正法寺での能楽教室

今日は岩手県の「正法寺」というお寺で能楽教室をして参りました。

東北新幹線の水沢江刺駅から車で20分程の山あいにある、とても大きなお寺です。

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境内に入ると、まず目に入ったのが巨大な本堂です。

なんと茅葺屋根で、面積は720坪に及び、日本一の茅葺屋根として国の重要文化財に指定されているそうです。

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この「正法寺」は曹洞宗のお寺で、建物や廊下の様子が昨年夏に拝観した永平寺に似ていると思いました。

そしてやはり沢山の修行僧の方々がいらして、その点でも何となく永平寺を思い出して、懐かしくなりました。

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能楽教室の会場はあの巨大な本堂の中にあるということで、長い廊下を本堂へ案内していただきました。

真冬の東北はもっと寒いかと覚悟して行ったのですが、今日は比較的穏やかな天気でした。

しかし、案内してくださった僧侶の方に「今日は暖かいでしょう」と言われた時は、「そうですね!」と答えながら内心「さすがに暖かくはないなあ…」と思ってしまいました。

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本堂はやはり中も広々として天井が高く、能楽教室には贅沢なスペースです。

元々は小学生向けの能楽教室でしたが、実際に始まってみると保護者の方々や飛び込みの拝観者の方、そしてたくさんの僧侶の皆さんにも参加していただいてとても賑やかになりました。

加えて、なんと御住職様までご参加いただき、俄かに緊張感のある能楽教室になりました。

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型の体験や、高砂の「四海波」謡の稽古、また能面の解説などを全て無事に終えて、控え室に戻ったところで御住職がいらっしゃいました。

御住職「能面の表情が”無表情”ではなく、あらゆる表情に対応出来るようになっている、というのは禅の思想に通じます。

“無”ではなく、分数で言う”分母が零”の状態ならば、上にどんな”分子”が来ても対応出来る、という考え方です」

…といった非常に高尚なお話を色々と伺いました。

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未熟者の私は完全に理解出来てはいないと思うのですが、深いところで共感を覚えるお話でした。

いつものことなのですが、能楽教室をすると私自身が勉強させていただくことが多いのです。

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今回の御縁をきっかけに、正法寺さんでは今後能楽教室やより本格的な公演を計画して参りたいと思っております。

また途中経過をご報告したいと思います。

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御住職を始め正法寺の皆様、また岩手未来機構の皆様本日はどうもありがとうございました。

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