仕舞の作法:前編
澤風会東京大会が3月25日(土)に矢来能楽堂にて開催されます。
本番が近くなり、稽古も仕上げ段階に入って参りました。仕舞も大体皆さん完成して来たのですが、ここで意外とやっかいなのが切戸を出てから舞い始めるまで、また舞い終えてから帰るまでの作法です。
せっかく仕舞が上手でも、作法が間違っていると勿体無いので、今日明日2回で順を追って、仕舞の作法を確認したいと思います。
今回は1人で舞う場合を書いてみます。
①切戸から出る時は右足から。出たら一度両足を揃えてきちんと背筋を伸ばす。
②舞台の縦方向の中心線上の、舞台から横板1枚分位(15cm位)後ろを目指して斜め前方に歩き、その位置で前を向いて正座する。
③袴から手を出し、扇に両手を添えてから抜き、扇を右側に置く。置いたら両手はしまわずに膝頭に置く。
④地頭から「扇前へ」などの声がかかったら右手で扇の真中を持ち前に回す。
⑤右手を扇の竹の部分にずらして、仕舞で持つのと同じように持って膝の上へ持ち上げる。持ち上げたら左手を下から添える。
⑥両爪先を立て→左膝を立て→立ち上がる。立ち上がったら扇に両手を添えたまま、腰の高さで持つ。
⑦大小前(横板から1m位前)まで数歩歩く。可能なら左足から出て左足で止まる。
⑧扇から左手を離し、右足を一足引いて下に居。扇を開かない物はそのまま仕舞を始める。扇を開く物は、下に居してから改めて両手を持ち上げて扇を見ながら開く。
これで漸く仕舞が始まります。明日は終わった後の作法を書きます。