亀岡の花々〜夏から秋へ〜
昨日の亀岡稽古で、今年始めてツクツクボウシの声を聞きました。
空気も少し乾いて、暑さも僅かですが和らいで、いよいよ秋が近づいてきたと思いました。
亀岡には夏から秋への移ろいを感じさせる花々が咲いていました。
ややこしいのですが、ランの仲間に「スズムシソウ」があり、そちらは鈴虫に形の似た花を咲かせるそうです。
こちらのスズムシバナは、鈴虫が鳴き始める頃に咲くので名付けられたということ。
オシロイバナと逆に、朝咲いて夕方には萎れてしまうので、写真を撮った時もちょっと元気が無い感じでした。
またこのスズムシバナは「キツネノマゴ科」に属するそうで、またしても新美南吉風な名前に興味が湧いて調べてみたのですが、「キツネノマゴ」の名前の由来は残念ながらはっきりしませんでした。
夏から秋に咲く花ですが、こちらは「キジカクシ科」だそうで、やはりメルヘンチックな科に属しているのですね。
ナデシコに似た花が咲いているなと思いましたが、これは「オグラセンノウ」というやはりナデシコの仲間でした。
なんと絶滅危惧種だそうです。
シーズン終わりの最後のひと花が見られてラッキーでした。
もう萩が咲いていると思ったら、これは「ヌスビトハギ」だそうです。萩よりも花の時期が少し早いのです。
この植物、花が終わると下のようになります。
草原を歩いた後に、この種が服に大量に付いてしまって、取るのに苦労することがあります。
このような種を持つ植物を総称して「ひっつき虫」というそうです。なんだか今日は可愛らしい名前が多いのです。
ようやく能関係の花を見つけました。
能「女郎花(おみなめし)」では、この花を「花の色は蒸せる粟のごとし」と謡っていますが、確かに小さくて黄色い花は粟の粒に似ているように見えます。
ちなみに仲間の「オトコエシ」は白い花です。
能「善知鳥」に「間遠に織れる藤袴」という謡がありますが、こちらは本当の衣類の袴を指していると思われます。
フジバカマという植物には、実は特別な話のネタがあるのですが、それはまた回を改めて書きたいと思います。
今日はこの辺で失礼いたします。