なまけものの日

ずっと毎日ブログを書いていると、「ああ、今日は特別に書くようなことが無いなあ…」という日も当然あります。

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今日はぽっかりと空いた休日だったのですが、起きると外は雨。

とりあえずたまった洗濯をしながら、破れた紋付の縫い目を繕ってしまうと、特にすることが無くなってしまいました。

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いや、長期的にはやる事は山積みなのですが、ひとつには最近読み始めた森見登美彦「聖なる怠け者の冒険」の影響があると思われます。

この本の主人公は主人公のくせに、「のんびり過ごす」ためにとにかく全力を尽くす人なのです。

「怠惰への意志」を強く持って、出来れば週末を「独身寮の冷んやりとした万年床」でずっとゴロゴロして過ごしたい!と思っているのです。

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実は私も本来はこの主人公と同じような性質を持っているのですが、周りの皆様のおかげで何とか怠けずに生活しているのです。

しかし今日のような日には、満を持して「怠ける」というのも良いかと思い、1日有意義なことはせずに、ゴロゴロして「聖なる怠け者の冒険」など読むことにいたしました。

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半分くらい読んだところで、精神的に充分に「怠けた」気分になりましたので、明日からまた頑張って働きたいと思います。

今日はこれにて。

頃は弥生の花見とて…

明後日17日の土曜日には、宝生能楽堂にて五雲会が開催されます。

今日はその申合があり、私は能「右近」の地謡を謡って参りました。

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右近のワキの文句の中に、「のどかなる 頃は弥生の 花見とて」とあります。

それを聞いて、「あれっ?」と微かな違和感を覚えました。

数日前のニュースで、東京の桜の開花予想が明後日の3月17日だと聞いていたからです。

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室町時代は旧暦なので、その頃の「弥生」は現代の4月にあたります。

つまり右近の馬場の桜は当時は4月に咲いていた筈なのです。

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桜の開花が年々早まって、ついに旧暦と同じ時期になってしまったことになります。

「右近」の謡を聞いて、地球温暖化を実感してしまいました。。

これ以上温暖化が進まないように祈るのみです。

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ともあれ、明後日の五雲会は桜の開花予想に合わせたように能「右近」、「雲林院」、「鞍馬天狗」と桜尽くしの名曲が3曲並びました。

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宝生能楽堂でバーチャルなお花見を堪能した後に、まだ陽が残っている靖國神社に足を延ばして現実のお花見、というコースが可能なのです。

皆さま是非明後日17日 正午始めの五雲会にお越しくださいませ。

ホーキング博士と賭けが出来たら…

今日、スティーヴン・ホーキング博士が亡くなったというニュースを読みました。

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私は確か予備校生の頃に「ホーキング、宇宙を語る」という本を読んだ記憶があります。

ブラックホールや素粒子云々の内容は、正直に言って私には1割くらいしか理解出来なかったと思います。。

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しかし、我々の宇宙がどうやって生まれて、どのように存在しているのか、という深遠な問いについて考える機会は与えてもらえました。

そして頭脳という翼があれば、目に見えない極小の分子や原子の世界から、広大な宇宙の果てまでも自在に行ったり来たり出来ることを知りました。

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「能楽」と「理論物理学」は全く接点は無いように思われます。

しかし「能楽」もやはり我々人間を含めた「この世の万物の成り立ち」についての深い思索を経て作られているものだと思います。

その意味では、究極まで突き詰めて行けば「能楽」も「理論物理学」も同じ真理を追求しているのではなかろうか、などと私は考えるのです。

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ホーキング博士は、偶然の出来事も全て量子力学などで説明出来、「神」の存在は必要ではない、と言ったそうです。

また「死後の世界」は架空のおとぎ話だとも。

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しかしながらまた別のエピソードで博士は、他の科学者としばしば学説に関する「賭け」をして、しかも敢えて自分の学説に不利な方に賭けたそうなのです。

それは、「自分の学説が誤っていても、賭けには勝ったという満足感が得られる」からだそうです。

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もしかするとですが、今頃博士の魂は「天国」あるいはどこか別の宇宙にちゃんと存在しており、「自説は誤りだったが、満足である」と思っておられるかもしれません。

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時しも今日3月14日は「円周率の日」であり、かのアインシュタイン博士の誕生日でもあるそうです。

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ホーキング博士に言わせれば、そんな日に亡くなったのも偶然では無いのでしょう。

しかしもしもホーキング博士と賭けが出来たら、やはり私はそういう「不思議な巡り合わせ」がある方に賭けたいと思うのです。

NHKラジオ録音「善知鳥」

今日はNHKラジオの録音がありました。

「善知鳥」を一曲丸ごと録音して、私はツレを勤めました。

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朝に渋谷のNHKに入り、受付で入館証を貰って、とあるスタジオに向かいます。

テレビ局の中に入ることなど滅多に無い私です。

大勢が往き来しているフロアをクネクネと歩いていると、「もしかして有名な芸能人とバッタリ出くわしたりしないかしら」などと思うのですが、勿論そんなことは全くありません。

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スタジオに着くと、録音の準備はすっかり整っています。

一人一人の前には、ちょうどラジオのDJが使うような、スタンドから吊り下げる方式のマイクが設えてありました。

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「謡を謡う」という行為は私にとっては殆ど日常の一部なのですが、この「目の前にマイクがある」というシチュエーションだけで変に緊張してしまいます。

更にそのマイクは非常に高性能なので、ほんの小さな音も拾ってしまうそうなのです。

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くしゃみや咳などは、普段の舞台からしないものなので大丈夫ですが、例えばお腹が鳴ったり、喉が鳴ったりするのは自分では止められない可能性があります。

正座の足を組み替えるのも、もしかして音がするかもしれません。

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などと色々な雑念が湧いて来て、45分くらいの録音でドッと疲れてしまいました。。

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今日頑張って録音した「善知鳥」は、4月15日(日)朝6時〜6時55分にNHKFMにてオンエアされます。

早朝ですが、皆さまどうかお聴きくださいませ。

稽古場の一体感

今日は朝から、京都紫明荘組の稽古でした。

稽古場としての「紫明荘」に代わる場所をいろいろと試行錯誤しておりますが、今日は「リハーサル室」という名前の部屋で稽古しました。

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そこは大きさがちょうど能舞台と同じ三間四方くらいで、完全防音の部屋です。

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完全防音なので稽古中は扉を締め切り、会員さん達はリハーサル室の外の椅子が並んだスペースで待っていることになります。

しかしこれが稽古を始めてみると、意外にやり辛いのです。

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これまでの和室の広い空間だと、稽古しながら横目で隣の部屋で談笑している会員さん達が見えます。

そこで、稽古しながら私は「あの方はいらしてから大分待っておられるので、次に仕舞の稽古をしよう」とか、「遠くからいらしている方がそわそわしているので、早い順番にした方が良いか聞いてみよう」などと考えられるのです。

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それが密閉空間での稽古だと、外で何人待っておられるのか、どの順番でいらしたのかなど、いちいち外に出て確認しないとなりません。

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また会員さんにとっても、自分の稽古だけでなく他の人の稽古も見聞き出来る方が勉強にもなりますし、誰かが舞っている仕舞を見て、「いつかあの仕舞がやりたい」と思ったりも出来ます。

更に私は、仕舞の稽古の時には見ている人達に向けても「この型はさっきの仕舞にもありましたね」とか、「”行き掛かり”の足は、他の仕舞でも共通でこのように捻ります」などと解説したりします。

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なのでやはり稽古場は、舞台スペースと待合スペースが繋がっているところに限ると痛感したのです。

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たまに会員さん達の楽しいお喋りが、録音に差し障りがある程に盛り上がってしまう事もありますが、私の好みとしては「同じ時間と空間を全員で共有できる稽古場」というのが一番だと思ったのでした。

1件のコメント

「3月のカレンダー」の話

ホームページを開設して1年と少し。

その間にこのホームページを通じていくつかの貴重な出会いがありました。

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「岩手未来機構」の皆さんとの御縁もそのひとつです。

岩手未来機構の皆さんは、国内外から様々な芸術家を東北に招き、芸術活動を通じた復興支援をされています。

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これまで二度の会合を開いてお話を色々伺いましたが、中でも特に印象深いお話がありました。

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ホセマリア・シシリアさんというスペインの現代アート作家が、震災から1年後に岩手の小学校でワークショップをされた時のことです。

そこでシシリアさんは2011年3月のカレンダーを取り出して、子供達に「3月11日までにあった出来事を書き込んでごらんなさい」と言ったそうなのです。

周りの大人はハッとして心配になったのですが、子供達はカレンダーに書き込みを始めました。

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そしてその内容は、大人達の予想とは違うものでした。

誕生日にお母さんと料理を作ったこと、もうすぐ弟が生まれることなど、楽しかった思い出がたくさん書かれていたというのです。

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「あの時のことを全て忘れたり、記憶に蓋をして目を背ける必要は無い。楽しかった思い出や、大切にしていた事はちゃんと心に刻んで、一緒に未来へ歩いていけば良いんだよ。」

という尊い大切な考えを、遥かスペインから来た偉大な芸術家が子供達に教えてくれたというのです。

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シシリアさんはまた、「死者と生者」、「過去の人と現在の人」が同じ空間の中に同居して、会話を交わすという能楽の世界観にも深く共鳴してくださっているそうです。

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「私には能楽しか出来ない」と1年前のブログに書きました。

しかし岩手未来機構の皆さんと出会い、その素晴らしい活動のお話を伺う中で、私にも「能楽」を通じて復興の為に何かお手伝いが出来るかもしれないと、微かな方向性が見えて来た気がします。

さらに話し合いを重ねて、年内にはそれをひとつの形に具体化したいと考えております。

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最後になりましたが昨年同様、被災された皆さまに1日も早く平穏な日々が戻って来ますように、心よりお祈り申し上げます。

早春の味覚

昨日のブログは関西に向かう新幹線で書きました。

その新幹線に乗る前は、東京は前日からずっと続いた雨がまだ少し残っていましたが、気温は高めで暖かでした。

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しかし天気は西から回復傾向で、新幹線が名古屋を過ぎる頃には、久しぶりに見る青空が。

何となく良い気分で京都に到着して新幹線を降りると、そこで私はいささか驚きました。

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降りた途端に「ビュオーッ」と非常に冷たい風が吹き付けて来たのです。

私に続けて降りた会社員達がやはり風を受けて、「うわっ!京都寒っ!!」と背後で叫んでいます。

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思えばまだ3月上旬でした。

京大時代には4月に入っても炬燵が恋しかったのを思い出しました。

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私は春用の薄手のジャケットで来てしまったので、寒風が身に染みます。。出来るだけ外に出ないコースでいつもの安宿へ向かいました。

そして夜に芦屋稽古に行き、終わって再び京都へ。

晩御飯に、これも行きつけの京都駅近くにある安くて美味しい居酒屋さんに入りました。

寒いので何か暖かいものを…と思ってメニューを見たのですが、ここでは嬉しい驚きが。

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本日のお勧め欄に「たけのこ土佐煮」と「ホタルイカの茗荷和え」の文字が見えたのです。

なんと、メニューの中ではもうすっかり春になっていたのでした。

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迷わずその2品を注文。

たけのこ土佐煮。シンプルながら、しっかり味が染みており、絶品でした。

店員のお兄さんが、昔実家で行ったという筍採りの話をしてくれるのを聞きながらいただきました。

ホタルイカの茗荷和え。こちらは日本酒を、あえて冷やで頼んで春の気分を味わいました。

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しかし、食べ終えて外に出た途端にまたしても寒風が「ビュオーッ!」

春の気分が吹き飛ばないうちに、足早に宿に向かったのでした。

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食べ物ネタが続いてしまいましたが、今日はこの辺で失礼いたします。

ようやく味わうお弁当

私は「駅弁」というのは高価なものだと思っているので、新幹線に乗る時には大抵、駅のコンビニでおにぎりを買う程度で済ませるようにしております。

しかし今日は、新幹線のテーブルの上にやけに豪華なお弁当が。

左側にあるのは美濃吉の「鳥照り焼き弁当」で、実は先日の郁雲会澤風会の申合において能楽師用に用意したお弁当なのです。

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先月このお弁当を、東京駅大丸デパ地下の「ほっぺたうん」で40個ほどまとめて注文したところ、ポイントが一気に貯まって「次回ご来店時に2000円分の商品と引き換え可能」なカードを貰ったのです。

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普段私はこの「ポイントカード」というものを煩わしく思い、殆ど使わずに家に放置してしまいます。

しかし今回はやはり特別です。

本日水道橋にて月並能申合を終えて、関西への移動の前に「ほっぺたうん」に立ち寄りました。

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カウンターの中には、先日の注文の時に色々お世話になった店員さんが。

「こんにちは。先日はありがとうございました。お弁当を引き換えに来ました。」

「あら!この前はどうもありがとうございました!お弁当大丈夫でしたかしら?」

「はい、大変好評でした。またどうかお願いします。」

という会話を交わして、件の「鳥照り焼き弁当」に加えて「お料理小箱」もいただいて、丁度2000円也。

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写真は、新幹線でそれらを広げていただく直前の一枚だった訳です。

申合の時には自分では全くお弁当を食べる暇がなかったので、ようやく味わうことができました。

上品な味の出汁巻、煮こごりがまぶしてある鳥照り焼き、その下のご飯には海苔が敷いてありました。大変美味しいお弁当でした。

お料理小箱も茶碗蒸しまでついてとても豪華で、ゆっくり美味しくいただきました。

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食後には文庫本が2冊。

至福の移動時間なのです。

今年も幼稚園に行って参りました

今日は毎年恒例の、千葉県柏の幼稚園での能楽教室に行って参りました。

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昨年は教室に入るなり、「あ〜!侍だ〜!!」と言われましたが、今年の子供達はどうでしょうか…?

また人数が昨年の48人に比して今年は73人と、かなり大勢です。

果たして収拾がつくのか、ちょっと心配でもありました。

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朝9時半にいよいよ教室に入ると…

「あ〜!着物着てる〜!!」

おお。今年は至極真っ当な反応です。

挨拶から始めて、「摺り足」や「シオリ」、「六つ拍子」などの稽古では、やはり何人かハイテンションになって、全体が賑やかになりかけました。

するとすかさず園長先生が「みんなうるさい!」と一喝。

そして「騒ぐと先生こうなっちゃうよ…」と、今稽古したばかりの「シオリ」でしくしくと泣いてくださったのです。

そんなこんなで、何とか最後まで終えることができました。

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そして最後の質問コーナーで、ちょっと驚く事がありました。

先ずひとりの男の子が、「先生たちは”文楽”もやりますか?」と質問して来ました。幼稚園で”文楽”を知っているとは大したものです。

「我々はやりませんが、文楽と能はとても近い関係ですよ。」と答えたのですが、ひと通り質問コーナーが終わったところで再びその男の子が手を挙げて、大きな声で、

「僕を弟子にしてください❗️」

と言ったのです。すると隣の男の子もやはり

「僕も弟子にしてください❗️」と言って、2人できちんと正座してさっき覚えたばかりの「よろしくお願いします‼️」という正式な挨拶をしてくれたのです。

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もう10年もこの幼稚園で能楽教室をやっておりますが、弟子入りの希望者は初めてでした。

帰り際に園長先生に「彼らが本気で稽古したいようなら、いつでも連絡をください」とお願いして帰って参りました。

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思えば色々な場所で「能楽教室」をやっておりますが、その場で弟子入りというパターンは皆無です。

果たして今回が初めての例になるのか、しばらく楽しみに待ちたいと思います。

隙間花壇〜咲くやこの花〜

今から丁度1ヶ月前の2月7日の「隙間花壇」のブログに、梅の蕾の写真を載せました。

こちらの写真です。

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あれからひと月の間、私はバタバタしていて「隙間花壇」をゆっくり見る余裕もありませんでした。

そして郁雲会澤風会がようやく無事に終わった翌日、3月4日の朝。

崇宝会に向かおうと「隙間花壇」の前を通ったところ…

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いつの間に梅の蕾が開いていました!

しかしまだ三分咲きというところでしょうか。

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更に、ひと雨を挟んで今日。

ついに隙間花壇の梅は満開になりました。

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「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」という有名な和歌は、能「難波」のシテでもある「王仁」の作であるとされています。

この和歌における「この花」とは、梅の花を指すそうです。

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隙間花壇の梅もこの数日で冬ごもりから目覚めて、ようやく花の春が巡って来たことを私に知らせてくれました。

次はどんな花が咲いてくれるのか、楽しみに待とうと思います。