第12回関西宝連が開催されました
今日は京都大江能楽堂にて「関西宝連」が開催されました。
関西宝連としては12回目、前身の「京宝連」としては124回目になります。
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今回は幸いに有観客の舞台となり、たくさんの方々に観ていただくことが出来ました。
ちなみに昨年末の関西宝連は、京大宝生会は無観客となり、無人の見所に向けて舞うという可哀想なことになってしまったのです。
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それにしても今回で卒業する4回生達は、まさに波瀾万丈の4年間を過ごしました。
2回生の時に能「竹生島」を経験して、これからさらに高みを目指そうとしていた矢先にコロナ禍が始まりました。
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全宝連は結局それから2年連続で中止になり、彼らは金沢と東京には行けませんでした。
京大自演会「能と狂言の会」も昨年は中止、今年も小さい規模での開催でした。
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そんな逆境にもめげずに、彼らは稽古をひたすらに重ねていってくれたのです。
そして今日が現役最後の舞台。
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素謡「小督」は、シテ、小督、侍女、地頭を4回生で固めたもので、もちろん無本です。
普段よりやや離れて座っており、声を揃えるのが難しいかと思われましたが、役謡も地謡も良い位取りで声も揃っていました。
きちんと稽古をしてきたのがわかる謡でした。
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圧巻だったのが卒業仕舞です。
京大からは「杜若クセ」「八島」「三輪クセ」「殺生石」の4番が出ました。
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杜若クセや三輪クセは型もさることながら地謡が非常に難しい曲です。
しかも今回は切戸の密を避けるために大学毎に固めての番組でした。
つまり京大は4番連続で、舞ってすぐに謡って、という困難な状況だったのです。
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しかしこの4番は、4人それぞれが4年間かけて培ってきた個性が見事に開花した、素晴らしい舞台でした。
歴代の先輩達の舞台にも全く引けを取らない、非常に高いレベルの仕舞をみせてくれたのです。
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終了後の講評で山内崇生先生が、
「今日の君達は、自分で自分を誉めてあげてください」
と仰いました。
私も全く同感です。
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そしてその4回生の姿勢は確実に後輩達にも受け継がれています。
2、3回生の無本での素謡「土蜘」が、全員全力で声を出して、非常にパワフルで気持ち良い舞台だったのです。
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4回生がいなくなるとさびしくなりますが、今度は後輩達が更に下の世代へと、京大宝生会のバトンを繋げていってくれるに違いないと確信できた舞台でした。
学生の皆さん本当にお疲れ様でした。素晴らしい舞台をどうもありがとう。