翁堂の翁最中
能「翁」の披きの時には、内祝として楽師や関係者の皆様にお寿司やお菓子などを差し上げる事が多いです。
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私も今回の翁で内祝の品を色々と探してみました。
松本稽古場の近くに「翁堂」という老舗お菓子屋さんがあるのは以前から知っており、何か良いお菓子があればと稽古の行きがけに立ち寄ってみたのです。
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すると、その名も「翁最中」という翁の能面を象ったお菓子があるではありませんか!
その場で一つ購入して味見したところ、これが非常に美味しかったのです。
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迷わずに大量注文して、先日の能「翁」の前日に宝生能楽堂に届いたのがこちらです。
中には翁最中が6個入っております。
翁のお顔はこんな感じ。
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この翁最中を、今回は合計500個頼みました。
笑い話なのですが、松本から今回の私の翁を見に来てくださった方が、私への手土産に「翁最中」が良いと思い、年明けに翁堂に買いにいらしたそうなのです。
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「翁最中ください」
「申し訳ございません、翁最中の大量注文が入って、当分品切れなのです」
…ごめんなさいそれは私のせいです。
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この翁最中、食べる時にちょっと驚く事があります。
最中を割ってみると…
中はなんと緑色の抹茶餡なのです。
楽屋で、ある偉い先生に翁最中をお渡しする時に「中が緑色なのでびっくりなさらないでください」
と申し上げたところ、
「翁は宇宙人という説もあるそうなので、血が緑色なのかもしれませんね」
と言われて逆にびっくりしました。
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翁堂の方は、「翁宇宙人説」に則って餡を緑色にしたのでしょうか…⁇
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ともかく、翁最中は楽屋でとても好評で、皆様に喜んでいただき嬉しく思いました。
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ちなみに翁堂は和菓子だけでなく、こんな洋菓子も並んでいました。
狸やフクロウ、パンダなどの動物ケーキです。
こちらもとても美味しそうで、次回は是非購入してみようと思いました。
松本城からすぐ近くの「翁堂」。皆様も松本にお越しの際は是非おすすめいたします。
通りがかりに失礼いたします。
能の翁のことをいろいろ調べていたところ、こちらのブログにたどり着きました。演者目線の翁の記事が大変興味深く拝見しました。
最中の餡が緑色というのは、松をあらわしているのではと思いました。確か能「高砂」には翁と松が出ていたような気がいたします。茶道の表千家が初釜で用いる菓子に常盤饅頭というものがあります。その饅頭は、皮は白く餡は緑です。緑の餡は千年変わらぬ松の翠をあらわしていると聞きました。そこから翁最中の餡の色も常盤饅頭と同じ理由なのではないかなと思った次第です。
個人的には翁宇宙人/緑の血説が面白くて好きです。