京大OBOGが囃子方を勤めた舞囃子

先日の「全宝連京都大会」では、京大宝生会から舞囃子「草紙洗」を出させていただきました。

シテも地謡も全員2回生で、ちょっとだけ背伸びした舞台になります。

2回生達にとってはもちろん初めての舞囃子ですが、実は他にも”初めて”の要素がありました。

大鼓と小鼓をそれぞれ京大宝生会若手OBとOGが勤めたのです。

これまで新歓企画の舞台などではそういう事もありましたが、全宝連のような歴史ある大舞台では例の無い事でした。

しかし大鼓も小鼓も、緊張しながらも非常に気迫のこもった演奏で、笛の貞光智宣先生のリードによって大変素晴らしい囃子になりました。

また、シテや地謡にとっても、普段から京大BOXで大鼓小鼓と何度も稽古ができたので、若い2回生達にとっては安心感に繋がったと思います。

今回の舞囃子「草紙洗」が無事にできた事で、2回生は大きく成長しました。

そしてまた囃子方を勤めた若手OBOGにとっても、今回の舞台の成功によって、今後も同じように学生達の囃子が打てる可能性が広がりました。

秋の京大能楽部自演会「能と狂言の会」では、更にパワーアップした舞囃子が披露できる事と期待しています。

亀岡の花々〜ユリの王様〜

今日は亀岡稽古でした。

京都二条駅近くの宿を出ると、35℃の強烈な熱気に包まれて、あっという間に汗だくになりました💦

ややぐったりとしながら亀岡稽古場に到着して、何か花は咲いていないかと探しに行ってみました。

春に比べて花は少ない季節ですが、遠目にとても大きな花が見えました。

もしかしたら見られるかもと期待していた

「ヤマユリ」

です。それも遠目にみても沢山の花が咲いているのがわかりました。

嬉しくなって暑さも忘れて早足で近寄ってみると…

6輪の大輪の花を咲かせた堂々たる「ヤマユリ」でした。

ヤマユリは発芽から開花までに最低でも5年かかるそうです。

また「1輪1年」とも言われるそうで、という事はこのヤマユリは少なくとも発芽から11年経っている事になるのです。

花のあまりの大きさ重さに、支えが無いと倒れてしまうようで、2本の支え木が添えられていました。

ヤマユリの花言葉は「荘厳」

まさに荘厳華麗なその姿は、

「ユリの王様」とも呼ばれるそうです。

「百花王」と呼ばれる「ボタン」とはまた一味違った豪華絢爛なヤマユリの花は、大輪の打ち上げ花火が夜空に開いたようにも見えました。

前回書いた「半夏生」は、房状の花とその周りの白くなった葉が、よりはっきりとわかるようになっていました。

雑節の「半夏生」が今年は一昨日の7月2日だったので、やはりこの頃は植物の「半夏生」も、一番の盛りを迎えるのでしょう。

舞台を”言語化”して観るということ

先週土曜日の全宝連京都大会レセプションの時のお話です。

宝生和英家元は昼間の国立能楽堂での舞台の後すぐに京都に駆けつけてくださり、レセプションの冒頭でスピーチをしてくださいました。

その中で家元は、

「他の学生達の舞台を見るのはとても大事です。他人の芸の長所と短所を”言語化”して、それを自分の芸に活かすのです。私も常にそうしています」

と仰いました。

「長所短所を言語化する」

という考え方は初めて聞いたので、すぐには腑に落ちませんでした。

しかしよくよく考えてみると「成る程!」と目から鱗が落ちる思いがいたしました。

例えば、

「この人は運びの最中に下を向いている」

とか、

「今の飛び返りはとてもキレが良かった」

というのを、普段の私は感覚的にしか捉えていなくて、「何となく上手い」としか認識していませんでした。

それを”言語化”して改めて認識し直す事によって、

「運びの最中に下を向かないように気をつけよう」

とか、

「キレのある飛び返りを研究してみよう」

と具体的に自分の芸に活かす事ができるのです。

今後は私も他人の舞台を観て気付いた事は一度”言語化”して、自分の芸の改善に努めていきたいと思います。

家元の貴重なお言葉は学生達にもきっと響いたことでしょう。

有り難い事でした。

全宝連京都大会が盛大に開催されました

昨日一昨日と京都金剛能楽堂にて、

「全宝連京都大会」

が盛大に開催されました。

コロナ禍の時には開催見送りやオンラインでの開催、また開催されても学校毎に固められた番組で、学生同志の交流が制限されていました。

しかし今回からは、番組も色々な大学がランダムに配置され、また初日終了後には京都ガーデンパレスホテルにて、全国の学生と、宝生和英御宗家始めシテ方能楽師も参加した「レセプション」も開催されました。

完全にコロナ以前に戻った雰囲気の2日間で、特にレセプションでの学生達の楽しそうな様子は、見ているこちらも思わず笑顔になってしまうほどでした。

そしてもちろん、2日間にわたる舞台は非常に熱気溢れるもので、見所も学生やOBOG、また学生のご家族などで終日賑やかでした。

舞台でも楽屋でも、またレセプションやその前後にも、本当に多くの素敵なエピソードが生まれた「全宝連京都大会」でした。

また個別のエピソードも改めて書かせていただきます。

今回の全宝連に関わったすべての皆様、特に運営を担って大会を成功させた全宝連委員の皆様に心より御礼申し上げます。

全宝連前の仕上げの京大稽古

今日は「全宝連京都大会」前日、京大宝生会の仕上げの稽古に行きました。

新入生3人は仕舞の初舞台です。

3人とも作法までちゃんと出来るようになっていて、先輩達がよく稽古してくれたと感心しました。

素謡「敦盛」も、新入生も含めて全員がきちんと暗記して無本で謡えていました。

明日は天気も回復しそうです。

私も朝早めに金剛能楽堂に行って、直前の準備を手伝いたいと思います。

全宝連での得難い経験

いよいよ明後日から「全宝連京都大会」が2日間にわたって開催されます。

私が全宝連委員長を勤めたのは確か平成3年の全宝連京都大会で、会場は四条室町上ルの旧金剛能楽堂、レセプション会場はコープイン京都でした。

今は金剛能楽堂は御所の西に移り、コープイン京都も無くなりました。

あれから幾星霜、コロナ禍も乗り越えて、また京都に全宝連が帰ってくるのは実に感慨深いです。

と言っても私が委員長を勤めた時は、私自身は2日間ほぼずっと玄関に座って、全国から来る皆さんや、能楽師の先生方をお迎えしたり、色んなトラブルへの対応に終始していました。

自分が出る時以外の舞台は全く見られなかったので、舞台の記憶は殆ど無いのです。

正直しんどい仕事でした。

しかし、例えば目上の人への手紙の書き方、口のきき方、フォーマルなレセプションでの挨拶の仕方などは、この全宝連委員長の時に初めて経験しました。

そしてその経験が今の私の日常にも確実に活かされているのです。

今回も神戸大の委員長さんを始め、全宝連委員や関西の大学の学生は、これから本番終了まで、間違いなく大変な数日間になる事でしょう。

でもその大変な経験は、将来きっと自分を助けてくれる、得難い経験になるというのもまた、間違いない事なのです。

全宝連京都大会が実り多い舞台になるように、私も全力でお手伝いしたいと思います。

全宝連京都大会のお知らせ

今週末の6月29(土)30日(日)に京都金剛能楽堂にて、

「全国宝生流学生能楽連盟自演会京都大会」

が開催されます。

東京、名古屋、金沢、関西を中心に、宝生流を稽古する全国の学生達が一堂に会する盛大な催しです。

29日10時半〜15時まで学生自演会

30日は10時〜13時まで学生自演会、15時から鑑賞能があります。

学生自演会は入場無料、鑑賞能は有料の催しになります。

鑑賞能は宝生和英御宗家による

能「鞍馬天狗 白頭」

ほか、各大学を指導する能楽師による仕舞が多数演じられます。

番組は下の通りです。

詳細情報、また鑑賞能チケットの購入は下のリンクをご覧くださいませ。

鑑賞能チケットは当日受付でもご購入いただけます。

学生達の熱い舞台と、その後の盛りだくさんな内容の鑑賞能を観に、週末は是非京都金剛能楽堂にお越しくださいませ。

よろしくお願いいたします。

https://ja.kyoto.travel/event/single.php?event_id=10193

https://zenporen2024.peatix.com/?lang=ja

六條院公園

京都市内に前々から気になっていた公園があります。

その名も「六條院公園」です。

そう、あの能「融」の舞台となった源融の邸宅「六条河原院」を想起させる名前の公園なのです。

中は至って普通の、ジャングルジムやブランコなどがある小さな公園です。

場所は六条河原院跡から少し西に外れた所にありますが、数年前に最初に通りかかった時には、

「きっと何か融と関わりがあり、立て札の1枚くらい立っているかも…」

と期待して公園を一回りしてみたのですが、何も由緒書きなどは見つからず、がっかりした覚えがあります。

しかし今日また通りかかって、念のため中を覗いてみると、何と新しい立て札らしき物が目についたのです。

ひと目見て、「そうか今年の大河ドラマのおかげで作られた立て札か!」

と気がつきました。

源融は光源氏のモデルとされているのです。

しかし立て札を読む限り、この「六條院公園」と「六条河原院」には直接の関わりはないようでした。

立て札の内容で興味を惹かれたのは、

「平安時代の池の跡が六条河原院付近で発掘された」というものです。

今の五条通りの北側にその池の跡はあるようで、正にそこが能「融」の舞台となった場所かもしれないのです。

今日は四条から京都駅方面に南下する途中で六條院公園に立ち寄ったので、五条まで戻ることはしませんでしたが、日を改めて六条河原院の池の跡を探しに行ってみたいと思います。

亀岡の花々〜半夏雨〜

今日は亀岡稽古でした。

亀岡は本降りの雨で、亀岡駅から稽古場のある亀山城址まで歩く間に傘をさしていたのにビショ濡れになってしまいました。。

稽古場の中庭に、この時期に毎年見られる植物がありました。

「半夏生(ハンゲショウ)」です。

半夏生は植物の名前であると同時に「雑節」

のひとつでもあります。

雑節とは二十四節気、五節句の他に設けられた暦日の事で、「節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日」が雑節にあたるそうです。

この頃に降る雨のことを「半夏雨(はんげあめ)」とも呼び、大雨になることが多いそうで、正に今日の亀岡は「半夏雨」でした。

また植物の「ハンゲショウ」は葉っぱが半分くらい白くなっているのが大きな特徴ですが、調べてみるとこれには面白い理由がありました。

ちょっと不鮮明なのですが、よく見ると房状の花の近くの葉っぱが半分白くなっています。

実はこの白い部分は、花粉を運ぶ昆虫などへの「広告塔」の役目を果たしているそうなのです。

なので、花の時期が過ぎると再び緑色に戻るそうです。

これは今日初めて知りました。

半夏雨のおかけで他の花々を探すことはできませんでしたが、亀山城址のお堀の方からは

「モ〜、モ〜」

というウシガエルの太いのんびりとした声が聞こえてきました。

太陽が戻ってきました!

今日は関西紫明荘組の稽古でした。

そして今日は稽古場に着く前から、とても楽しみにしていることがありました。

稽古場に到着すると、

「先生!どうもお久しぶりです!」

元気なお声で、満面の笑みのその会員さんは、しかし2年と少し前に大きな病気になって、それからずっと稽古はお休みでした。

辛く長い治療を見事に乗り越えられて、今日が2年と少しぶりの復帰の稽古だったのです。

去年後半から先ずはリモートの謡稽古から再開されて、月2回のリモート稽古で徐々に元気を取り戻されている様子がわかりました。

そして今日、満を持して稽古に来られたお姿は画面越しよりもずっとお元気で、しみじみと良かったと思いました。

仕舞はとりあえず「右近」を稽古しました。

1回目はまだ感覚が戻りきらないように見えましたが、2回目の舞はもう滑らかな動きで、これならすぐにもっと難しい曲に移行できそうです。

元々が人一倍元気で太陽のような方です。

今日の稽古場は正に太陽が戻ってきたように、皆さん明るく嬉しそうな雰囲気でした。

心強いメンバーが復帰されて、秋の澤風会京都大会に向けて勢いがついた気がいたします。