長野県巡回公演 3日目
早いもので、3日間にわたる長野県巡回公演も今日が最終日でした。
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今日の小学校は3校の中で一番遠くにあり、長野駅前からバスで1時間半ほどかかりました。
千曲川を渡ったり、長いトンネルをくぐったりして、やがて辺りは長閑な田園風景に。
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そしてバスは山間の村の小学校に到着しました。
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昨日とは打って変わって、空は綺麗に晴れ渡りました。
爽やかな夏空の下に広がる人気の無いグラウンド。
何か郷愁を感じさせる小学校の風景でした。
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しかし公演開始前に体育館に入って来た子供達は、実に活発で元気一杯の様子でした。
豊かな自然に囲まれて、のびのび育っているのでしょう。
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御囃子方の短いワークショップも楽しんでくれたようで、能「黒塚」の後シテの出囃子が始まると、太鼓や大小鼓の手を真似てリズムをとっている子供が何人かいました。
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繰り返しですが、今回は子供達が本当に舞台の際まで座っていて、手の届きそうなほんの目の前で能や狂言が演じられたのです。
これまで色々な作り方の舞台を見て来ましたが、今回の「かぶりつきで観る舞台」という方法は学校公演においてはとても効果的だと感じました。
おそらく間近で観た子供達の心には、「能楽」が非常に強く印象付けられたことと思います。
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3日間で延べ700人程の子供達に観てもらった今回の巡回公演。
いつかこの先に、「あの時の長野県巡回公演を観て能楽に興味を持ったのです」という人とどこかの能楽堂で会えたら良いなと思いながら、帰りの新幹線に乗り込んだのでした。