希望に満ちた出発
春は色々と移動の季節です。
先日ブログに書いた松本で稽古していた女の子は、留学先のカナダに先週旅立っていったそうです。
また京大宝生会OGの1人は、やはり留学でオランダに一昨日出発したと聞きました。
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カナダもオランダも距離的には遥かに遠いのですが、何故か別れの寂しさはほとんどありませんでした。
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どちらも自分の意志での留学で、希望に満ちた出発だったというのがひとつ。
また現代では海外ともビデオ通話が容易であり、コロナ禍も明けたので、来年以降くらいにカナダやオランダに行って能楽公演、というのも可能なのです。
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翻って今稽古している能「昭君」では、子方の王昭君は心ならずも遠い異国に旅立つ事になり、嘆き悲しむ両親と二度と会う事もなく異国の地で悲劇の生涯を終える事になるのです。
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能には理不尽な話が多くありますが、この「昭君」を稽古していると、現代日本に生まれた自分の幸せをしみじみと感じてしまいます。
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先ずは留学した2人の海外での活躍を祈りつつ、出来る事ならカナダかオランダでの再会を願っております。