お経のような声明のような

今日は「神保町ひまわり館」での稽古日でした。

以前の田町稽古場であった港勤労福祉会館が閉鎖されたため、神保町ひまわり館に移って田町組の稽古を続けているのです。

しかし今日の稽古場一番乗りは、田町組の人ではありませんでした。

「こんばんは、お久しぶりです。どうかよろしくお願いいたします」

と言って合掌した彼は、以前に「永平寺の修行僧」という題名でブログに書いた、京大宝生会の若手OBのT君です。

永平寺の修行を終えてから、山形県新庄にある実家の大きなお寺で僧侶として頑張っているそうです。

実はお寺の仕事で度々東京に来ているそうで、去年くらいから予定が合う時には神保町稽古場に来てくれているのです。

T君「野守の仕舞をよろしくお願いいたします」

彼は今、実家のお寺に辰巳大二郎さんを招いてそちらでも稽古をしています。

「野守」は大二郎さんに一通り習ったとの事でしたので、舞って見せてもらいました。

すると…

「東方降三世明王…」というシテ謡まできたところで、私はある事に気がつきました。

このシテ謡は節が長くのびて、

「とお〜ぼ〜お〜〜お〜〜〜〜〜〜」

という風に謡います。

それが非常に「お経」っぽく聴こえるのです。

去年T君が神保町稽古場に初めて来た時にも、久しぶりに彼の謡を聴いて、

「お経の要素が加わって、謡に深みが出たなあ」

と感じました。

しかし今回の「野守」では、長くのばす節がまるで「声明」のようにも聴こえて、何か有り難いものを拝聴しているような気分になり、思わず合掌したくなりました。。

この「野守」の仕舞は、来たる3月9日、10日に宝生能楽堂にて開催予定の「澤風会郁雲会」で披露されますので、ご期待くださいませ。

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