「竹生島合宿」から1年
去年の今日9月11日、京大宝生会は能「竹生島」に向けた合宿を琵琶湖畔で行っていました。
今頃の時間はその合宿のメインイベントである「竹生島クルーズ」を終えて、大満足で帰港していたと思われます。
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能の効用のひとつに、
「行かずして名所を知る」
というものがあると、先日の「いとうせいこう能楽紀行」の折にいとうさんとお話しいたしました。
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しかし去年の「竹生島合宿」はその逆で、京大宝生会は、
「名所に行って能を知る」
という体験をしたのです。
あの「竹生島合宿」によって、能「竹生島」への理解が飛躍的に深まり、舞台へのイメージも果てしなく膨らんでいきました。
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また違うパターンもあります。
もう4年半ほど前になりますが、「澤風会15周年東京大会」という舞台で、松本澤風会の3人の会員さんで能「竹生島」を演じていただきました。
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3月にその舞台が無事終わった後のゴールデンウィークに、その竹生島を演じた前シテ、後シテ、ツレの3人で「竹生島クルーズ」に出掛けたそうなのです。つまり、
「能で知った名所を旅する」
という体験で、これは普通の旅行では決して得られない感動があったことと思います。
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このように「能と旅」という2つの要素の組み合わせには色々なバリエーションがあり、それぞれ異なる楽しさがあると思うのです。
今はまだ自由自在に旅行出来る環境ではありませんが、状況は徐々に改善されています。
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再び自由に旅に出られるようになったら、また能楽に関わる場所を色々訪れてみたいです。
京大宝生会とも、また充実した「能合宿」に行ってみたいと思います。