初の試み「3部制番組」
第7回東京澤風会・郁雲会大会の番組は、3月の時点で一度完成して印刷まで済んでおりました。
しかし2度の延期で内容がすっかり変わってしまい、根本的に作り直すことにいたしました。
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団体での素謡が6番減るなど、やはり規模はかなり小さくなってしまいました。
時間を計算すると、約300分。
朝10時始だと、15時には終わってしまうことになります。
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先ずは漠然と、「これを午前と午後の2部制にして、間に換気のための休憩を1時間挟んだらどうだろう」
と考えました。
能楽師も出演者も半分に分ければ、楽屋も三密が避けられるのでは…と思ったのです。
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しかし、何故か番組を2部に分けるのが非常に困難でした。
会員さん達の希望、能楽師の都合などを色々考慮していくと、どこかに矛盾や破綻が生じてしまうのです。。
超難解なパズルに嵌った時のように、番組の下書を睨んで唸る日々が続きました。
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そしてある日、遠隔稽古の帰りに道を歩いている時に突然「2部がだめなら3部制にすれば?」という考えが降ってきたのです。
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思えば依頼しているシテ方能楽師は私以外に9人でした。
3部制ならば各部に3人ずつでちょうど割り切れます。
番組も3分割だと不思議に上手く配分できて、ついに「100分間舞台、40分間換気休憩」を3回繰り返すという構成の「3部制番組」が完成したのでした。
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結果を見てみると、楽屋での三密はかなり避けられたと思います。
それに加えて、見に来てくださったお客様からは、「3部制は時間がわかりやすかった」との声がありました。
3回の仕切り直しで遅れや早まりがリセットされて、時間のズレは殆どありませんでした。
その為に、見たい人の舞台の時間が正確にわかる、という利点もあったようなのです。
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という訳で、苦心の「3部制番組」は何とか上手く機能してくれました。
しかし今回は、番組構成以外にも色々難しい課題があったのです。
それはまた次回の稿で書かせていただきます。