「楽しい経験でした」

昨日は「ゲストハウス月と」にて、京都紫明荘組稽古でした。

先月の澤風会京都大会以来の稽古です。

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大会で能「羽衣」を舞われた方が最初からいらしていて、

「羽衣はとても楽しい経験でした」

と言ってくださいました。

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それは私にとって何よりも嬉しい感想でした。

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一曲の能をゼロから稽古して、本番が良い舞台になるように作り上げていくのは、本当に大変な道程なのです。

その稽古の過程で不安や苦労が強過ぎると、暗い記憶ばかり残ってしまいます。

如何にしてそうならずに、無理なく進んでやる気と技術を少しずつ上げて行き、”良い経験を積んでいる”と思ってもらえるか…。

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そんなことをいつも考えながら稽古して来ました。

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なので、「楽しい経験でした」という感想を聞いて、全ての苦労が報われた気がしてジーンと深く感動したのです。

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ちなみに能「羽衣」のシテの方が稽古用に作られた”天女の羽衣”があるのですが、その衣は京大宝生会の能「竹生島」の天女稽古用に受け継がれることになりました。

「竹生島」があの「羽衣」のような良い舞台になるように、手作りの羽衣のパワーをお借りしたいと思います。

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昨日は他の会員さん達や京大若手OBOG達も、それぞれの新しい曲を次の舞台に向けて稽古し始めました。

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そして更に。

夏休みの「月と 寺子屋キャンプ」の参加者の男性が、昨日から新たに澤風会会員になって稽古を始めてくださったのです。

本業は写真家で、「京都とプラハ」をテーマとした写真を撮り続けているそうです。

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新しい顔触れも加わって、再び発進した京都紫明荘組稽古場です。

皆さまに力をいただいて、私もまた頑張って参りたいと思います。

10月に”夏バテ”とは…

昨日の青森稽古では、さすがに秋の涼しさを感じられるだろうと期待しておりました。

むしろちょっと肌寒いかな…と思っていたくらいです。

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ところが、夜は18〜19℃くらいで少し涼しいと思いましたが、今朝青森駅前の宿を出るとムッとして暑い陽気だったのです。

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10月に入った青森でこの暑さか…

とややげっそりしながら新幹線で東京に戻ると、当然ながら青森よりも一層高い気温でした。

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一体いつまでこの暑さは続くのだろう…と更にげっそりしながらも江古田の個人稽古に向かい、続けて夜の田町稽古に移動しました。

稽古を終えると、なんだか”夏バテ”のような状態になっていました。。

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明日はまた小学校巡回公演で、能「黒塚」のシテを勤めます。

今日よりも少し気温が低い天気予報ですが、なんとかその通りになってほしいものです。

「居囃子」と「独調」

昨日は松本稽古、今日は朝に松本を出て大阪香里能楽堂に移動して、今週土曜日開催の「七宝会」の申合がありました。

私は能「玉葛」の地謡でした。

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申合を終えて、今は綺麗で雄大な夕焼け雲を眺めながら新幹線で東京に向かっております。

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先週末の「澤風会京都大会」の話題をまた一つ。

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今回の澤風会の番組では、「居囃子」と「独調」が計5番も出ました。

これは14回の歴史の中でも初めてのことです。

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最初の居囃子「船弁慶クセ」は、京大宝生会の2回生が4人揃ってそれぞれ地謡、大鼓、小鼓、笛を勤めました。

御囃子の稽古を始めてまだ日が浅い彼らですが、実に一所懸命に稽古していました。

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本番では彼らの悲愴感すら漂う真剣な顔と、それとは相反してどこかほのぼのとした雰囲気の演奏とのギャップが、実に良い味を出していました。

2回生は本当はもう1人いて、彼が揃うと太鼓も含めた「五人囃子」が完成するのです。

次回以降の五人囃子が非常に楽しみです。

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続く「独調」も、小鼓と謡、大鼓と謡、太鼓と謡、というように楽器のバリエーションが豊富でした。

今回たまたま京大宝生会の現役同士、またOBOG同士だけの組み合わせになりましたが、京大以外の会員さんも御囃子を稽古している人が多いのです。

次回にはそのような方々も「居囃子」や「独調」に挑戦されると良いと思います。

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普段の澤風会や京大宝生会の舞台では、玄人の御囃子方が、舞や謡に合わせて演奏してくださいます。

しかし謡も御囃子も素人という今回の「居囃子」や「独調」のような番組では、互いに謡の節を覚えて、また御囃子の手を学ばないと上手く合わせることが出来ません。

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これは能を理解する上で大変に勉強になる経験だと思うのです。

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澤風会会員や京大宝生会は今後も「居囃子」や「独調」に積極的に挑戦して、その経験を能や舞囃子の地謡に、また自分の舞う能や舞囃子に活かしてもらいたいと願っております。

大事な意味を持つ「羽衣」演能

先週土曜日の「第14回澤風会京都大会」は、おかげさまで無事に終了いたしました。

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今回出た能「羽衣」は、大きな意味を持つ番組でした。

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シテの会員さんは、学生能などの経験も無く、紫明荘で全くのゼロから私が稽古を始めた方です。

その方が10年ほどを経て、「教授嘱託」といういわばセミプロの免状を取るまで上達されて、その嘱託免状取得の披露として今回「羽衣」の能を舞われたのです。

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澤風会だけで稽古を受けて嘱託まで上達されたのは、実はこの方が初めてです。

その披露の「羽衣」を何としても良い舞台にしたいと思い、澤風会の皆様にも色々とご協力をいただいて9ヶ月間頑張って稽古して参りました。

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その甲斐あって、本番は非常に良い舞台でした。

キリの最後の辺りでは、これまでの長い道のりや、植田竜二先輩のことなどが思い出されて、後見座で見ていて胸が熱くなりました。

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また今回「羽衣」の地謡前列は、女性の会員さん達に勤めてもらいました。

これはその方々に、この先いつか嘱託になってもらえたら、という願いを込めた布陣でもあったのです。

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今回の能「羽衣」はおかげさまで無事に終わりました。

しかしこの舞台は最終目標ではなく、ひとつの通過点なのだと思います。

嘱託になられた会員さんや、地謡前列の方々は、今回の経験を糧により高いレベルを目指して稽古を続けていただきたいと願っております。

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今は松本稽古に向かう特急あずさ車内です。

澤風会のことはまだまだ書きたいのですが、仕事のヤマ場が続いており、覚える謡や型が目白押しなのです。

しばし勉強時間に突入したいと思います。。

第14回澤風会が無事に終わりました

既に日がかわって昨日のことになりますが、「第14回澤風会京都大会」はおかげさまで無事に終了いたしました。

書くことは無限にあるのですが、ともかく皆様に心より感謝を申し上げます。

また明日以降に落ち着いて舞台の模様などを書かせていただきたいと思います。

今回お世話になりました皆様、重ねてどうもありがとうございました。

準備万端

今日は京都大江能楽堂にて、いよいよ明後日に迫った「第14回澤風会京都大会」前の最後の紫明荘組稽古をいたしました。

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仕舞、独吟、舞囃子、そして能「羽衣」を、本番と同じ舞台で稽古したのです。

細かな位置取りや見る方向などを最終確認することが出来ました。

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羽衣に使用する”羽衣の松”の作り物も、今日のうちに作りました。

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そして稽古の前には、楽屋に出す飴やお菓子や珈琲などの買い出し。

稽古の後には、宴会場のホテルに行って宴会の打ち合わせ。

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本番前にすることは、今日のうちに全部終えることができました。

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明日は一度群馬県の甘楽町に行って薪能に出演します。

そして明後日の朝にまた京都に戻って来るのです。

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澤風会の最早”名物”となっている台風がこのタイミングで発生したようなのですが、土曜日はなんとか天気持ち堪えてほしいです。

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皆さま明後日21日土曜日には、「第14回澤風会京都大会」にどうかお越しくださいませ。

大江能楽堂にて午前11時始曲です。

能「羽衣」は12時40分頃〜13時40分頃の予定です。

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どうかよろしくお願いいたします。

予祝いの晩御飯

今日は朝から京都に移動して、久しぶりに「ゲストハウス月と」にて紫明荘組稽古でした。

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21日に開催の「第14回澤風会京都大会」直前の稽古だったので、沢山の方々に来ていただきました。

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京大宝生会のOBOGも沢山で、稽古が終わってから神戸大宝生会OBの方も含めて5〜6人で晩御飯を食べに行きました。

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話題は京大神大、現在過去未来と360度以上に及んで、終盤は半ば混沌としていたのですが、その中で早くも来年の「澤風会15周年記念大会」の話が出ました。

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4年前の「10周年記念大会」では能「加茂」が出ました。

更に9年前の「5周年記念大会」に遡ると、能「夜討曽我」、「藤」、「井筒」、「船弁慶」と4番の能が出たのです。

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今年の第14回大会の能「羽衣」を経て、来年はどんな能が出ることになるのでしょう。

しかし勿論、先ずは今週末の第14回大会が肝心です。

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晩御飯の途中でOBのM君が、「確か新潟辺りでは”予祝い”という慣わしがあるそうですよ」

と言いました。

物事の成功を予めお祝いしてしまう、という風習だそうです。

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あらかじめ盛大にお祝いをすれば、成功に向けてのモチベーションは確かに上がると思います。

それでは今日の晩御飯は「第14回澤風会大会」の”予祝い”になるのだろうと、我々は一層盛り上がったのでした。

電車で快眠

昨日の木曜日は、午前中に宝生能楽堂にて「五雲会」申合。その後江古田に移動して夜まで稽古しました。

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そして今日金曜日は松本稽古でした。

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普段は働きながら疲れを癒す生活に慣れておりますが、今回の竹生島合宿では2日間非常によく歩いてよく稽古したので、まだ身体の芯に疲れが残っており、今朝は起きるのが少々辛く感じました。。

そんな身体を奮い立たせて新宿駅に移動して、”特急あずさ”に乗り込みました。

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特急あずさでは、道中の景色を眺めながら本など読んだり、謡を覚えたりするのが常です。

しかし今日は、席に座るとすぐに猛烈に眠くなってきました。。

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そして気がつくと寝ている(?)状態だったようで、夢うつつで「次は岡谷…」「次は塩尻…」と聞いて、

「間も無く終点松本です」

というアナウンスでハッと目が覚めました。

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どうやら2時間40分キッチリと眠ったようです。しかも私の場合電車の眠りは身体に合っているらしく、疲れが嘘のように取れてスッキリした気分です。

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元気一杯に夜まで稽古して、先ほどまた”あずさ”に乗り込みました。

今度は座っても眠くならないので、帰り道は本を読んで謡を覚えながら電車に揺られていこうと思います。

龍神様に届いたから…?

昨日は竹生島能合宿を昼過ぎに終えて、京都から14時過ぎの新幹線で田町稽古に直行しました。

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京都駅で京大宝生会と別れた時、京都は凄い雷雨でした。

「皆は無事に家に帰れるだろうか…」

と心配しながら東京方面に向かいましたが、間も無く品川で新幹線を降りるという頃に急に外が暗くなって来ました。

稲光も光り始めています。

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どうやら東京も雷雨になりそうです。

本降りになる前に急いで稽古場に行こうと思い、やや慌てて山手線に乗り換えました。

そして乗ってすぐに、

「次は大崎…」

というアナウンスに打ちのめされました。

「逆方向に乗ってしまった。。」

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そして大崎から引き返す山手線に乗る頃から、大粒の雨が窓に当たり始めたのです。

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田町は「ゴロゴロ、ピカッ、ドカーン」というまるで漫画の擬音のような雷鳴が轟き渡って、滝のような雨です。

この夏初めてというくらいに、土砂降りの雨に降られてしまいました。。

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折り畳み傘で何とか稽古場に到着すると、すぐに自治医大の青年がやって来ました。

私「雨大丈夫だった?」

すると…

青年「ええ、もう止んでますよ」

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え?そんな馬鹿な…と思い外を見ると、確かにもう嘘のように雨は止んでいたのです。

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龍神は雨を呼ぶ、と聞いたことがあります。

京都と東京で遭遇した雷雨は、竹生島詣でをして能「竹生島」を奉納した京大宝生会の願いが龍神様に届いた証拠かもしれない…

と前向きに捉えて、田町稽古に突入していったのでした。

猪に囲まれての稽古…

今日は朝に台風明けの東京から何とか新幹線に乗り、京都紫明荘組稽古に向かいました。

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台風の影響で”酷暑”が戻ってしまった京都に到着して、向かった先は京都御所のすぐ横にある「護王神社」です。

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こちらの神社の和室を、紫明荘組稽古の場所として試しにお借りしてみることになったのです。

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猪で有名な護王神社は、「足腰の神様」でもあるそうで、能楽師としては大変に有り難い御利益です。

先ずは念入りに参拝いたしました。

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和室のある建物に入ると、大きな棚にびっしりと…

猪の置物が。きっと全国から奉納されたものなのでしょう。

こんな猪棚(?)がまだまだたくさん並んでいました。

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和室の中にも…

高級置物猪。

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掛軸猪。

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日本画猪と、猪さんの群れに囲まれての稽古でした。。

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かつて見たことのない大変インパクトのある神社で、猪の好きな方には全力でお薦めいたします。

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稽古環境としても良い所でしたので、また稽古にも使わせていただきたいと思いました。