なお店です。

ここは美味しいらしいので、一度行ってみたいです。

飲み過ぎて不採用(出禁)にならないようにしないと。

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逆にぶっきらぼうなお店はこんな感じ。

東京にて。

こういうセンスも決して嫌いではありません。

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同じく都内某所にて。

最初は「カニ味噌オーシャン」という名前が謎だと思って撮影したのですが、よく見るとその上の「殻付うずら串焼」の方が謎でした。

そんな事が可能なのか、かえって食べ辛くないのか、もしかして卵でなく、生まれたてでまだ殻を被っている雛を…⁈とか、色々想像してしまいました。

「カニ味噌オーシャン」「殻付うずら串焼」に関する情報をお持ちの方は、是非お知らせくださいませ。

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それでは今年最後に、上野動物園で大人気のパンダの赤ちゃんの写真を。

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…間違えました。。

近所のパチンコ屋さんのやけくそ気味のマスコットでした。

三ノ輪という町のこの独特なユルさも、私はなかなか良いと思うのです。

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こちらも本物の香香ではありませんが、上野駅構内にあるクリスマスツリーの一部です。

今年のツリーのテーマが「パンダフルクリスマス」でした。

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皆さまどうか良いクリスマスを。

新型車両にて

3日前に鉄道ネタを書いたばかりで恐縮なのですが、今日の松本稽古ではまたしても鉄道絡みの出来事がありました。

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いつもと同じように新宿駅に到着して、松本行きの特急あずさに乗ろうとホームに降りると、何だかものすごい人だかりです。

…しかも様子がちょっと変です。

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ホームにいる人の半分以上がカメラを持っていて、止まっている特急スーパーあずさの写真をバシバシ撮影しています。

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よくよく見ると、どうやら以前にニュースで見た新型車両のようです。

しかも聞くとよりによって今日がそのデビューの日で、これから私が乗るのが第2号らしいのです。

確かに格好良い車両で、外から覗くと座席も実に座り心地が良さそうですが、座れなければ全く意味がありません。

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漸くドアが開くと、カメラを持った人々が嬉々としてゾロゾロと乗り込んで行き、私は列の後ろの方からジリジリと焦りながら乗り込みました。

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案の定、席はあっという間に埋まっていて、最早立って行くしか無いなと嘆息しかけた時。

ひとつだけ空いている席が目に入りました。

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しかしそこは、向かい合わせにした席に3人の喪服の女性が座っているボックスだったのです。

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究極の選択ですが、ここはやはり座って行きたい所です。

「すみません、ここ空いてますか?」

「あら、空いてますよ。」

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という訳で、とりあえず座れてほっとしました。

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3人組は、船橋から来て韮崎である告別式に向かうらしく、1人は最近「ためしてガッテン」の「コレステロール」がテーマの回にエキストラで出演した事があり、やや年かさの女性は煙草をやめられないのが問題らしく、皆車内販売のワゴンが来たらビールでも飲んでしまおうと思っており、更に1人はお腹もちょっと空いたので韮崎で有名な蕎麦屋に寄ろうと画策しており、しかし式の時間を鑑みるとそれは難しいと別の1人に諭され、それにしてもワゴンが来ないと苛立ち…

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…と、ある程度予想はしていたのですが3人の喪服女性は新宿〜甲府間を完璧にノンストップで喋り倒して、「賑やかでごめんなさいね!」と言い残して甲府で降りていかれました。。

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やや呆然としつつ席を元に回転させて、快適な新型座席になんだかグッタリと凭れながら松本に向かったのでした。。

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松本稽古で美味しい信州林檎や、松本で売っていたという「今川焼き」などをいただき、むしろ元気回復して帰りの特急に乗りました。

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帰りは新型車両ではなく、いつものようにガラガラで心からほっとしたのでした。

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おまけ:「ん」のつく食べ物

先程投稿した本日のブログは、西荻窪稽古の行き帰りに書いたものです。

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その後三ノ輪に帰って来て、さて名前に「ん」が複数つく食べ物を食べて帰ろうと考えました。

関東風の「と」がつく物もちょっと考慮したいものです。

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…家の近所に「香港楼(ほんこんろう)」という中華料理屋さんがあります。

場所はここで決定でしょう。

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さて香港楼でメニューを見て、先ずは前菜「皮蛋豆腐(ぴーたんとうふ)」と「サントリーの瓶ビール」で「ん」と「と」をクリア。

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メインの「八宝菜」で「にんじん」を食べて「ん」重なりをクリアして、さて〆は。

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メニューを改めて見直すと、中華料理は「ばんばんじー」「とんぽーろー」「わんたん」「かんとんめん」など、「ん」と「と」で溢れています。

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色々迷った末に、ちょっと変化球の「天津麺」をオーダー。

「ん」がトリプルです。

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完食して「お腹ぽんぽん」で家路につきました。