ようこそ紫明荘組へ

今日は朝東京を出て、昼前から紫明荘組稽古でした。

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先日の関西宝連を持って現役を退いた4回生のO君が、早速紫明荘組稽古に参加してくれました。

会員の皆さんに紹介していると、O君が何やら紙袋を取り出して、

「あの先生これは、ご挨拶に持って参りました」

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私は「なんと、そんな気を遣わなくていいのに」と言って、お菓子かと思い「今開けて皆さんにお出ししていい?」

と聞いたところ、O君は

「あ、いえお菓子ではなく、お蕎麦なのです!」

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「へえ、お蕎麦。それはどうもありがとう」

と答えながら、内心「珍しいものをくれるものだなあ」と少しだけ怪訝な顔をしてしまいました。

するとすかさずO君がニヤリとして、

「これから先も、いつもおそばに、という意味です!よろしくお願いいたします」

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なるほど!

そういえばO君はそう言った洒落が大好きなのでした。

昨年の京大宝生会の経政合宿の時には、何故か参加者全員に「ハイチュウ」を配ってくれたのですが、配りながら、

「いや飴にてはなかりけり!」と連呼していたのを思い出しました。

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また個性的な新OBを何人か加えて、紫明荘組稽古に新しい風が吹いて来そうです。

打ち出の小槌と分福茶釜

大山崎稽古場のある天王山中腹の「宝積寺」には、寺宝として本物の「打ち出の小槌」が伝わっています。

正確には「打ち出」と「小槌」に分かれているそうです。

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一寸法師がお椀の舟にお箸の櫂竿で淀川を遡って都に上る途中、この宝積寺に立ち寄って修行したという伝説があるそうなのです。

その後のストーリーは確か、一寸法師は鬼退治をして「打ち出の小槌」を手に入れて、自らの身長を伸ばしたり金銀財宝を出したりして幸せに暮らしました、という感じだったと思います。

ということは一寸法師は、幸せになった更にその後に、若かりし頃に修行した宝積寺に「打ち出と小槌」を奉納したのでしょう。

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今回この「打ち出と小槌」の事を思い出したのには訳があります。

先日岩手県の「正法寺」で能楽教室をした時のこと。

行きは「岩手未来機構」の方に車で正法寺まで送っていただきました。

その車中で「正法寺には本物の”分福茶釜”があるのですよ」と伺ったのです。

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「おお、それはすごい!私の京都の稽古場のお寺には本物の”打ち出の小槌”があるのですよ。”分福茶釜”も本物が残っているのですねー」

と返事をしたのですが、そこで内心では

「えーと、分福茶釜はどんなお話だったかな…?」

となってしまいました。

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帰りの新幹線で早速調べると、狸が化けた茶釜ということのようでした。

そして群馬県の茂林寺というお寺にも”本物の分福茶釜”があると書いてあります。

どちらが本物なのだろう…と思ったら、正法寺でいただいた本にこんなことが書いてありました。

「正法寺にあった分福茶釜は、勝手にあちこち動き回るので鎖につながれてしまった。そして本堂が火事になった時に、あまりの熱さに蓋だけが飛んで行って、群馬の茂林寺まで逃げた。そこでは”守鶴の茶釜”と呼ばれて、日本昔話の”分福茶釜”のモデルになった」

つまり、”正法寺の分福茶釜伝説”は日本昔話の分福茶釜の前日譚にあたり、どちらも本物であるということなのでした。

なんだかホッと安心してしまいました。

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因みに今回の正法寺能楽教室の折にはこの”分福茶釜”を見ることは叶わず、また宝積寺の”打ち出と小槌”も未だに拝見できていないのです。

どちらもいつか必ずこの目で見てみたいと思っております。

その願いが叶った時にはまたご報告いたします。

2019年大山崎新年会

今日は大山崎稽古場の初稽古と新年会でした。

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大山崎の宝寺稽古場は、私が一番最初に稽古を始めた場所でもう15年目になります。

そして毎年新年会は宝寺のお座敷で鍋を食べることになっており、その鍋も15年来全く同じレシピで作られているのです。

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鍋に入れる具材は、

①レタス

②豚肉

これだけ。

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大きめの取り分け用の器には、

①ネギ

②大根おろし

③ポン酢

以上。

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あとは鍋にお湯と日本酒を1:1の割合で沸かして具材を投入すると出来上がりです。

あ、最後に薬味として辛味調味料「かんずり」を取り分け容器に入れるのが大切なのでした。

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10時〜11時まで謡を謡って、それから10人ほどで鍋の準備を始めて11時半には下のように全ての準備が終わっていました。


そして、食べている写真を撮るつもりがあまりの美味しさにうっかり忘れており、ふと気がつくと…

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締めのうどんしか残っておりませんでした。。

この鍋は自宅でも簡単に出来るのですが、何故か宝寺で食べると一層美味しく、いくらでも食べられてしまうのです。

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今日は紫明荘組からも3人来てくださり、そのうちお2人は初めての大山崎新年会参加で、大山崎鍋を美味しそうに食べておられました。

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そしてまた今日は、このホームページのお問合せフォームからご連絡いただいた方が見学に来られたという嬉しい出来事もありました。

新しいメンバーも加えて、今年の大山崎稽古場も変わらず頑張って稽古して参りたいと思います。

大山崎の皆様どうか本年もよろしくお願いいたします。

今年もお鍋ご馳走様でした。

リンボウ先生の和歌の講義

今日のニュースで「歌会始」が皇居にて催されたと知りました。

歌会始で歌を読み上げる時の独特の抑揚は、一度聴いたら耳に残ります。

「変わった読み方をするなあ」と思う人も多いでしょうが、私にとってはあの抑揚はそれ程違和感を感じないものなのです。

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というのは、謡の中で和歌を詠むシーンは割と頻繁に出てきて、その時には和歌に”節”をつけて、歌会始風にゆっくりと読み上げるからです。

私は澤風会稽古の時など、逆に「和歌を読み上げる謡は、”歌会始”のような心持ちで謡うと良いです」と会員さん達に言っているくらいです。

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そういえば、東京芸大時代に和歌に関する林望先生の講義を受講した時のことを思い出しました。

試験はレポート形式で、和歌に関する事ならなんでも可、というゆるい条件のレポートでした。

ちょっと考えて、「百人一首」の何首かの歌に謡の節を付けて、それを私が歌会始風に読み上げた音源を提出したら単位を貰えたのです。

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その講義では、「1人一首の和歌を詠む」という回もあり、15分ほど時間を与えられて参加者全員で「う〜ん」と唸りながら和歌を考えたものです。

私は結局、京大能楽部の旧BOXでのことを詠みました。

「謡ひ終へ 窓辺に寄りて 涼み居れば

北山の上を 行く夏の雲」

夏の旧BOXは本当に暑くて、エアコンなど無いので大きな窓をとにかく全開にして稽古したのでした。

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いつか時間が出来たら、和歌を詠む勉強もしてみたいものです。

2019年松本新年会

昨日の月並能から、私の2019年の舞台が本格的に始まりました。

とはいえまだ新年会のシーズンでもあり、今日は松本稽古場の初稽古と新年会でした。

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稽古後の新年会は例年通り「クチーナにし村」さんで美味しいイタリアンをいただきました。

なんと今日初めて稽古見学に来られたご夫婦が新年会まで参加してくださり、また稽古場が賑やかになりそうです。

ご夫婦は安曇野北部のアルプスの麓にお住まいで、森の中に御宅があって御主人は山登りが大好きだとか。色々面白そうなお2人で、これから稽古しながら色々お話しを伺うのが楽しみです。

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この1年ほどで松本稽古場に新人さんが増えてきたので、稽古の形態を少し変えることにしました。

謡を曲を”初級者向け”と”上級者向け”に分けて、仕舞→”上級者向け謡”→仕舞→”初級者向け謡”→仕舞というように交互に稽古するようにします。

江古田もそうですが、今年は先を見据えて稽古形態を整え直す年になりそうです。

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新人さんへの紹介を兼ねて、会員さんそれぞれ改めて稽古を始めたきっかけからの自己紹介をしていただいたりして、約10年間の歩みを振り返るような新年会になりました。

今日来られなかった方や、事故で怪我をしてしまった方などもおられたのですが、それらの皆さまもまた稽古場で元気にお会いしたいです。

松本の皆さま本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末のような新年のような

今日は江古田稽古だったのですが、大半の方は去年12月分の振り替えという微妙な稽古でした。

去年が再び帰って来たような気もしますが、しかしやはり挨拶は「本年もどうぞよろしくお願いいたします」なのです。

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そして、もともと今日は人が少なめなので余裕を持って稽古出来る筈だったのですが、何故か終わりはいつもよりも遅くなってしまいました。不思議な現象です。。

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本当はいつも今日のように時間に余裕を持って稽古したいのです。

なので今年から試験的に、田町稽古の前の水曜昼間に江古田組の稽古を何人かすることにいたしました。

“時間”というものはどうしても引き延ばせないので、今ある隙間時間をやりくりして何とか稽古時間を捻出したいと思っております。

2019年田町稽古始め

今日は一日中北風が強く吹いて、とても寒い日でした。

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私は夕方から田町の2019年最初の稽古に行って参りました。

お仕事で少しお休みだった方や、修士論文を執筆していた韓国からの留学生なども元気に戻ってきてくれて、久しぶりにフルメンバーでの稽古になりました。

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謡の稽古では今度の澤風会東京大会で出す予定の「氷室」を謡ったのですが、今日のような日に謡うと寒さも一入でしたね…。

鸚鵡返しをしていた頃は暑い盛りだったのをちょっと懐かしく思い出しました。

本番の3月9日には、少しは春めいているでしょうか?

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今年の田町稽古も昨年同様に頑張って参ります。田町の皆さま本年もどうぞよろしくお願いいたします。

謎の部品…

今日は近所の大きなホームセンターに行ってきました。

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そして色々見繕った結果、下の写真のようなパーツなどを購入いたしました。


まだ未完成なのですが、勿論能に使う何かです。

ちなみにパイプは1本が約二尺強の長さです。

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この部品が今回最大の収穫で、見つけて思わず「うおー、あった〜!」と1人で喜んでしまいました。こういうのを探していたのです。

皆さまには何のことやらわからないと思いますが。。

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パイプ寸法の微調整や足りないパーツの調達などを明日の田町稽古の前に済ませたら、とりあえずの形は出来上がると思います。

これを使う時が来たら、また皆さまに完成品を披露したいと思います。

以前に「竹生島の船」を稽古用に作ったことがありますが、今回はそれ以来の”作り物”製作になります。

完成が楽しみです…!

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ちょっと短いですが今日はこれにて。

紫明荘組2019年初稽古

今日は京都紫明荘組の稽古でした。

今年最初の澤風会稽古、また今年初の京都になります。

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例年京都の年明けの稽古は非常に寒く、新幹線で雪景色を見ながら京都入りすることもしばしばです。

今日も寒さを警戒して、こちらも今シーズン初めてのロングコートを引っ張り出し、私にしては厚着で出発しました。

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しかし京都の寒さは予想していたほどではありませんでした。

今年はやはり暖冬傾向な気がします。

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そして稽古もまたちょっと予想外で、人が少なめでした。

途中お茶を飲みながらのんびりとお話しをする時間もあるくらいでした。

年末に体調を崩したり、また風邪気味でお休みという方などいらして、やはり暖冬気味でも体調管理は難しいのだと思いました。

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人が少ない分お一人お一人の稽古は丁寧に出来て、また私自身も正月明けからエンジン全開になるよりもむしろ良いスタートになった気がいたします。

この後田町、江古田、亀岡、松本など順々に稽古が始まります。

ギアを一段ずつ上げていって、今週末にはフル稼働の状態にしたいと思います。

第6回澤風会東京大会に向けて

今年3月9日に東京渋谷のセルリアンタワー能楽堂にて「第6回 澤風会東京大会」を開催いたします。

その番組作りに年明けから取り掛かりました。

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今年は昨年と異なり1日だけの会なので、番組の分量はちょっと少なくなります。

しかし今回も舞囃子が10番ほど出る予定で、昨年能を舞われた方も含めて皆様それぞれ新たな境地の曲に取り組んでおられます。

また仕舞でも、例えば高校生達は「船弁慶キリ」や「野守」と言った難易度の高い曲に挑戦します。

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そして松本の小中学生達も仕舞を舞ってくれる予定です。

「渋谷〜❗️絶対行く〜❤️」

と、なにやら舞台以外の要素で魅かれている節がありますが、勿論しっかり稽古しているので良い仕舞を見せてくれるでしょう。

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更に京都紫明荘組や松本澤風会から、また京大宝生会の現役とOB会の方々も多数ご参加くださる予定です。

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この「第6回澤風会東京大会」が良い舞台になるように、これから本番3月9日まで頑張って稽古して参りたいと思います。

また会のことは折に触れて書かせていただきます。