「紅葉狩」「熊野クセ」「船弁慶クセ」
昨日は夕方から京大稽古でした。
今週末26日に迫った関西宝連前の最後の稽古で、特に新入生達は入部してすぐの初舞台なので必死の稽古です。
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手をちょっと震わせながら誠にぎこちなく運びを進めていく様子は、若干微笑ましくもありますが、見ているこちらまで手に汗を握ってドキドキしてしまいます。
「そうだ!右に丸く回って、真ん中で左足をかけて!サシながら角を向いて、そうそう!それで角では左止まりで、右捻って前向きながらカザシて…」
と心の中では大声で応援しながら仕舞を見ています。
新入生が何とか最後の左右打ち込みを終えて座ると、思わず「はぁ〜」と安堵の溜息をついてしまうのです。
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ちなみに京大宝生会では、入部したての新入生は「紅葉狩」「熊野クセ」「船弁慶クセ」のどれかの仕舞を稽古することにしております。
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これら3つの仕舞は、曲は違えど型はとても似通っています。
そして最初に覚えるべき基本的な型を網羅しているのです。
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私は新入生に仕舞を教える時には、見ている新入生全員に「この型は皆の仕舞に共通なのだけれどね…」と声をかけてから直すようにしています。
自分の稽古が終わった新入生は、他人の稽古を見ているだけではともすれば退屈してしまいがちです。
その点でも、共通の型が多い3つの仕舞を稽古することにはメリットがあるのです。
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新入生は他の新入生の仕舞を見ながら、その場で「マキザシ」や「カザシ」などを自発的にお浚いしてくれています。
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そして更に言えば、この基本的な仕舞を新入生に教えることで、上回生も今一度自分の型を見直すことが出来るのです。
3、4回生になると、今更「左右」や「カザシ」などを私が直接教えることはありません。
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しかし、私が新入生に教えている内容を「コピー」して他日新入生に教えることで、正確な型のやり方を再確認できるのだと思います。
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今週は京大宝生会の面々はおそらく毎日のように、空き時間を見つけては其々必死で稽古をすることでしょう。
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この必死の稽古の成果を発揮する舞台は、
・第6回関西宝生流学生能楽連盟自演会
(第118回京都宝生流学生能楽連盟自演会・第6回阪神宝生流学生能楽連盟自演会)
5月26日(土)朝10時半始 於河村能舞台
です。
皆さま是非ともお越しくださいませ。