車内ごはんの裏技

昨夜は松本稽古を終えてから最終20時31分発の特急しなのに乗って名古屋まで行って泊まりました。

今朝の大山崎稽古に間に合うためには名古屋まで行っておく必要があったのです。

名古屋に着いてから晩御飯だととても遅くなるので、特急の中で晩御飯を済ませようと思いました。

松本駅近くのバスターミナルの地下に大きなスーパーマーケットがあり、昨夜のような時にはそこで食料を買い込む事にしています。

20時を過ぎてお惣菜はとても安くなっています。

しかし逆上して無差別に買うと大変な事になるので、私なりの一応の基準で素早く買い物をしていきます。

先ずは栄養バランスです。揚げ物は大抵安いのですが、そこは控え目にして野菜物を多めにします。昨日は”エビと青菜の中華炒め”とか。

また地元の物があればひとつは混ぜてみたいです。

昨日だと”鯉の煮付”とか。

そして地味に重要なのが、

「セロテープで蓋が止められている」

という事なのです。

なんの事かと思われるでしょう。

しかし、中央本線のようなカーブが多い路線だと、テーブルに並べたお惣菜類がカーブ毎に左右に振られて、最悪落ちてしまうのです。

なので、蓋からセロテープを慎重に外して輪っかにして、それでお惣菜をテーブルに固定する訳です。

この”技”に気づいてから、特急や新幹線車内の晩御飯が非常に快適になりました。

松本は地酒も非常に美味しいので、昨夜は15分程で素早く吟味したお惣菜を肴に、純米酒の小瓶と共に至福の車内ごはんをいただいたのでした。

稽古お休みの理由は…

今日は松本稽古日でした。

2週間前に大雪で行けなかった分の代替稽古です。

今回は無事に行けて安堵しました。

松本は晴れて気温も上がり、16時前の気温が17℃もありました。

今回は代替稽古日という事もあり、お休みの方もいらしたのですが、そのお休みの理由がなんと、

「本日のお稽古はお休みさせていただきます。
昨日のH3ロケット打ち上げを観に種子島に来ています。
申し訳ありません」

というものでした。

それは羨ましい…

また別の方は、

2/18はイグルー講習会をやる予定で残念ながらまた次回、よろしくお願いいたします」

イグルーとは雪洞の事で、この方はイグルー作りにかけては日本一という凄い方なのです。

私も一度イグルー作りに挑戦したいと思っております。

更に稽古にいらした方のお一人は、

「この度世界一周旅行に行こうと思いたちまして、5月頃までお休みさせてください」

なんだか松本稽古場の皆様は、私のやってみたい事ばかりされているようで、繰り返しですが実に羨ましい限りです。

世界一周旅行の方は、

「お土産話を楽しみになさってください」

確かにとても楽しみです。

私は皆様のお土産話を期待しながら、日々の稽古と舞台を引き続き頑張っていきたいと思います。

地謡No.3

今日は宝生能楽堂にて開催された宝生会定期公演にて能「巴」の地謡を勤めました。

私の座った位置は”後列の右端”です。

これは地頭、副地頭に次いで上から3番目のポジションにあたります。

実は私はこの”3番目ポジション”が地謡の中で一番好きな位置なのです。

「地謡はどこに座っていようが地頭のつもりで謡うのだ」

という教えも確かにあるのですが、私が3番目ポジションが好きな理由もまた幾つかあります。

第一には、「地頭の隣なので、地頭の微妙な謡の変化が良くわかる」

という事です。

今日の能「巴」は、場面によって地謡の”速い遅い”、”強い弱い”が繊細に変化する曲です。

地頭の意思を素早く受け止めて地謡に正確に反映させるには、やはり地頭の隣が一番なのです。

第二に、「プレッシャーが比較的少ない」

という事です。

同じ地頭の隣でも、やはり副地頭は責任が重くなります。

“3番目ポジション”だと、精神的な重荷が軽い分、落ち着いた気持で地謡に集中できます。

今日も繊細微妙な舞台の変化に気を配りながら、なんとか無事に謡い終えることが出来ました。

ロビーでは何人かの知り合いの方にお会いしたので、機会があれば今日の地謡の感想など伺ってみたいものです。

本日定期公演にお越しいただいた皆様ありがとうございました。

1か月が経ちました

1月16日にこのブログを再開してから1か月が経ちました。

なんとか途切れずに書き続けております。

今回ブログ再開の告知などは全くしていないにも関わらず、何人かの方に、

「ブログ再開されたのですね、いつも読んでいます」

と温かいお言葉をいただきました。

何よりの励みになります。ありがとうございます。

今後も私の小さな日常の出来事をポツポツと書いて参りたいと思います。

またいくつかあった”シリーズ”もぼちぼち再開するつもりです。

「亀岡の花々」シリーズは、間もなく春の花が咲き始めたら再開します。

「隙間花壇」は実はコロナ禍の間に雰囲気が大分変わって、洋風のお洒落な花壇になっております。私としては以前の自然な感じが良かったのですが、こちらも一度今の姿をご紹介したいと思います。

「読んだ本の話」も書いていきたいです。

相変わらず”遅読”で”並行読み”です。

今は、

①戸川幸夫(イリオモテヤマネコを発見した動物文学作家)著のシートンの伝記

②新田次郎著「孤高の人」

③椎名誠の「怪しい雑魚釣り隊シリーズ」

などを読んでおります。

中でも新田次郎「孤高の人」は久しぶりに本にグイグイと引き込まれていく感覚を味わっております。

このように、能楽には全然関わらない内容も多いブログではありますが、頑張って書いて参りますのでどうか今後ともよろしくお願いいたします。

もう春一番…

今日は水道橋宝生能楽堂にて「宝生会定期公演」の申合があり、私は能「巴」の地謡を勤めました。

能「巴」は”粟津が原の合戦”を描いた曲で、謡の中で「頃は睦月の空なれば、雪はむら消えに残るを」とあります。

早春とは言え、まだまだ寒風が吹き荒ぶ野原の風景が浮かぶ謡です。

旧暦睦月ならばちょうど今頃か、もう少し後の頃の出来事のはずです。

しかしながら、今日の東京は寒風どころか「春一番」が吹いて気温は20℃まで上がりました。

私はシャツにカーディガンという軽装で、完全に春の服装でした。

申合の後に九段下の「わんや」に謡本を求めに行くと、わんや社長が出てきて、

「桜が咲きそうな気候ですね…!」

確かにこの陽気では桜も驚いて早咲きしそうな気がします。

さらに沖縄在住の知人からは、

「車の温度計だと外気温は29℃です…」

という便りもあり、桜どころか夏が来てしまいそうです。。

おそらくこの調子では今年の夏も酷暑になる事でしょう。

暑さの苦手な私は、そのつもりで今から色々な暑さ対策を考えておかねばと思ったのでした。

絵画用バッグ

今日は江古田稽古に行こうとして西武線江古田駅を降りると、ちょっと変わったカバンを肩に掛けた高校生達と沢山すれ違いました。

すぐにピンと来たのが、

「ああ、今日は日大芸術学部の入試だったのか」

という事でした。

“ちょっと変わったカバン”というのは絵画や画材などを入れるカバンで、下の写真のような感じのものです。

これを肩に掛けた高校生達は、おそらく美術学科の入試を終えた所なのでしょう、どこかホッとしたような顔をしていました。

ところでこの写真の絵画用バッグ、実は私のモノなのです。

しかし私には全く絵画の心得はありません。

では何のために持っているのでしょうか…?

バッグを開けると中に入っているのは…

何故か100均で買ったコルクボードが2枚…

サイズは40×60cmです。

これでわかる方はいらっしゃるでしょうか。

答えは、

「裃用カバン」

なのです。

ちゃんとした裃用カバンは結構高価なのですが、この「絵画用バッグ」と「コルクボード」の組み合わせだと総額1800円です。

コルクボード2枚に裃を挟んで絵画用バッグに入れると丁度ピッタリと収まります。

またコルクボードの包装ビニールを剥がしていないので、ある程度の防水効果もあるのです。

紋付袴は丸めて収納できるのですが、裃の”カミ”だけは折り畳めません。

裃の持ち運びにお困りの方がいらしたら、この絵画用バッグ、お薦めいたします。

カラオケボックスに行く目的は…

一昨日、若手OBOG合宿初日の稽古が終わった後の事。

OBのT君が、

「え〜と、私これからカラオケボックスに行くので…」

と言うのを聞いて「まだ歌い足りないのか…!」と驚きました。

しかしT君は、

「カラオケボックスで笛を吹きたいのです。1日に最低30分は笛を吹く事に決めているので」

なんと、笛の稽古でしたか。

しかし毎日欠かさず最低30分とは大変立派な事です。

するとOBのM君も、

「私もよくカラオケボックスで大鼓の稽古します。この間は部屋に入って”‼️‼️”と稽古を始めたら、店員が”大丈夫ですか⁈”と飛んで来ましたよハハハ」

…入室した途端に険しい顔で意味不明な絶叫を上げ始めるお客さんを見た店員さんは、さぞかし狼狽した事でしょう。。

その後、カラオケボックス稽古を終えたT君が晩御飯の会場にやや遅れてやって来ると、T君とM君でまたひとしきりカラオケボックス話で盛り上がっていました。

「稽古し放題30分290円で、ソフトクリーム食べ放題のカラオケボックスがあるんですよ!ソフトクリームだけで元が取れるという…」

「コートダジュールっていうカラオケボックスが良いんですけど、京都にあまり無いんですよね」

などなど…

仕事の合間にカラオケボックスで稽古をして、真面目な顔で1人でソフトクリームを食べている彼らを想像すると、何かとても微笑ましい姿に思えて笑ってしまいました。

1件のコメント

若手OBOG合宿が無事終了いたしました

京大宝生会若手OBOG合宿が無事終了いたしました。

舞囃子:八島、羽衣盤渉、邯鄲盤渉。

謡:実盛クセキリ、阿漕後半、敦盛能地、葵上。

あとは仕舞が歌占クセ、善知鳥、橋弁慶などおよそ20番ほど。

これらを2日間にわたってみっちりと稽古しました。

現役の合宿のように途中で散歩したりもせずに、只管稽古です。

OBOG達なので、仕舞や舞囃子の地謡もどんどん謡ってもらいました。

能舞台に近い環境で稽古できたので、非常に実り多き合宿になったと思います。

この成果は先ずは来週京大能楽部BOXにて開催される「仕舞100番舞う会」で披露されます。

今年の「100番舞う会」は、1回生達にとにかく沢山の仕舞を見てもらって、次に稽古したい仕舞を決めたり、将来習いたい曲をイメージしてもらったりするのが一番の目的です。

若手OBOG合宿で稽古した多くの曲が、1回生達の心に響く事を願って帰路につきたいと思います。

京大宝生会若手OBOG達の近況

今日は京大宝生会の若手OBOG達の近況を。

コロナ禍で色々な活動が制限されていた時期にも、若手OBOG達は弛まずに稽古を続けておりました。

その成果として、この数年で4人の30代若手OBが”教授嘱託”の資格を取りました。

現在彼ら4人は「七宝会」など関西宝生流の公演にも地謡として出演しております。

澤風会大会においても、京都大会で能「鶴亀」「小督」「蝉丸」「龍田」のシテとツレ、東京大会で能「夜討曽我」ツレなどを始め、実に多くの熱気溢れる謡や舞を披露してくれました。

そして今年も、3月9日(土)10日(日)に宝生能楽堂にて開催される「20周年記念澤風会東京大会郁雲会大会」において、

舞囃子「八島」を始め能「敦盛」地謡、素謡「昭君」、また仕舞10番ほどを若手OBOGが勤める予定です。

そして今年新たに教授嘱託取得を目指している人もおり、コロナ制限が無くなった今、彼らの活動はますます盛んになっていくと思われます。

実は今日明日とその京大宝生会若手OBOGの稽古合宿をいたします。

先ほど書いた澤風会郁雲会の舞台の他にも、今月末に予定されている「京大宝生会仕舞100番舞う会」に向けての仕舞稽古、また秋の「京都澤風会大会」に向けた舞囃子稽古など、みっちりと稽古したいと思います。

松本での新しい試み

信州松本で私が謡と仕舞の稽古を始めてからもう14年目になります。

途中から太鼓と小鼓の先生も加わり、段々賑やかになりました。

澤風会郁雲会大会で松本から能を出したり、夏の松本城薪能の前座で天守閣前で仕舞や太鼓を披露したり…

そしてこの度、小鼓方の先生より

「今年松本で新しい試みをしませんか?」

という打診がありました。

それに伴いこれまでは”仕舞と謡”、”小鼓”

、”太鼓”

と分かれていた教室を統一するような、新しい団体名を考えようという事になりました。

しかしこれが意外に難しいのです。

「松本」「能楽」「舞」「鼓」

などに関係するキーワードを挙げたり、小鼓方と太鼓方と私の3人を表す単語を探したり…

その「新しい団体名」と「新しい試み」に関しては、また話が進んで行く段階で発表して参りたいと思います。

松本で能楽が深く根付いて発展していくための新プロジェクト、私も今からとても楽しみです。