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扇の日

今日から5月がスタートしました。

5月は空気が爽やかで、それ程暑くも寒くもなく、私はとても好きな月です。

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そして今日5月1日は「扇の日」だそうです。

何故なのかと言うと…

①5月1日→「コイ(恋)」という語呂合わせ。

②恋と言えば「源氏物語」。

③「源氏物語」の恋の駆け引きにおいては、「扇」が重要なアイテムである。

…という驚くべき三段論法で、京都扇子団扇商工協同組合によって制定されたようです。

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制定理由は相当に強引な気がしますが、ともかく「扇」という物には日頃から大変お世話になっております。

これが無いと稽古が不可能なので、私にとっては財布の次に大事なアイテムと言っても過言ではありません。

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仕舞の稽古では「扇」、謡の稽古では「張り扇」を常に持っています。

また京大宝生会での仕舞稽古は見ているだけの時間も多くありますが、そんな時も扇をずっと手に持って、無意識のうちに開いたり閉じたりを繰り返しています。

とにかく稽古中は手に扇が無いと落ち着かないのです。

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稽古に使う扇は当然傷みが早く、私の場合は3〜4年で使えなくなってしまいます。

そのような古くなった扇も、何となく捨てられずに押入れに眠っています。数年間を共に過ごした扇には、「家族」「友人」に近いような親しみを感じるのです。

しかしかなりの本数がたまっているので、いつか「扇供養」のような行事に持って行きたいと思っております。

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仕舞においては「扇」一本で実に様々な事物を表現することが出来ます。

「名刀」になり「盾」になり、「筆」になり「牛の角」になり、「天女の羽衣」になり「天狗の羽団扇」になり、「盃」になり「柄杓」になり、「弓」になり「矢」になり、「松明」になり「笠」になり、「風」を吹かせ「波」を立て、また「この世の全てを映す鏡」にもなります。

「恋人との約束の証」が扇であるという曲があり、「ある老武者が自害した場所」が扇で表される曲もあります。

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書けば書くほど、この日本発祥である「扇」という道具の大切さ、また能楽に於ける用途の広さ深さを再認識させられます。

稽古をされている皆さんは「扇」をどうか大切に、そしてまだ稽古をされていない皆さんは、この素晴らしい「扇」というアイテムの魅力を最大限に引き出す「能楽」の稽古を、「扇の日」をきっかけに始めてみるのも良いかと思います。

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最後にもう一つ、「扇」の使い方を思い出しました。

初対面の人と待ち合わせる場合に、「白地に青い雲の模様の扇を持って立っています」などと言っておいて、扇を開いて立っていれば絶対にすぐに見つけてもらえます。

…相当変人だと思われる恐れはありますが。。

OB会新入生

昨日の京大宝生会稽古は「新入生狂騒曲」という趣きでしたが、一夜明けて今日は京都紫明荘組の稽古でした。

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ゴールデンウィーク初日で京都の街は人で溢れ返っておりましたが、有り難いことに澤風会稽古場も今日は千客万来で、福井在住の会員さんのおめでた報告があったりして、20人を越える人達がいらして色々賑やかに過ごしました。

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そしてようやく終わりが見えて来た夕方頃。

私の頭の中では、「今日は来るべき人は全員来られたかな…」とちょっとホッとしていた時に、稽古場の引戸が開くような微かな気配がしたのです。

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それでも気のせいかな…?と思っていると、入口から静かに顔を覗かせたのは新OBのK君でした。

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おお、なんと!

確かにK君には先週の七宝会の時に、「28日は澤風会稽古日だから、良かったら来てね」と言っていたのでした。

彼にとってはOBになって澤風会稽古場での最初の稽古になります。

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京大宝生会は現役の数年間もとても濃密なのですが、なんと卒業しても、同じくらい濃密で楽しい「OBOG期間」が始まってしまうのです。

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自分のペースで稽古出来て、現役では習えなかった難しい曲を好きなだけ稽古出来ます。

そしてまた連綿と続く「京大宝生OB会」の一員になり、名だたる先輩達の末尾に名を連ねて、もう一度「新入生」の気分を味わうことも出来るのです。

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今日から新たにOBとして稽古を開始したK君。

これから充実したOB生活を送ってほしいものです。

また同学年で卒業してまだ稽古に来ていない何人かの新OBOGさん達も、どうか時間のある時に稽古に来てほしいと願っております。

嬉しい悲鳴

1週間前の週末、金曜と土曜に1人ずつ新入生が入部してくれた京大宝生会。

今日も稽古に行くと…

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私「おお!また1人入ったの?」

能楽部BOXには、宝生会、観世会、金剛会、狂言会それぞれの使うホワイトボードが設置されていて、そこに入部した新入生の名前を書いていく慣わしです。

そのホワイトボードに4人目の女の子の名前が書いてあったのです。月曜日に入部してくれたそうです。

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去年は連休前には1人しか入部していなかったので、これは相当なハイペースです。

更に、授業を終えて三々五々BOXにやって来る現役達はすぐに「時計台に新入生呼び込みに行って来ます!」と宝生会のビラを持って飛び出して行きました。

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最近の新歓では、「授業が終わった時間に本部キャンパスの時計台の下で能楽部の旗を持って立っています」という情報をツイッターなどで流しているそうです。

これは私が現役の頃は勿論無かったことで、新入生集めには非常に有効なやり方のようです。

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今日も時計台に行った現役達は、暫したつと次々と新入生を連れて戻って来ます。

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最終的には新入生が12人になって、全員で舞台に上がって型の体験をする有様は正に壮観でした。

そしてそのうちの1人がまた入部してくれたのです。

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これで男子2人女子3人の計5人の新入部員を迎えたことになります。

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稽古を終えて晩御飯に行こうとしたら、人数が多過ぎてお店に入れずに、2軒に分かれて食べることになりました。

また現役の稽古時間が長く取れないという事もあり、正に「嬉しい悲鳴」という感じです。

しかしやはり新入生が大勢入ってくれると部内に勢いが生まれます。

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連休を挟んで、次の稽古に来た時にホワイトボードの新入生欄を見るのが楽しみになって来ました。

能「雲林院」終了そして…

本日の七宝会にて、能「雲林院」を何とか無事 に勤めることが出来ました。

舞台についての詳細はまた改めて書きたいと思います。

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終了後に遥々ドイツから観に来ていただいた知人の御夫婦や、京大宝生会関係者などと食事をしたのですが、私が遅れてお店に到着すると…

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私「あれ?○○君も来てくれたんだ!」

○○君とは新入生の男の子で、既にワークショップも含めて何回も京大宝生会に見学に来てくれていました。しかしまだ入部には至っていなかったのです。

しかも新入生は食事会には出られないかも…と聞いていたので、ちょっと驚いたという訳なのです。

すると…

新入生○○君「宝生会に入ろうか迷っていたのですが、今日の能を観て宝生会に入部することに決めました。よろしくお願いいたします」

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おお〜❗️

これは一番嬉しい展開です!

今日の舞台が最後のひと押しになって、また1人新たな京大宝生会の部員が誕生したのです。

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今日は自分の「雲林院」とともに、彼の入部した記念すべき日になりました。

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すみません短いですが、今日はこれにて。

明日は亀岡稽古で、また花の便りなど出来ればと思います。

絶賛新歓活動中!

今日は香里能楽堂にて、明日の七宝会の能「雲林院」の申合があり、その後夕方から京大稽古に行きました。

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吉田近衛の京大能楽部BOX棟の前に着くと、ちょっと離れた所に宝生会部員の姿が見えます。

去年最初に入部してくれたIさんでした。(去年4月26日のブログ参照)

彼女は今年は新歓活動の中心になって頑張ってくれており、手には宝生会のビラの束をしっかりと持っています。

「おお、Iさん」と声をかけてよく見ると、彼女の隣に男の子が立っています。

Iさん「先生!なんと彼、入部したくて来たそうなんです!」

なんと❗️

よく見ると、先日のワークショップに来てくれた男の子でした。

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3人でいそいそとBOXに行き、その場にいた部員達に喜びの紹介をしてから早速稽古を始めました。

早く入ってくれただけあってなかなか筋が良く、今日だけで「熊野クセ」の仕舞を一通り稽古出来てしまいました。

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今日はその後も、2回生部員と苗字が同じで高校も同じ、出身地が隣町という、何か奇縁を感じる新入生が見学に来てくれたり、やはり色々賑やかな稽古になりました。

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京大宝生会には既に、吹田東高校宝生会出身の女の子が1人入部してくれているので、今年は今の所2名の新入生を迎えています。

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また明日の七宝会には4〜5人の新入生が観に来てくれるとのことです。

今年の新歓活動は例年より出足が早い感じで、嬉しい限りです。

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明日の七宝会ではいよいよ能「雲林院」のシテですが、新入生を更にたくさん迎えるためにも頑張って良い舞台を勤めたいと思っております。

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今日は稽古の終わり近くで、先ほどのIさんにサプライズ誕生日プレゼントが数人の部員から贈られたりして、とても幸せな1日になりました。

新歓ワークショップ終了しました

今年の京大宝生会新歓ワークショップもおかげさまで無事終了しました。

12人の新入生が観に来てくれました。

そして現役囃子方カルテット( OGさんは入っていませんでした。昨日のブログをお詫びして訂正いたします)による「中之舞」に合わせて、装束と面を付けた元部長が華麗に舞ってくれました。

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この京大宝生会新歓ワークショップも、有り難いことに年々参加者が増えております。

10年ほど前に始めたばかりの頃は、何と新入生1人であとは現役とOBOGだけ、という年もあったのです。

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これは現役が組織的に宣伝や呼び込みを頑張ってくれている成果だと思います。

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実はワークショップは終わりましたが、現役達は今頃百万遍で新入生と晩御飯を食べているはずです。

ここで和やかに話しつつ色々盛り上げて、何とか次の稽古に来てもらうまでが重要な仕事と言えるのです。

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今日来てくれた新入生は、個性的で見どころのある人がたくさんいました。

次の金曜日の私の稽古に、どうか1人でも多く来てほしいものです。

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新歓ワークショップの目玉は…

京大宝生会では明日4月16日に、新歓ワークショップを開催します。

宝生流は流儀として学生の能楽クラブ活動を積極的にバックアップしていて、この新歓ワークショップも流儀からの支援を受けて毎年装束や面も使用して開催しているのです。

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そして明日は、例年通りの型や謡の体験、装束の着付けや能面の体験などに加えて、ある新しい試みも準備されています。

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京大宝生会の現役と若手OGが、能楽囃子の大鼓、小鼓、笛、太鼓をすべて担当して、更に部員の1人が装束と面を付けて、「中之舞」を舞ってみよう、というチャレンジです。

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この2〜3年で能楽囃子を稽古する部員が急増した京大宝生会。

その宝生会自前の囃子方が、ついに初めてカルテットを組んで、人前で稽古の成果を披露するのです。

また、舞い手の4回生も、装束と面を付けての舞は勿論初めての経験です。

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新歓ワークショップなので、当然1人でも多くの新入生に入部してもらうというのが一番の目標です。

しかし、「京大宝生会自前の囃子方で、シテが装束と面も付けて舞う」というのは、京大宝生会にとっては少なくとも平成以降では初めての出来事なのです。

これを皮切りにして、どんどん囃子方としての経験も積んでいってもらい、また新しい囃子方メンバーも増えていけば、可能性が色々広がっていくと思います。

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明日18時半から京大能楽部BOXにて開催の京大宝生会新歓ワークショップ、沢山の新入生を迎えて盛り上がれるように、私も精一杯頑張ってサポートしたいと思います。

新勧の始まりは…

今日は新年度初めての京大宝生会稽古でした。

毎年恒例の新勧活動が既に始まっています。

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この時期は見学に来る新入生の数や反応に文字通り一喜一憂して、時には胃が痛くなる思いもすることがあります。

今年はどんな様子でしょうか…。

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京大では大抵の場合、新入生の出足が遅いことが多いので、今日などは見学者が来ても2〜3人かな、と思いながら16時半にBOXに到着しました。

すると、早くも見学者の女の子が座っています。

さらに間髪入れずにBOXのドアがノックされ、「見学に来ました」という男の子がひとり入って来ました。

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おお!幸先良い感じです!

今日はこの2人で充分満足…と思っていると、ドアが開いて「見学者を連れて来ました!」という現役部員が。

そしてそれからも、BOXのドアが開く度に見学者の新入生が次々に入って来ます。

1時間もすると、BOXの見所スペースは現役部員と見学者で大混雑。訳の分からない状態になってしまいました。。

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稽古を20時くらいに何とか一段落させて、見学者を連れて現役が晩御飯に行きました。

新入生に晩御飯をご馳走するのも、新勧活動の重要な仕事なのです。

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彼らがBOXから出発していくと、嵐が去ったように一気に静かになりました。

残った数人で、舞囃子の稽古をするのです。

私「それにしても、一体何人見学者が来たのかね?」

現役「今晩御飯に8人行きました!」

私「確か3人途中で帰って行ったから…今日だけで11人!」

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この時期としては異例の大人数です。

今日の中からきっと何人かは入部してくれるでしょう。本当に幸先良いスタートです。

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現役達はビラ配りや新勧ハイクなど、既に大車輪で頑張ってくれています。

来週月曜には私も新勧ワークショップをする予定になっています。

現役の頑張りが報われて沢山の新入生が入ってくれるように、私はとりあえずワークショップを精一杯頑張ろうと思います。

4年間の成果

今朝私は、夢の中に突然「嵐山」の謡が聞こえて来て、それで目が覚めました。

自分がどこにいるのか一瞬わからなくなったのですが、場所は京大宝生会合宿所2階の「ヤヲハの間」の布団の中であり、よく聴くと「嵐山」は合宿の応援に来てくれた若手OGの声なのでした。

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なおも布団で暫く聞いていたのですが、難しい「渉り拍子」のところなどもきちんと正確に謡っていました。

流石OG、というより「こんなにハイレベルに謡えるのか」と驚くような謡でした。

これは正に4年間みっちり稽古した成果なのです。

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京大宝生会は昔から、卒業しても京都近辺にいる若手OBOGが合宿や普段の稽古に頻繁に来てくれます。

前述のようなハイレベルなOBOG達が現役の稽古を手伝ってくれるというのは、大変有り難いことです。

今回も昨日などは6〜7人もの若手OBOGが合宿に来て鸚鵡返しをしてくれていました。

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OBOGが現役の稽古に顔を出すというのは、場合によっては良くない影響を及ぼす恐れもあり、卒業後は一切現役の稽古には来ない、という学校もあるようです。

しかし京大宝生会に関しては、「クラブの中の事には口を出さず、経済的と技術的な援助だけをする」という不文律があり、現役と若手OBOGがとても良い関係を築いてくれています。

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現役は今回も例えば、「たった2日で舞囃子を一通り稽古して、地謡と合わせる」というような普通考えると不可能な課題に、それぞれ果敢に挑戦してくれました。

彼らもまた4年間みっちり稽古して、その成果を次の世代に還元してくれることでしょう。

今回もまた、実り多い合宿だったと思います。

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最後に昨夜遅くに開催された驚くほどハイレベルな「ピザ大会」の模様を。

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合宿所「喜津袮」

今日は恒例の京大合宿で大原に来ております。

「喜津祢(きつね)」という民宿を合宿所に使い始めたのは、もう25年ほど前になるので今の現役達が生まれる前ということになりますか。

離れの一棟を丸ごと借りられるのが有り難いのと、御飯が美味しいので、他の場所を探す気になれないのです。

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私は一階の6畳×3部屋を使って仕舞の稽古をしております。

謡の稽古は、上回生もしくはOBOGと下回生がペアになって、2階の4部屋(ヤ、ヤア、ヤヲ、ヤヲハの間)と、階段の踊り場や玄関などあらゆるスペースを使っての鸚鵡返しです。

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私が現役の頃の合宿は、暴飲暴食で朝はヘロヘロになって稽古していたのものですが、最近の現役は食べ過ぎず飲み過ぎず、夜更かしもあまりしない非常に健全な人達なのです。

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今日私は朝9時半から夜9時半までキッチリ仕舞の稽古をしました。

流石にもうビールなど飲んで休もうと思っております。

しかし喜津袮の離れでは、この時間(23時)でも何ヶ所かで鸚鵡返しの謡の声が聞こえています。

どこまでも熱心な京大宝生会なのでした。