第14回澤風会京都大会に向けて

今日は来たる9月21日(土)に大江能楽堂にて開催の「第14回澤風会京都大会」に向けて、合宿形式の稽古を終日行いました。

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舞の稽古をする大部屋に加えて、謡稽古用の小部屋も3つ借りて、同時進行で色々な稽古をしました。

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今日の稽古のメインは能「羽衣」でした。

これを、大鼓、小鼓、太鼓、笛の4つのお囃子を実際に入れて、本番さながらの状態で稽古することにしていたのです。

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澤風会には、お囃子を習っている会員さんがたくさんいるのですが、今日は大倉流大鼓、幸清流小鼓、金春流太鼓、森田流笛という組み合わせになりました。

因みにそれぞれ習っている場所は、大鼓の方が神戸、小鼓が名古屋、太鼓が京都、笛が浜松と、見事に地域が分かれました。

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シテはこの度教授嘱託の免状を取られる、紫明荘組生え抜き(?)の方です。

稽古面をかけて、自作の衣を着て、作り物の”角台”も私が製作したものを正先に置きました。

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そして地謡は、今回女性5人が前列に並ぶことになり、今日はそのうちの3人が参加してくれました。

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このメンバーで合わせるのは今日が最初で最後です。

もちろんその状況でシテ、囃子、地謡が完璧に合うのは難しいのですが、能「羽衣」の生の空気感は見事に表現できて、大きな成果がありました。

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「羽衣」の他にも舞囃子「高砂」、仕舞、素謡、独調などを11時〜19時近くまでモリモリ稽古しました。

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人によっては、「仕舞、能の地謡、独調の地謡、小鼓」とか、「仕舞、素謡のシテ、笛」など1人何役もこなして大車輪で稽古してくれました。

日帰りですが、泊りがけの合宿に匹敵する内容の稽古が出来たと思います。

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本番まではまだ1ヶ月近くあります。

今日の成果を踏まえて、本番まで更に頑張って稽古して参りたいと思います。

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第14回澤風会京都大会

9月21日(土)午前11時始曲 於大江能楽堂。

能「羽衣」は午後12時40分頃からの予定です。

皆様是非ご来場くださいませ。

2019年舞台出演予定を更新いたしました

日頃ブログの更新ばかりでホームページの他の部分の更新が滞っておりまして、誠に申し訳ございません。

来年の舞台出演予定をようやく先ほど更新いたしました。

来年2019年は東京、大阪、京都、名古屋などで出演予定があります。

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5月には京宝連120回記念にあたる関西宝連大会が開催されます。

京宝連加盟大学による合同演能という話も持ち上がっております。また詳細がわかり次第発表したいと思います。

ちなみに10年前の京宝連100回記念では合同演能「竹生島」が前シテ京大、後シテ同志社、ツレ京女、地謡京大同志社連合、後見京女、という布陣で演じられました。

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…今日は久々の休みでした。これから年末年始にかけては何日か休みがあり、いよいよ今年が終わっていくという気分になって参りました。

ブログの最初の頃はカテゴリー分けが出来ていないので、その作業なども休み中にしたいと思っております。

短いですが今日はこれにて。

七葉会申合が終わりました

今日は水道橋宝生能楽堂にて、七葉会の申合がありました。

今回は能2番に舞囃子10数番が出るので、申合だけでも1日がかりです。

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1年ぶりにお会いする7つの会の会員の皆様は、其々この1年でまた上達されたご様子でした。

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初シテで能「羽衣」に挑戦される方は、申合が済んだ後で私に「もう85歳なので無理かと思ったのですが、先生に後押ししていただいて思い切ってやる事にしました。」と仰いました。

とても85歳には見えず大変お若く見えたので、お歳を聞いて驚きました。

これをきっかけに、まだまだお元気で能や舞囃子に挑戦していただきたいと思います。

明後日の本番では、私は後見として舞台をしっかりとフォローさせていただきます。

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申合が全部終わってから、7人で手分けして明日明後日の準備を2時間ほどかけて終わらせて、先ほど解散しました。

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明日からいよいよ本番、先ずは第1日目です。

年に一度の賑やかなこの七葉会が今回も良い舞台になるように、精一杯力を尽くしたいと思っております。

皆さま猛暑の中ではございますが、明日朝9時〜18時まで宝生能楽堂にて開催の七葉会第1日目にどうかご来場くださいませ。

よろしくお願いいたします。

今年も七葉会が迫って来ました

私と同世代の若手能楽師7人が集まって毎年開催している「七葉会」。

今年もその舞台が近づいて参りました。

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私の澤風会からは、例年通り仕舞、素謡、舞囃子が出ます。

初舞台の小学生や、素謡「百万」という難曲のシテに初めて挑戦される方、今回も元気に仕舞を舞われる最高齢91歳の方、舞囃子「須磨源氏」などなど、盛り沢山の番組です。

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しかし今回は、澤風会以外の会も大変に充実した番組で、なんと能が2番も出るのです。

これは「七葉会」の歴史の中でも初めてのことです。

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内藤飛能さんの飛雲会から能「羽衣」、高橋憲正さん憲宝会から能「竹生島」が、ともに8月5日に出ます。

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七葉会メンバーの若手能楽師の成長と共に、会員さん達もメキメキと実力をつけておられるのだと思います。

私も「羽衣」の後見と「竹生島」の地頭を頑張って勤めさせていただきます。

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また番組には載せておりませんが、8月4日17時頃より番外仕舞7番が出る予定です。

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猛暑の中ではございますが、皆様8月4日、5日に宝生能楽堂にて開催の「七葉会」にどうかお越しくださいませ。

よろしくお願いいたします。

舞台ラッシュ

何事にも「波」というものがありますが、やはり私の仕事にも明確に「波」があります。

例えば昨年は、3番あったシテが2月「兼平」、4月「百萬」、7月「半蔀」とほぼ上半期で終わりました。

そしてツレについても、昨年10月22日の宝生会別会にて「安宅」の同行山伏を勤めたのが最後で、なんとそれ以降現在まで、かれこれ5ヶ月も胴着を着ていないのです。

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ところが、来月の頭から夏にかけて、今度は立て続けに役をいただく事になりました。

4月7日:能「正尊」立衆(金剛能楽堂15周年記念)

4月21日:能「雲林院」シテ(七宝会麗春公演)

5月3日:能「巻絹イロエ」ツレ(大本みろく能)

5月18日:能「俊成忠度」俊成(興福寺薪御能)

5月25日:能「夜討曽我」シテ(宝生会夜能)

6月9日:能「熊野膝行三段之舞」ツレ(京都満次郎の会)

と、この半年間何もなかったのが今後2カ月で6番の役をいただいたのです。

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更にまた、まだ詳細未定なのですが、夏には私にとって初めての「薪能」のシテを舞わせていただくお話もあります。

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郁雲会澤風会が無事に終わったタイミングで、今度は自分の役に全力投球出来るのは大変に有り難いことです。

ここから暫くは、自らの舞台に力点を置いて日々を過ごしたいと思います。

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とは言っても、もちろん澤風会の稽古も変わらず頑張って参ります。

会員の皆さまにはどうかよろしくお願いいたします。

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また、皆さま上記の舞台を是非とも見にいらしてくださいませ。

こちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。

NHKラジオ録音「善知鳥」

今日はNHKラジオの録音がありました。

「善知鳥」を一曲丸ごと録音して、私はツレを勤めました。

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朝に渋谷のNHKに入り、受付で入館証を貰って、とあるスタジオに向かいます。

テレビ局の中に入ることなど滅多に無い私です。

大勢が往き来しているフロアをクネクネと歩いていると、「もしかして有名な芸能人とバッタリ出くわしたりしないかしら」などと思うのですが、勿論そんなことは全くありません。

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スタジオに着くと、録音の準備はすっかり整っています。

一人一人の前には、ちょうどラジオのDJが使うような、スタンドから吊り下げる方式のマイクが設えてありました。

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「謡を謡う」という行為は私にとっては殆ど日常の一部なのですが、この「目の前にマイクがある」というシチュエーションだけで変に緊張してしまいます。

更にそのマイクは非常に高性能なので、ほんの小さな音も拾ってしまうそうなのです。

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くしゃみや咳などは、普段の舞台からしないものなので大丈夫ですが、例えばお腹が鳴ったり、喉が鳴ったりするのは自分では止められない可能性があります。

正座の足を組み替えるのも、もしかして音がするかもしれません。

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などと色々な雑念が湧いて来て、45分くらいの録音でドッと疲れてしまいました。。

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今日頑張って録音した「善知鳥」は、4月15日(日)朝6時〜6時55分にNHKFMにてオンエアされます。

早朝ですが、皆さまどうかお聴きくださいませ。

最新の舞台出演予定です

平成29年2月4日(土)13時半始 於香里能楽堂
七宝会新春公演 能「兼平」シテ澤田宏司
平成29年2月12日(日)朝6時~6時55分
NHKFM「能楽鑑賞」兼平 シテ山内崇生 ワキ 澤田宏司
平成29年4月15日(土)正午始 於宝生能楽堂
五雲会 能「百萬」シテ澤田宏司
平成29年7月15日(土)正午始 於宝生能楽堂
五雲会 能「半蔀」 シテ澤田宏司