4月夜能「杜若」の動画配信
4月になってからは、昨年同様に稽古も舞台もめっきり減ってしまいました。
しかしそれでも全く活動していない訳ではありません。
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動画配信の企画に、ゴールデンウィーク前後にいくつか参加いたしました。
その内で4月30日に収録された「宝生夜能〜語り部たちの夜〜」について紹介させていただきます。
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今回の演目は能「杜若」シテ高橋憲正です。
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番組の最初には、いとうせいこうさんによる「杜若」の現代語訳を、声優の森田成一さんが朗読します。
森田成一さんは能装束を着けて、途中で”物着”を挟んでの長い朗読でした。
場面毎に繊細に変化する声色や、迫真の表現力に圧倒されます。
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そして朗読の後には、
「いとうせいこう能楽紀行〜東下り編〜」
が続きます。
ここに私が解説者として出演しております。
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「いとうせいこう能楽紀行」も3回目になり、私もその撮影スタイルにやや慣れてまいりました。
ただ今回は、4月30日に生放送で配信が始まるという事で、時間を20分前後にまとめる必要がありました。
舞台の前に大きなデジタル時計が置かれて、常に時間を気にしながら話すのは、また違った緊張感がありました。
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能楽紀行に続いて、いよいよ能「杜若」が演じられます。
そして能「杜若」の後には、業平に因んだ演目として仕舞「隅田川」もご覧いただきます。
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更に演能終了後には、宝生和英家元とシテ高橋憲正、声優森田成一さんの鼎談もあり、非常に充実した内容になっております。
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各地で緊急事態宣言が継続中で、活動が制限される日々が続きます。
能楽堂に足を運んで実際の舞台を観るのが難しい方も、是非この機会に動画配信で能楽を多角的に楽しんでいただければと思います。
どうかよろしくお願いいたします。