ゴロゴロ、ドカーン
私の6月最初の朝は、雷から始まりました。
まだ夜が明けない早朝4時半頃に窓の外で「ゴロゴロ、ドカーン」という感じの大きな雷鳴が鳴って目が覚めたのです。
今、雷の音を「ゴロゴロ、ドカーン」と表現しましたが、能の中では「加茂」などで、雷鳴を「ほろほろ とどろとどろ」と表現していますね。
能の時代の擬音語は、現代の擬音語と違うものがいくつかあって面白いです。
すぐに思いつくものを挙げてみます。
「ちょう」…能「小鍛冶」で、刀を鍛える為の槌を打つ音。
「きり はたり ちょう」…能「呉服」、能「松虫」で、機を織る音。転じて秋の虫の声。
「とうとう」…能「鳥追」で、鳥追いの太鼓を打ち鳴らす音。
「からり」…能「兼平」で、兜に矢が刺さる音。
「くわっ」…能「舎利」で、炎が燃え上がる音。
「ほろほろ はらはら」…能「砧」で、砧で衣を打つ音。涙が落ちる音とも掛けている。
…頑張って考えてこの位で、意外に少ない気がします。
一方で現代には膨大な量の擬音語が溢れています。
これはやはり「漫画」の存在が大きいと思います。
例えば、野球漫画でボールを打つ音だけでも「カキーン」「キンッ」「ガッ」「ゴッ」「パァン」「バキッ」などなど。「ぐわらごわきーん」というのもあります。。
現代と室町時代と、どちらの在り方が良いとか悪いとか、難しいことはわかりません。
しかし、現代に溢れる新しい擬音語達の中で700年後に残るものがあるのか、あるならどんなものが残っているのか、それが興味あるところです。
因みに能楽に出てくる擬態語や擬声語なども中々面白いので、また別の機会に書いてみたいと思います。