龍田神社への短い旅

今日は奈良の中学校で能楽教室がありました。

今年はこれまで、能楽教室の予定が軒並みキャンセルになっていたので、おそらく今年最初の能楽教室です。

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昼過ぎに奈良の中学校に到着すれば良い予定でした。

しかし私は今回、宿泊付きの割引ツアーを申し込んだため、東京からの新幹線が早朝便になって朝8時半には京都に到着してしまいました。

3時間ほどポッカリと空いています。

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「何か有効な時間の使い方は無いだろうか…」

と新幹線の車内で考えて、

「龍田明神にお参りしようか」

と思いつきました。

先月の五雲会で能「龍田」を舞ったので、その御礼参りをしたいと思ったのです。

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ところが「龍田明神」を検索したら、「龍田神社」と「龍田大社」の二つの神社がヒットしました。

両方とも行く時間はありません。どちらにお参りするべきか…。

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更に色々検索して、「龍田神社」には近鉄の「竜田川」という駅で降りてから「竜田川」沿いに歩き、「龍田大橋」を渡ってから「龍田の古い町並」を抜けて到着する事がわかりました。

という訳で今回は「龍田尽くし」の「龍田神社」を目指すことにいたしました。

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京都から1時間ほどで「竜田川駅」に到着。


小さな無人駅でした。

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辺りの町名は「龍田」です。それだけでも何か嬉しい気持ちになります。

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不動産屋も「タツタ」です。

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更に歩いていくと、いよいよ「竜田川」が見えて来ました。

果たして紅葉が流れていたりするのでしょうか…?

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この続きはまた明日書きたいと思います。

居合女子!

今日は都内の私立女子中学校での能楽教室に行って参りました。

始まってからもう7年目になる能楽教室です。

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各教室に分かれて色々なお囃子や型や謡を体験します。

教室では、掃除の時のように机が後ろに下げてありました。

そしてその机の間に、私は気になるものを見つけました。

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どう見ても、能に使う「太刀」にそっくりなものがキャリーケースに入れて置いてあったのです。

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そのキャリーケースも、今日の実演曲「船弁慶」の太刀を入れて来たケースと全く同じものでした。

しかし船弁慶の太刀は控え室に置いて来たので、この教室にある筈がありません。。

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中学校の先生に「あの…この”太刀”は誰のものなのですか?」と聞いてみました。

すると…

先生「ああ、”居合道部”の子がいるのです」

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なんと、居合に使う刀なのでした。

後で詳しく聞くと、その学校に居合道九段の達人の先生がいらっしゃるとか。

なので、家で親御さんに「クリスマスプレゼント何が良い?」などと聞かれると、

「新しい刀!」

と答える居合女子が沢山いるそうです。。

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150人程の生徒さんは、皆とても熱心に能楽体験をしてくれました。

「この中にいる”居合女子”さん達は、きっと能の型をやっても格好良くきまるのだろうな…能も稽古してくれないかな…」

と思いながら、最後の実演の「船弁慶」を頑張って謡ったのでした。

トンネルを抜けるとそこは…

昨日松本から東京に戻って、国立能楽堂の稽古会にて袴半能「石橋」の地謡を勤めました。

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そして今日また別の仕事で松本にとんぼ返りしたのです。

ちなみに一昨日のブログに載せた写真がこちら。


塩尻の手前くらいの松本平です。

晴天でした。

北アルプスの上の方だけが雪を被っていますが、平地には全く雪は見られません。

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そして今日、諏訪からトンネルをくぐって松本平に出て、ほぼ同じ位置で撮った写真がこちらです。。


なんと1日で一面の雪景色になっておりました。

このような経験をすると、”自然の力の気まぐれさ”のようなものを改めて実感します。

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私の乗った特急あずさは雪による倒木の影響で15分遅れで松本に到着しました。

今日はまた一昨日とは別の方々に、能楽の魅力をお伝えして参ります。

能楽を通じて結ばれた御縁

昨日の松本ワークショップはおかげさまで無事に終了いたしました。

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60人のお客様のうちの多くは、実は見知ったことがある方々でした。

松本澤風会会員さん、そのご家族、そして以前に稽古されていた方、またそのご家族など。

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それらの皆さんは、10年の時をかけて松本澤風会稽古を通じて御縁が出来た方々なのです。

ワークショップをしながら見知ったお顔、懐かしいお顔を見つけるたびに、感慨深い気持ちになりました。

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ワークショップの途中の休憩時間に、私はひとりの記者の方に声をかけられました。

なんとその記者さんは、8年前まだ稽古を始めて間もない頃に、松本澤風会新年会の記事を書いてくださった方でした。

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そして当時、その記事をタウン情報紙で読んだ1人の男性が新年会に来てくれました。

彼は私の京大時代の知人で、金春流太鼓を長く稽古している人でした。

そしてすぐに彼が太鼓の稽古場を開設することになり、松本澤風会と密に連携しながら、この8年間で松本の能楽の裾野を広げてきてくれたのです。

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記者さんは今度は太鼓の稽古場を取材してくださるとのこと、またその記事が元で御縁が繋がっていくと良いです。

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今回のワークショップでは、また新しい方とも何人もお知り合いになれました。

こうして松本で能楽を通じた御縁を広げていって、やがて能楽堂建設へ、さらにこの地が能楽の大きな拠点のひとつになることを目指していきたいと思います。

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昨日のワークショップに関わった皆様、そしていらしてくださった皆様まことにありがとうございました。

今後もどうかよろしくお願いいたします。

松本能楽堂建設に向けたワークショップ

今日は松本稽古で、今特急あずさで松本に向かっております。

しかし今回は稽古の前にもうひとつ重要な仕事があります。

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「松本に能楽堂を!」

という悲願を達成するための一歩として、松本城近くの老舗ホテルにて能楽ワークショップを開催するのです。

地元の方を中心に60人ほどの方々が集まると伺っております。

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主催者側は、私以外に「琥珀の会」シテ方囃子方メンバーが地元松本、東京、京都、そして浜松から集合してくれます。

そして松本澤風会で稽古している開智小学校の子供達も、仕舞を舞ってくれるのです。

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仕舞と舞囃子の実演。

型や謡の体験。

それらを通じて能楽の魅力を発信するだけでなく、

「松本能楽堂建設」に向けたPRをすることが求められる重要なワークショップです。

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途中の山梨県内は一面の銀世界でしたが、幸いに松本市内は晴天に恵まれました。

60人のお客様の良い反応が得られるように、精一杯勤めたいと思います。

開智小学校能楽教室2019

昨日は宝生能楽堂での「月並能」を終えてから、最終一本前の特急あずさで松本に移動しました。

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そして今日は朝から「開智小学校」での能楽教室をやって参りました。

朝の1時間目と2時間目を使っての教室だったので、開智小学校への集合は朝7時半でした。

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能楽教室は例年6年生を対象にしています。

しかし今日は、朝7時半に2年生の男の子がひとりやって来てくれました。

そして紋付袴に着替えて、8時には体育館に行って仕舞の稽古をしていました。

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彼は6年生全員の前で、能楽教室の冒頭に仕舞「加茂」を舞ってくれることになっていたのです。

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小学2年ながら、稽古年数は3年以上になる男の子です。

大学生でも難しい「加茂」の仕舞を、体育館の横に広い変則的な舞台を一杯に使って、とても頑張って舞ってくれました。

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その冒頭の仕舞のおかげで6年生の目が舞台に集中して、能楽教室を滞りなく進めることができました。

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能楽教室には校長先生も見に来られて、

「来年もまたよろしくお願いします」

と仰っていただけました。

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開智小学校では、今3人の生徒が松本澤風会の稽古場で稽古してくれています。

来年夏には、また「松本城薪能」の前座発表会などで小学生3人に頑張ってもらい、開智小学校の先生方や生徒さんたちにも沢山観てもらえたらと思っております。

自治医科大学での能楽教室

今日は栃木県の「自治医科大学」にて能楽教室を開催いたしました。

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金春流を習っている哲学の先生、更にその師匠である金春流シテ方の先生、大鼓打ちさん、元京大宝生会で現自治医科大学能楽部部長の青年、そして私という異色の組み合わせでした。

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しかしその内容はバラエティに富んでおり、宝生流仕舞「清経クセ」「殺生石」、金春流仕舞「半蔀クセ」、小鼓独調「船弁慶クセ」、大鼓独調「駒之段」、金春流舞囃子「松虫」に加えて、楽器の説明と型の体験をいたしました。

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参加者はそれほど多くなかったのですが、全員が能楽教室終了後も残って大鼓の楽器体験などをしてくれました。

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そして更にそのうちの何人かは、仕舞と謡の稽古までしてくれたのです。

来月の稽古にも来てくれそうな手ごたえを感じました。

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自治医科大学における初めての能楽教室は、幸いに大成功と言って良い結果でした。

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自治医科大学能楽部としては、次の大きなイベントは「関東宝生流学生能楽連盟自演会」への初参加となります。

その舞台に向けての稽古もしっかりと出来て、今日は密度の濃い1日になりました。

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自治医科大学の皆様どうもありがとうございました。

第2回吉備津神社発表会

今日は早朝に新幹線で東京を出て、岡山での「第2回吉備津神社能楽教室発表会」に行って参りました。

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幼稚園年中組から中学3年生までの13人の子供達が、この夏に稽古した仕舞と謡を吉備津神社の拝殿にて奉納するのです。

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天気予報は朝から夜までずっと雨マークでした。

半屋外の舞台なので、強く降ったら困るな…と心配しながら現地に到着しました。

やはり吉備津は雨が降っています。。

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…ところが超・晴れ男の家元がいらした効果によって、全く不思議なことに本番前に雨は上がりました。

殆ど超常現象と言ってもいいレベルの晴れ男パワーです。

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先ず拝殿に参集してから、普段は入れない本殿に子供達と能楽師全員で昇殿させていただき、参拝をいたしました。

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そして厳かな雰囲気の中で仕舞の本番が始まりました。

鶴亀、西王母、猩々…

皆真剣な表情で懸命に舞っています。

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途中休憩を挟んで、最後の中学生2人による相舞「小袖曽我」まで、13人が全員無事に舞い終えてくれました。

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そして我々能楽師の番外仕舞の後に、全員で「高砂 四海波」の謡をうたって、発表会の舞台が滞りなく終了いたしました。

幼稚園の子供も、作法まで含めてきちんと勤め上げて大変立派でした。

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その後社務所にて、家元より参加者全員に修了証が授与されました。

そして修了証を手に全員並んで記念撮影をして、名残を惜しみつつ解散いたしました。

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帰り道、神社の駐車場を通りかかると、停まっていたワゴン車の扉が開きました。

そして中から小学1年と幼稚園年中の姉妹が並んで顔を出し、笑って手を振りながら、

「来年もよろしくお願いしまーす‼️」

と大声で言ってくれたのです。

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この夏の汗と頑張りが全て報われた気がしました。

こういう出来事が私にとっては一番嬉しいのです。

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去年から人数が倍増した吉備津神社能楽教室。

来年もまたこの子供達と、更にまた新しい子供達とも会えると良いなと祈りながら、笑顔で吉備津を後にしたのでした。

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吉備津神社の皆様を始め関係者の方々に心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。

吉備津神社での最終稽古

今日は岡山吉備津神社での子供能楽教室に行って参りました。

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今回が最後の稽古で、来週にはいよいよ本番です。

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稽古場所は社務所のお座敷です。

吉備津神社拝殿での本番を想定して、番組順に待機スペースから拝殿への移動から、正座しての作法まで含めて稽古しました。

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今回の番組では仕舞「鶴亀」、「西王母」、「猩々」の3番の組み合わせが多かったのですが、そのうちのいくつかの組みでは「鶴亀」をお姉さん、「猩々」を妹が舞うという姉妹共演が実現しました。

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先に「鶴亀」を終えたお姉さん達は、例外無く妹さんの「猩々」になると、

「心配だなぁ…」

という表情で妹さんの一挙手一投足を見守っています。

それがまた実に微笑ましく見えました。

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来週の本番は半野外なので、天気と気温が気になるところです。

今日の吉備津は猛暑が少しおさまった高曇りの天気で、願わくば本番もこのような気候のもとでやりたいと思いました。

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また本番の模様もご報告させていただきます。

60人の初舞台!

今日は大阪の香里能楽堂にて「枚方市能楽体験教室発表会」が開催されました。

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午前中に大人の部、午後から子供の部の合計60人ほどが、ひと夏の間稽古した仕舞を披露したのです。

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何がすごいと言って、今日舞台に立った60人全員が「初舞台」なのです。

ズラリと並んで出番を待つ生徒さんに声をかけてみました。

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私「普段我々が出る発表会では、1人でも”初舞台”の方がいると大変おめでたいことなのです。今日はめでたさなんと60倍なのですよ!」

すると、

生徒さん「へえ〜、そうなのですか!それはギネスブックものですね!」

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確かに1日に60人の初舞台は、私の経験した舞台では最多記録更新です。

ギネスに申請して、登録されるかは大変微妙なところですが…。

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ともあれ大人から子供達まで、短期間の稽古で驚くほどの成果をあげた今日の舞台でした。

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才能があると思う人が本当にたくさんいらしたので、この教室が今後も続いていけば、更にレベルの高い仕舞が見られるだろうと想像いたしました。

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繰り返しになりますが、今回の能楽体験教室では枚方市のスタッフの皆様には大変お世話になりました。

今日も朝7時半頃から夕方まで、猛暑の中を走り回って舞台のサポートをしてくださいました。

心より感謝申し上げます。