静岡能での「石橋 赤黒」

今日は静岡のグランシップホールでの「静岡能」に出演して参りました。

今回は宝生流では170年ぶりに作られた”小書”である「石橋 赤黒(しゃっこく)」

が演じられ、私は地謡を勤めました。

これまであった小書の「石橋 連獅子」は親子の赤獅子と白獅子が舞いますが、今回の「赤黒」では対立する赤獅子と黒獅子が出てきます。

私は今回初めて拝見したのですが、一畳台の上で2頭の獅子が腕(前足?)をぶつけ合ったり、確かに対立し合っているように見えました。

しかし2頭は最後には互いの立場を認め合う、という演出で、これは昨今の世界情勢を考えると非常に深い意味が込められていると感じました。

能楽は室町時代から基本的には変わらないといわれていますが、「赤黒」のような小書は、後世の人が見ると令和時代の日本を知る手掛かりにもなるのかと思われ、大変興味深く思いながら地謡を勤めさせていただきました。

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