第17回関西宝連のお知らせ

来る5月26日(日)13時より香里能楽堂にて、

「第17回関西宝生流学生能楽連盟自演会」

が開催されます。

これは「第17回阪神宝生流学生能楽連盟自演会」と、

「第129回京都宝生流学生能楽連盟自演会」

を合わせた催しです。

今年は各学校とも新入生が入ってくれたようで、新しい顔ぶれをたくさん見ることができそうです。

なにより大きなニュースがあります。

「京都女子大学宝生会」

が3年ぶりに新入生を迎えて復活したのです。

この4月の新歓イベントで石黒実都師とOGが力をあわせて仕舞を出した結果、その舞台に心を動かされた新入生が入部したいと言ってくれたそうなのです。

しかも聞けばとても真面目で稽古熱心な新入生だそうです。

過去に何度も能を出した事もあり、歴史ある「京都女子大学宝生会」を、何とかまた盛り上げていってほしいです。

京大宝生会も新入生がシテワキを勤める素謡「鶴亀」などが出るので、今週はきっと毎日空き時間に稽古している事でしょう。

もちろん上回生の舞台や、最後には指導する能楽師の番外仕舞もあります。

皆様香里能楽堂にて5月26日(日)13時開演の「関西宝連」に是非ご来場くださいませ。

よろしくお願いいたします。

成長した2回生

今日は京大稽古でした。

次の日曜日26日に迫った「関西宝連」に向けての稽古です。

思えば昨年の今頃は、4回生1人と新入生6人という布陣でした。

OGさんの力を借りての地謡でしたが、仕舞も謡も初舞台が6人という大変な状況で、現役もOGさんも本当に良く頑張ってくれました。

あれから1年。

今年は現役2回生がそれぞれ力をつけて、仕舞地謡はお互いに地頭を交代して2回生だけで謡っていました。

入ってすぐの今年の新入生はこの関西宝連では素謡「鶴亀」だけで、仕舞の初舞台は6月末の「全宝連京都大会」になります。

現役が1、2回生だけという状況なので、今しばらくはできるだけ2回生に負担がかかり過ぎないように活動していってもらいたいと思います。

おそらく来年あたりには、また全盛期に近い部員数になっているでしょう。

その頃にはおそらく久しぶりの「能」も視野に入って来るだろうと期待しております。

二重にうれしい日

今日は京大稽古でした。

4月から新歓を頑張っているのですが、今年は中々新入生が入ってくれません。

今日も何人か新入生が見学に来てくれると聞いており、なんとか今日1人でも入部してほしいと思いながら能楽部BOXに向かいました。

18時半頃に5限を終えた新入生が1人やって来ました。

そして自己紹介を終えた直後でした。

新入生「あの…僕宝生会に入部します」

…⁉️

あまりにサラッと言われたので私も現役達も皆一瞬固まって、次の瞬間に、

「おお〜‼️」

と喜びの声を上げました。

ついに今年も、新入生が入ってくれました!

その後、今度は数回見学に来てくれている新入生が、なんと高校生の妹さんと共に来てくれました。

そして稽古の後に入部を決めてくれたのです。

今日は京大宝生会にとって素晴らしい日になりました。

稽古を終えて「では新入生とご飯に…」

と言いかけると、現役の男子が「ちょっとお待ちください」

私「?」

現役男子「実は澤田先生の誕生日が近いということで作ったものがあるのです」

と言って、何やら大きなお皿を出してくれました。

これはなんでしょう…?

現役男子「これは炊飯器で作った”ハンバーグケーキ”です!」

なんと!直径20cm、厚さ5cmはある超特大ハンバーグでした!

誕生日ケーキをいただいた事はありますが、

「誕生日ハンバーグ」

は生まれて初めてです。しかも過去最大のハンバーグです。

そして人数分切り分けて、

「いただきます!」

皆で食べてみると、これが絶妙な柔らかさで大変美味しいのです。

このレベルならお店で出せるくらいです。これを作ったのが男子部員2名というのだから大したものです。

今日は”新入部員2名獲得”と”誕生日ハンバーグ”で二重にうれしい日になりました。

1件のコメント

佐藤孝靖先輩のこと

私が京大宝生OB会の集まり(主に宴会)に参加する時には、たいていが舞台を終えてからの途中参加になりました。

そんな時、会場に到着すると真っ先に声を掛けてくださるのが佐藤孝靖先輩でした。

「オウッ!澤田クンッ、こっちこっち!」

そして私が席に落ち着くと、

「それじゃあ澤田君よ、ひとつ次の舞台の宣伝も兼ねて、一言お願いしますよ!」

と自然に宣伝の機会を作ってくださいました。

私だけでなく、久しぶりにOB会に来られた方などにも、

「オイッ、○○君!久しぶりに謡ったにしては中々に味のあるワキだったよ!何か感想を一言!」

という風に、チャキチャキとした中にも細やかな心配りと親愛の情が感じられる独特の口調が大変魅力的でした。

佐藤先輩の軽妙な仕切りで、京大宝生OB会の宴会はいつも笑いの絶えない楽しいものになりました。

私の舞台や澤風会大会の折には、毎回佐藤先輩が京大宝生OB会の皆様の参加の取りまとめをしてくださいました。

またコロナ禍で能楽師の仕事が激減した時には、「zoomでの団体稽古を試験的にしてみませんか?」と何人かのOBの皆さんを集めてzoom稽古を設定してくださり、おかげ様で何とか生活を維持する事が出来ました。

この1月に私が「翁」を勤めた時にも、これまでと変わらずにチケットの取りまとめから後席まで全てを取り仕切っていただき、久々に大勢のOBの皆さんとの楽しい後席になりました。

そのすぐ後に、入院手術をされることになったと伺いました。

それでも3月末には、退院が決まったというお元気そうなメールを拝読して、また次のOB会でお会いするのを楽しみにしておりました。

しかし一昨日のこと、佐藤先輩が御自宅で眠るように息を引き取られたとの報せを受け取り、未だ信じられない思いでおります。

4月半ばに退院された後は、6月のOB会での復帰に向けて、気合を込めてリハビリに励んでおられたという事です。

京大宝生会の精神を正に体現されたようなお人柄と人生を、最後の最後まで全うされた偉大な先輩でした。

きっと今頃は、

「イヤァどうも!お久しぶりです!」

と小川先生や植田竜二先輩などと、あの軽妙な口調で楽しくお話しされている事でしょう。

心よりご冥福をお祈りいたします。

また誠にありがとうございました。

京大宝生会第二回新歓ワークショップ

今日は京大宝生会の新歓ワークショップ2回目でした。

前回からのリピーターもいたので、色々と趣向を変えて番組を考えました。

「五番立」の順に演目を並べて、能舞台の1日を体感してもらったり。

前回出来なかった「装束付け」を体験してもらったり。

今回初めての新入生もいて、ワークショップ終了後には百万遍の昔ながらの「くれしま」で皆で晩御飯を食べました。

「くれしま」は私が新入生の頃にもよく先輩に連れて行っていただいたお料理屋さんで、名物の「お母さん」とも久しぶりに再会できました。

今日入部に至る新入生はいなかったのですが、何人かは来週の稽古にまた見学に来てくれるそうです。

毎年のことながら、新入生が入部してくれるまではドキドキする新歓活動が続きます。

次回新歓企画はもう明後日、

「七宝会第二回公演」の鑑賞会です。

御宗家の能「清経音取」と、

私の能「昭君」です。

新歓は本当に皆の少しずつの努力が入部に繋がります。

このブログにて新入生のご報告が出来るように、明後日は私も出来る事を出来る限り頑張りたいと思います。

ウィスコンシン州と言えば

一昨日のブログで書いた留学生さんが、その後めでたく京大宝生会に入部してくれたと聞きました!

アメリカのウィスコンシン州の出身だそうです。

ウィスコンシン州と聞いて私が真っ先に思い浮かべたのが、

「大きな森の小さな家」(ローラ・インガルス・ワイルダー作)

という小学生の頃に愛読していた本です。

ウィスコンシンの大きな森の中で暮らすインガルス一家の物語で、西部開拓時代のアメリカの自然や生活が生き生きと描かれた名著です。

私はその後の何冊かの続編も全部読みました。

しかし、留学生さんにその本の話をしてもあまり良く知らないようでした。

考えてみれば「大きな森…」は今から150年ほど前のお話で、日本で言えば明治時代頃のことなのです。

留学生さんには今のウィスコンシンの話を色々と聞いてみたいと思います。

そしてせっかくなので「大きな森…」の本もどこかで探して読み直してみたいものです。

遠くアメリカはウィスコンシン州と繋がったご縁を大切に、留学生さんには楽しく京都の生活を送ってもらいたいと願っております。

留学生がたくさん

今日は京大宝生会の通常稽古でした。

新歓期は通常稽古でも新入生が見学に来ます。

今日は千葉県出身の新入生が来てくれました。

新入生に色々説明していると能楽部BOXの扉が開いて、新たに数人の人影が見えました。

なんと先週ワークショップに参加してくれたアメリカはウィスコンシン州からの留学生が、お友達を2人連れてまた来てくれたのです。

2人はやはりアメリカの、ミネソタ州とアリゾナ州からの留学生で、今日の稽古は俄かに国際色豊かになりました。

稽古後の晩御飯はアメリカンダイナーは避けて、アットホームな雰囲気の町中華に行きました。

留学生達も楽しそうに盛り上がっていて、何となくこのまま入部してくれそうな気配もありました。

私は晩御飯の後は宿に向かいましたが、学生達はまたBOXに戻って稽古の続きをしているはずです。

もしかしたら初の新入部員が誕生しているかもしれません。

学生からの続報を楽しみに待ちたいと思います。

希望に満ちた出発

春は色々と移動の季節です。

先日ブログに書いた松本で稽古していた女の子は、留学先のカナダに先週旅立っていったそうです。

また京大宝生会OGの1人は、やはり留学でオランダに一昨日出発したと聞きました。

カナダもオランダも距離的には遥かに遠いのですが、何故か別れの寂しさはほとんどありませんでした。

どちらも自分の意志での留学で、希望に満ちた出発だったというのがひとつ。

また現代では海外ともビデオ通話が容易であり、コロナ禍も明けたので、来年以降くらいにカナダやオランダに行って能楽公演、というのも可能なのです。

翻って今稽古している能「昭君」では、子方の王昭君は心ならずも遠い異国に旅立つ事になり、嘆き悲しむ両親と二度と会う事もなく異国の地で悲劇の生涯を終える事になるのです。

能には理不尽な話が多くありますが、この「昭君」を稽古していると、現代日本に生まれた自分の幸せをしみじみと感じてしまいます。

先ずは留学した2人の海外での活躍を祈りつつ、出来る事ならカナダかオランダでの再会を願っております。

最近の若者は…

京大宝生会の若手OBOGの中には、御囃子を何種類も習っている強者が何人かいます。

それぞれ上手にこなしているので、笛や小鼓が芸大時代に全く鳴らなかった私は、すごいなあ羨ましいなあと思って見ていました。

昨日の京大宝生会新歓ワークショップの時の事です。

最後に新入生達に舞台に上がってもらい、能面や御囃子の楽器を自由に体験してもらいました。

その時間も終わって、後片付けをしながら残った現役数人が楽器の体験を始めました。

私も能面などを片付けながらそれを聴くともなく聴いていました。すると…

「オヒャライ ホウホウヒ」

という若手OGの笛の音の後に、2回生の1人が

「オヒャライ ホウホウヒ」

と繰り返しているのですが、それが大変滑らかな笛なのです。

ちなみにその2回生は笛を吹くのは初めてです。

なんと15分くらいの間に、「中之舞」の笛をほぼ全部吹けるようになってしまいました。

若手OGも驚いた様子で、

「笛を習いたくなったらいつでも言って!この笛は預けておくから自由に吹いて!」

と笛の稽古を勧めていました。

よく言われる「最近の若者は…」

というフレーズは大抵ネガティブな意味で使われますが、昨日の私は

「最近の若者は…すごいなぁ」

と心から感心したのでした。

2024年京大宝生会新歓ワークショップ

今日は2024年京大宝生会新歓ワークショップの日でした。

昨年の新歓を成功に導いた若手OBOG達が、夕方になると今回も続々と能楽部BOXに集まって紋付に着替えていきます。

今年はそれに加えて、昨年入部した新2回生6人もほぼ自分で紋付を着付けられるようになり、先輩として初の新歓ワークショップに臨みました。

舞囃子「男舞」、舞囃子「草紙洗」、舞囃子「船弁慶後」

という番組のうち、「草紙洗」はシテも地謡も全て2回生で勤めました。

また囃子の解説でも、太鼓を稽古し始めた2回生が頑張って実演したり、今年はOBOGと現役の総力を結集した新歓ワークショップになりました。

終了後には参加してくれた8人の新入生とともに百万遍で晩御飯を食べました。

アメリカのウィスコンシン州からの留学生や、宝生能楽堂のインターンシップ経験者など、多彩なキャラの新入生達がやはり多彩な話題で部員達と盛り上がっていました。

今年は来週ももう一度新歓ワークショップを開催する予定です。

なんとか多くの新入生を迎えたいと願っております。