今からちょうど2年前の2017年6月16、17日に「半蔀の旧蹟を訪ねて」というブログを書きました。
五雲会で能半蔀を舞うための予習を兼ねて、京都市内の半蔀に関わる場所を散歩したのです。
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すると約1年半が過ぎた2018年の秋になって、ある方から「半蔀の旧蹟を訪ねて」へのコメントをいただきました。
それまで全くお会いしたことのない方でした。
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「自分もその場所をいつか訪ねてみたい」
という内容のコメントの最後に、
「私の名前が蔀というのです」
とあり、驚きました。
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「半蔀」という能を舞うことで「蔀さん」と繋がりが出来るとは、不思議で嬉しいことでした。
珍しい御名前なので検索させていただくと、すぐにヒットしました。
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これまた驚いたことに、浅草にある大きな乾物屋さんの社長さんだったのです。
浅草は私の自宅のある三ノ輪からほど近く、そのお店の前も何度か通っていたのでした。
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合羽橋の道具屋筋の入り口近くにあるその乾物屋さんにはカフェも併設されており、一度伺ってお茶を飲み、出来たら「蔀さん」にお会いしたいと思いました。
ところが何故か、その後浅草に何度か行った時にはお店がことごとくお休みだったのです。
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そうこうしているうちにコメントをいただいてから半年が過ぎました。
そして今日は仕事が日本橋で夜からだったので、「今度こそは」と思い立って浅草に向かったのです。
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何度目かの正直で、カフェは開店していました。早速勇んで入店。
乾物屋さんの品物を色々使ったカフェです。
そこで珈琲というのも不粋に思われ、私にしては珍しく「冷し白玉ぜんざい」を注文しました。
久しぶりにいただいた「冷し白玉ぜんざい」は、”白玉”も”あずき”もとても優しい味がしました。
口直しに梅干が添えられているのも良かったです。
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そしてぜんざいを美味しくいただいて、レジで会計を済ませる時に、店員さんにブログのこと、「蔀さん」のことを話してみたのです。
すると、厨房から1人の女性が出てこられて、
「私も旧姓が”蔀”なのです。コメントをお送りしたのは私の兄に間違い無いと思います」
と仰ったのです。
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おお!
コメントの蔀さんではありませんでしたが、蔀さんの一族の方にお会い出来たのです。
とりあえず名刺を妹さんに託して、「また寄らせていただきます」
とカフェを後にしました。
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メニューには”かき氷”や、合羽橋にちなんだ”カッパパフェ”など色々魅力的なラインナップが並んでいました。
能「半蔀」を舞わなかったら、そしてブログを書いていなかったら今でもおそらく素通りしていたはずのこのカフェ。
次は真夏に”かき氷”でも食べに来ようかな、その時には「コメントの蔀さん」にお会いしたいものだと思いながら、日本橋の仕事へと向かったのでした。