松本城薪能まで1週間

昨日の松本稽古では、来週に迫った「宝生流松本澤風会・松本城薪能発表会」に向けた仕上げの稽古をいたしました。

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松本城薪能の前座として、同じ舞台をお借りしての発表会です。

初舞台の鰻屋さんや、松本市内の小中学生などを始めとして仕舞が10番、小鼓と太鼓の独調が各1番出る予定です。

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それぞれ良い準備が出来たのですが、あとは最大の問題が「当日の天気」です。

もしも雨の場合は、薪能は中止になってしまいます。

しかしその場合でも、「松本澤風会発表会」はお城近くの「大手公民館」に場所を移して開催することにしております。

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そして逆の心配が、「当日の天気が良すぎた場合」です。

先ほどの松本駅前の気温が下の通りです。

午前11時半の段階で37℃…。

長野県なので涼しいかと思いきや、やはりここも酷暑なのでした。

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来週水曜日8月8日の薪能当日もこの気温だと、出演者もお客様も体調管理がとても重要になります。

お客様は、日傘や帽子、また飲み物をご用意していらしていただければと存じます。

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これから1週間は、週間天気予報とにらめっこして対策を考える日々になります。

過ごしやすくて、なおかつ雨の降らない天気になるように願っております。

今年も七葉会が迫って来ました

私と同世代の若手能楽師7人が集まって毎年開催している「七葉会」。

今年もその舞台が近づいて参りました。

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私の澤風会からは、例年通り仕舞、素謡、舞囃子が出ます。

初舞台の小学生や、素謡「百万」という難曲のシテに初めて挑戦される方、今回も元気に仕舞を舞われる最高齢91歳の方、舞囃子「須磨源氏」などなど、盛り沢山の番組です。

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しかし今回は、澤風会以外の会も大変に充実した番組で、なんと能が2番も出るのです。

これは「七葉会」の歴史の中でも初めてのことです。

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内藤飛能さんの飛雲会から能「羽衣」、高橋憲正さん憲宝会から能「竹生島」が、ともに8月5日に出ます。

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七葉会メンバーの若手能楽師の成長と共に、会員さん達もメキメキと実力をつけておられるのだと思います。

私も「羽衣」の後見と「竹生島」の地頭を頑張って勤めさせていただきます。

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また番組には載せておりませんが、8月4日17時頃より番外仕舞7番が出る予定です。

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猛暑の中ではございますが、皆様8月4日、5日に宝生能楽堂にて開催の「七葉会」にどうかお越しくださいませ。

よろしくお願いいたします。

激暑エレベーターホール稽古

昨夜は香里園に宿をとったのですが、真夜中頃に暴風雨の音で目が覚めました。

台風12号がおそらく丁度この辺りを通過しているのだろうな…と夢うつつで思いながら、七宝会の疲れで再びぐっすりと眠りに入りました。

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そして朝目覚めると、カーテンの隙間から明るく光が差し込んでいて、嵐が去ったとわかりました。

ホッとして京阪電車に乗り、京大稽古へ。

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しかし今日はいつもの稽古日ではないので、BOXの舞台が使用出来ません。

BOXのある「サークル棟」の2階にある、各サークルが自由に使える「共用室」という場所で初めて稽古をしました。

「共用室」はエアコン完備でなかなか快適な空間です。

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舞囃子「花月」の鸚鵡返しをするのが一番の目的だったのですが、希望者にはその後に仕舞も稽古する事にしておりました。

しかしここでちょっと問題が。

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共用室は8畳ほどの大きさで、仕舞には狭いのです。

その上今日は9人の部員が揃っており、1人の稽古の間に8人が横で待っていると更に狭くなります。

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そこで考えたのがサークル棟2階のエレベーターホールです。

ここはとても広い上に全く物が置かれていないので、仕舞稽古には持ってこいなのです。

しかし唯一のネックが「暑い」ということ…。

小さな窓がひとつあるだけで、むしろ熱がこもって外よりも暑いくらいです。。

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「狭いけれど涼しい共用室」か、「広いけれど暑いエレベーターホール」か。

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ここは思い切って、広さを取りました。

そして手近にあるもので柱と階と大小前を設定して、下のような”即席舞台”が出来上がりました。

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柱はビニール傘、大小前はゴザ、階は部員の鞄です。

理想的な稽古スペースです。

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ここで9人をみっちり稽古しました。

能「経政」と舞囃子「花月」も、思ったよりも稽古が進んで、大変良い成果があがりました。

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もちろん激暑で汗ダラダラになり、終わったところで部員に「先生、暑い中お稽古ありがとうございました…」とちょっと心配そうに言われてしまう程でした。

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しかし、暑い中で稽古するのを選択したのは、実は来週に迫った「松本城薪能」に向けてのシミュレーションという意味もあるのです。

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野外の舞台で昼間に1時間かけて開催する、薪能前座の「松本澤風会発表会」では、おそらくもっともっと暑くなる筈です。

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ここから出来るだけ暑さに慣れていかないと、当日が乗り切れないと思われるのです。

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というわけで、今日の「激暑エレベーターホール稽古」は色々な意味で非常に充実した稽古になったのでした。

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昼過ぎに京大稽古を終えて、更に亀岡稽古へ。

暑い稽古の時間はまだまだ続くのです。

最後が嬉しい一日

本日の七宝会普及公演もおかげさまで無事に終了いたしました。

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長丁場の昼夜2部の舞台で、最後が能「夜討曽我」でした。

私は多くの登場人物の中で一番最後に舞台に出る「御所の五郎丸」の役を勤めて、更にその舞台の最後には、シテが先に幕に入った後に私が「留め拍子」を踏んで今日の舞台を締めくくるという”栄誉”にあずかりました。

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しかし舞台が終わっても仕事は勿論すぐには終わりません。

能「夜討曽我」の8人の登場人物それぞれの装束や、弓矢や太刀や松明などの沢山の道具を片付けていると、あっという間に30分近くが経ってしまいました。

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今日は最後が”胴着”という格好で終わったのですぐには着替えられず、お客様にご挨拶に行けませんでした。

当然皆さんとっくにお帰りになっただろうと思い、着替えて外に出ると…

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能楽堂の隣の駐車場に、夕闇の中で数人のスーツ姿の若者達の影が。

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なんと、京大宝生会の現役とOB数人が、ずっと待っていてくれたのです!

これはとても嬉しく思いました。

私「台風の予報だけど、雨が降る前に晩御飯を食べに行ける人はいる?」

現役「はい!行きます!」

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というわけで、香里園駅近くで楽しく晩御飯を食べて解散したのでした。

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今日はなんだか、最後に嬉しい思いをする一日でした。

久々の紫明荘組稽古

今朝は早くに東京を出て京都に移動し、実に久々に紫明荘組稽古に向かいました。

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前回は西日本豪雨で延期になってしまい、一月近く空いてしまったのです。

しかし稽古場に到着すると、いつもの皆様が揃って賑やかに出迎えてくださいました。

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到着して早々に、一月分のたまった話題を皆さんと一気にお話ししました。

やはり嬉しかったのは、体調を崩して療養されていた会員さんが、お見舞いに行ったところとても元気にしておられた、というお話でした。

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更に、稽古場に着くとすぐに私のスマホにメールが届きました。

やはり最近入院手術をされた会員さんからで、「10月7日の澤風会に仕舞で参加します」との内容でした。幸いなことに順調に回復されておられるようです。

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こちらも皆さんと喜び合い、勢いをつけて10月の会に向けて仕舞、謡、舞囃子、能とバリバリと夕方まで稽古をいたしました。

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その後香里能楽堂に移動して、明日開催の「七宝会普及公演」の能「夜討曽我」の申合がありました。

私は5月の宝生夜能の「夜討曽我」ではシテ曽我五郎を勤めましたが、今回は「御所の五郎丸」を勤めます。

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両手を横に揃えての「でんぐり返し」が久しぶりで不安だったのですが、なんとかなりそうです。

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明日の本番は、昼の部で能「小袖曽我」、夜の部で能「夜討曽我」と、曽我兄弟ものが連続して出る大変賑やかな舞台です。

明日もまた朝にある能「小袖曽我」の申合から、夜の部最後の「夜討曽我」まで、一日頑張って舞台を勤めたいと思います。

熱中症と、その反対…

今日は1日江古田稽古でしたが、そこでちょっと驚く話を聞きました。

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謡の団体稽古の時にある会員さんが、「今日は稽古の途中で失礼します。実はペットのインコが暑さのせいで体調を崩して、1週間入院していたのをこれから迎えに行くのです」と仰いました。

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インコも生き物だし、やはり熱中症にかかるのか…と最初は思いましたが、しかし元々インコは熱帯の鳥のはず。

人間よりも暑さには強いのでは…と会員さんに尋ねてみたところ、

「いやいや”暑さのせい”と言っても、熱中症の反対なのです。

暑さでエアコンをずっとつけていたら、逆に部屋の寒さに参ってしまったようなのです。

先日面会に行ったら、インコはヒーターで暖まっていましたよ。」

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成る程。。

人間の場合、例えば新幹線などでエアコンが効き過ぎていれば「ちょっと寒いんですけど…」と駅員さんに申し出れば、調節してくれるはずです。

しかし物言えぬインコはそれが出来ずに、この酷暑の日本で寒くて体調を崩してしまったのですね。

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そして団体稽古を終えた夕方からの稽古では、今度は高校生の男の子が、一昨日野球の練習で熱中症になったという話が出ました。

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暑くて熱中症になり、また冷やし過ぎても体調を崩し、この夏は健康を維持するのが本当に大変です。。

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そして今度は台風も近づいて来ているとのこと。

この週末も気をつけて過ごさねばと思っております。

猛暑は一段落ですが…

今日からまた通常の稽古モードに入り、久しぶりの田町稽古でした。

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連日の猛暑でどうなることかと思っていたのですが、田町稽古が始まる夕方頃になると有り難いことにちょっと涼しい風が吹いてきました。

最近の暑さを思うとかなり過ごしやすい気温です。

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謡の皆さんも全員揃って、無事に稽古が始まりました。

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しかし、途中で私のスマホにメールが表示されました。

韓国からの留学生Sさんからで、「実は午前中に軽い熱中症になってしまったので、残念ながら今日の稽古はお休みします」との内容でした。

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驚いて稽古が終わってからすぐに連絡してみたのですが、もうすっかり回復したとの事で一安心しました。

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田町稽古場から外に出ると、気温はさらに下がっていて本当に久々に涼しく感じられます。

しかしやはり最近の猛暑で、知らないうちに体力も低下していると思われます。

明日以降も充分に気をつけて過ごさねばと改めて思いました。

国立能楽堂の稽古会

昨日は国立能楽堂主催の稽古会に参加して参りました。

国立能楽堂で三役(囃子方、ワキ方、狂言方)の研修生として修行している若手のための稽古会で、私は能「小鍛冶」の地謡としての助演で舞台に出たのです。

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稽古会なので非公開なのですが、見所にはちゃんと人がいます。

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研修生はもちろんですが、それ以外に昨日の稽古会の出演者である観世流や金春流の能楽師、また三役それぞれの講師の先生方、さらには家元クラスの偉い先生も何人も見ておられるのです。

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このような舞台には独特の緊迫感があります。

若手研修生に宝生流を正しく知ってもらう、という目的以外に、他の流儀との「立ち会い」、つまり芸の競い合いという要素も確かにある気がするのです。

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能「小鍛冶」が始まって舞台に出ると、直前の舞囃子「桜川」を終えた観世流の面々が見所に見えます。

また私も先程までその「桜川」の謡をじっくりと聞いておりました。

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見所で見ている研修生の皆さんや先生方に、宝生流として恥ずかしくない謡をしっかり聞いていただけるように、普段同様に、またそれ以上に気合いを入れて「小鍛冶」を謡わせていただきました。

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日曜日までの舞台の鈍い疲れは、むしろ思い切り謡うことで吹き飛んだ気がして、「稲荷の峯にぞ 帰りける」と謡い終えたときには不思議にすっきりした心地になりました。

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このように独特な緊張感のある舞台はまた、私自身大変勉強になりました。

昨日舞台を共にした研修生の皆さんと、いつか五雲会などの舞台で共演出来るのを楽しみにしております。

小本を仕舞うこと

私のカバンの中には、いつも小型の謡本が何冊か入っています。

スマホよりも一回り小さなサイズで、正式名称は「袖珍一番本」ですが我々は大抵「小本」などと呼んでおります。

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この小本で謡を覚えたり、あるいは能の型や後見のやり方を書き込んだりするのです。

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普段は10冊ずつまとめて箱に入っているのですが、忙しい時は使った小本を箱に戻さずに机の上に積んでおいたりします。

そして仕事の山場を越えてちょっと余裕が出来た時に一気に片付けるのが私の習慣なのです。

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昨日大きな素人会がなんとか無事に終わりました。

机の上には、ここ数ヶ月で使った小本が山になっています。

床に並べるとこんな感じです。

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これを、まだこの先も続けて使う曲と、当面使わないので箱にしまう曲に仕分けしてから箱に仕舞っていきます。

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これは芦屋で稽古した曲、こっちは青森仙台でやった曲、こちらは先月の五雲会で謡った曲…

などと、曲名を見ると最近の稽古と舞台が蘇って来て、何か感慨深い気持ちになります。

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そして、使わない小本を仕舞うと同時に、この先すぐに使いそうな小本を何冊か出しておくのも習慣にしております。

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「今度は君達にお世話になるよ」などと思いながら新しい小本を出していくのもまた、何か新たな物語が始まるようで新鮮な気分になるのです。

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早速今日からまた、新しい小本達と共に頑張って参りたいと思います。

花傘巡行の思い出

祇園祭の花傘巡行が猛暑のために中止になったというニュースを見ました。

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「花傘巡行」という単語を久しぶりに見て、非常に懐かしい気持ちになりました。

実は私は京大の頃に、花傘巡行のアルバイトをしたことがあります。

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京大狂言会の先輩から斡旋されて、初めて京都らしいお祭りに参加したのです。

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朝に八阪神社の社務所に集合して、巡行の装束に着替えます。

私は何か幟のような物を一本持たされて、行列に加わってぞろぞろ歩いた記憶があります。

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面白かったのは、女の子のアルバイトらしい人達が浴衣姿で巨大な団扇を持って、我々の行列をあおいでくれたことでした。

あれは寧ろ、あおぐ女の子の方が暑いのでは…とちょっと心配になりました。

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しかしその時の花傘巡行は、そこまで暑かった記憶もないのです。

なので、今年の猛暑はやはり尋常では無いということなのでしょう。

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しかし伝統に固執せずに、人々の体調優先で花傘巡行を中止するというのは、とても京都らしいしなやかな考え方だと思いました。

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来年もし復活したら、懐かしい花傘巡行を見にいきたいものです。