ジャケットとマフラーの出番は…

一昨日の京大「竹生島」申合の時のこと。

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申合の舞台上では、色々バタバタと動いたり考えたりしてとても暑いと感じていました。

そして終わって着替えて外に出ると、夕方の冷んやりした空気に包まれて大変心地良い気分になりました。

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京都駅行きの殺人的に混雑した市バスでまた暑い思いをして、ようやく帰りの新幹線に乗ってホッとした時。

なにやら身が軽すぎることに気がついたのです。。

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私はその時薄手の長袖シャツ1枚で、行きに身に付けていた筈のジャケットもマフラーも京都観世会館に置いてきてしまっていたのです。

それでも全く寒さを感じなかったのは、申合で心身ともにフル回転していたからだと思われます。

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今日は改めて観世会館にそのジャケットとマフラーを受け取りに伺いました。

事務所の方に「帰りお寒くなかったですか?」

と聞かれて、

「いや〜、むしろ暑いくらいだったのです…」

と答えて呆れられてしまいました。

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しかも、今日は天気が良かったので観世会館からブラブラ歩き始めたところ、そのまま京都駅まで歩いてしまい結局また暑くなってしまったのです。

そして受け取ったジャケットとマフラーは鞄に押し込まれたまま、身に付けることはありませんでした。。

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これから夜遅くまで芦屋稽古なので、終わった後の帰り道でようやくジャケットとマフラーの出番となりそうです。

能「竹生島」申合が終わりました

今日は京都大学能楽部自演会「能と狂言の会」の申合がありました。

京大宝生会の能「竹生島」がいよいよ申合を迎えたのです。

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本番用の大ぶりな船と宮の作り物。

初めて身に付ける能装束。

宝生流の謡本と微妙に異なるワキの言葉。

御囃子の手組と地謡との何ヶ所かのズレ。

思ったよりも長い橋掛り。

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などなど、本番前に修正すべき点の最終チェックが色々と出来て、得るものの多い申合になりました。

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1週間後の11月26日火曜日。

京都観世会館にて、京都大学能楽部自演会「能と狂言の会」の本番が開催されます。

宝生流能「竹生島」は12時半頃からの予定です。

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京大宝生会の竹生島へと向かう旅は、遂に終盤に差し掛かりました。

私の稽古は本番までにあと1回。

今日の申合を踏まえて、本番が少しでも良い舞台になるようにギリギリまで改善したいと思います。

松本澤風会2019御礼

昨日は松本城近くの日本料理店「凡蔵」の御座敷で「松本澤風会」を開催させていただきました。

今回も沢山の方々に本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

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また今日は、昨日初舞台の仕舞「猩々」と素謡「橋弁慶」を無事に終えられた会員さん御夫妻の御宅にお邪魔させていただきました。

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松本から北へ1時間ほどの池田町の山の斜面に建てられた御宅は、暖炉が燃えて暖かで、窓からは北アルプスの素晴らしい眺望を楽しむことができる素敵なお家でした。

御宅から見える常念岳から白馬方面までのパノラマです。

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広々としたリビングのテーブルには奥様お手製の野沢菜漬け、奈良漬け、大根漬け。

やはり手作りの”味噌パン”。

りんごや柿などの季節の果物。

ご主人が天才的な技量で淹れてくださった珈琲。

それぞれ地元のものを使った、心のこもった品々でした。

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そしてテラスには干し柿、お庭には原木椎茸や沢山のハーブ、里山の様々な草木達。

軒下には冬を越すための膨大な量の薪…。

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大自然の中で、その自然と共生して豊かな暮らしをされている御夫婦は、御宅と同様にその生き方が実に魅力的だと思いました。

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今回色々とお世話になりました皆様、重ねて御礼を申し上げます。

誠にありがとうございました。

次の山へ

今日は宝生能楽堂にて「五雲会」、昨日は香里能楽堂にて「七宝会」に出演いたしました。

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五雲会、七宝会。

合わせてたった6文字の仕事ですが、私にとっては双方の申合があった一昨日木曜日から今日までは大きな山でした。

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そしてなんとか今回の山を登り切って目を上げてみると、次の山々峰々が視界に入ってきます。

荷物を少し入れ替えて、先ずは目の前の山へ向かってとにかく一歩踏み出す。

そんな日々が続いています。

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ブログをきちんと更新出来ず大変申し訳無く思っております。

どうか今しばらく御容赦くださいませ。

新しい月の生まれる頃に

今日は朝からずっと電車で移動しています。

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日が落ちて暗くなってくるとともに、東の低い山脈から濃い黄色をした巨大な月が上って来ました。

今年見た中で一番大きく見える満月な気がします。

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ちょうど1週間前には、亀岡で冷え冷えとした半月を眺めました。

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そしてあと1週間後、この満月が半分になる頃には京大宝生会の能「竹生島」の申合がある予定です。

更にその1週間後、この月が消えてまた新しい月が生まれる頃に「竹生島」は本番の舞台を迎えるのです。

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私が「竹生島」の稽古を出来るのは、おそらくあと3回ほどでしょう。

全身全霊をかけて残りの稽古をして、なんとかこの能を成功させたい。

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右手の車窓の空にかかる巨大な満月を、今祈るような気持ちで眺めています。

開智小学校能楽教室2019

昨日は宝生能楽堂での「月並能」を終えてから、最終一本前の特急あずさで松本に移動しました。

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そして今日は朝から「開智小学校」での能楽教室をやって参りました。

朝の1時間目と2時間目を使っての教室だったので、開智小学校への集合は朝7時半でした。

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能楽教室は例年6年生を対象にしています。

しかし今日は、朝7時半に2年生の男の子がひとりやって来てくれました。

そして紋付袴に着替えて、8時には体育館に行って仕舞の稽古をしていました。

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彼は6年生全員の前で、能楽教室の冒頭に仕舞「加茂」を舞ってくれることになっていたのです。

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小学2年ながら、稽古年数は3年以上になる男の子です。

大学生でも難しい「加茂」の仕舞を、体育館の横に広い変則的な舞台を一杯に使って、とても頑張って舞ってくれました。

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その冒頭の仕舞のおかげで6年生の目が舞台に集中して、能楽教室を滞りなく進めることができました。

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能楽教室には校長先生も見に来られて、

「来年もまたよろしくお願いします」

と仰っていただけました。

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開智小学校では、今3人の生徒が松本澤風会の稽古場で稽古してくれています。

来年夏には、また「松本城薪能」の前座発表会などで小学生3人に頑張ってもらい、開智小学校の先生方や生徒さんたちにも沢山観てもらえたらと思っております。

静寂の中で終わる曲

昨日は京阪神巽会から最終新幹線で東京に帰りました。

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新幹線の座席に着いた途端にスイッチが切れたように東京まで眠りました。

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今日も少し遅くまで休ませてもらい、昼過ぎから水道橋宝生能楽堂での「月並能」に向かいました。

私は能「蝉丸」の地謡を勤めました。

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曲の最後、姉逆髪と弟蝉丸の別れのシーンでのことです。

逆髪は橋掛りをトボトボと寂しげに歩んでいき、幕に近い”三の松”で振り返って蝉丸に最後の別れを告げます。

そして舞台の蝉丸は留拍子を踏まず、静かに終曲を迎えるのです。

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逆髪が”三の松”から幕に向いて歩き出した時、見所から少しだけ拍手が起こりかけました。

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しかしその拍手は、蝉丸が舞台から橋掛りへと静かに静かに歩むにつれて、徐々におさまっていったのです。

そして幕が開いて蝉丸の姿が消えていってもなお、水を打ったような静けさは能楽堂を包んでいました。

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御囃子方と地謡が退場する時になって、ようやく拍手が今度は盛大に起こりました。

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曲にもよるのだと思いますが「蝉丸」のように留拍子を踏まない曲では、今日のように静寂の中で終わるのが良いとしみじみ思いました。

京阪神巽会など

今日は朝から香里能楽堂にて京阪神巽会でした。

昨日は朝に水道橋で月並能申合、その後香里能楽堂に移動して巽会申合、更にその後に京大宝生会の能竹生島の稽古を満次郎師にしていただきました。

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書くべきことは山積しており、大変心苦しいのですが本日はこれにて失礼いたします。

様々なお便り

今日は江古田稽古でした。

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夕方にメールが届いていたので、稽古の区切りで確認しました。

先日岩手県の正法寺で「地水火風」の舞台を共にした尺八奏者ラルフ・サミュエルソンさんからのメールでした。

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今成田空港で、間もなくアメリカに帰ること。

そして来年は是非東京で再び「地水火風」の舞台をやりたいということが書いてありました。

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今頃は太平洋上空を飛んでいるであろうラルフさんに、正法寺での御礼と、こちらこそ来年は是非東京で「地水火風」をやりたいという返信をお送りしました。

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昨日はまた別のお便りが読者の方より届きました。

亀岡のことを書いた昨日のブログへのコメントとして届いたお便りです。

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亀岡で毎年フジバカマに飛来する「アサギマダラ」という旅する蝶。

そのアサギマダラを巡る物語が、NHKのラジオドラマとして放送されたという内容でした。

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私の好きな蝶がドラマになったとは、何とかして聴いてみたいと思いました。

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今週は他にも、あまねく会の記事へのコメントも頂戴いたしました。

この場で御礼申し上げます。ありがとうございました。

1件のコメント

冷たい半月

昨日は午後から亀岡稽古でした。

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この時期の常で私は「半袖シャツにジャケット」という格好でした。

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日中は半袖で過ごすくらいだったのですが、日が落ちるとともに急速に気温が下がって来ました。

夜にはジャケットを来て仕舞の稽古をしてもまだ寒いくらいで、途中暖房が恋しくなる程でした。

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稽古を終えて外に出ると、夜空には冷たい半月がかかり、冬の星が出て来ていました。

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次に亀岡稽古に来るのは月末になります。

その頃には、きっともう冬が静かにやって来ていることでしょう。

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亀岡の花々と次に会えるのは、もしかして来年の春になるのかもしれません。