今年初めての”秋”

今日は松本稽古でした。

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前回40℃の猛暑だった松本。

今回も台風一過で暑くなっていそうだな…

と覚悟して特急あずさを降りました。

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すると、意外なことに乾燥した風が吹いて快適な空気でした。

駅前の気温計を見ると…

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やはり前回よりも10℃ほども低くなっていました。

31℃でも、乾いてとても過ごしやすい気候です。

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今日の稽古場はいつもより遠い「城北公民館」でしたが、暑くないので歩いていくことにしました。

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久しぶりに松本城をじっくりと眺めつつ、お城の北の公民館へ。

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前回永平寺に行って来た話をしてくれたお母さんと男の子、そして日に焼けたサッカー少年などなど、今日も夜までみっちり稽古いたしました。

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そして20時前に公民館を出て驚きました。

とても涼しかったのです。

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辺りは秋の虫の声に包まれていて、ひと月ほど先に短いタイムスリップをしたような錯覚を覚えました。

今年初めて”秋”を感じた一瞬でした。

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思えば去年も、ちょうど今頃のブログに「今日初めて”秋”を感じた」という内容を書いた気がします。

季節が少しずつですが、確実に移ろっていることを実感できた今日の松本稽古でした。

相模原薪能に出演して参りました

今日は相模女子大グリーンホールにて開催された「相模原薪能」に出演して参りました。

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予定では野外の会場で行われるはずでしたが、大型の台風10号が近づいているということで、早い段階で屋内開催に変更するとの連絡がありました。

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今日の日中は晴れ間も見えて、「もしかして外でも出来たのかな…」と思ったりもしました。

しかし、午後に三ノ輪を出て最寄り駅の相模大野に到着する直前に、スコールのような雨がザアアッと電車の窓に降りかかってきたのです。

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野外会場で予定していたら、開催そのものが危うかったかもしれません。

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屋内会場では、かなりリアルな篝火型のライトが何本も置かれて、雰囲気は野外の薪能に非常に近いものでした。

お客様も雨風が時折強くなる中を大勢いらしていただき、最後の能「船弁慶」まで安全な環境で楽しんでいただけたようです。

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今回の大型台風では、西日本で激しい雨が降り、強い風が吹いたようです。

被害が出来るだけ少ないように祈っております。

4大学合同稽古

今日は午前中から江古田稽古場に向かいました。

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しかし今日はいつもの澤風会江古田稽古とは少々趣きが違うメンバーが、三々五々稽古場に集まって来ます。

「こんにちは。」「お邪魔します〜」「よろしくお願いします!」

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集合したのは、日本女子大、自治医科大、東京芸大の学生達です。

自治医科大の1人はこの春まで京大宝生会にいたので、実質4大学の宝生流を稽古する学生達が江古田稽古場に揃ったわけです。

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日本女子大の学生達は、今稽古している仕舞「羽衣キリ」。

自治医科大の1人は仕舞「鶴亀」、元京大宝生会の学生は仕舞「枕慈童」と「田村キリ」。

東京芸大は仕舞「藤クセ」を、代わる代わる稽古しました。

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京大宝生会の合宿形式で、ぐるぐると何周も稽古します。

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日本女子大の1人の学生は、最終的に「羽衣キリ」を皆の前で本番形式で舞ってくれました。

もう1人は、月末に母親の「郁雲会」の稽古会で同じく「羽衣キリ」を披露することになっています。

それが終わると、日本女子大の2人は今度は12月の「関宝連」の舞台に向けて、新しい曲を始めるのです。

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自治医科大の「鶴亀」さんも、やはりその「関宝連」での初舞台を目指して、仕舞「鶴亀」を頑張って最後まで稽古しました。

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東京芸大の学生は、この先何十年にわたって今日のメンバー達と一緒に稽古していってほしいと思います。

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元京大宝生会の自治医科大生は、これから京大と自治医科大、日本女子大の橋渡し役となってくれるように願っています。

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ある意味で歴史的な邂逅だったかもしれない今日の「江古田4大学合同稽古」。

それぞれ頑張ってとても充実した稽古になりました。

時空を越える紋付と袴

世間ではお盆休みの真っ只中のようです。

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周りの人からちらほらと、海や山に行く予定、遊園地や野外フェスに行ってきた楽しい話などを聞いて「羨ましいなあ…」と思いながら、私自身は普段と全くかわり映えのしない生活を送っております。

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先週末の七葉会のエピソードを、思い出したものから書いてみたいと思います。

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今回澤風会の最年少出演者は小学5年生の男の子でした。

楽屋で紋付袴を着付けている時、袴を見て大変懐かしいと思いました。

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黒地に金色の格子模様が入った、子供用の袴です。

実はこれは私が小学3〜5年生の時に舞台ではいていた袴なのです。

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その後、今回の男の子のお兄さんが小学生の時に、暫くの間この袴を使ってくれていました。

お兄さんは今はもう東京芸大に入学して、宝生流の若手予備軍として修行を始めています。

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私がこの袴で、今回と同じ宝生能楽堂で仕舞を舞ってからもう40年が経ちます。

そして今年七葉会デビューを果たした弟くんが、またこの黒地金格子の袴で舞ってくれたわけです。

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これはしみじみ嬉しいことだなぁ…と思っていたら、高橋憲正さんの憲宝会の男の子がやはり仕舞で初舞台ということで、楽屋で着替え始めました。

憲正先生自ら、男の子に綺麗な空色の紋付を着付けながら、

「この紋付いいでしょ、僕が子供の時に来ていたものなんだよ」

と話されました。

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着付け終わった男の子の凛々しい姿は、憲正先生の子供の時の姿を想像させてくれました。

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私の黒地の袴も、この憲正さんの空色の紋付も、また時間と場所を飛び越えて、次の世代がいつかどこかの舞台で使っていくのでしょう。

一層しみじみと感慨深い気持ちになったのでした。

無人島に連れていくとしたら…

七葉会から一夜明けて、私は早朝の新幹線で静岡県の掛川に向かいました。

「初秋の千人の宴」という能楽公演に出演するためです。

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能は辰巳満次郎師による「黒塚 白頭」でした。

午前中のワークショップを終えて、私は若手能楽師と一緒に、久しぶりに「藁屋」の作り物を製作いたしました。

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竹の柱と台輪を、さらしを細く裂いた”包地(ぼうじ)”というもので巻いて固定していきます。

柱がグラグラしないように固定するのには、いくつかのコツがあって若手能楽師が最初に鍛えられる作業のひとつなのです。

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私が包地を巻いているのを、たまたま横で見ている人がいました。

私が「このやり方で、筏を組んだりすることも出来るのですよ。小屋を作ったり」

すると見ていた人が、

「ヘェ〜そうなんですね〜。じゃあ、無人島に誰か一人連れて行くとしたら、能楽師が良いかもしれませんね〜」

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成る程。確かに我々は包地を使って縄をなったりすることも出来ます。

能楽師は意外にアウトドアに向いた職業かも…

などと思いながら、柱を立てて壁と扉を取り付け、屋根を乗せて、安達ヶ原の鬼女の棲家である「藁屋」が完成しました。

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朝には七葉会の重たいような疲労感もありましたが、一日働いて帰りの新幹線で爆睡すると、東京に到着した頃には何だかスッキリした気分でした。

やはり疲労は動きながら徐々に回復させるのが一番だと思いました。

世間はお盆休みに入りましたが、私は今週も淡々と仕事をして参りたいと思います。

第9回七葉会2日目が終了しました

2日間にわたる七葉会がおかげさまで先ほど無事に終了いたしました。

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来年は”10周年”を迎えるので、その舞台に向けての話などもある打ち上げでした。

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七人の若手能楽師と、七つの会で稽古している沢山の方々、そしてその知り合いの大勢の方々が織り成す、夢のような「第9回七葉会」でした。

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来年の記念大会で、一層稽古を重ねられた皆様とお会いするのを、心から楽しみにしております。

どうもありがとうございました。

第9回七葉会1日目

今日は宝生能楽堂にて「第9回七葉会」が無事開催されました。

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終了後にも色々ドラマチックなことがあり、日付変更ギリギリで帰ります。

また明日もよろしくお願いいたします。

第9回七葉会のお知らせ

明日明後日と、水道橋宝生能楽堂にて「第9回七葉会」が開催されます。

今日はその舞囃子と能の申合がありました。

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なんだかんだでもう9回目になった「七葉会」。

ここ数年は、土曜日に仕舞と謡、日曜日はそれに加えて舞囃子が10数番あり、一番最後に能が出るというパターンが続いております。

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七つの同門会が一堂に会する、なんとなく”夏祭り”のような雰囲気もある賑やかな舞台です。

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土日両日とも朝10時始曲です。

明日土曜日の17時過ぎからは、7人の主宰能楽師による番外仕舞も予定されております。

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また日曜日の最後の番組は能「加茂」で、昨年に続いて内藤飛能さんの「飛雲会」の会員さんがシテとツレを舞われます。

今日の申合でも、外の猛暑にも負けない程の熱量がある元気一杯の”別雷の神”を演じてくださいました。

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その他にも、何人かの主宰楽師のまだ小さな子供達の仕舞などもあり、見どころ盛りだくさんです。

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もちろん澤風会からも、舞囃子「氷室」、素謡「箙」、「歌占」、「草紙洗」に加えて沢山の仕舞が出ます。

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暑い日に、エアコンの効いた能楽堂で、熱い舞台を観るという週末は如何でしょうか。

皆さま明日明後日はどうか宝生能楽堂に、我々「七葉会」の応援にいらしてくださいませ。

よろしくお願いいたします。

吉備路自転車道を歩く

今日は岡山吉備津神社の子供能楽教室に行って参りました。

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その稽古の様子を書こうと思っていたのですが、夕方稽古を終えて吉備津神社を出たところでこんな看板に出会いました。

吉備路自転車道…!

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実はこのサイクリングロードこそ、私が高校の修学旅行委員の時に「桃太郎伝説と吉備路巡りコース」というツアーコースを企画したきっかけになった道だったのです。

そういえば確かに吉備津神社のすぐ前を通っていたのでした。

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折りよく、次の電車までは30分程の時間があります。

吉備津駅のひとつ隣の「備前一宮駅」まで、この懐かしい「吉備路自転車道」を歩いてみようかと思い立ちました。

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“自転車道”と言っても、軽自動車くらい通れそうなごく普通の舗装路です。

それが田園風景の中をくねくねと続いていきます。

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途中「はなぐり塚」という牛の鼻輪を供養する塚など、確かにかつて修学旅行で通った筈の名所旧跡を何ヶ所か通過しました。

全く見た記憶は残っていないのですが、名前だけでとても懐かしい気持ちになります。

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そしてしばらくの間てくてくと気持ち良く歩いていたのですが、途中でふと気がつきました。

「隣の駅まで、実は結構遠いのでは…💧」

電車の時間まであと10分程しか無いのに、辺りは見渡す限りの田園風景です。

次の電車を逃すと、また30分以上待たなければなりません。

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ペースをやや上げて「備前一宮」駅を目指すのですが、一向にそれらしい建物が見えて来ません。

「そもそも駅が小さ過ぎて、見逃してしまったのではないか…」

という恐怖も頭をよぎります。。

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ようやくホームらしいものを遠くに発見した時には、電車到着まで3分。

小走りで駅を目指します。

結局昨日の秋葉原〜水道橋よりも更に物凄い量の汗をかいてしまいました💦💦

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ようやく「備前一宮」に到着。

ホームは直射日光で炙られているので、皆さん外で電車を待っています。

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ふと駅舎の横を見ると、レンタサイクル屋さんが。

そういえば、修学旅行の時には「備前一宮」でレンタサイクルを借りたような記憶があります。

もしかしてこの店だったかも…。

とまた懐かしい気持ちになりました。

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そして遠くに”ガタゴト…”と電車の音が聞こえてきます。

ホームに上がると、2両編成の「桃太郎線」がちょうど到着するところでした。

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結果的に30分フルに夏の自転車道を早足で歩いて、汗だくになりました。

しかし昨日の秋葉原〜水道橋と違って、何か高校時代の夏休みを駆け足で満喫したような、爽快な疲れを感じて電車に乗り込んだのでした。

暑さのピークはいつまで…

今日は夜に田町稽古でした。

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その前に、用事があって先ず水道橋宝生能楽堂に向かいました。

地下鉄日比谷線を秋葉原で降りて、さらに郵便局にも用事があったので、歩いて御茶の水方面へ出発しました。

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いつもなら何でも無い外堀通りの緩やかな上り坂なのですが、今日は途中で尋常ではない汗が出て来ました。

坂を上りきった御茶の水駅の郵便局で、エアコンの空気にホッと一息。

用事を済ませてまた水道橋へ歩き出しました。

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熱中症は大丈夫なのだろうか…

と思うほどの発汗量でしたが、能楽堂に到着してまたエアコンで少し涼んだら、すぐに汗も引きました。

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思えば昨年の今頃は、松本城薪能でもっともっと暑い思いをしたのでした。

暑さは苦手ですが、耐性は意外にあるようです。

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そういえば、昨年の松本城薪能では台風13号の影響に一喜一憂いたしました。

今年もまた台風が近づいているようです。

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今頃から台風がいくつか過ぎて、お盆の終わり頃に少し涼しくなったと去年のブログにありました。

もし去年通りならば、あと1週間ほどで暑さのピークが過ぎてくれるはずなのです。

それを信じて、明日からまた暑さに負けずに稽古して参りたいと思います。