披露宴での嬉しい再会

昨日の佐野弘宜さん結婚披露宴の時のことです。

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高砂の新郎新婦の後ろに友人達が並んで記念撮影をする時間になりました。

グループになって次々と入れ替わって撮影していきます。

あるグループの時に壇上をふと見ると、大半が知らない人でしたが中に1人だけ、どこかでお会いした顔がありました。

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すぐには思い出せず、「誰だったかな…」

と思いながら目の前の美味しいオードブルに顔を戻して、さあ食べようとしたところで、

「澤田先生!」

と後ろから声がかかりました。

振り返ると先ほどの壇上の方です。私はその声ですぐに思い出しました。

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このホームページを始めた頃に、京都で稽古していた男の子とお母さんがいて、そのお母さんのほうだったのです。

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元々佐野弘宜さんのお弟子さんで、お仕事の関係で京都に引っ越されたのを機に私の稽古場にいらしたのです。

その後また関東に帰られて、再び佐野弘宜さんの元で稽古をされていると聞いておりました。

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聞けば男の子もちゃんと稽古を続けていて、今は「胡蝶」の仕舞をしているとのことでした。

最初の頃のブログで、その男の子が「レッド五雲扇」を選んだことを書いたのです。

そして今でもその「レッド扇」で稽古してくれているそうです。

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お母さん「あの子が将来先生の大学のクラブに入ってくれたらと思っています!」

おお!12〜3年後の京大宝生会新入生候補ですね。

それはとても楽しみです!

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目出度い披露宴で思いもよらぬ再会があり、二重に嬉しい日になりました。

2020年の初稽古

今日は今年の仕事始めの京都紫明荘組稽古でした。

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月曜朝の日比谷線は普段通りの猛烈なラッシュで、正月気分が一気に吹き飛びました。

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電車を乗り継いでようやく京都の「ゲストハウス 月と」に到着したのですが、11時半頃までどなたもいらっしゃる気配がありません。。

「そう言えば、去年の正月明けの初稽古も、人が少なかったな…」

と思い出しました。

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亭主さんにいただいた”ドライフルーツ入り羊羹”と珈琲を美味しくいただきつつ、のんびりと待っていました。

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すると11時半過ぎから人が集まり出して、結局10人程の方と稽古することが出来ました。

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今年卒業予定の京大新OBも1人来てくれて、また稽古場が賑やかになりました。

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夕方に稽古を終えて、すぐに京大宝生会へ。

現役の皆と新しい仕舞を稽古しました。

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これまでとガラッと違う雰囲気の仕舞を選択する部員が多く、教える方も新鮮な気持ちになりました。

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…新年早々、国際情勢の深刻なニュースや、大規模森林火災の悲惨な報道などがありました。

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私にはやはり世界のために出来る事など殆どありませんが、今年も世の中の平和を願いながら、稽古と舞台に努めて参りたいと思います。

1件のコメント

1年分まとめて…

一昨日松本稽古から帰り、今年の稽古も全て終えて、やれやれと早めに休みました。

そして一夜明けて昨日の朝…

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布団の中で目覚めると、なんだか身体が熱くて怠く、節々が痛みます。。

つまり完全に「熱がある」状態だったのです。

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前日まで元気で、他に喉や鼻など風邪の症状も全くありません。ただ熱が高いだけでした。

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実は昨日は「京大宝生会謡納め」に行く予定で、松本で色々お土産まで買って準備万端だったのです。

でも無理して行ってもし風邪だったら、皆にうつしてしまいます。

泣く泣く断念して、そのまま布団で休むことにしました。

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そしてそれからつい先程まで、食事の時間を除いてほぼ30時間、ひたすらこんこんと眠り続けてしまったのです。

おかげで熱も下がったようですが、ここまで長時間寝られたことに驚きました。

今までの人生で最長記録かもしれません。

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1年間健康で仕事を終えることができた途端に、1年分の不調が”熱”になって出てきて、それを1年分の休養で治したということなのでしょうか…。

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ともあれ、熱は下がって健康体に戻ったので、あとは部屋の掃除を頑張って新年を迎えたいと思います。

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京大へのお土産だった”信州ジビエの燻製3種”

は、今回はお正月に自分でいただこうかと思います。

京大の皆さんごめんなさい、またの機会に必ず持って行きますね。

関西宝連”謎かけ”

日曜日の「関西宝連」の後席でのことです。

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各大学の卒業生が交代で挨拶をすることになりました。

するとある卒業生が冒頭で、

「実は関西宝連に関する”謎かけ”を考えたのですが…」

と始めたのです。

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それは面白そうだなと思った次の瞬間…

「やっぱりやめておきます!」

ガクッとなりました。。

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挨拶を終えて席に戻って来たその卒業生に、

「”謎かけ”とても気になります!言えば良かったのに!」

と残念そうに言ったところ、なんと昨日このホームページのお問合せフォームを使って”謎かけ”を送って来てくれたのです。

その内容は…

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「今年春の関西宝連とかけまして、今回の卒業仕舞と解きます。その心は、どちらもいいはんのう(半能、反応)があったでしょう」でした。

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そう、今年の5月に開催された「春の関西宝連」は「第120回記念京宝連大会」でもあり、記念の半能「高砂」が演じられました。

そして他ならぬ”謎かけ”を考えた卒業生が、その「高砂」のシテを勤めたのです。

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今年の春秋の関西宝連を上手く繋げた”謎かけ”、笑点ならば「座布団1枚持って来て!」となるところでしょう。

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謎かけの内容が聞けて、すっきりしました。

卒業生さんありがとうございました。

卒業してもこのセンスを活かして頑張ってくださいね。

魂のこもった卒業仕舞

2019年冬の「関西宝生流学生能楽連盟自演会」は、おかげさまで無事に終了いたしました。

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例によって書きたい事は山積しています。

やはり先ずは京大宝生会のことを書かせていただきます。

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今日最初の出番は素謡「杜若」、最後の出番は仕舞「蟬丸」でした。

それら全ての舞台において、京大宝生会は非常な緊張感を持続しつつ、稽古したことを稽古した通りに発揮してくれました。

私の視点ではほぼミスは無かったと思います。

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番組を見るだけではわからないのですが、彼らは「自分の仕舞」、「誰かの仕舞の地謡、地頭」、「受付や”めくり”などの運営業務」、「素謡の役」、「素謡の地頭」…

と言った複数の要素を一日中、目まぐるしくこなしているのです。

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特に終盤の3、4回生ゾーンでは、難曲のシテと地謡が交替でやって来ます。

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同じように舞台を勤める身として見ると、それらの働きは”超人的”と言って良いのだと思います。

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その激務の最後に行われた、今回で現役を引退する4回生の「卒業仕舞」。

それはそれぞれの4年間の重みが集約されているような舞台で、見ていて心が震えました。

魂のこもった舞台でした。

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この人達を稽古出来たことは幸せだった。

もし叶うならば、この先もこの人達と稽古していきたい。

そう心から思いました。

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関西宝連の続報はまた書かせていただきます。

今日はこれにて失礼いたします。

服装に例えると…

最近ブログの更新が出来ない日が多かったので、今日はもう一度書かせていただきます。

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昨日の京大稽古で、「杜若」の謡を聴きました。

私は仕舞の稽古担当なので、あくまでも「聴くだけ」で、目立った点だけをアドバイスするというスタンスです。

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「杜若」という曲は、三番目物なので全体に綺麗に、淑やかな雰囲気で謡うべきだと思います。

しかしながら、その心持ちだけでは全部同じ謡になってしまい、抑揚が無くなってなんとなく「眠たい謡」になってしまいます。

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昨日気になったのは「クリ、サシ、クセ」と続く謡の「クリ」の部分でした。

優雅にゆったりと謡っていたのですが、その直前の「イロエ前」の謡と、直後の「サシ」の謡との差があまり無いように聞こえました。

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三番目なので例えば女性の服装に例えると、綺麗な服は一杯ありますが、その「綺麗さ」にはまた多くのバリエーションがあると思うのです。

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「クリ」の謡は春夏に着る、明るい彩りで模様もあるちょっと華やかな服。

「サシ」は秋冬に身につける少し落ち着いた色使いの服。

「クセ」は派手すぎない上品な和服。

というイメージでしょうか…。

そして「イロエ前」と「序之舞前」の謡は繊細な、例えれば”フォーマルなドレス”という雰囲気だと思います。

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…かえってわかりにくいかも知れませんが、明日の京大の「杜若」では、「色々な種類の綺麗さ」を舞台上で表現してもらえたらと思います。

2019年最後の五雲会

昨日は京大稽古の後に最終の新幹線で東京へ。

そして今日は午後から水道橋宝生能楽堂にて開催された「五雲会」に出勤いたしました。

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私は能「融」の地謡を勤めました。

いつもながら、この「融」という曲の完成度の高さには感銘を受けます。

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特に”田子”という潮を汲む桶を扱うシテの所作と、その”田子”の舞台上での形態変化は、何度見ても目を奪われてしまいます。

いつか演じてみたい曲です。

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この「融」の地謡で、今年の私の宝生能楽堂での舞台は全て無事に終わりました。

ちょっと気が早いのですが、来年まで会わない楽師達に「良いお年をお迎えください!」

と挨拶して能楽堂を後にしました。

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そしてその足で東京駅に向かい、京都への新幹線に乗りました。

明日は朝から香里能楽堂にて「関西宝生流学生能楽連盟自演会」です。

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関西宝連の学生さん達は今頃、ドキドキしながら明日の準備をしていることでしょう。

どうか良い舞台になりますように。

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私も京都に着いたら早く休んで明日に備えたいと思います。

今年を締め括る関西宝連

今日は昼間に「ゲストハウス月と」にて紫明荘組稽古、夕方から京大宝生会稽古でした。

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京大宝生会は、明後日15日に香里能楽堂にて開催の「関西宝連」前の最後の稽古になります。

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明後日の「関西宝連」は今年の締め括りの舞台です。

思えば今年は、5月の「第120回記念京宝連大会」、6月の「全宝連京都大会」、そして能「竹生島」を出した11月の「京大能楽部 能と狂言の会」と、例年よりも大きな舞台が続いた年でした。

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その最後を飾る舞台、そして卒業生にとっては現役最後の舞台でもあります。

少しでも良い仕舞と謡になるように、終電ギリギリまで稽古しました。

現役達はまだ稽古を続けていることでしょう。

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明後日は、阪神宝連から能「加茂」が出ます。

甲南女子大学と神戸大学が前と後の役を交代で勤めますが、神戸大学としてはおよそ50年ぶりの演能だそうです。

甲南女子大学は、おそらく初めての演能になるのだろうと思います。

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その記念すべき能「加茂」が成功するように、そして京大宝生会の皆が良い舞台を勤められるように、明後日は朝からしっかりとサポートしたいと思います。

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「関西宝生流学生能楽連盟自演会」

12月15日朝10時始曲 於香里能楽堂。

能「加茂」は一番最初に演じられます。

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皆様是非お越しくださいませ。どうかよろしくお願いいたします。

4件のコメント

初めての関宝連

今日は水道橋宝生能楽堂にて「関東宝生流学生能楽連盟自演会」が開催されました。

私は初舞台の「日本女子大学」と「自治医科大学」の付き添いとして参加いたしました。

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全くキャラの異なるこの2校。

パワフルでどこか豪快な自治医大と、

折り目正しくお淑やかな日本女子大です。

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しかし今日はこの2校が協力し合い、また東大宝生会の皆さんのお力もお借りして、初舞台の仕舞と素謡を全て無事に終えることができました。

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私は「関宝連」のことをもう遥か昔から知っていましたが、まさか自分自身が参加することになろうとは…!

つい1年前までは思いもよらないことでした。

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今日一日で、関西とはまた違う関宝連の雰囲気を体感してとても興味深く思いました。

そして京大宝生会からも大勢が観に来てくれて、関宝連の学生さんと楽しく交流していたようです。

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今回はお客様の人数が前回から倍増していたということで、とても賑やかだった関宝連。

来春には日本女子大と自治医大ともに新入生を増やして、関宝連をますます賑やかに出来ればと思います。

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そして京大宝生会など関西の学生達との繋がりもますます密になっていくと、色々と面白いことになりそうです。

新しい縁がたくさん結ばれて、未来への予感に満ちた関宝連の一日でした。

冬到来のサイン

今日は先週土曜日に引き続いて亀岡稽古でした。

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土曜日には実に鮮やかな紅葉が見られました。

今日同じ木の下に行ってみたのですが、早くも盛りは過ぎて、僅かですが色褪せて見えました。

季節は足早に移ろっていきます。

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稽古場のすぐ横には、見上げるような大銀杏が立っています。


昼過ぎに襖を閉めて稽古をしていると、襖の向こうで雨のように頻りに何かが降り落ちるシルエットが見えました。

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稽古の切れ目に襖を開けてみると…


辺り一面には、降り落ちた銀杏の葉が絨毯のように敷き詰められていたのです。

木々達も急ぎ足で冬支度をしているようでした。

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そういえば、昨日の深更に京大稽古を終えて百万遍から四条河原町の宿に歩く途中、冴えた冬の夜空に高く昇ったオリオン座と冬の大三角形を今シーズン初めて見ました。

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そして時間は更に戻って昨日夕方。

宿から京大稽古へと歩く途中、疎水の夷川発電所辺りでは…


冬空の下で水鳥達が羽を休めていました。

向こうに見える山は嵐山です。

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昨日と今日で、様々な”冬のサイン”を見つけました。

またあの京都の寒い冬がやって来たのだな…

と、しみじみ実感したのでした。