行く人、来る人
昨日の「京大宝生会 仕舞100番舞う会」でのこと。
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途中で台湾からの留学生Hくんが、大きなダンボール箱を持ってやってきました。
中から結構な量の食材、調味料、タッパーなどを取り出して、「これ全部いらないです!誰かほしい人いたらもらってください!」
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彼はもうすぐ台湾に帰っていく予定なのです。
仕舞「敦盛キリ」を一番だけ舞って、
「それでは先生、お世話になりました!」
と別れを告げてBOXから出ていきました。
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しかししみじみとした気持ちになりかけたところで、Hくんから「部屋の冷蔵庫の食べ物、明日まで預かってほしい!」と部員Oくんに電話があり、Hくんはすぐに別のダンボール箱を持って再びBOXに戻ってきたのでした。。
そして今度こそは、とお別れをして去っていくと、またしても「忘れ物した!」と言って戻ってきます。
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「なんだかんだ言って、名残惜しいのかもしれないなぁ」と、そこでしみじみとした気持ちになりました。
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昨日は他にも、別の大学に進学する人、就職する人などが何人もいて、その意味でも色々感慨深い1日でした。
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一方今日は朝から大山崎稽古でした。
宝寺のいつもの稽古部屋に入ると…
私「おお!Iさんおはようございます!今日からよろしくお願いします!」
今年の大山崎新年会に見学に来てくださった方が、今日から本格的に稽古を始めることになったのです。
初めて触れる”謡”に戸惑いながらも、熱心に1時間稽古してくださいました。
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春はお別れの季節であると同時に、新しい環境に飛び込んでいく季節でもあります。
昨日のHくん達も、この先の新たな場所できっとたくさんの出会いや、新鮮な出来事が待っていることでしょう。
おそれずに希望を持って、新しい道に進んで行ってほしいと願っております。